The Back Rooms Story 〜Fanmade〜 作:犬社長
17話です!
トムと別れた後のジョン視点から始まります。
◇◆◇◆◇
20XX 年 ?月?日
back room Level〈the dark metro〉
[ジョン視点]
……トムが闇の中に消えていった。
彼の持っているライトの光が角を曲がって見えなくなる。
「…………。」
やがて、足音も聞こえなくなり、ジョンの周りは完全に静まり返った。
「……大丈夫だろうか…トムさん。」
ジョンは1人呟いた。
通路を満たす闇は濃く、そして冷たく、2人でいる時は忘れていた孤独な感情を掻き立ててくる。
…別に自分の事は置いていってしまっても良かったのだ。動けない程の怪我を負ってしまった以上、この厳しいバックルームの世界で生き残れはしないとジョンは考えていた。
今だってそうだ。トムが戻ってくるまでの間、あの犬の化け物達や、白い眼の巨人…それ等に襲われたら、ひとたまりも無い。
もしもトムが戻って来た時、自分が化け物達の餌食になっていたら…。
(例えそうなっても…トムさんは自分を責めないでくれ…それが俺の運命だったのだから…)
ジョンは闇の中で眼を閉じた。
…依然として、痛む脚に触れながら。
あれから、どれぐらい経ったのだろうか。
いつの間にか眠っていたらしいジョンは、闇の中から何かが此方にやって来る様な音で目を覚ました。
(トムさんが…戻って来たのか?)
ジョンは横に置いてある懐中電灯で音が聞こえた方向を照らす。
ライトの明かりで照らし出された影は……
……トムでは無かった。
「ーーーーー!!…トムじゃ無いッ!!」
…それは白く輝く丸い眼と、不気味な笑顔を浮かべ、闇の中に溶け込む様な漆黒の体を持つ怪物……そう、レベル1でトムの前に現れた〈
ジョンは〈
〈
一方で、ジョンは脚の傷のせいで身動きが取れずにいる。…あの口なら自分を一飲みに出来るだろうと、ジョンは思った。
(ーーー今度こそ、ここまでなんだな……すまないピーター…そしてトムさん…)
ーーーーー〈
…パンッッ!!
…眼を閉じたジョンの耳に、
「………え?」
眼を開くジョン。
…目の前には変わらず自分に迫り来る〈
…と思いきや、その口がそれ以上、自分の所に迫ってくる事は無かった。むしろ、後ろに下がっていく…そして〈
…ドサッ…
鈍い音をたてて、床に倒れ伏す〈
ジョンを食らおうと口を開けたその姿のまま、動かなくなる。
そして、光に当てられた影の様に縮んで、跡形も無く消滅した。
………死んだのだ。
「……な、何が起き………ーーー!?」
呆気にとられていたジョンは闇の中から別の何かが近づいて来る事に気づいた。
…暗闇の中に、青色に輝いた双眸が浮かび上がる。それも、1つではない。
それは金属類が軽く擦り合わされた時に立てる、カチャカチャとした音を立てながら、此方に近づいて来ていた。
「……1体じゃない…あの犬の目とも違う…今度は何なんだ?!」
身構えたジョンの前に、音の正体が姿を現す。
それはーーーーー
「……へ、
…全身黒ずくめの完全武装した5人の兵隊…そうとしか表せないモノだった。
顔は暗視ゴーグル様なものがついた、フルフェイスのヘルメットで覆われており、全身をまるで、対テロ組織の如き重装備で固めている。
そして、その内の1人の手には黒塗りの自動小銃が握られており、その銃口はジョンの頭に標準を合わせていた…。
「ーーーーーま、待ってくれ!!撃たないでくれ!!」
ジョンは両手を咄嗟に上げる。
…言葉が通じたかはともかく、その行動の意味は伝わったのだろう。構えた銃は下ろさないまま、〈黒い兵士〉が横にいる〈仲間〉の方をチラリと見やる。
そして、音質の悪いラジオのような言葉を交わした。
『…hbcfbdnskdifvfjdkxjz,¥/&Hbxk?』
『higgbdjn-¥%^*$Rgvc。』
『bjl #+€jpwm…』
(しゃ…喋ってる…だと?)
