器用貧乏な麦わらの一味   作:millseross

22 / 31
皆さま、いつも誤字報告をありがとうございます。
感想もたくさん、ありがとうございます。


栗のおっさんとサシ飲み!

ジャヤの西側、嘲りの街モックタウンに到着した。酷い名前だな、海賊めっちゃ居るし。ワンピースを代表するレベルで民度が低い街だ。治安も悪い。

 

こんな街で情報が集まるのか?まともに会話出来るやつが居るのかどうかも怪しいんじゃが。少し見渡すだけでも、喧嘩とか殺しとかナンパとか。まぁナンパはウチにもやる奴居るけど。

 

相当強い奴が何人か居るな。うーむ、エンカウントしたくねぇ。でも情報は必要だし。船に居たら安全って訳でもねぇし。行くかぁ。

 

なんかナミが2人に誓いを立てさせてる。

 

「ワタクシはこの街では決して、喧嘩しないと誓います。」

 

「よし、絶対だからね?2人ともよ!」

 

「「あーーーー。」」

 

ウケる。超嘘っぽいな。だるそー。

 

「ソラは喧嘩しても良いのか?」

 

「バカね、あんたらと違ってソラは自分から喧嘩ふっかけたりしないのよ。」

 

「目的は情報収集。」

 

「ほらね。」

 

うん、僕いい子。喧嘩なんてしない、自分からは。なんだぁゾロ、その胡散臭そうな眼は?おおん?やんのか??(早い)

 

「じゃ、僕あっち行くから。」

 

「あ?おい。」

 

「なに、あんた1人で行く気?」

 

え、だって別れた方が効率ええやん。4人で一緒に行動する理由も無いし。ロビンも1人で行っちゃったし。良いよね、ルフィ。

 

「いいぞ。」

 

ほら。そんじゃ、また後で〜っと。なんかあってもロビンと電伝虫で連絡取れるし、大丈夫だろ。

 

にしてもまぁ、ホントに治安悪いなここ。でも見てみると喧嘩や諍いは海賊同士がやってることであって、街への人的被害はゼロみたい。そりゃそうだわな、じゃなきゃ自分たちがここで補給出来ないし、遊べなくなっちゃう。

 

「おいガキ、こんな所で1人彷徨くなんざ感心しねぇなぁ?パパやママは何処にいるんだぁ?へっへっへ。」

 

「さぁ。」

 

マッマはもうおらんで。パッパは今探しとるんよ。まぁ大体の居場所の目安はついてるが。

 

「そうか、見当たらねぇのか。そんなら、売り飛ばされても文句は言えねぇよなぁ!!?」

 

全然言えるやろ。

 

こいつは僕をどういう立場の人間だと思ってるのかにゃー。街の住人と思ってるのなら普通は危害を加えないだろ、さっきも言ったけど。じゃ、海賊見習いと思われてる?こんな堂々と往来のど真ん中で他所の海賊団のクルーを攫うって、報復とか考えとらんのけ?どんだけ自分の腕に自信があるんや。いや、バカなだけか。

 

「おっと。」

 

「!?っちぃ!」

 

よっ、ほっ、たっ、とっ。よっこい、ごろりんでんぐりっと。はーい、がんばってぇ〜。鬼さんこちら、手の鳴る方へ。あ、やっぱり頑張らないでぇ〜。さっさとどっかに行って〜。

 

「はぁっ、はぁっ、ぜぇっ。てっ、てめぇ...!!逃げんなごるぁあ!!」

 

いや、アボガド。間違った、アホかと。逃げてやってんだよ、さっさと諦めろ。

 

「死ねよぉおおらぁ!!!」

 

死ね言うてますやん。目的変わってまんがな。剣持ってるし。はい、魚人空手・人技 無刀取りっと。なんだろこれ、変なカタチの剣だな?あれ、なんか打ちひしがれてる。リアルorzや。大丈夫そ?強く生きろよ。(リゼロ)

 

やっぱ情報が集まる場所と言ったら酒場だよなぁ〜RPG的に考えて。お酒飲まないけどな。カランカラーンっと。

 

