ジンベエやタイガー、ハックにアラディンなど強い人たちから片っ端に武術を学んで吸収していった。
やはりこの身体のスペックは高いらしく、人間の子供にしては見所があると言われた。まぁ力だけは一般男性以上あるしな、現時点で。その理由も生まれに関係しているんだけど。
タイガーといつも通り乱取りを行っていたら、ニュースクーがやってきた。新聞配達ご苦労さま。
「レッドライン、マリージョア...天竜人、そして奴隷、か。気分悪いな、この記事。」
「ソラ、俺は行くぞ。聖地マリージョアに乗り込む。そしてこいつらを全員助け出す。誰が何と言おうともやるぞ。」
「そう...いいよ、僕も一緒に行くから。マリージョアに着くまではタイガーに任せっきりになると思うけど、着いてからは僕も一緒に暴れるからさ。」
「いいのか?極悪人と呼ばれることになるぞ。子供であろうと容赦はされないはずだ。生きて帰れる保証もない。世界政府において最も重要な場所だからだ。」
「僕の父親、海賊らしいんだよ。それも相当な賞金首みたいでね。どっちみち僕も狙われる運命ってことだ。だから何も問題ないよ。そんなことより、友達が死ぬかもしれないことの方がよっぽど重要だ。」
「恩に着る。正直お前の戦力は心強いからな。マリージョアまでは、俺がお前をおぶって行こう。」
現地についてからの行動は2手に別れて迅速に奴隷たちを救出することだ。レッドラインの麓に船を用意させておいて、そこに避難させ次第魚人島へ逃がす。折を見て、そこからシャボンディへ。
「人の目につきやすいように、僕が太陽の力で燃やしまくるからさ。タイガーはその隙にみんなを解放してね。」
「分かった、少しでも紛れるように、マントを被っていこう。」
「了解。行くなら今夜だ。夜の方が僕は強いから。」
&&&
さて、と。聖地マリージョアに着いた。タイガーとはもう別れていて、電伝虫で適宜連絡を取り合っている。コール音に応じて合図の内容を決めていたから、離さなくてもある程度は意思疎通ができる。
そんな中僕は絶賛地獄絵図を創作中だ。阿鼻叫喚に死屍累々。いや殺してないけどね。
ただまぁ、炎って偉大だなぁって感じ。メラメラの実の上位互換なだけはあるよ。あっちに炎、こっちに陽炎、プロミネンスにフレアスカラベ。(遊戯王)
逃げる方角をしっかりと決めていたからか、こちら側に迷い込んでくる要救助者はほとんど居ない。と思ったらこっちに走ってきてる子達を数人発見。ダメダメ、ここは通行止めだ。
「ここに居ちゃダメだ、向こうに逃げるんだよ。さぁ走って、急いで!」
「...あ、あなたも!」
「私たちより小さい子が...!」
「えぇ、助けないと!」
ーーー神技・
「この光の道はタイガーの元まで続いてる。君たちだけで逃げるんだ。僕はここでやることがある。さぁ、行って!」
「「「...っ、あ、ありがとう!!」」」
よし、これであとは...っと、やば!
