The Back Rooms Story 〜Fanmade〜   作:犬社長

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39話 (最終話) 〈Escape from the Back Room〉

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 ネオンの輝きの中に身を投じたジョン達4人が辿り着いたのは、巨大なゲームセンターの中の様だった。

 

 

「ーーーーーーーー着いたのか…。」

 

 

辺りを見渡して、トムが呟く。

 

 

…ネオンの灯に照らし出された部屋の中には、沢山のアーケードゲームがズラリと並んでいた。

 

「ーーーーーゲーム機が沢山…すげぇな。こんなレベルが有るなんて…。」

 

 列を作って並ぶゲーム台を見て、ピーターが感心したかの様に呟いた。

 

ーーーそれにしても、凄い数である。もしかしたら…いや、もしかしなくとも、世界にある全てのアーケードゲームがこの部屋にはあるのでは無いか……そんな気さえしてくる。

 

…それに、此処にあるのはゲームだけでは無い。

 

 

「ーーーーーおおッ!!コッチにフードコートがあるぞ!?アッチには室内プール…だってよ!!色んな娯楽設備が揃ってるじゃ無いか!?」

 

 

ーーーそう、此処には大きなフードコートや、室内プールまであるのだ。

 

 

俄然、テンションが上がるトム達。

 

…とは言え、もうこのレベルでゆっくりしている訳にもいかない。

 

ーーーーーーーー出口は直ぐそこにあるのだから。

 

「…面白そうだけど、行こうよピーター。ーーーもう後は脱出するだけなんだから。」

 

 そうジョンが言うと、ピーターが『信じられない』と言わんばかりに、首を振った。

「ーーーーーはぇ〜…良いのかぁ?折角こんなに素晴らしい場所が最後にきたっていうのによぉ?キッツイ旅をして来た分、此処で遊ばなくとも良いのか?ーーーホラ、これバトルガレッガだぞ?懐かしく無いか?」

 

……彼は遊ぶ気満々…いや、なんならもう既に遊んで居る。

 

「えぇ……でもなぁ…。」

 

 躊躇っているジョンに後ろからトムとジェニファーが話しかけた。

 

…但し、両手にいっぱいのジャンクフードを持ってだが。

 

「ーーーーーモグムグ…ピーターさんの言う通りだな!…ごっくん…最後ぐらい、楽しんだら…ムシャムシャ…ダメなんですか?」

「そうよ。モグモグ…どうせ出口は直ぐなんだから…ズズッーーーーー最後に…楽しんじゃいましょうよ?」

 

「食ってから話せよ…。てか、どっからそんな大量のメシ持ってきた…?」

 

「「…フードコート。」」

 

…ジョンは小さくため息をついた。

 

「ーーーーーはぁ…じゃ、まあ良いか…。満足したら行こうな?」

 

「「やったァ!!」」

 

 こうして彼等はLevel3999で、この世界での最後のひと時を過ごし始めたのだったーーーーーーーーーーーー…

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

場所:Level11〈the endless city〉

 

 

 

 

ーーーーーーーートム達4人が、レベル3999に消えた後、車掌さんは暫く彼等が消えていったドアを見つめていた。

 

『…………。』

 

 そんな彼に、アンブロシアが近づいて行って声を掛ける。

 

「ーーーーー貴方に友達が居たって、私信じられなかったわよ…えらく彼等を気に入ってたみたいね。」

 

車掌は振り向いて軽く笑った。

 

『ーーーーーそうですね。出来れば、彼等にはまた会いたいモノです。』

 

「…その日は来るかしら?」

 

『………さぁ?…でも、またいつか彼等はこの世界に訪れるーーーーーー今度は迷い込んだ放浪者としてでは無く、私達と対等であろうとする訪問者として。ーーーーーーーーそんな気が、私にはするんです。』

 

 そう言って、彼は空を見上げる。アンブロシアもつられて空を見上げ、呟いた。

 

「貴方は甘いわね…彼方の世界がコッチと深い関わりを持とうとすると…どうなるか。今回の戦いで少し明らかになったんじゃない?」

 

