器用貧乏な麦わらの一味   作:millseross

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デービーバックファイト編
第1回戦


大量の黄金を盗んでスタコラサッサと空島をおさらばした我々麦わらの一味。なんか空島の人達みんな親切心で呼び止めてた感じだけど、勘違いしたルフィ達は追われていると思い逃走。無事(?)に空島から脱出(落下)出来たのでした。まる。

 

そして現在。珍しく、本当に珍しく、平和という言葉が似合いそうな島に到着した。ルフィとウソップ、チョッパーは見渡す限りの大草原(ネトスラじゃないよ)に興奮し早速冒険へ出かけた模様。

 

人が数人と、いくつかの動物が居るらしい。1人は空中にいるんじゃが、能力者かなんかかな?飛行能力、良いよなぁ。かっけぇよな。便利だし。

 

とか何とか考えつつ錨を下ろしていたら、でかい船がメリーを逃がさんと言わんばかりに船を着けてきやがった。

 

メリーが...ウチの可愛い子羊ちゃんがブサキツネにあすなろ抱きされてるんだが。燃やして良いかな、この不届キツネ。誰だよ。

 

「なんだコイツら?さっさと降りてこい!相手になるぜ!!」

 

喧嘩っ早くて草。どっからでも掛かってこい、ボッコボコにしてやんよ。(喧嘩っ早い)

 

「我々はフォクシー海賊団。早まるな、我らの望みは決闘だ!!!」

 

「俺たちはお前ら麦わらの一味に、デービーバックファイトを申し込む!!」

 

「デービーバックファイト?って何よ。」

 

ほー。久々に聞いたなぁ、デービーバックファイトなんて。懐かしい。でもそうか、この島に来る途中で見かけた海賊は、こいつらにゲームで負けたから連携もくそもなかったんだな。納得。

 

「一言で言うなら、何を賭けても良い海賊特有のゲームだよ。」

 

「何をかけても良い?おいおいそりゃ、命もか?」

 

「そ。命というか、人員を賭けるのが一般的だね。ゲームで勝った方は、敵船から望む奴を奪い取る。そうやって自分の仲間を手っ取り早く増やして、戦力増強なり人員確保なりで仲間を充実させる。」

 

んでもって、負けた方は。まぁお察しだよね。

 

「因みに、人以外にも食料や財宝、船や海賊旗なんかも賭けの対象になるわ。望む人員がいない場合、そういった物資を要求することも出来るというわけ。」

 

「その通りっ!俺たちが挑むのは3コインゲーム!3本勝負のゲームだぜ!!」

 

ふーん。まぁ良いんじゃない?負ける可能性の方が低いよ。食料と財宝とあとなんかテキトーに貰ってさっさと行こ。

 

「ちょっと待ってよ!そんなの受けるわけ無いじゃない!負けたら仲間を失うのよっ!?あの船みたいに!!」

 

「そだね。でもそれを決めるのは僕らクルーじゃない。船長のルフィだ。それと、往々にしてこのゲームを仕掛ける奴ってのは、狡猾さが売りだったりする。つまり。」

 

「どうやってもルフィじゃ、受けないなんて答えが出るわけがねぇってこったな。」

 

ざっつらいと。

 

「知らないわよそんなの!拒否権くらいあるでしょ!」

 

「逃げだせば、この海賊の世界では大恥を晒すことになるんだ、ナミさん。」

 

「別にいいじゃない!恥かくくらい!」

 

恥をかく、くらい...かぁ。そりゃあダメだ。ダメだよナミ。

 

「生き恥を晒すくらいなら死ぬほうがマシだ。」

 

「右に同じく。」

 

「諦めなさい、男ってこう言う生き物よ。」

 

「何よそれっ!ソラ、あんたも同じなのっ!?」

 

せやな。いや、死ぬほうがマシとまでは思ってないけど。死ぬくらいなら恥に塗れて生きるけど。

 

「一般人なら、逃げたって良いと思うけどね。でも僕らは海賊だ。それもただの海賊じゃない。未来の海賊王の一味だよ。恥やメンツって言うのは、そこいらの奴らよりずっと重くのしかかる。」

 

約束や契約を守らないような奴を信用出来ないのと同じだよなぁ。

 

「大丈夫だよ、ナミ。僕らが負けるなんてこと、天地がひっくり返っても有り得ないから。タダで食料や財宝をくれる憐れなカモ達、とでも思っておけば良いんじゃない?」

 

「タダで、財宝...それもそうねっ!よし、あんたら負けたら絶対許さないわよ!!何がなんでも勝ちなさい!!良いわね!!」

 

「「「はーい。」」」

 

タイミングよく、2発の銃声が鳴る。

 

「さ、ゲームの始まりだ。」

 

「やっぱ受けやがったな、ルフィのやつ。」

 

「望むところだ。」

 

「面白そうね。」

 

「やってやろうじゃない!」

 

良いねぇ、みんなやる気満々じゃんか。面白くなってきたな。

 

「「「ゲームを受諾したぁああ!!!」」」

 

「ぎゃっはっはっは!!」

 

「祭りだァ!!!」

 

祭りか?まぁ似たようなもんか。お、なんか屋台とか準備してるわ。用意良すぎかおまいら。ってか参加人数はさすがに絞るよな?

 

この人数を全員相手だと大乱闘になっちゃうぞ。なんでも僕と同じ名前のキャラが居るらしい...が、そんなキャラには目もくれず僕はゲッコウガ一択や!!スピード特化はこれだからよぉ!!!

 

脱線したわ。とりまルールとしては、3ゲームで7人以下の出場らしい。1人1回までの出場で、1度決めたメンバーは変更不可とのこと。レース、球技、戦闘の3回戦。オーソドックスルールって訳ね。

 

7人かぁ、1人あぶれるね。誰が何に出る?