うわめっちゃ見るやん。超シーンってなってるわ。そんなに注目しちゃいやん。見られて困るもんなんて無ぇけど、あからさまに見られたいとも思わん。

 

あ、フードの下が気になるって?はっはっは、それはしょうがない。見せないけど、魅せることは出来るんだぜ?見せないけど。ほら、顔は良いからさ。攫われそうじゃん?この街、何人かヤバいの居るから。あんまり騒ぎ起こしたくないんよな。

 

「こんにちは。ちょっと聞きたいことが有るんですけど。」

 

「...どっかの海賊の見習いか?悪いことは言わねぇから、けぇんな坊や。ここは子どもの来るところじゃあねぇんだ。」

 

あぁ、やっぱり海賊見習いに見られてるのか。何でも良いや、情報くれくれクレオパトラ。

 

「空島についての情報が欲しいんです。」

 

「「「...ぶっ!ぎゃっはっはっはっはっは!!!」」」

 

おっ、どうしたどうした。なんかあったん?ワライダケでも食ったんか。オヤジ、客に毒を盛っちゃいかんよ。

 

「おいおいガキぃ!空島なんか信じてんのかぁ!?流石はお子ちゃま、夢を見るねぇ〜!」

 

「ぎゃっはっは!空島はな、お空に浮かんでんのよ!お星様と同じだぞー?」

 

「ぶふーーっ!うっはっはっは!!ダメだ、腹が捩れて!!どうしても行きたきゃ空でも飛ぶんだなぁ!!」

 

あ、そうそう。その空への飛び方を探してるんだわ。なんか良い方法あるかね?

 

「「「......っ!!ぎゃーーーっはっはっはっはっは!!!!」」」

 

めっちゃ笑うやん。やめてぇ、笑いって伝染するんよ。こっちまでおかしくなってくるわ。うへへへへ。

 

「...ノックアップストリーム。そう呼ばれる海流がある。船で空を飛ぶんなら、それを使うしかねぇな。詳しいことはモンブラン・クリケットに聞きやがれ。この島の東外れに居る。」

 

お、やっぱり酒場のオヤジは情報を持ってんだよ〜!来て良かった。このオヤジピクリとも笑ってないぞ。こやつ...できるっ!?

 

ん、モンブラン?ちょっと詳しく聞きたいが、むりそー。

 

「情報ありがとうございます。チップ置いときますね。」

 

「ガキにタカる訳ねぇだろうが。さっさと出てけ、バカヤロウ。」

 

おや、何も頼んでないのにチップも要らないのか?慈善家かこのオヤジは。もうちょっと聞きたいことあるんじゃが、周りがうるさいな。別で聞くか。

 

「そですか、ありがとうございました。随分賑やかなんですね、この店。静かになったらまた来ます。」

 

「もう来んな。」

 

そりゃわからんな。

 

「へっへっへ、おいおい待てよ。何帰ろうとしてんだテメェ。俺たちがうるさいって、そう言ってんのか?ガキ。」

 

「悲しいねぇ、こりゃ、大人の俺たちが教育してやらねぇとなぁ?」

 

えぇ、ちょ、怖い。やめて。無理無理、普通に多いしお店の中で暴れるのも無理。せっかくの親切なオヤジのお店なのに。

 

よし、逃げるか。ぴょーーーんっとな。

 

「「「は?」」」

 

ふははははは、身体能力が高いって便利ぃ〜。カウンターから入口までひとっ飛びだぜぃ!

