ウイスキーピークに到着した。怪しい2人は結局なにも明かすことなく消えていった。この流れだと、また会いそうだけどな。
ここに着くまでに、早くもグランドラインの洗礼を受けてしまった。僕は割と慣れてたと言うか知っていたので、まぁそんなに焦りはなかったが。そんな僕よりも大物であった緑芝寝太郎19歳。ナミにキレられ3段アイス(笑)を頭にこさえていた。
そして港には現在大勢の人々が溢れかえっている。めっちゃ歓迎してるんだけど。こわぁ。え、なんかの宗教か?関わらんとこ。
「ようこそ、歓迎の街 ウイスキーピークへー!!」
「海賊バンザーイ!!」
「海の勇者御一行だ〜!!」
勇者て。蛮族の間違いやがな。僕らは違うけど。いや、怪しいやん。海賊じゃなくても普通こんなに歓迎はしないだろ。ちょっと、サンジに警戒を促して...。
「うっほぉーーー!かんわいい子がぃいっぱい!!♡」
あ、やめよ。こいつはダメだ。置いてった方が船のためサンジのためかもしれない。ルフィは言わずもがな、ウソップも警戒心が強い割にはお調子者だからなぁ。
とか思ってたら、ナミと目が合う。こくり。よし通じあった。どんなもんよ???ん???アーロンパークの時に比べたら、もう僕らは阿吽の呼吸。真の英雄は目で語る。(殺さない)
「ゾロ、ちょっと。」
「あん?」
一応、ゾロにも伝えとこう。いざとなったら頼りになるんだ、うちの剣士は。まぁもちろん皆頼りになるんだけど。時と場合によるよね!!
「いら''...ごほんっ。まーまーまー♪いらっしゃい、私の名はイガラッポイ。ここは酒造と音楽の盛んな町 ウイスキーピーク。もてなしはわが町の誇りです。」
(喉が)イガラッポイさんね。覚えやすい。音楽やってそうな髪だなぁ。足首細いし。(関係ない)
「是非、宴の席を設けさせていただげ...ごほん。まーまーまーまー♪ 頂けませんか?」
「「「喜んでーー!!!」」」
うぇーい。とりあえずタダ飯食えるなら行くわ。もちろんデザートはあるんだろうなぁ?おぉん?え?あるの?いくーーー!!!!
夜。酒と肉と歌と踊りと音楽と。楽しげな笑い声が行き交う盛大な宴。から、少し離れたところに居ます。こういう時、ぼっちは率先して怪しいヤツが居ないかチェックしなきゃならんのだ。それがぼっちの運命であり宿命。
ルフィは飯を食いまくり。ウソップは嘘をつきまくり。サンジは女性を口説きまくり。
まぁここまでは良いさ。予想通りだ。た、だ、な!!!ナミもゾロも酒呑みまくってはめ外してやがるんだよ!!!なんな訳!?目、あっっったよね!?僕らの友情は!?絆は!?そんなものだっっったのかぁぁーぃ!!!!ゾロに至っては直接言ったじゃろが!!!(激おこ)
「...良い風が吹く。」
とか言ってみる。詩人か〜?星が綺麗ですね、とか言っちゃう?相手いないけど!!(発狂)
これさぁ、ワンチャンみんな騒ぎ過ぎて僕が抜けたこと気づいてないよね。べっっつに!イイケド!!一味に1人はこういう役目も必要だもん。信じてるもん。(僕を)
なんか下に集まってんな。
「さっ、3千万ベリー!?」
「あいつらが!?」
「船にある金品を全て押収し奴らを縛りあげろ。殺すと3割も値が下がる。政府は公開処刑を望んでいる。」
だろうねぇ。そっちの方が政府としても威厳を保てて、強さを見せつけることが出来るしなぁ。
「なぁ悪ぃんだが、あいつら寝かしといてやってくれるか。昼間の航海で疲れてんだわ。」
いやおったんかーい。いや!信じてた!!僕は信じてたよ、ゾロ!!(リバーシブル掌)
「み、ミスター8!ミス・マンデー!いつの間にか、部屋から抜け出している者がっ。」
「貴様...完全に酔いつぶれた筈では!!」
「剣士たる者如何なる時も、酒に呑まれるようなバカな真似はやらねぇもんさ。お前もだろ、ソラ!」
「僕は剣士じゃないんだけど。」
「「!! い、いつの間にっ!?」」
こやつ。マジで気づいてなかったんか。ゆるさん...許さんぞ貴様らっ!!(宇宙の帝王風)おいおい、賞金首狩り集団が油断しすぎなんでねぇのけ?そんなんで稼ぎあんのか??時給換算でいくらなん?ちょっとお兄さんに教えてみ?