 彼女の目に映るのは、ひび割れた空とその下に広がる、破壊された街。…街はまた作り直せば元通りだろうが、空のひび割れは簡単には修復しないだろう。ーーー元に戻るのに何十…何百年かかるかも知れない。

ーーーーーーーーその間、この世界は他のレベルと融合したままになり、〈顔無き者(フェイスリング)〉達の生活は、ガラリと変わってしまうだろう。

 

…彼方の世界が残したモノは…とても大きかった。

 

 

ーーーーーーーそれを聞いた車掌が深く頷く。

 

『ーーーーーーーー分かっています。もし、また彼等がこの様な方法を取るのなら………例え、それがトム達だったとしても…私はこの世界の為に力を振るうと誓います。ーーーーーーーー私が彼等に与えたのは、あくまで歩み寄れる可能性ですから。』

 

「…その可能性を与えるのが、甘いと言っているのだけれどーーーーーーまぁ、良いわ。貴方があの人間達を信じるのなら、私は何も言わない。……どうせ、いつか結果は分かるのだから。ーーーーーーーーその時に、彼方が良い隣人になってる事を祈るわ。」

 

 

 

 そう言ったアンブロシアは、その場から立ち去っていった。彼女にはまだ、やる事が沢山あるのだ。

 

 

 

 代わりに、彼女と入れ替わりになる様にして、〈管理者(キーマスター)〉がやってくる。

 

 

「おぉい!…〈運行者〉!ーーーーーーーお主が壊した()()()()()()()()()()、何処に行ったか知らんか?…残骸を回収して修理すれば、レベル11の修復に使えると思ったのだが、探しても見つからんのだ。」

 

 そう呼びかけて来た彼に、車掌は頭を振って答えた。

 

『アナタに見つからないのであれば、私には見つけられませんよ。ーーーアレには、強い時空を歪める力が働いていた…恐らく、私が電車で破壊した時、時空を歪める力が暴走して、常時ノークリップ状態になってしまったのでしょう。ーーーーーーーー今頃、此処でも彼方でも無い、何処か遠い世界をあてもなく彷徨って居るんじゃないでしょうか?』

 

管理者(キーマスター)〉が唸った。

 

「むぅ……そうか…残念だな…。直せば使えると思ったのだが…。」

 

『まぁ、仕方ありませんよ。…ああするしか、レベル11を解放する手段は無かった。』

 

 それを聞いて、〈管理者(キーマスター)〉は小さく息を吐くと頷いた。

 

「……うむ。ーーーーーーそうだな…なら仕方ない、我でなんとかしよう。…何とかなるかは知らんがな。」

 

『…ご苦労をかけて、申し訳ないですね。』

 

 そう頭を下げる車掌に向かって〈管理者(キーマスター)〉はヒラヒラと手を振ってから、その場を去って行く。

 

「気にするな〈運行者〉。お主の判断を我は責めやしないさーーーーーーお主は世界の為に、役割を全うしただけなのだから。」

 

 

ーーーーーーーーそう言って、〈管理者(キーマスター)〉が去っていこうとした時だった。

 

「ーーーーむ…?彼奴は……。」

 

……向こうの方から、血濡れた槍を担ぎ、黒いマントに身を包んだ男が、大股でやって来たのだ。

 

「ーーーーーいい知らせだぞ!!お前ら!!」

 

 やって来た男…〈審判者(アルゴス)〉が、2人を見るなり口を開いた。ーーーーーーーー何やら、嬉しそうである。

 

「…何じゃい〈審判者(アルゴス)〉。お主はもうレベル11から立ち去ったものとばかり思っとったが、未だ()ったんか。」

 

 〈管理者(キーマスター)〉が、煩い奴が来たと言わんばかりに、口を開いた。

 

審判者(アルゴス)〉が大袈裟に肩を竦める。

 

「ーーーーーおいおい、俺が居るのが嫌そうに言わないでくれよ??…まぁ良い。ーーーーーーーーそんな事より大事な話だ。…さっきまで、〈管理者(あんた)〉が無力化して捉えていた〈彼方の世界〉の奴らを拷問してたんだがよぉ。ーーーいい話聞けたぜ??」

 