 

「さよなら、オヤジさん。」

 

お、手ぇ振ってくれた。いや、払ったのか?まぁいいや。さ、にーげろーー。

 

「「「待てやゴラァァァ!!!」」」

 

やだよ。いたいけな美少年を追いかける海賊たち。まぁ追いかけるもなにも、屋根に飛び乗って秒で撒いたんだけどな。基本性能が違いすぎて遊びにもならん。さて次々〜。

 

とりまロビンと情報共有する。ロビンも同じこと言われたらしい。モンブラン・クリケットに会えって。ついでに地図も貰ったって。さすが〜。

 

え?もう船出しちゃったの?なして??え、イジメなの?何があっても大丈夫だろうから?いや、そういう問題か??ルフィとゾロがボロボロ。ベラミーってのにやられたんだと。誰それ。懸賞金5,500万?へー、やられる要素無くない?あ、無抵抗だったの。うん、なんで??よく分からん。

 

おけ、もうちょっと情報集めたらそっち行くわ。だいじょぶだいじょぶ、陸続きなら僕の方が速いから。え?続いてるけど遠回り?...、なんか適当に船乗っけてもらうわ。うぃ、はいな。

 

さて、なんか賑やかな店の前に出たぞ。うるさいの苦手なんだってのに、入りたくねぇ。。海賊だからなぁ、基本はうるさいか。

 

あれ、これ別に入んなくても話し聞こえるじゃん、うるさいから。壁越しに聞こ。

 

おやおや?良いこと話してる奴らが居るな。絵本の内容の話。ファンか?あ、違いそう、めっちゃ貶してるわ。ノースブルーでこの童話を知らない奴は居ない。それなー。有名だもんな、嘘つきノーランド。

 

へぇ、ジャヤがあのストーリーの舞台だったのか。そりゃ知らんかった。ってことは、いよいよあの絵本は信ぴょう性を帯びてきたってことだな。必然的に、あの文献の考察も。よし、こんくらいでいっか。さて、モンブラン・クリケットのところに行こう。子孫なんだって、サイン貰えるかな。

 

 

&&&

 

 

くそがぁああああ!!!ぜんっっぜん船捕まらねぇから自力で走ったわ!!遠いわァァァァァァああ!!!馬鹿じゃねぇの!?誰だよ陸続きなら僕のが早い(キメ顔)とか言ったやつ!!僕だよ!!!!もう夜だわ!!!!ざけんな!!!

 

「こんばんは、モンブラン・クリケットさんですか?」

 

九割九分九厘九毛くらいの確率で合ってそうなんじゃが!だって頭に栗乗ってるもん。どうなってんの?それ。でもなんか、ちょっとかわいい?かも。

 

「あん?なんだ、お前。」

 

「お初にお目にかかります、ソラと申します。ルフィ達からお話は?」

 

ロビン辺りが言ってくれてると信じてる。

 

「あぁ、そういやもう1人居るっつってたな。背のちっこい黒ずくめの。お前さんのことか。」

 

そうそう。でもお酒のコードネームとかは持ってないぞ。飲まねぇし。

 

「ところで、皆は何処に?」

 

「南の森に行かせた。サウスバードっちゅう鳥を捕まえなきゃならねぇ。そうしねぇと、ノックアップストリームまで辿り着けねぇからな。お前さんも行ってきたらどうだ?」

 

はーん、なるほ。森ね。

 

「いや行かないです。疲れたし。虫もいそうだし。」

 

「...。」

 

そんな目で見るなって。しょうがないだろ、走ってきたんやで?港挟んでるから直線的に行けなかったんだよ。島をU字に爆走したわ、端から端まで。ちな、疲れたのは身体じゃなくて心の方。途中で夜になったから良かったものの、何度泣きそうになったことか。絶てぇ許さねぇわアイツら。(誰も悪くない)

 

「ここまで走って来ただって?お前さん馬鹿じゃねぇのか。はぁ、さっきまでアイツらと飲み食いしてたんだ。なんか残ってんだろ、それ食ってろ。」

 

マジか、いえーい。おっさんやさしー。あ、ほんとだ散らかってる。散らかりすぎじゃね?片付けよ。おっそうじおっそうじ洗いもの〜♪

 

あれ、ご飯1人分ちゃんと残ってるぞ。サンジが残しててくれたんかな?流石、気配りできる男は違いますなぁ。ありがたく、頂きまーす。むむむ、うまいうまい。夜だしフードも取っちゃえ。

 

