The Back Rooms Story 〜Fanmade〜 作:犬社長
◇◆◇◆◇
…飢えて闇の中を彷徨っていた。
(腹…減った…何か…喰らいたい…)
しかし、闇の中を長く彷徨っても、
(…エサ…無い…あの
ーーーそう思いながら、
そんな時、
それは、こちらに背を向けて、山積みのダンボールを漁っている。
(…初めて…みるヤツだ…
自身の記憶の中にある、
(…
しかし、結局飢えには勝てず、
(でもコイツは…青い…きっと違う…きっと弱い…なら、喰う!!)
「……?後ろに何か…。」
ダンボールを漁っていた影がこちらを振り向いた瞬間、
◇◆◇◆◇
トムが後ろを振り向いた時、最初に目に映ったのは自分の首に向かって伸びる腕だった。
「ーーーぐうッッッ!!?」
続けて首に衝撃を感じる。
ーーーそのままトムの首は、万力に挟まれたかの様に締め上げられた。
「ーーーがッッ!!」(息が…!出来ない!!)
首に驚く程冷たい手の指が絡まって、自分を絞め殺そうとしてくる。トムは無我夢中で手に握りしめていたサバイバルナイフで首を締める腕に切りつけた。
ザクッと切った感触が手に伝わってきて、腕が首から離れる。
トムは激しく咳き込みながら、一体何が起きたのか見ようとした。
「…うっ…ごほっ!!…なんだコイツは!!……
トムの前に現れたのは、手と足が繋ぎ合わさった肉塊の如き化け物…そうとしか表現できない怪物だった。
……名を〈
〈
「ーーーーこっち来んな!!化け物がッ!!」
トムはナイフを構えながら後ずさる。
〈
しかし、トムが振るったナイフにまた腕を傷つけられて引っ込めた。
今のうちにと、トムが距離を取る。
「…なんだよアイツ!今まで見て来たどんな奴より悍しい見た目だなッ!!」
悪態をつきながら、その場から逃げようとするトム。しかし、この事務室には入口が一つしかなかった。そして、その入り口は〈
「…逃げ場なし…か。ーーーこの化け物をナイフだけでやれと…?」
昔、ハマったゾンビゲーをナイフ一本でクリアしようとした時の事が、頭によぎった(結局出来なかったが…)。
躊躇うトムの中前で、〈
無数の手が蠢くと、その奥の胴体らしき箇所に無数の歯がついた口が見えた。…ソレがトムには笑っている様に見える。
(捕まったら…あの口に喰われて終わりだ…。)
ついさっき掴まれたばかりの首がジンジンと熱をもって痛む…冷や汗が頬を垂れていくのをトムは感じた。
「…………。」
『ーーーーーーーーーーー。』
ーーー暫くの間、互いの睨み合いが続く。
…先に動いたのは意外にもトムだった。
「……ココでまだ…死ねるわけないだろうが!!」
そう叫んで、素人感丸出しなナイフの構えで突っ込んでいく。
「ーーーージョンが待ってんだ!!逃げられないなら…オマエをココで斃してでも行くッッッ!!」
『ーーーーーーーーーーーー。』
〈
「ーーーーーー土壇場の人間なめんなァァァァァァァァ!!!」
勇気を振り絞り、目の前の腕にナイフで切りつけながら叫ぶトム。
次の瞬間ーーーーー鳩尾に 〈
「ーーーーーーがはっ!?」
蹴り飛ばされた勢いで吹き飛び、背後にある山積みのダンボールに突っ込んでしまう。
音を立てて崩れるダンボールの山。
ーーー中身があたり一面に散らばり、床に散乱する。
…震えながら起き上がろうとするも、鳩尾を蹴られたせいで息が詰まる。
「……うぅっ。くそぉ!!痛ぇ!!」
こんな事なら、ビルみたいに喧嘩強くなっておくべきだった…と、トムはふらつきながら思う。
〈
(…ここで死ぬのか…俺は……)
あたり一面に散らかったガラクタの山に崩れ落ちたトムは、自分の意識が薄れて行くのを感じた。
ガラクタの山を掻き分けて近づいて来た〈
ーーーーーーカランッ……
その時、トムの手の中に何か光るモノが落ちて来た。
ソレは、きっとガラクタの中に混じっていたのだろう。…小さな四角い〈ライター〉だった。
(…ライター………あ、爆竹ーーー!)
ソレを見た時、トムは咄嗟にーーー(どうしてそんなに素早く動けたのか、自分でも分からないが)ーーーライターを掴んで、さっき手に入れたばかりの爆竹の導火線に火を付けた。
そして、 今まさに自分を食べようとしている〈
ーーーーパァンッッ!!!
〈
『ーーーーーーーーーーーー!?!?!?!?!?!?!?』
〈
…口の中で爆竹が爆ぜたのだ…想像を絶する衝撃だろう。
そんな悶絶する 〈
「ーーーーうわぁぁぁぁぁああッッッ!!!」
トムは無我夢中で椅子を何回も、何回も、〈
意外と重い椅子が、〈
しかし、それでも〈
「ーーーーーーおまえ……いい加減に…」
トムは咄嗟にナイフを掴んで目の前の〈
…何度も、何度も、狂ったようにナイフを突き刺していく。
「…くたばれよぉぉぉぉぉぉぉぉぉッッッ!!!」
〈
しかし、〈
…しかし、ここで止めたら、死ぬのは自分だとトムは理解していた。
そして〈
…
◇◆◇◆◇
ーーー暗い駅の事務室で、2つの存在が自らの命を掛けて
ーーーーーーバキッ
ーーー殴られた衝撃で口の中が切れて血が流れる。
ーーーーーーザクッ
ーーーナイフの刃に当たった〈
ーーーーーーガスッ
ーーー〈
「う…ーーーーーーァァァァァァァァッッッ!!!」
『ーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!』
…それでも、意識だけは絶対に手放さない。トムは叫びながら、鮮血で真っ赤に染まったナイフを突き刺し続けた。
◇◆◇◆◇
ーーーやがて、暗闇の中の闘いに、終わりの時が来る…
…長い闘いを制し、最後に立っていたのは……
「はぁ、はぁ、はぁ………どうだ化け物…ニンゲン…舐めるんじゃねぇぞ……。」
ーーーーーーーーーーーートムだった。
to be continue
バックルームのエンティティは頑張れば倒せます。
…勝率は低いけどネ。