 ニッコニコで、そう言う〈審判者(アルゴス)〉は、体のあちこちに新鮮な返り血を付けていた。…それに槍も、血で染まっている。

 

 (きっと、想像を絶するえげつない拷問をして居たのだろなぁ)と、車掌は槍を見ながら思った。同情はして居ない。

 

 

「ーーーーーほぅ…?いい話とは?」

 

 そう聞かれると、〈審判者(アルゴス)〉は待ってましたと言わんばかりに、手で空を指差した。

 

「ーーーーー〈彼方の世界〉に、軍隊を指揮して居た黒幕が居るって事が分かったのさ!!…本当の戦犯共は、そいつらだ!!ーーーーーーつまり、まだ俺には裁かねばならん奴が居るって事だなッ!!」

 

『ーーーーーあ〜…まぁ、そうでしょうね…。』

 

 車掌さんはボソリと呟いた。アレほどの軍隊が指揮もされずに来る訳が無いことぐらい、分かりきって居たが……。

 

 

「…ふむ。だが、〈審判者(アルゴス)〉。彼方の世界にいる犯罪者など、お主がどうやって裁くというのだ?ーーーーーーーー…いや、まさか…お主…。」

 

 〈管理者(キーマスター)〉が疑問を言いかけて、途中でなにかを悟ったのか、言葉を詰まらせた。

 

 〈審判者(アルゴス)〉がレベル11の割れた空の向こう…ずっと奥に見えるレベル0を指差して、嗤う。

 

「ーーーーー俺は〈審判者(アルゴス)〉……世界から、罪を裁く役割を与えられし者だ。………罪は裁かなければならない。ーーーーーーーー()()()()()()()()。」

 

「…………!!」

 

 

 

…そう言って、〈審判者(アルゴス)〉は颯爽と去っていった……罪人に、その罪を償わせる為にーーーーーーーーーーーー……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

場所:Level3999 〈the true ending〉

 

 

[トム・ジョン・ピーター・ジェニファー視点]

 

 

 

 

「いや〜…食った食った。もう俺此処にずっと居ようかな…。」

 

 フードコートで、ピーターが大量の食べ物の空箱に埋れながら呟いた。

 

「おいおいピーター…。」

「ーーーーー嘘だよジョン。…でもそんな気にすらなって来るって事よ。」

 

ピーターが軽く手を振る。隣でトムも頷いた。

 

「わかる。ーーーーーずっと居たくなるよなぁ。プールもあるし、トイレに個室も完備してある…そら居たくなるよ。」

 

「私もですね…此処にいれば、会社に行く恐怖に怯えなくて良いんですよ……。私、現実世界に戻ったら…どうなっちゃうのかしら…?」

 

 ジェニファーのその呟きに、ちょっと現実に引き戻されたかの様に、トムがため息をついた。

 

「ーーーーあぁ…俺もだなぁ…無断欠勤20日越えになるけど…どうしよっか?いっその事、会社辞めちまおうかなぁ?」

 

「……私もそうしようかしら?」

 

…そう憂鬱なため息を吐いた2人に、ジョンが、何か名案が浮かんだのか、話しかけてきた。

 

「ーーーーーじゃあさ…M.E.Gに就職()るか?…バックルームでの経験談だけでも、M.E.Gにとってみれば凄い利用価値が有るしね…キャリヤとか学歴とか、そんなの霞むぐらいに。多分2つ返事で雇ってくれるぞ?」

 

…それは、2人にとって願っても無い話である。

 

「ーーーーーま、まじで?」

 

「マジ。職員の俺が言うんだ、間違い無い。それに車掌さんっていうバックルーム内の強力な存在と面識があるって事は、今後バックルーム側とコンタクトを取るのに有利だ。君達は、現実世界とバックルームを繋ぐ架け橋になれるんだよ!」

 

そう力説するジョン。

 

それを聞いて、ピーターが口を開いた。

 

「ーーーーーん?ジョン。…お前、もしかしてバックルームの移住計画諦めては無いのか?」

 

ジョンは頷く。

 