「おい飯は残ってたか?うおっ、お前さんそんな顔してたのか!?なんで隠してやがるんだ、勿体ねぇ。」

 

勿体ないとは。日光苦手やねん、色々事情がありまんねん。

 

「あれ、また飲むんですか?さっきまで飲んでたのでは?」

 

「かてぇこと言うなよ。おら、こっちに座れ。」

 

良いけど。あ、やっぱ無理。ちょっとめんどくさいことになりそうだ。なんか来たわ。

 

「クリケットさん、もぐもぐ。ちょっと外うるさくなりますけど、許してくださいねぐもぐ。んくっ。ご馳走様でした。」

 

「外?あ、おい。ちょっと待てよ。」

 

待たぬ。なんかゾロゾロ来てるんだよ。いやゾロじゃなくて。仲間じゃないんでしょ?これ。あ、フードフード。

 

「おうおうニーチャン。あんまりオレを怒らせるなよ。」

 

「夜分にいきなり来て黄金よこせはねぇだろうチビ共。ウッキッキ、帰んな。」

 

おお。こっから見ると、人類VS猿人類って感じやな。

 

「「誰が猿人類だっ!!?」」

 

あ、ごめん、続けて続けて。

 

ん?待って黄金があるの?マジか見たい!何処にあるの??見たーい。

 

「おい、アイツらその黄金を奪いに来たって言ってんだが。」

 

「奪われちゃったら僕見れないです。」

 

「そうだな。お前さん、仲間が帰ってくるまで時間稼ぎ出来そうか?俺たちと一緒に。」

 

時間稼ぎ?倒すんじゃなくて時間稼ぎが良いの?適当にやってれば出来ると思うけど。コスパ悪いよ。まぁ良いけど。

 

「ぎゃはははっ!おいおい、用心棒は猿共とそのガキかぁ!?人間様にゃちょーっと勝てねぇんじゃねぇか?」

 

「...人が俺をなんて呼ぶか教えてやろうか?ハイエナだ!!ハハハ!!おいガキだからって容赦しねぇ、殺すぞ?」

 

「はぁ、そうですか。御三方は下がっていてくださいな。」

 

ハイエナって、自慢できる呼び名か?ちょっとよく分からんな、その感性。

 

あれ、こいつらさっきのお店にいた奴らじゃね?なんとなーく見覚えが。ちらっと見えたんだよな、金髪ヤンキーみたいな奴。

 

...乗せてもらえば良かったんじゃ?ってふと思ったけどダメだわ。そうしたら僕までこいつらの仲間と思われちゃう。走ってきて良かった。

 

わ、部下たちがいっぱい来たぞ。どうしよ、時間稼ぎって具体的に何すればええのん?傷つけないようにしろってこと?夜なんだけど。ただでさえ手加減難しいのに、夜なんだけど。どうしろと?あ、ちょうどいい技があった!これで勝つるっ。

 

「''刃技(じんぎ) 餓鬼宴獄(がきえんごく)''。」

 

辺りが薄暗くなり、おどろおどろしい空気が立ちこめる。ポツン、ポツンと増えていく、ボゥと揺蕩う青白い光。その光が段々と、人の様な形を象っていく。子どもに似た小さな影もあれば、大人と同じ程の筋骨隆々な影も。共通している点は、目はギョロりと大きく、牙が生えていること。そして、数は違えど額には大きな角が突き出ていることだ。

 

鬼の戯れ、ここに幕開け。

 

「遊んでおやり、餓鬼ども。」

 

「「「うっ、うわぁぁぁああああ!!?」」」

 

わっはっはっは、鬼と人の宴じゃ!!盛ってるのは酒じゃなくて海賊の涙だがな!!あれ?猿と栗は混ざんないの?あ、そう。

 

「...てめぇ、気味悪りぃ技使いやがって!!調子乗ってんじゃねぇぞオラァああ!!''スプリングスナイプ''!!!」

 

「おっと。」

 

ひょいっとな。なんでぇ、一緒に遊んでりゃ良いのに。ほら、あんなに楽しそうじゃん。泣くほど。

 

「ビビって泣いてんだろありゃ。」

 

そうかなぁ?