「賞金稼ぎ、ざっと100人ってところか。相手になるぜ。バロックワークス。」
...、バロックワークス?とは?知らん単語が出てきたぞ。
「なっ!?なぜ我社の名前を!?」
え、しかもなんか重要な情報みたいなんだけど。嘘だろこいつ...真剣に警戒してた僕より有能じゃん。はぁ?やめよ。(何を)
何スカウトされたの?へぇー。招待制なんだ。僕には来てないけど。つまりそういう事ね?ふぅん、警戒心強いだけの無能より、昼は寝て大酒飲みだけどいざと言う時は頼りになる緑頭の剣士の方が欲しかったって訳。はぁーん。
「...バカのくせに。(ボソッ)」
「なんか言ったかテメェっ!?!?」
「何も。」
さっさと片付けろよっおらっ!こういう時の戦闘員だろぉ!?!?ほら、なんか煽られてんぞ。墓標に刻むんだって。バカって。
「ちっ。まぁ良い、いっちょ勝負と行こうぜ、ソラ。どっちが多く倒せるか。」
...ほう?良いのかね、そんなことを言って。何を隠そう、今は。
「夜だけど。」
「はっ!望む所だ。」
「手加減する?」
「バーカ、こっちのセリフだっての。」
この芝、生意気。このしばふいき!!
そんじゃ、
「「Ready...Go!!!」」
お互いが背中合わせになり、それぞれの方向へ走り出す。約100人らしいから、大体50人越えたらほぼ勝ち確ってことでしょ?まぁ少し多めに60人目処で。
とでも言うと思いましたぁ?????
雑魚無双は専売特許なんですぅ〜。なんなら雑魚以外相手にしたくありませーーーん。
大事なことだからもう一度言おう。夜ぞ???これっっっだけお日様お天道様に嫌われてるんやから、お月様お陰様に好かれるのは自明の理じゃね??当然じゃね??バランス考えよ???(お陰様とは)
まぁ加減はしてやる。死なない程度にな。月に代わってお仕置きよっ!
「「「おぉおおおお!!!」」」
刀に短剣、太刀に薙刀。トンファーに銃に弓に鎖鎌か、あれ。それとレイピアにククリ刀、槍に銃剣、ハルバード?すんげえ、展覧会かよ。コレクターには最高の鴨だなこいつら。
「''
突如として月明かりが遮られ、辺り一面に雷雲が立ち込める。暗く、黒く、重く、厳かに。雷轟が犇めき合い、ひとつの形を象っていく。
それは、異質。異端。異怪。一言で言い表すのなら、それらの言葉が相応しく、そしてなお足りぬだろう。
猿の頭、狸の胴、虎の手足に尾は蛇。伝承は、それを
「「「うっ、うわぁぁぁあああああ!!!」」」
「「「ぎぃゃぁあああああ!!!!」」」
............、あれ、ちょっと。なんか、やりすぎたかしら?すまんぬ。
ま、まぁ!誰も死んでないし!60はいったっしょ!気ぃ取り直して、ゾロの獲物を横取りしよー!そうしよー!!
「ひぃっ、神の御加護をっ..!神の御加護目潰しっ!」
「そういう姑息な手は、もっと心の綺麗なやつに使うんだな。峰打ちだ、勘弁しろよ。」
心が綺麗?僕みたいなね!!僕みたいな子に使うんだよ!!!ね!!!
「手刀で気絶させたら良いのに。かーわいそ。」
「、はぁ!?おんまえどっから!?何でこっちに来てんだよっ!向こう担当だろうが!」
「もう終わったもん。打ち漏らしは居るかもしれないけど、もう戦意は喪失してる。」
「!?!?」
なんならまだ鵺はぐるぐる言いながら歩き回ってるぞ。そろそろ消えるけど。だから言ったじゃん。夜だよ?って。やー、ほんとはゾロの獲物も横取りするつもりだったんだけど。
「なるほど、
「あーあーそうかよ、畜生め。隣で大人しくしてろ。」
はーい。...え、着いてこいってこと?うわ、ちょ、思ったより早くて。軽口言ってる暇も無いかも。
自分だけ登ってハシゴ落としたんだけど。畜生はどっちだよ。ハシゴ使わなくて良かった。あっ、そっちの建物飛び移るのね。まってよー。
「二刀流 鷹波!!」
へぇ、斬撃を伸ばしてる。あれやられると、間合い取るの面倒くさそう。通常の斬撃と混ぜて使えば効果てきめんだろうなー。
ねぇ地面切ったら落とし穴作れるのってま?それはやった事ないわ。今度やってみよ。
おぉ!すんごいパワー持ってる女の人!幹部っぽい!さっきのハシゴ振りかぶってる〜。おっと危ない。
「あっぶねぇ、かすった!」
しゃがんだ僕を見て、また何やってんだこいつは?みたいな顔したの絶対許さないから。またって思ったな!?またって!!
