The Back Rooms Story 〜Fanmade〜 作:犬社長
この章はこの話で終わりです(多分)
ちょっと重要な事書いときます。
バックルームの皆んなが今何処にいるかですね。今の内に、整理しときましょう。
トム・マクフライ:〈the metro〉で車掌さん待ち
ジョン・ドゥ:レベル11にいる。
ピーター:レベル10からレベル11に移動中。
ジェニファー・ウィルソン:ピーターと一緒に行動中。
車掌さん:レベル33へ電車で向かっている。
こんな感じですネ。
◇◆◇
20XX年 9月 6日
場所:Back room Level 0〈Lobby〉(M.E.Gが建設したバックルーム前哨基地内)
「ーーーーーだいぶと、
「…ええ、そうですね。」
前哨基地の中で話をしている人影が2つ。
1人は白衣を着た男ーーーーーDr.ブラウン。もう1人は彼の補佐をする副リーダーの〈ビリー〉だった。
「最初はバックルームの不安定さに随分と苦しめられましたが、近々〈
「…良かったです。もう書類とか、機材が無くなる心配をしなくて良いんですね…。」
「ふふふ…まぁ、そういう事ですね。」
ーーーーー彼等の話題は、近々この前哨基地に搬入される予定の、不安定なバックルーム内部の空間を安定化させる装置ーーーーー〈
M.E.G機器開発部が制作したその機械には、バックルームと現実世界を繋ぐ〈
〈テスラ・コイル〉が発生させる、空間すら歪める程の磁気エネルギーを使い、バックルームの不安定な空間を固定するーーーーーソレが〈
「ーーーただ、まだ試作機なのでね。我々の期待する通りに行くかどうかは分かりませんが。」
「きっと大丈夫ですよ。開発部を信じましょう。」
『〜〜♪♪〜〜♪♪〜〜』
…そうビリーが言った時。前哨基地に軽やかなメロディーが鳴り響く。
音の出所は前哨基地の壁にかけられた大きな時計だ。バックルームの中で、時間経過をわかりやすく共有する為に、ある研究者が持ち込んだ物だった。1時間ごとに鳴るソレは音が大きく、前哨基地全体に響きわたるので、何処に居ても耳に入る。
「ーーーーーそろそろお昼時ですかね。音が大きすぎるなんて意見もありますが、あの時計は良いアイディアだと思いますよ…研究に集中していると、腕時計なんかは見ませんから。」
「そうですね。…それじゃ、私は
ーーーーー
「ーーーーああ、了解。」
ブラウンがそう返事をすると、ビリーは頭を下げてから前線へと走り去って行った。
その後ろ姿を見送ったブラウンは踵を返して、現実世界へ続く〈
「ーーーーーさて、こちらもやるべき事をしますかね…。」
それから10分ほど経った時だったーーーーーーーー
Dr.ブラウンは、管制室で書類業務を行なっていた。
時折、監視カメラを見て異常がないか確認していく。
特に変わりはない…いつも通り、研究員達は前哨基地に居て、アレやコレやと研究に没頭している。
いつもと変わらない時間…………
…ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリッ!!!!
ーーー突然鳴り響いたのは、緊急事態を告げる警報だった。
「ーーーーーなッ!?緊急警報ッ!?」
慌てて監視カメラを確認するブラウン。
「ーーーーー何処だ?何処から警報が鳴ったんだ!?」
監視カメラを確認しているうちに、〈
「ーーーーー皆さん!何があったんですか!?」
ブラウンの問いに、研究員達は怯えた様に口々と叫んだ。
「ーーーーーか、
「ーーーー怪物ぅ!?」
ブラウンは思わず聞き返してしまった。相当慌てているのか、研究員達は冷静さをかなぐり捨てて、何度も叫ぶ。
「真っ黒な細長い手足の化け物ですッ!!」
「…ソイツが前線にいきなりやって来たんだ!」
「ーーーーー俺たちは怪物に追いかけられて居るんです!!」
「こちら側に来る前に、早く〈
ブラウンは冷や汗をかきながら、監視カメラを見た。
確かに監視カメラには、何やら黒色の、人とはまるで違う
「何だーーーーーアレは……!」
解像度の良くない映像越しにも、ゾッとする様な異様な雰囲気をその
「Dr.ブラウンさん!!早く〈
叫ぶ1人の研究員の横で別の研究員が、その意見に反対する。
「待ってくれ!まだ、前線にいた同僚が戻って来てない!!今、〈
反論する、扉を閉める様に言った研究員。
「ーーーーー待ってたら、間に合う訳がない!!あの怪物の移動速度は恐ろしく速いんだ!!」
それを管制室で聞いて居たブラウンは、一瞬の悩みを振り切る様に、勢いよく立ち上がった。
「ーーー皆さん!!落ち着いて下さい!!〈
研究員達の内、何名かがそれを聞いて叫ぶ。
「ーーーしかし!?…逃げ切れていない研究員達はどうなるんですか!?」
ブラウンはほんの僅かに躊躇ったーーーーーが直ぐに、躊躇いの感情を押し殺す。そして、言い放った。
「ーーー
…彼はこちら側に居る研究員達とあちら側の前線にいた研究員達……2つを天秤にかけて、より大勢の命を助ける事を選択したのだ。
そして、前哨基地の一番〈
研究員達は、降り始める隔壁の向こう側に必死に此方に走ってくる人達を見た。ーーーその後ろに迫る怪物も。
「ーーーーー待ってくれぇぇぇ!!!!隔壁をッッ!!閉じないでくれぇぇぇぇぇぇ!!!」
隔壁が降りきる瞬間、ブラウンの耳に聞こえた声はビリーのもので…
ーーーーーガチャン!!