 

「悪魔の実の能力者なんだ、君。」

 

「はっ!見るのは初めてかぁ!?マグレで避けたくらいで良い気になるなよクソガキぃ!!俺はバネバネの実を食ったバネ人間!!!てめぇみてぇなガキが敵う相手じゃ...ねぇんだよ!!!」

 

お、パンチングと見せかけてのラリアットだ。粋なことするねぇ。でも遅いな。納刀。

 

「かっとーばせー、ぼーくっ♪」

 

ブォン!!!!

 

「グボァア!?!?」

 

「あ。」

 

ちょ、ミスっっったぁあ!!!時間稼ぎって言われてたのに!!!ストライクゾーンに良い球(顔)が飛んできたからつい...!!

 

おや?鬼共の中から1人抜けてきたぞ。誰やねん水刺す奴は。せっかくの宴だぞもっと楽しめよォ!?

 

おい猿2人!!ボーッとしてないでクリケットさん守れや!!働け!!!おまいらそれでも用心棒か!?違うか。

 

「''魚人柔術(ぎょじんじゅうじゅつ)人技(じんぎ) 柳凪(やなぎなぎ)''。」

 

「死ねぇぁああ!!...うぉおおお!?」

 

ぽーんと飛んでくなぁ。ちゃんと重心落とさないとダメやで。あ、さっきの奴んとこ投げちゃった。

 

「ソラ、つったか。お前さん強かったんだな。ヤツら相当のやり手だぞ。」

 

「いえ、それ程でも。約束守れなくてすみません。時間稼ぎしろって言われたのに、ちょっと加減が難しくて。」

 

「あん?...わっはっはっは!!倒せるんなら倒してくれた方がありがてぇに決まってんだろ!!こいつめ、生意気なガキだ!!くっくっく!」

 

はにゃ。なんだ倒してよかったん?ほんじゃ鬼さんらやっちゃって〜。パチンっ、とな。ちょ、僕の頭を撫でるんなら、僕にもその栗触らせてよ。

 

「「「ぎぃゃぁぁあああああああ!!!」」」

 

悲鳴とか恐怖って、鬼とか妖怪の好物なんだって。知ってた?

 

「くそ、ガキがァ...!この俺をベラミー海賊団船長!!ハイエナのベラミーと知ってて楯突いてんだろうなぁ!!あぁ!?」

 

「おれは副船長、ビッグナイフ・サーキース!懸賞金3,800万ベリーだぞ!!ベラミーに至っちゃ5,500万ベリーだ!!何処の海賊団だてめぇ!!?」

 

えっ。あ、こいつがベラミーなの?ルフィが無抵抗でボコられたって奴??マジでわからん、やられる要素が無さすぎて。

 

「君ら、麦わら帽子被った奴と刀三本持った頭が緑色の剣士、見たでしょ?あれ、ウチの船長と戦闘員なんだけど。」

 

「「...ぎゃっはっはっはっ!」」

 

「懸賞金3,000万の、あの雑魚野郎の手下かよ!!それならやっぱりさっきのはマグレだなぁ!?」

 

「おい、今なら許してやるぜ。土下座して頼むんなら、手下に加えてやるよ!!」

 

あー、やっぱりこいつらなんだ。ふぅーん。まぁなんだ、ルフィとゾロにもなにか理由というか考えがあったんだろうけど。僕は知らないから、別にイイよね。

 

(ひと)つ。友達の宝物(きんかい)を奪おうとしたこと。」

 

(ふた)つ。月が美しく輝く良い夜に、下衆な笑い声を響かせたこと。」

 

なんかごちゃごちゃ言ってるな。なんて言ってるか分からんけど。

 

「''スプリングスナイプ''!!!」

 

(みっ)つ。僕の仲間を、ルフィとゾロを笑ったこと。仏の顔は三度までだが、僕は仏じゃないからさ。バイバイ、ハイエナくん。」

 

