The Back Rooms Story 〜Fanmade〜 作:犬社長
新章に入る前に蛇足みたいなもんですが、ちょっとだけ…
…次回から本当の新章です。
バックルームは広い…限りなく広く、そして多様だ。
…まだ誰も知らない世界がそこには広がっている。
そして、バックルームのずっと奥深くには……〈シグナスの書庫〉 そう呼ばれる場所があるらしい…………。
◇◆◇◆◇◆
…ソコには乾いた印刷の匂いが何時も漂っている。
見れば大量の書物が、コレまた沢山の棚に所狭しと詰め込まれていた。
ーーーーーー巨大な書庫…この光景を見た人は皆そう思うだろう。
そんな書庫には、とある秘密の部屋が1つある。
まるで事務室の様な内装の、その秘密の部屋の中で向かい合っている影が2つ。
…その内の1人は、あの電車の車掌だった。
『………どうか、
静かな部屋の中に車掌の声が響いて消える。
車掌の前には椅子が一つあって、その椅子に1人の金髪で薄緑のドレスを着こなした美しい女性が座っていた。
『…ダメね。おそらくソレは認められない。』
彼女が口を開く。
優しさの中に確かな威厳をはらんだ、透き通る様な声だった。
『…ソレは
『………。』
『貴方に与えられた役割は電車の運行を司る事のみ。ただでさえ、個体名:トム・マクフライをレベル0からレベル1へと進行する列車に無断で相乗りさせたのに、ソコからさらに越権行為を繰り返すつもり?』
部屋の空気が微かに揺れている…彼女が少し苛ついているのだと、車掌は感じていた。
『…もし私が許したとしても、〈
『…でしょうね。私とて、この提案がこの世界の秩序を乱す事であると十分理解しています。』
『また
ーーーーーーー何も知らない人が聞いても理解できないであろう会話が、2人の間で飛び交う。
『…〈the dark metro〉ですか?やはり貴女はアレが今回のペナルティだと?』
『そうね、可能性は高いわ。だから、悪いことは言わないわよ〈運行者〉。貴方の計画ーーーーーーアッチの世界から落ちてくる人達全員を〈the metro〉へ導く為だけに電車を動かすのは、止めておきなさい。ソレは、電車の行き先を決めてはならないと言う貴方に課せられたルールに違反する。』
『ーーーーーー例え、今の様にレベル0 で〈
彼女ーーーーーーこのシグナスの書庫の管理人ーーーーーーーー〈
『……そう、ですか。しかし、私は諦めるつもりはありません。アチラの世界からこの世界に独りで迷い込み、孤独に彷徨った挙句
車掌も又、ブランシュの顔を見据えながら言う。
そんな車掌の顔を見てブランシュは微かに微笑んで呟いた。
『変わったわね。貴方は…やはり出会いはヒトを変えるのね。…私も尽力するわ。今すぐは無理でも、いつか必ず。』
そう言ったブランシュに車掌は深く頭を下げた。
『ーーーありがとうございます。』
『…別に良いわよ、これぐらい。私に出来る事はこれしかないから。』
ブランシュは軽く手を振る。
『私の本が有れば…さまよえる人達をこの〈シグナスの書庫〉に招き入れる事ができるーーーーートム・マクフライ達も持っていれば良かったのにね。』
『…もしも持っていたら奇跡の様なものでしょう。』
『そうね。まぁ、レベル1で私の本を見つける可能性は限りなく低いでしょうけど。』
『…では、私はこの辺りで失礼します。そろそろ次の電車なので。』
『ええ、いってらっしゃい。遅れたら大変よ?』
もしそうだったら良いねと、2人は思いながらそれぞれの持ち場に戻っていった。
…さて、トムがレベル1で手に入れた本はなんだったっけ?
トム「この本重いし、デカくて嵩張るからもう捨てよっかな?」