「ーーーーーああ。いつになるかは分からない…でも、今度はあんな方法じゃ無くて、もっと対等な関係をバックルームと築いて行きたいんだ。ーーーーーーーーーーたとえ、移住が出来なくたって、バックルームにある資源を利用したりして、現実世界の発展に使ったり…逆にバックルーム側に現実世界側ができる事だってある筈だ。…困難な道のりだが、俺は互いに理解し合う事を、諦めるつもりは無い。ーーーーー車掌さん曰く、此方がしっかりバックルームと向き合えば、またその時判断するってさ。」

 

「へぇ…車掌さんもよく許してくれたな…。」

 

 そう呟きつつ、もしかしたら、また車掌さんに会えるのかもと、トムは考えて嬉しくなって来た。

 

「ーーーーーいくよ、俺M.E.Gに。また車掌さんに会えるかもしれないんだろ?…ソレに、もしかしたら俺からバックルームにできる事だって有る…って事なんだよな?」

 

ジェニファーも顔を輝かせる。

 

「…それ、素敵ですね!?ーーーーーーーーー私、ニードルスさんに恩返しがしたいんですよ。何かプレゼントとか…如何でしょうか?」

 

それを聞いたピーターが、小さく笑って呟いた。

 

「ーーーーーじゃあ、先ずは倉庫をプレゼントしてやらねぇとな。…体育館ぐらいデッカいヤツを2つぐらいね。」

 

「ーーーーーそりゃあ良いっすね!?」

 

 

 

4人は顔を見合わせて笑ったーーーーーーーーーーーー…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

……そして、遂にこの世界に別れを告げる時が来る。

 

 

 

 

 

 4人は今、一枚の大きなガラス張りの窓の前に立っていた。

 

 窓の向こうには、何の変哲もない街の景色が広がっている。ーーーーーーー道路には車が走っていて、立ち並ぶ建物の隙間を縫う様にして、人(顔無き者(フェスリング)では無い、本物の人間だ)が足早に歩き回っていた。

 

 

…窓一枚隔てた先に、現実世界が広がっているのだ。

 

 

「ーーーーー変な感じだな…こんな薄っぺらい窓一枚で…世界がガラリと変わってるんだ……。」

 

ピーターが窓を見ながら、不思議そうに呟いた。

 

ジョンは頷くと、窓に向かって歩み寄る。

 

「……さぁ、この窓から先は現実世界だ。ここに来るまで長かったけど、遂に俺たちはここまで辿り着いた………。」

 

トムが横で呟く。

 

「…ちゃんと生き延びて…な。」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー4人は窓に向かっていく。途中、ジョンが横にいるトムに話しかけた。

 

「ーーーーートムさん、先どうぞ?記念すべき現実への帰還なんだ。最初の一歩は、トムさんが踏みなよ。」

 

トムは手を顔の前で振る。

 

「いやいや、俺は2回目だから…ジョン達が最初の一歩を踏みなよ。」

 

「ーーーーーじゃ、レディーファーストだな。ジェニファーさん?ーーーどうぞ?」

 

…そう話を振られて、ジェニファーは(かぶり)をふった。

 

「…いや、みんなで一緒に行ったらダメなんですか?タイミング合わせていきましょうよ…ね?」

 

「ぁ〜…それもそうだな。じゃ、せーので行こうぜ?」

 

ピーターが、その提案に乗る。

 

ジョンとトムは顔を見合わせると、互いに頷いた。

 

「ーーーーーああ、そうだな。」

「ーーーーーうん、それが良い。」

 

 

 

…4人は窓ガラスの前に立った。もう、現実世界の景色は目と鼻の先だ。

 

 トムが軽く手を伸ばしてみると、指がガラスをすり抜けて向こう側に飛び出した。…不思議な感覚だ。

 

 思わず指を引っ込めたトムを見て、ピーターが笑う。

 

「ーーーーおいおい、指一本抜け駆けすなよ?」

 

「あらあら…。」

 

「あぁ、悪い悪い。ーーーーーーーーそんじゃ行きますか。」

 

「…ああ。いくぞ?………せーーの。」

 

 

ジョンの掛け声で、4人は足を同時にあげた。

 

 

…そして、同時に足をガラス窓の向こうへ突き出す。

 

 

 

 

 