何語か全くわからない(もしかしたら、地球の言葉じゃないかもしれない)が、ジョンは強い衝撃を受けた。
(こ、この兵隊達はあの車掌さんと同じ、バックルームの知的生命体なのか…?!)
ーーージョンは、彼らが何者なのか知りたい衝動に駆られた。
しかし、今は余計な事ができない。あの車掌とは違って彼らは英語を話していない。ゆえに言葉が通じない可能性が高く、更に自分は銃口を向けられている状況だ。
(下手な動きをしたら…さっきの化け物みたいに撃たれる…)
そう考えたジョンは手を上に上げたまま、この兵隊達の判断を待つ事にした。
彼らは銃口を向けたまま、こちらに近づいてくる。
…そして、ジョンは5人に取り囲まれた。
『jcbdosknfifjn …whoay?』
兵隊のリーダー格らしき1人がジョンに話しかけて来る。
しかし、ジョンには彼らが話す言葉が分からない。
「…すまない…私には君たちの言葉が分からないんだ…。」
…コレも通じないと思うが、ジョンは一応謝っておいた。
『Jdushdiplll Italy ¥&?…~~~hm?』
目の前の兵隊が何か話し始めた…が、ふと話をやめてジョンの怪我をした足に眼を向けた。
「…コレか?怪我したんだ…ほら。」
ジョンが脚の傷を見せる。傷は火傷の様に真っ赤に染まっており微かな風が当たるだけで痛む。
(イッ……さっきより酷くなってるな……)
ジョンは傷を見ながらそう思った。
兵隊もその傷をじっと見ていたが、おもむろに立ち上がると、腰のポーチらしき物から、白い布のような何かを取り出した。
『hanGxnishsdncj=£$€*^~<Koshida』
(そ、ソレは…まさか、包帯!?)
ジョンの足に白い布……包帯が巻きつけられていく。
(……このヒト達は…助けてくれるのか…?)
『fbjiggbkchnid=•&…m—$^%Rhjko』
その時、包帯を巻きつけていた兵隊がジョンの横に置いてあるアーモンドウォーターを見て何か呟いた。
『Hxbjjjk¥&.。』
「…あ。アーモンドウォーター……。」
彼は、アーモンドウォーターを掴むと栓を開け、中身をジョンの傷ついた足にバシャッと掛けた。
「ーーー痛っ?!」(…ア、アーモンドウォーターを掛けた?)
傷に染みたジョンは思わず呻く。しかし、傷の赤みがすうっと薄れていくのを見て、驚愕した。
(…飲むよりも効き目が早くて強い…こんな使い方もできるのか。)
感心したジョンの足に、残りの包帯が巻きつけられていく。
そして包帯を巻き終わると、もう大丈夫と言わんばかりに彼が、足をポンと叩いた。
『……hbcynnk!』
これで良し!…と言われた気がしてジョンは思わず頭を下げる。
「ーーーあ、有難うございます!!」
目の前の兵隊は特に何も言わず、立ち上がった。そして、周りの仲間に何かを伝えている。
『bvghbnk&&%>€*€mwjd』
『…?dpwggjpdddmwj&)¥¥』
『hdbdoooqett&%|$<<』
彼らは暫く此方をチラチラ見ながら話し合っていたが、やがて、意見がまとまったのか、こっちに近づいて来た。
『gbjiiplmzxds…>~<>•£€gob』
兵隊の1人が何かジョンに言って、ジョンをヒョイっと持ち上げる。
…彼らの身体は鋼鉄の様に堅かった。
軽い荷物を持ち上げる様に抱えられたジョンは、これから自分が何処か違う場所に運び込まれるのだと何となく理解した。
「ま、待ってくれ!俺はここに居なきゃいけないんだ!仲間がまだ、戻って来てないんだよ!」
『……?』
『…?』
彼らは顔を見合わせた。何とか分かってもらおうと、ジョンは身振り手振りで伝えようとするが、伝わったかどうか怪しい。
(ーーーどうにかして、もう1人いるって事を伝えなきゃ、トムが置いてきぼりになる…。)
そうトムが考えていた時だった。
ーーー遠くから、幾つもの犬の吠え声の様な音が近づいて来た……。
(これはーーーーーあの犬の化け物達の声ッ?!…まさか、アレから俺たちをずっと追いかけてーーー?!)