ーーー''刃技(じんぎ) 龍月(たつき)''

 

「ごっ...はぁああああああ!!!!」

 

「おい嘘だろっ!?べっ、ベラミー!?ひっひぃぃいいいいいいいっっ!!!?」

 

ほー、船長を連れて逃げるくらいは出来るのか。ま、そこだけは評価して追わないでおいてやろう。

 

さぁー終わった終わった。つまらん戦いだったな。

 

「おいおいおい、ホントに勝っちまいやがった。1つの海賊団を相手に。」

 

「お前の技怖ぇえよ!!?なんだよあの鬼!?龍はカッコよかった!!」

 

「ホントだよ!!ちっとチビっちまったよ!!龍はカッコよかった!!」

 

うるさいよ。え?チビったの??ちょ、近寄らないで。アンモニア臭いから。えーんがちょ!

 

「そんなことより金塊見たいです。」

 

「くっくっく、海賊団を潰したことがそんなことか。大物だな、こりゃ。ほらこっちだ、見せてやる。おめぇらは手筈通り船を強化してやれ。」

 

「「アイアイサー!」」

 

船の強化ってなんぞ?あ、空飛ぶために必要なん。ほー、そんなことしてくれるんだ。ありがてぇ。え、羽付けるの?(メリー)に?草。

 

「おぉ〜。これが金塊、インゴット。初めて見た。」

 

「珍しいだろう。俺が長年海に潜って、やっと見つけたのがこんだけだ。」

 

ほぇー、すごい。そりゃ盗まれたくないわ。おっさんの努力の結晶だもんなぁ。でもあんまり潜りすぎるとよろしくないよな。

 

「潜水病は?」

 

「...んなもん気にしてられるかよ。こいつァ俺の人生をかけた闘いだ。クソッタレの先祖と俺の一騎打ちなんだよ。」

 

いや気にしろよ。死にたいのかおっさん。

 

「クリケットさんは、ルフィ達と宴をしたんですよね。」

 

「なんだ、急に。そりゃあしたが。」

 

「僕とも、こうして座って、今飲んでますよね。」

 

「あぁ。お前さんは飲んでないが。」

 

そこは触れてくれるな。まぁまぁ、1杯。ほら乾杯。僕お茶だけど。グイッと。おぉ、良い呑みっぷりで。かっくい〜。

 

「一緒にお酒飲んだりご飯食べて話したら、それはもうお友達ですよね。」

 

「まぁ。そう、だな...?」

 

よし。

 

「じゃ、友達の言うこと、ひとつ聞いてください。」

 

「...いくらオメェから頼まれたってなぁ。こいつは俺の金塊だぞ。そう簡単にゃ、やれねぇよ。」

 

いや、それは要らん。

 

「今度から海に潜る時は、僕の設計した潜水服を着てくださいな。つい最近僕も使ってるので、性能は保証出来ます。ウソップに頼んでクリケットさんの身体のサイズに合わせたものに作り直してもらいますから、それを使ってください。良いですね?」

 

「あ、あぁ?おい待て、そりゃどう言う...金塊が欲しいんじゃないのか。」

 

「いえ金塊は見たかっただけです。もう充分堪能しました。満足です。」

 

だから要らんて。なんでそんなに推してくるん。友達の宝物欲しがる訳ねぇだろ。

 

「これからも変わらず海に潜るんですよね?なら、身体は大事にしないと。貴方が倒れたら悲しむ人が居ることを、どうか忘れないで。」

 

お猿さん2人が悲しむだろ。もちろん僕も、ルフィ達だって悲しむはずだ。出会って数時間とか関係ない。

 

潜水服着たからって病気が治る訳じゃないけど、悪化はしなくなる。そのくらいしたって罰当たらんやろ。

 

「...、あんがとよ。」

 

おぉ、良かった頷いてくれた。丁度みんな戻ってきたみたい。ウソップ〜、また作って〜。

 

あ、お願いもういっこあったわ。サインくれ。




主人公の頭撫でられ率が上がってきている気がする。
ええ子ええ子。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。