(ーーーーーーーーーーーーこれが最後の一歩だ。)

 

 

 

 

 

 

 足がガラスをすり抜けて、向こう側の大地に降り立つ時、ジョンは心の中でそう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

…それから彼等がどんな人生を歩んだのか。

 

…現実世界は、バックルームと良き関わりを持つ事が出来たのか。

 

…それはわざわざ語ることではあるまい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【極秘】

 

 

[バックルーム移住計画 19次中間報告書]

 

 

〜音声データ同梱〜

 

 

    《警告》

 

 

当音声ファイルは、[特別対策プロコトルNo.000]により、音声データの再生 文書の閲覧 M.E.Gの管轄する施設外への持ち出しが固く禁じられています。

 

また、不正なアクセスは[米国政府の機密情報等管理に対する特殊法令]により、厳罰が科せられます。

 

 

[特別対策プロコトルNo.000]実行責任者 

 

M.E.G代表研究員 ブラウン 

 

バックルーム間交流研究委員代表 ジョン・ドゥ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……

 

………

 

…………

 

(ノイズ音)

 

 

「ーーーーーバックルーム侵攻計画は失敗だ。あの世界は我々の想像を遥かに超えた強力な存在が多数、存在していた。」

 

(何人かのため息)

 

「ーーーーーなんたる事じゃ。500人の兵士と500台の磁気兵器があったと言うのにのぉ…。」

 

「ーーーーーやはり、必要なのはより強力な磁気兵器ですかね?帰還した戦闘機が記録した映像では、磁気兵器を無効化している者も居ましたが…。」

 

「…正直言って、あちらの世界の戦力は量より質らしいな。ーーーーーーーーーー〈パンドラの壁〉が破壊され、化け物じみた奴らが現れるまでは、〈B.R.C.U〉が優勢だった。」

 

「…フィラデルフィアの証言には、無かった奴らだな。…有事の時に現れるのだろう。だが、〈パンドラの壁〉が壊されるまで現れなかったという事は、あの空間断絶効果はバックルームに置いてかなり重要なのでは?」

 

「ーーーーーならば、新しいモノを作るとするかのぉ…磁気兵器もより強力なモノを作成し、装備を万全に整える…それで五分五分と言ったところか…。」

 

(誰かのため息)

 

「ーーーーーどちらにせよ、我らの計画は10年は後退しそうだな。ーーーーーーーー後任も育てては居るが…上手くやれるかどうか…。」

 

「ーーーーー儂等の命ある間に、何としてでもあの世界を手に入れなければ………」

 

(ここで音声に乱れが生じるーーーーーー誰かが話の中に割って入ってきた様だ)

 

 

 

「ーーーーーなら、今日がアンタらの命日だな。」

 

 

 

 

(驚く声)

 

「誰だ貴様ッ!!!」

 

「ーーーーークハハハハハハハ……そう驚くな……地獄からの招待状を届けにきただけさ。」

 

(不気味な笑い声と共に槍で肉を貫いた様な音が聞こえる)

 

「ーーーーーグフっ!?」

 

(誰かが倒れる音)

 

「な、何ぃ!?ーーーーーーー貴様、何処から来たッッ!!ーーーーーーー警備!警備は何をやっとるんじゃ!!!!」

 

(人のモノとは思えない恐ろしい声が響く)

 

「ーーーーー警備員なら、一足先に地獄の控え室で主人を待ってるぜ?…待たせ過ぎるといけねぇ……早く逝ってやった方が良いんじゃねぇかぁ〜!?」

 

(何かに槍が突き刺さる音)

 

「ば…馬鹿な…わ、儂は……こんな所で…」

 

「ーーーーーこんな所で何だ?…もっと違う場所で死にたかったのか?…クハハハ……お前ら罪人共に、死に場所と死に方が選べると思うなよ?………本来なら、バックルームの法をコッチの世界で適用しようとするのは、越権行為なんだがなぁ……ただ、〈運行者〉が解任されなかった様に、今回ばかりは()()も多めに見てくれるよなぁ!!?」

 

(何かが割れる音)

 

「…な、何を言ってるんだ…よ、よせ…やめろ!やめてくr…」

 