…何人も通さない、防弾防火防刃シャッターはもう、向こう側の全てを隠してしまった。向こう側で何が起きているかは……想像に難くない。
(すまない……皆さん……)
ブラウンは自分がやった事に半ば呆然としながら、閉じた隔壁をずっと見つめていたーーーーーーーー
◇◆◇
20XX年 9月 6日
場所:アメリカの何処か
真っ暗な空間に、ポツンとプロジェクターから投影された映像が浮かんでいる。
それを取り囲む複数の気配ーーーーー
…重苦しい空気が真っ暗な空間に漂っていた。
映像には、こんな文字が書き込まれている。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[極秘]
〜バックルーム移住計画〜
【 第17次 中間報告書 】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「…由々しき事態だな…やはり〈フィラデルフィアの証言〉は正しかったという事か。」
…何処からか、声が聞こえる。
「ーーーーーだが、今回の事件であの証言の正確性がまた一つ、明らかになったという訳だ。……我等の意思は変わらん。」
「ーーーーー
「…一応、完成自体はしているそうじゃ。ーーーーー儂等が制作を急がせていた〈
「ーーーなら、良い。…証言では、バックルームは複数の空間に分かれているらしい。ーーー証言通りなら、黄色い世界以外にも別の世界が広がっている可能性がある。…だが、先ずは怪物を何とかせねばな。」
「ーーーーーなら、〈B.R.C.U〉の投入じゃな……儂等の何十年前からの夢…そう簡単に閉ざされてなるものか。」
「…〈B.R.C.U〉か……幾つか磁気兵器のテストもしたい…装備枠は空いてるか?」
「ーーーーー勿論じゃ。」
「なら決まりだな。ーーー〈B.R.C.U〉を明日にでも投入する。結果は直ぐに出るだろう。」
「では、今回はコレにて解散ですかな?」
「…そうだな。第17次中間報告はコレで解散とする。次回は〈B.R.C.U〉の結果が出てからとしよう。」
ーーーーーその言葉を最後に、プロジェクターの映像も途切れ、空間に満ちる人の気配も綺麗さっぱり消え失せた。
◇◆◇
20XX 年 ?月 ?日
場所:Back room Level 10〈The Field of Wheat〉
[ピーター&ジェニファー視点]
小麦畑の真ん中にある道を、歩いていると、やがて霧が濃くなって来た。
…そして、2人は今、前すらろくに見えないほど濃い霧の中を歩き続けている。
「…霧が濃いな…でも、
ピーターの声にジェニファーは頷いた。
「ーーーええ、まるで霧越しに見るビルみたい……。本当にビルなのかしら?」
「…分からん。近づいたらわかるだろうね。」
ーーーーーその答えは、直ぐに明らかになった。
突然吹いて来た一陣の風に霧が払われる。
そして霧が無くなった時、2人の目の前には
「うおおおッ!?ーーーーーデッカイ街だぞ!?凄いぞウィルソンさん!!」
突然目の前に広がった大都会に、ピーターがあんぐり口を開ける。
ジェニファーもまた、驚きで固まっていた。
「嘘……凄く…大きい……それに綺麗な街並みね…。」
2人の周りには、もう小麦畑は無かった。綺麗なアスファルトで舗装された道と、その両脇に広がる高層ビルがあるのだ。前を向いても、後ろを向いても、高いビルに囲まれている。さっきまで歩いていた筈の小麦畑は何処にも見当たらない。霧の中を歩いている最中に、ここに飛ばされて来たみたいだ。
「やっべえ!!スッゲェ!!バックルームにこんなにでかい街があったのか!?」
興奮しているピーターが辺りを見渡して叫ぶ。
一方、ジェニファーはビルに掛けられた看板が目に入ったので、読んでみようとして居たが、見たこともない文字で書かれていたので、読むのをやめた。
(見たこともない文字……まだ、ここはバックルームの中なのね。)
ちょっと景色が見慣れた場所に似て居たので、もしやと思ったが、まだ現実世界に帰って来た訳じゃなさそうだ。
ただ、ここは限りなく現実世界に近かった。ビルがあって、道があって、顔のない人が………顔のない人!?