「ォオー、要請を受けて来てみればァ、ほぉんとうに火柱が上がってるじゃァないかー。君がこんなことをしたのかァーい?」
「海軍中将...ボルサリーノ。」
「おんやぁ?どこかであったかぁーい?悪いねぇ、最近物忘れが激しくって...ねぇ?」
「っぶな、!いきなり脳天ぶち抜こうなんて...それでも正義か。僕は1人も殺してないっていうのにさ。」
「いんやぁ、それはそうなんだけどねぇ。これだけのことをしておいて、今更生きて帰れると思っちゃァ居ないだろぉ?それに、君も死んでないじゃあないかァ。厄介だねぇ、ロギアは。」
「お互い様だと思うけどね。」
「
神技・
神技・
神技・
威力が弱い。こんなことになるんなら、もうちょっとだけ魚人島に太陽を作るの遅らせるべきだったな。あれのせいで威力が6割減って感じだ。
通常、炎は温度によって色が変わる。それはギラギラの実によって作られた炎も同じ物理法則に則ったものになる。僕が今使えるのは、本来の実力であれば白まで、約7,000℃ってところだ。でも今は黄色の3,000℃が限度って感じ。
どんな縛りプレイだよ。
「ォオー、こんなにされちゃわっし怒られちまうよォ。止めてくんないかなァ、頼むからさァ?」
「そっちもレーザー撃ってきてんじゃん。お互い様でしょ。」
「わっしはこんなに燃やしてねぇよォ〜。」
「でもこの辺穴ぼこなんだもん。これ全部君がやったんだよ、僕のせいにしないでね。」
神技・
ボルサリーノはスピード勝負で僕にレーザーを撃ちまくっている。更に武装色の覇気を使用しているらしく、当たったら割と致命傷となる。そんな相手になぜ善戦できているかというと、単純にボルサリーノのやる気があまりないっていうのと、僕が見聞色の覇気をフル回転させて逃げに徹しているからだ。んで、僕としてはボルサリーノ以外に負ける相手が今のところ近くに居ないから、こっちが負けないように立ち回りつつ周囲の建造物とかをバッキバキに燃やし尽くしているってわけ。
つまり平行線だ。
「埒が明かないな、これじゃあさ。」
「時間稼ぎのくせにさァ、よく言うよねぇ〜?」
「そっちだってやる気ないでしょ。」
「なんでそんな酷いこと言うんだァい、ちゃんとあるよぉ。お仕事だからねぇ。」
「いや僕の見聞色って割と高性能だから。相手の考えや未来はわからなくても、感情くらいなら読み取れるよ。」
「そのレベルの見聞色の覇気を、その年で使えるだなんて。おっそろしぃねぇ~。」
時間稼ぎってバレてんのか。さて、そろそろどうにか逃げる算段を作らないとな。あ、タイガーから電伝虫かかってきた。3コール...ってことは全員無事。よし、帰ろ。
「帰りたいんだけど、見逃して?」
「ォオー、やだよォ〜。わっしがどれだけ怒られると思ってるんだァーい?同僚からも上司からもだよォ?」
「でももうこんだけドンパチやってたらさ、逆によく1人で耐えたって褒められるかも?能力的に僕の方が上な気がするし。」
「なんでそう思うんだァーい?」
「ギラギラの実の能力が制限されてる状態で、その制限された力以外使ってないから。スピードでは勝ち目はないけれど、光を通さない空間を作り出すことは出来るよ。だから一応、逃げる算段もあるってこと。それに、ギラギラの実の能力は攻撃力特化だから、光さえも焼き尽くすよ。」
「僕らの目的は既に達成せしめられた。天竜人が所有する奴隷たちの解放だ。お察しの通り僕は陽動、既に全員逃げた後。天竜人には君も手を焼いているんじゃない?ここに居た奴隷達は全員、元は君たちが守るべき一般市民だった。今回それを救ったのは僕らアウトロー側の人間だ。君たちの手に余る天竜人を、僕らが懲らしめた。少しは君の気分も晴れたんじゃない?」
「...はぁー、君ィ、名前は〜?顔隠してるんだからさァ、名前くらい教えてくれたっていいだろぉ〜?わっしも収穫が無いと流石に首が飛んじまうよぉ。」
「んー、まぁ、それくらいならいいか。僕の名前はソラ、二度と会わないようによろしくね。」
「ソラ...いやぁな偶然だねェー。わっしの知り合いにもちょうど君くらいの子供でさぁ、居たんだよねぇ、ソラって名前の子がさぁ。」
「そう...居たってことは。」
「そうだよぉ、不幸があってねぇ。海賊に殺されたのさ。どうしようもなかったんだよねぇ。」
「心よりご冥福をお祈りするよ。」
「ありがとうねぇ、ってのも変な話だけどさァ。名前は伏せておくことにするよ〜、後味悪いしねぇ。」
そりゃ有難いな。ほんじゃ、サラバ!そいぎ!したっけ!