(ボトリと重たい物が落ちる音)

 

「……ば、バックルームだと?まさか報復に来たというのか…しかし何故我々に辿り着いたッ!!それに時空の扉は閉じたはず…如何やって来たッ!?」

 

(馬鹿にするかの様な笑い)

 

「ーーーーーおーおー、忘れたのか?アンタらが()()()()()()()…開けっぱなしにしてたじゃねぇか?侵入するのは簡単だったぜぇ?ーーー安心しろ、俺が殺すのは罪を犯した奴らだけだ。」

 

(驚く声)

 

「ま、まさかM.E.Gの(ゲート)から……!?」

 

「当ったりぃ!!正解者には死刑(豪華景品)をプレゼントするぜぇ!?泣き叫んで喜びなぁ!!!」

 

(砂袋を切り裂いた様な不快な音)

 

「ぎゃあああああッッッ!!!?」

 

「クハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!」

 

(轟く嗤い声)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(静寂)

 

 

 

 

「ーーーーークハハハハハハハハハハハ……コレで裁きは終わった。これに懲りたら、もう二度とこんなマネ…するんじゃ無いぞ?……バックルームの法と、俺の目からは、逃れられないのだから………。」

 

 

 

 

 

 

 

〜録音終了〜

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー[補遺]ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 この事件は、表向きには過激派テロリストによる無差別殺人事件として処理されています。

 

 この音声データは、バックルームに対して高圧的かつ排他的な行動を人類が取った際に、如何なるのか…という一例を示しました。

 

 バックルームと関わっていく為に人類に必要なのは、強い想像力と、違う世界違う者達を認め、受け容れる事です。自らの我を通せば、世界の広がりは閉ざされ、お互いの世界は歩み合う事なく関係は閉じてしまいます。

 

 バックルームと共に、人類が歩もうとする為には、あらゆる困難が付き纏うでしょう。

 

 しかし、あの世界には、我々と心通わす事ができる存在が多く居るのです。何かを愛し、何かを大切にしながら、生きている者達が。

 

 それを忘れない様にしましょう。ーーーーーーーそうすれば、我々はきっと隣の部屋(バックルーム)と、良き隣人になれますから。

 

 

 

 

 

編集者:バックルーム間交流研究委員代表 ジョン・ドゥ

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Congratulations! You have escaped from the back room.!!

 

 

Thanks for the long time!

 

 

 

 

 

 

………The End

 

 

 

 







完結です!!



本編39話…全話数41話の、このお話は遂にここで終わりとなりました!!

今まで見てくれた人が居るのなら、此処で御礼申し上げます!!

(*≧∀≦*)アザァッス!!

お気に入り及び、評価してくれた方も、本当にありがとうございました!!


果たして、皆さんの望んだ通りの物語を私は書けたでしょうか?

…正直言って、この物語がこんな展開になるとは書き始めた当初、私も思っておりませんでした。

…もっとちゃんとしたバックルームサバイバル物になるかと……笑

しかし蓋を開けてみれば、やれ兵器だの、軍隊だの、〜計画だの、上位者だの、なんかバックルームらしく無い物ばっかりになってしまいましたね…。

物語も、複数の視点が交互に繰り返されるので、分かりにくい!!

ちょっと前に自分で1話から読み返してみたんですけど、共感性羞恥心が半端なかったス。

…「俺、これ書いてる時はきっと面白いと思って書いてるんだろなぁ」…って思いながら読んでました。ハイ

…まぁ、とは言え…此処までなんとか来れたので満足はしています。

 正直、バックルームとか言う結構マイナーどころのお話なんて、誰も見ないかと思ってました。

しかし、案外見る人がいてくれて(当社比)私、嬉しいです!!

一瞬かつ、下の方とは言え、日間ランキングにも載ったんですよね…

まさかバックルームの小説で此処までやれるとは……。ボーッとランキング見てたときビックリしましたよ?

アレもコレも全ては皆さんのお陰です。

皆さんには、本当に感謝しております。

誠の感謝m(_ _)m


……書く事書いたんで、コレでお開きにします。

…ではまた何処かで会いましょう。


(*゚▽゚)ノサラダバー



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