「カイリキ・メリケン!!!」
あっ、入った。うわぁ、痛そう。(助けろ)いや、助けるか迷ったよ??でも手出ししたら怒られそうだし。死なないかなって思って。ほら。
「ぎぃゃあああああ!!」
「どうした力自慢。力比べがしたかったんだろ?」
「が、ぁあ...。」
ぉおおおお。おっほほ、つぇえつぇえ。観てて気持ちが良いな。なんかこう、アトラクション映画っぽいハラハラドキドキ感がある。
「ねぇ。幹部っぽい人、僕の方に居なかったんだけど。」
「...ちっ、しょうがねぇな。」
「イガラッパ!!!」
おっとっと。(お菓子)よし、君に決めたっ!(死刑宣告)
「ほう、私の真正面に立つとは。余程死にたいらしいな。」
えっ、殺さんって言うたやん。心変わり早ない?
ゾロに良いもん見せてもらったし、ちょっとだけお披露目しよう。
「砲撃よーぅい!!!イガラッパッパ!!!」
沢山巻いてある髪が銃口になるのか。すげぇな、それ空港行ってもバレない?ビーッ!って言わない?探知機で一生足止め喰らいそう。カツラ取るしかねぇな!
「''
1匹目の龍が散弾を相殺し、残るもう1匹目の龍がイガラッポイを捉える。
「ぐぉおおおおおおお!!!」
噛み付いた龍はそのままイガラッポイを壁に激突させる。あれ、イガラムだったっけ。
「...!へぇ、飛ぶ斬撃か。」
斬撃と言うか、突きだけどな。ゾロにもできるよ。
待ってあいつ船長の腹を踏み台にしたんだけど。草しか生えない。トランポリンかよ。ハランポリンか。あ、ルフィ起きた。あ、また寝た。自由やな。
「うっし、終わり。」
「お疲れ様。」
「おう。しっかしこりゃ大量だな。まぁ良い、飲み直すか。付き合えよソラ。」
いいよ〜僕飲まないけど。お酌くらいなら。少ししたら、また戦闘になりそうだけどね。ちょっとだけ上のやつらが出てきたみたい。
ところであのカルガモ可愛かったな。大っきいしふわふわ。目もくりくりしてた。やる気が空回りしてる感も良い。でもどっかで見たことがあるような、ないような、、?
「ねぇ、お酒って美味しい?」
「あん?なんだ、飲んだことねぇのかよ?」
あるけど美味しくなかったんだよ。
「はーん、まだまだお子様だな。」
「同い年。お酒、最後に飲んだの10年以上前だし。」
「何やってんだテメェ!?」
そんまそれ。未成年飲酒、ダメ、ゼッタイ。この世界に成年とか言う概念があるのかは分からないけど。
「飲みてぇのか?」
要らない。
「ねぇ誤魔化そうとしてない?」
「?何をだよ。」
「勝負。僕の勝ちでしょ。」
「...。」
ドヤ。ドヤ。ドヤドヤ。
「...数は変わんねぇだろ。」
...。
.......。
..............。
「...。(ジー)」
「だぁぁあああ!!!鬱陶しい!!!!わぁーったよテメェの勝ちだ!!これで良いんだろが!!」
「よし。」
それで良いのだ。いぇーい、ゾロに勝った。何してもらおうかな。
「なんで何かさせる気満々なんだよ。」
そりゃ勝ったんだもん。1つくらいお願い聞いて貰ったってバチは当たらないでしょ。
「はぁ。ったく、で?何すりゃ良いんだ。」
「んー...。特に思いつかない。保留で。」
「なんだそりゃ。」
貸しひとつ。いつか返してもーらお。
「そういや、気になってたんだが。」
?なんぞ。
「その眼。」
おぉ、ついに気づいたんか。記念すべき1人目かな。サンジは除いて。
「うん、義眼だよ。」
「はーん。見えてんのか?」
「見えてないね。でも感じる。だから、見えないけど解るって言う表現が正しい。」
「第3の眼ってやつか。」
ちがうね。
「心眼。」
それも違う。
「第六感。」
「No。だけど前2つよりは近いかも?よく分かってないんだよね。原理が。」
存在は知ってる。けどなんで出来るかはしらん。気づいたらできるようになっとったんよ。
「いつから一眼なんだ?」
一眼レフだって?一眼レフ・ライノール(運命)的な?カメラでも72柱の悪魔でもねぇから。
ゾロ、今日はよく喋るな。お酒飲めて機嫌が良いのか?
「2歳...いや、3歳?その辺。海賊に抉られた。」
「なのに海賊を?」
うん。
「ほっとけないじゃん、ルフィ。」
「...はっ。違ぇねぇ。」
頑張ったご褒美に、良いものを見せてあげよう。光栄に思うが良いぞ。ほれ。
「...!へぇ、なるほど。それで狙われたってことか。」
「そゆこと。綺麗でしょ。」
「月みてぇ。」
紫なのに月?面白い表現だなー。初めて言われた。
「そうかよ。久々に、静かな良い夜だ。」
「だね。」
今日は本当に良い夜だな。今だけでも、月の眼で夜風を感じていたい。