The Back Rooms Story 〜Fanmade〜 作:犬社長
遂に扉は開かれた。
その先の世界は人類に希望をもたらすか−−−−それとも…。
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第二実験棟に開かれたバックルームへの扉に向かうジョン・ドゥ達探索班。
研究員一同が見守る中、彼ら四人は扉の前に並んだ。
あと一歩足を踏み出せばバックルームだ。
「ッスー…少し緊張する…しない?」
ジョンは周りの同僚の顔を伺う。(防護マスクで顔は見えないが)
「そうだな…多少。」
そう答えるのは彼の友人のピーター。
「僕もしてるよ。なんだか、この扉の線超えたら戻って来れなさそうでね…。」
ピーターに続き緊張した声色で喋るのは探索チームの三人目。
名前をフィンと言う。
「なぁに、たがが扉を一歩跨ぐだけだ。余裕よゆう。なんなら俺が一番先に足を踏み入れようか?」
他の三人とは違ってやけに自信のある声でサムズアップしているのは探索チームの四人目。
名前はベック。
「いや、一応探索チームのリーダーはジョンだからさ、記念すべき一歩目は譲っても良いんじゃないか?」
「お、そうか。フィンはどうだ?記念すべき第一歩目、興味あるか?」
「えっと…僕はどっちでも良いですケド…。」
「なら決まりだな。Mr.ジョン、足跡が残るぐらい思いっきりやっちゃってくれ!」
そう言って再びこっちに向かってサムズアップするベックに苦笑しながらジョンは足を上げた。
「ハハ…じゃあ、行くぞ?…これが最初の一歩だ!」
ダン!!と、ジョンの足がバックルームの黄色い床を踏んだ。
<バックルーム内部>
彼らが足を踏み入れた場所は扉から見た時と同じ黄色一色に支配されていた。
ブーーーン…と、耳障りなハム音が絶えず聞こえてくる。
「…やっぱり、ありふれた蛍光灯だ。どう考えても人工物の蛍光灯が何故…?」
フィンが天井を見上げて呟く。
「良いじゃないか、明るくて。」
そう言って笑うベックは、手に黄色と黒の警戒色の長いテープを握っていた。
テープの先端を誰かが持ち、反対側は現実世界に固定しておく。
探索をするときにテープを床に垂らして貼り付けながら進んで行き、戻る時はそれを辿っていけば、道に迷わず元の場所に戻ることが出来るのだ。
「バックルームの中について予想されていたことはただ一つ、無限の広がりを持つ。それだけだ。何も無い虚無が広がってた可能性だってあるんだからな、わからない事は調べていけば良い。だろ?Mr.ジョン。」
「んー、そうだな。とりあえず、探索と研究サンプルの回収をしよう。全くの未知の領域だ。空気すら重要な研究材料だぞ。」
そうジョンが言ったときには既にピーターが空気サンプルの回収を行なっていた。特別な事はしない、ただ試験管の蓋を開けて、また締めるだけだ。
「空気はこれでオッケーだぜジョン。」
「助かる。」
後で大気成分の調査が行われる事だろう。
四人は先へと進み続ける。
果てしなく続く黄色い世界をどこまでも、何処までも、歩き続ける。
バックルームは何処に行っても変わらないように思えた。黄色い壁と天井、そして微かに湿り古びた匂いを放つ床の黄色いカーペット。
大小様々な部屋や、幅や長さもまちまちな廊下を何回も通り抜ける。
けれども、何処も黄色一色に彩られ、部屋にも廊下にも何も無い。
どこまでも殺風景なのだ。
そしていつも誰かに見られている…そんな気がした。
今もそうだ。通り抜けた部屋の隅から、目の前にある柱の立ち並ぶ広い廊下の端から、何かはっきりとしない漠然とした視線をひしひしと感じる。
「これは…四人で来て良かったな…一人だったら今頃逃げ帰ってる。」
そう呟くピーター。
「僕もです。なんだかすごく不安になってきますよね…。こんな所に住めるのかな…?」
フィンも頷く。
「何も無いからじゃねぇか?…俺たち以外…ここからは生命の気配を感じない。」
そう言うベック。陽気だった彼も時間が経つにつれ、少し大人しくなっていた。
そして、今彼らの不安に追い討ちをかけるような出来事が起きていた。
現実世界側と通信がつながらないのである。
「外部と連絡が取れないのは痛いな…帰る時の方法をテープを辿って帰るって言うアナログな方法にして良かった…次から有線の通信機器を持ってきた方が良いかもな。」
「…ああ、俺たちの精神的安定の為にもな。」
ピーターは特に精神的疲弊が激しそうだ。
少し先を進んでいたベックが振り返って言う。
「ここらで帰還しないか?これ以上進んで何か得られる可能性は限りなく低い、幸いにも帰り道はわかるし。」
そう言ってベックは道標のテープを軽く引っ張った。
「ああ、そうだな。サンプルは収集できたしもう十分…………。」
そう答えたジョンは話を途中で止めることとなった。
ベックがテープを何度も手繰り寄せながら訝しげな顔をしていたからだ。
「どうしたベック…テープをそんな手繰り寄せて。」
ベックの焦った声が聞こえる。
「おかしいんだ…。俺が握ってるテープの反対側は現実世界にしっかりと固定されてるはず、こんなに軽く引っ張る事が出来るなんて…。」
その時ヒョイっとテープの切れ端がこっちに向かって床を滑ってきた。
「オイ、嘘だろ。」
その呟きは誰のものか。
彼らの道標だった一本のテープ、それはいつの間にか…
途中で切れていた。
to be continue
バックルームで連絡取れない、帰り道わからないは役満ですネ。
次回はもしかしたら、オリジナルエンティティが現れるかも?