『……!!wazdcvgbh!!!!』
『zvbbhduhas!!』
『20hbxosjbj..jbxh80bj!!!』
兵隊達が騒めきだす。
…そして足早に動き出した。いくら彼等でも、あの大群は厳しいのかもしれない。
こうなって仕舞えば、もう大人しくついていくしか無かった。どうせ、あそこに留まっても迫り来る化け物の軍団の餌食になるだろう。
既に、通路の反対側に爛々と輝く目が幾つも現れている。
足早に通路から走り去る兵隊達。ジョンも荷物の様に脇に抱えられて、その場からひき離されていく。
『kjopphb!!』
リーダー格の兵士が何か叫ぶと、別の兵士が小さな丸い球の様な物を迫り来る犬(〈
……ボンッ!!
ソレは地面にあたると爆ぜて白い煙を大量に吹き出す。…スモークグレネードだ。
煙の中を走る兵隊達。
兵隊の1人が叫んだ。
『ーーーーーーーNoclip!!!』
次の瞬間、兵隊達は壁に向かってジョンごと自らの体を投げ出したーーーーー。
「えっ!?壁にぶつかーーーーーーーー」
壁にぶつかりそうになった瞬間。
ーーーーー
◇◆◇◆◇
………
「う……あれ?ここは…?」
ジョンは薄っすらと目を開けた。
…まず最初に目に入って来たのはーーーーー
「……空?……外なのか?」
そんな訳がないと、ジョンは呟く。
そして起き上がって周りを見渡した時、ジョンは驚きのあまり開いた口が塞がらなくなってしまった。
「ーーーーーな、何だこりゃ…!……
ジョンの目の前には…
「何だこれ……夢?…まさか、バックルームから脱出したのか?俺は…。」
ジョンは眼前に広がる大都会を見ながら、呆然と呟く。
「いや、でもそんな…ありえない…そんなにあっさり出られる訳が……。」
…そう呟いていたジョンの後ろから、のんびりとした声が聞こえた。
「おや、文字通りここじゃ見ない
「ーーーッ!?誰だ!?」
振り向くジョン。
そこには……
(ーーー!!何だコイツは…顔が無い!!)
驚きのあまり、少し飛び上がるジョン。
のっぺらぼうはクスリと笑った(笑う口もないのに)。
「ああ、怖がらせるつもりはなかったんです…ところで私の言葉伝わってますか?」
「え、あ、ハイ…伝わってますケド…。」
未だ驚き覚めやらぬまま、頷くジョン。
のっぺらぼうは嬉しそうに何度も頷いた。
「良かった、良かった…
「はあ……。」
ジョンは何が何だか分からなくなってしまった。
つい先程まで、暗く死の気配が漂う放棄された地下鉄の様な場所で、大量の化け物達と生きるか死ぬかのサバイバルをしてた筈が、気がつけば、暖かな光に照らされた明るい大都会で、やけにのんびりと喋る
(ーーーさっきの一瞬で何が起きたんだ!!)
ジョンは頭を抱えたい気分だった。
…そんなジョンにのっぺらぼうが声を掛ける。
「ああ、混乱していらっしゃるんですか?…まぁ、無理もないですね。〈
ジョンは首を傾げた。
「安…全?…ここは一体何処なんですか?まだ、バックルームなんですか?」
「バックルームという呼び名に聞き覚えはありませんが、まだ、ここは我らの世界です。…そしてここはーーーーーーーー…」
ーーーーーのっぺらぼうは眼前に広がる大都会を指差して言う。
「ーーーーーーここはレベル11〈The Endless City〉。我ら〈
to be continue
…ジョン君レベル11に来ちゃいました。
(ちょっと展開が無理やりだったカモ…)
トム君置いてきぼり食らったけど、どうなるんだ…
次はトム視点で〈the dark metro〉からの脱出を書く予定ですヨ。
また次回〜