The Back Rooms Story 〜Fanmade〜   作:犬社長

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えー…最初に報告です。

トム君の記録補完は3話位で終わるって最初の方に言いましたが、終わりませんでした()

なんなら、今から始まります。こっから本題です()

ま、私の立てる予定は100%狂うんで、ある意味予定通りですわ(開き直り)。

多分…あと2話は掛かる……




トム・マクフライ記録補完その③〈闇からの救い〉

 

 

 

 

コツ………

 

 

『車掌』が一歩、足を前に踏み出す。ーーーー彼の構える銀の儀礼剣が、前照灯の明かりを受けて煌めいた。

 

『─────!』

 

 すると、〈笑う者(スマイラー)〉と呼ばれた影の怪物達が、彼を恐れる様に後退る。

 

ーーーーーーそして、5匹の内の3匹が『車掌』に背を向けて逃げ出した。現れた時と同じように、闇の中へと消えていく。

 

『『────!!!』』

 

 しかし、残った2匹の〈笑う者(スマイラー)〉は、逆に車掌目掛けて大きな口を開け、勢い良く飛び掛かって来た。

 

「あっ…!!」

 

思わず目を見開くトム。

 

 その鋭い牙が生え揃った大きな口が、車掌を飲み込もうとしてーーーーーーーー

 

 

『……警告はしましたよ。』

 

 

 次の瞬間、紺色の制服が翻ったかと思うと、トムの眼の前で2匹の〈笑う者(スマイラー)〉が()()()()()()()()

 

『『────!?!?』』

 

 声にならない断末魔を上げながら、光に照らされた影のように溶けて消える2匹の〈笑う者(スマイラー)〉。

 

「……わぁ…。」

 

 トムは感嘆の吐息を漏らす。…幼い彼の目には、銀の剣を閃かせて〈笑う者(スマイラー)〉を斬り倒した車掌の姿が、とても格好良く見えていた。

 

 一方、〈笑う者(スマイラー)〉を排除した車掌は、銀の儀礼剣を納刀すると、トムの方に振り返る。

 

『大丈夫ですか?立てますか?』

 

ーーーースッと差し伸べられた、白い手袋を嵌めた手。

 

「…あ。」

 

 その物腰は優しげで、深い知性が宿っているように見えた。

 

……恐る恐ると言った体で、車掌の差し伸べられた手を握るトム。

 その確かな感触を手の平に感じた瞬間、途轍もない安堵の感情が込み上げてきて、トムは大声で泣き出してしまった。

 

「う……うあぁぁぁぁぁぁん!!!!」

『……!』

 

 車掌は少し驚いたようだったが、直ぐにトムを落ち着かせるべく片膝を床について、泣きじゃくる彼を手元に引き寄せる。

 

 そして、彼の背中に手を当てながら、静かに囁いた。

 

『……貴方は、とても遠い所から来たのですね………良く頑張りました。もう大丈夫ですよ。ーーーー()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。』

「うう…っ……ぐすっ…!怖かった!怖かったよぉ!!!」

 

 

トムは泣き続ける。

 

ーーーーーーー永遠に続くかと思って居たこの孤独に、漸くの救いがもたらされた瞬間であった。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 トムがある程度落ち着いたタイミングで、車掌はゆっくりと立ち上がった。

 

『ーーーーさて。障害も排除した事ですので、私は運行を再開しなければ。………貴方は、どうされますか?()()()()()()()()()()()()??』

「……え?」

 

トムは車掌を見上げて首を傾げる。

 

 そんなトムに、彼は暗闇に閉ざされた大部屋を手で指し示した。

 

 

『勿論、乗るも乗らないも貴方の自由です。ーーーー()()()()()()()()()()()()()()。乗る電車は、お客様の方で決めて頂きたい。』

「駅……??ココが??」

 

 

ーーーーーーー次の瞬間、何の前触れもなく電気が点いた。

 

 

「わっ?(ーーーーま、眩しい?!)」

 

 

一瞬目が眩み、トムは目を瞑る。

 

 そして目を開けた時、トムは自分の居る場所が何処だったのか、はっきりと知ることが出来た。

 

 

ーーーーーー最初に目に飛び込んできたのは、一段高くなったホームの様な細長いスペース。そして、コンクリートの床に長く伸びた線路だった。

 線路の先端は、壁に空いたトンネルの奥へと吸い込まれており、その先を見通すことは出来ない。

……反対側も同様だった。

 

 

「…ほ、ほんとに駅だ…!凄い…!」

 

 トムは、明るくなった周囲を見渡しながら、驚きと共に呟く。

 

笑う者(スマイラー)〉達と暗闇の中で命懸けの追いかけっこをしている間に、この駅の中へ入り込んでいたらしい。

 

 そして、ちょうどタイミング良く電車がやって来たという訳だ。

 

ーーーーまた、部屋に明かりが付いた事で、トムの眼の前に停まっている電車の見た目も、良く見える様になっていた。

 

「すごい……銀色の綺麗な電車…!」

 

 車両を一目見たトムは、目を輝かせる。…因みに、彼は電車が好きだ。(彼ぐらいの子供なら、ある程度興味を持つ事柄だろう。)

 

『汚れる事は有りませんからね。』

 

 目を輝かせるトムの隣で、何処と無く誇る様に車掌が口を開いた。

 

 そして、彼は右腕に視線を落とす。ーーーーそこには、小さな腕時計が巻いてあった。

 

『……出発の時間です。行かなければ。』

 

 

ーーーーーーーーピーーーーーッ!!!

 

 

………彼の言葉の終わりとともに、何処からともなく警笛のような音が聞こえてくる。

 

「あ…、待って!僕を置いてかないで!」

 

トムは不安な顔持ちで車掌の方へ駆け寄った。

また1人になるのは嫌だ。

 

 トムの先で、先頭車両に片脚を踏み入れた車掌が、彼の方を振り返って帽子のつばを軽く上げる。

 

『…ならば、お乗り下さい。この列車は〈レベル11〉発〈The Metro〉行きの普通列車です。…終点まで乗ることをお勧めしますよ。』

「うん!乗ってく!乗せて下さい!!」

 

トムは、二つ返事で銀色の電車に乗り込んだ。

 

 せっかく出会えた自分以外の存在と、直ぐに離れ離れにはなりたく無かったのだ。

 

ーーーーそして彼が乗り込むやいなや、銀色の電車は想像よりも速いスピードで、灰色の駅から発車する。

 

 

飛ぶ様に過ぎ去っていく灰色の景色。

 

 

ーーーーやがて、電車はトンネルの中へと突入し、その景色も見えなくなるのであった………

 

 

 

 

 

Level 1〈The Habitable Zone (生存可能領域)

 

 

Escape complete(脱出完了).

 

 

 

ーーーーto be continued






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