&&&
「英雄様のご帰還だぁー!!」
「キャー!太陽の英雄様よォー!」
「「「うぉぉおおおー!!!!」」」
なんだなんだ、急に歓迎ムードだな。あー、解放された人達から話を事前に聞いてたのかな。んな事より全員無事なん?あ、無事なの、良かったぁー。
はぁー、マジ疲れた。
「英雄様!至急、王宮までお越し頂くよう仰せつかっております!我々がご案内させて頂きます!」
「はぁ、どうも。」
道知ってるけど。タイガーは?あ、先に行ってるのね。りょ。
今回の件について、早速ニュースクーにて発表されたらしい。世界最悪の襲撃事件、マリージョアの炎上。たった2人でレッドラインを登りつめ、1人は全奴隷を解放した不殺の大男。
そしてもう1人は、赤い外套を身にまとい、小さな身体で縦横無尽に駆け回りマリージョアを火の海に沈めた張本人。実際に戦った海軍中将ボルサリーノの言葉によれば、その顔は見ることが出来ず、声も聞くことは出来なかった。ただその能力については、ギラギラの実の継承者であったことが知らされた。
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【紅衣の王】
懸賞金 5億1000万B DEAD ONLY
【フィッシャー・タイガー】
懸賞金 2億3000万B DEAD OR ALIVE
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「ということなんじゃもん。お主ら2人には多大なる恩が出来た。魚人族の王として、魚人島の国王として、心からの感謝を。ありがとうじゃもん。」
「私からもお礼を。特にソラさんには、種族を超えた絆を感じさせてもらうことが出来ましたわ。ソラさんのおかげで、私たちは地上に住むことができると確信しております。なぜなら、人間と魚人は分かり合えるから!必ず
「ソラよ、我ら魚人はお主に多大なる恩を感じておる。民を見よ、お主の凱旋を心待ちにしておるのじゃもん。そこで、お主を魚人島の食客として迎え入れたいのじゃが...どうじゃもん?」
「んー、とてもありがたいお話なのですが、申し訳ありません。謹んで身を引かせて頂きます。このタイミングで食客になって、もしそれが世界政府にバレたりしたら、皆さんの立場が悪くなると思いますので。それは僕としては意に反します。」
「そうか...であればせめてもの礼として、受け取って欲しい。タイガーよ、渡してくれ。」
「はい、ネプチューン王。俺は奴隷にされていた魚人を片っ端から仲間に引き入れて、奴隷の烙印を消し、海賊団を作った。名前は何にするか迷ったんだがな。お前に感謝の意を表し、竜の鉤爪を太陽のマークへと書き換え、英雄の名を貰うことにした。俺たちタイヨウの海賊団を筆頭に、全ての魚人はお前を擁護する意思がある。」
手渡されたのは、タイヨウのシンボルのペンダントと大きく頑丈そうな傘だった。
「ペンダントは海楼石で出来ている。直接触れることがないようにな。この傘はジンベエが知り合いの刀鍛冶に頼んで作ってもらった特注品だ。仕込み銃刀になっていて、刀と銃両方の特性を持つ傘だ。使ってくれ。」
「こんな良いもの...ありがとう、大事にするよ。この傘、銘はあるの?」
「あぁ。
「たしかに。剣術も修行しなきゃな。」
「あぁ、それなんだがな。お前と初めて会った時に言ったろう、俺の知り合いがシャボンディにいると。そいつは剣の腕が確かでな、お前の師にピッタリだと声をかけておいたんだが...どうだ?そいつの弟子にならないか。」
「その人、名前は?」
「レイリー。冥王と謳われた、かつて海賊王の副船長を務めた男だ。」
...わぁ、思った以上に大物だったわ。
でも、そうだな。もしかしたら、父親らしい赤髪のシャンクスにも会えるかもしれないし。いい機会だ、魚人空手も魚人柔術も師範代クラスはあるって太鼓判おされてるしな。もうここに居たって迷惑かかるだけだ。
「じゃ、次の目的地はシャボンディか。送ってってくれる?タイガー。」
「仰せのままに、我が英雄よ。なんつってな。」
「にしし、騎士にでもなったつもり?似合わなーい。」
「うるせぇなぁ、こんな時くらい良いだろうが。」
ネプチューン王とオトヒメ王妃から改めてお礼を言われる。
「本当に感謝する、ソラには返せぬ大恩が出来たんじゃもん。」
「そうですね。ソラさんを見ていると、きっと私たちも地上で暮らせるようになると勇気を貰えますわ。」
「それは良かったです。大したご助力は出来ませんが、ネプチューン王、オトヒメ王妃。僕はこのペンダントに誓約を刻みましょう。いついかなる時も、僕は魚人に手を挙げないことを。」
「我々も誓おう。どんなことがあろうとも魚人は人間を手にかけることは無いと。」
「では、魚人が困っていたらできる限り助けるようにしますね。」
「よろしく頼むんじゃもん。」