「ぴ、ピーターさん!あの…なんかのっぺらぼうが沢山居るんですけど!?」
ジェニファーは思わず、後ずさった。道を歩く沢山の顔の無い人間……それは、そこそこインパクトのある光景だった。
「うん。確かにのっぺらぼうだな。でも害は無さそうだぞ?ーーーハロー!今日は良い天気ですね!」
しかし、あんまりピーターは動じていない。それどころか、そばを通ったのっぺらぼうに挨拶までした。
のっぺらぼうは、軽くお辞儀をして通り過ぎていく。ただ、返事は返さなかった……喋る口がないからかもしれない。
「ーーーーーうん、害は無いね。中身はただの人と変わり無いのかも。」
「で、でも何だか生理的に私無理かもしれません……。」
ジェニファーは彼等が、少し苦手な様だった……
◇◆◇
街を歩いているうちに、2人は如何やら住宅街にやって来た様だった。
道をゆくのっぺらぼう達の中に、子供の姿が混じり始める。
「ここは、住宅街みたいだな〜。しかし、皆んな俺たちの事に気付いてんのかね。基本シカトじゃないか?」
ピーターの、のほほんとした声にジェニファーは顔を顰めながら、返す。
「私的には、こっちに興味を持ってこられる方が困るのでコレで良いですぅ…。」
「本当に苦手なんだな。顔が無いだけなのに…。」
そう言ってピーターは庭でBBQをしているのっぺらぼうの家族を見やる。…本当にここののっぺらぼう達は人間と変わりない生活を送っている様だった。
◇◆◇
やがて、住宅街の外れのような場所に出て来た。
そこにある、大きな街路樹の木陰で、2人は休憩を取る事にした。
「いやぁ…マジで街だな。こりゃジョンと一緒に居たかったぜ…。」
そう呟くピーターの隣で、ジェニファーは膝で〈
「ピーターさんの、お友達はまだ生きてますかね…?」
「生きてるって信じたいね。俺がなんだかんだ生きてるんだ…アイツもきっとーーーーーーーーーー」
「
ーーー生きてる筈…と続けようとした時、近くから、2人のものでは無い叫び声が聞こえて来て、思わず2人は飛び上がった。
「一体誰だ!?急に叫んだヤツはーーーーーーーーーー…!?」
声のした方に振り向いたピーターが口を半開きにしたまま、固まった。
ジェニファーはピーターとは違って、声の主をしっかり見る事ができた。
「ーーーーーピーター!?ーーーーーピーターだよな!?」
…ちょっと小太りな男性だ…グレーのシャツを着て、黒っぽいズボンを履いている。手に持っているのはーーーーー地図だろうか?…そして何より大事なことはその男は
「…………ジョン………。」
ーーーーーピーターが、絞り出すように呟いた。
「ーーーーーえ?この人がピーターのはぐれたお友達!?」
ジェニファーのちょっと驚いた声が住宅街に響いた………
to be continue
遂にピーターとジョン・ドゥ君が再会です!!
長かった…
因みに最初考えていた話としては、ピーターくんはLevel 0で運悪くノークリップしちゃった後、Level FUN =)に辿り着いてそこでパーティーゴアー達にパーティーされる(動詞)予定だったんですけど、結局今の状態に落ち着きました。
ピーター君のレベル間移動は以下のとうりです。
Level 0→Level −1(Level0で壁にノークリップすると行けるレベル)→一旦Level 0に戻ってくる→Level 1 (20日彷徨う・ジェニファーと出会う)…そして今に至る
って感じでした。レベル−1が描写無し、説明オンリーだったので分かりにくくてすいません。