 

「僕、見てようか?みんな出たいでしょ?」

 

「「ふざけんな!!」」

 

「えっ、」

 

え?え、なに?なんで怒られたの。怖いんだけど。みんなゲームしたいんじゃないのか。

 

「8人いるなら私出なくても良いわね!!」

 

「いやいや俺だ!!俺出なくて良いだろ!!俺なんて何も出来ねぇから!!!」

 

はい??いや、ナミもウソップも必須人員でしょ。出ないなんて有り得ないから。

 

「「なんでっ!!?」」

 

「だってレースがあるんだよ?与えられた材料で船を作って、島の周りを1周とかそういう内容の筈だよね。であれば、この船唯一の航海士であり、グランドラインでもトップレベルの航海士としての才能を持つナミは絶対に必要だ。」

 

「それに、少ない資材を無駄なく有効活用して素晴らしいアイディアを盛り込んだ作品を作ることが出来るウソップも必須人員だよ。僕も設計はできるけど、創作に関しては現状ウソップの右に出るやつなんて居ないし。2人が抜けた状態でレースに勝つなんて、出来る訳ないじゃん。」

 

何言ってんのかねぇ、この2人は。思わず首を傾げて肩をすくめちまうぜ。

 

「「えへへへへ、いやいやいやそんなぁ。」」

 

「乗せられまくってんじゃねぇか。」

 

めっちゃ照れとるな。手と首振って一応否定してるけど、デレッデレで満更でも無い様子。

 

「ってことであと一人はロビンかな。」

 

「あら、どうして?」

 

「見ての通り2人は割とお調子者って感じだから。いつでも冷静な判断ができるロビンが居てくれたら心強いよ。」

 

「そう。でも、それならソラくんでも良いと思うわ。」

 

「それも思ったけど、僕はどっちかと言うと戦闘方面で役に立てると思うから。フィジカルが必要な球技か戦闘にでも参加するよ。別に出なくても良いけど。」

 

「そういうことなら、分かったわ。」

 

ありがとロビン。さて後は。

 

「おい戦闘には俺が出るぞ。」

 

「何ーーっ!?俺がやりてぇよ!!」

 

「俺に任せろ、足がウズウズしてんだ。」

 

ちょっとルールを拝見。ふむふむ、なるほど、第1、第2回戦は3人で、最後の戦闘だけが1人なのか。

 

「戦闘はルフィが出るべきだね。参加人数1人ってことは、向こうも船長が出てくるだろうし。このゲームを受けたのはルフィだから、ちゃんと勝って締めること。OK?」

 

「分かった!!よっしゃーー!!」

 

「「ちっ。」」

 

反応同じとか仲良いかよ。喧嘩するほどって言うしなぁ。これ言ったら絶対キレてくるから言わんけど。

 

「んで、球技はっと。ゾロとサンジは立候補してるから確定として、チョッパーはどうする?出たい?ぶっちゃけ僕どっちでも良いから、チョッパーに任せるよ。」

 

「俺はシェリーのことが心配だから、怪我の具合を見てるよ!だからソラが出てくれ!」

 

「そか、わかった。」

 

遠慮したのか本心なのか。どっちもかな?まぁいいや、チョッパーが出ても僕が出ても勝つことに変わりないんだし。

 

あの綺麗なお馬さんはシェリーって言うんだね。足の怪我は銃で撃たれたみたいだけど。ふぅん、そう。そういう事ね。

 

「じゃ、これで決まり。」

 

「選考は終わったかしら?提出してくるわね。」

 

ほいな。

 

「おい、ソラはあぁ言ったがよぉ。もし仮に、万が一、負けたらどうする?きっとアイツらが欲しいのはこのキャプテンウソップ様だ。」

 

「いいえ、私よきっと。かわいいから。真っ先に取られるんだわ。」

 

自信が無いのか有るのか分かんねぇな、この2人。まぁいいや、面白いから。

 

大丈夫大丈夫、負けないからさ。気張っていこうぜ。

 

第1回戦【チキンレース】

参加者:ナミ、ウソップ、ロビン

 

第2回戦【グロッキーリング】

ゾロ、サンジ、僕

 

第3回戦【コンバット】

ルフィ

 

ということで決まり。まずは第1回戦のレースからだ。船大工の腕の見せどころらしいが、ウチに船大工は居ない。ウソップ頼りだ。

 

ロープとか釘とか細々した部品は追加で使っても良いらしい。これは確認したから間違いない。その時に併せて、僕も一緒に船作りお手伝いしても良い?(フードずらして上目遣い+涙目きゅるん)とお願いした。子どもだしかわいいからって理由で余裕のOKが出た。やりぃ。子ども好きな審判で良かったわ。ちなみに一連のやり取りは全てトーンダイヤルで録音もしてるので言質はとってる。計画通り。(ゲス顔)

 

その辺も踏まえた上で、ウソップには設計図を渡し一緒に制作。樽を半分に割って6つのパーツをただ繋ぎ合わせるのでは無い。3人しか乗らないんだから、乗るスペースは樽1.5個で十分だ。みんな軽いから沈む心配も無い。

 

余った残り半分の木板を使い帆&盾の役割を果たすパーツを作成。そして繋ぎ止める鉄の部分を左腕で溶かし、船の前方へ三角形を整えながら溶接することで波避けの役目を果たす船頭部分を形成。ロープは一応少し多めに積んで、あとはオールで頑張ってくれ。

 

「うぉおおお、すげぇっ!この材料でこのクオリティはそうそう出せねぇぞ、ソラ!流石だなっ。」

 

「無茶な設計を叶えるウソップが凄いんだよ。レース頑張ってね。」

 

「おうよ!まっかせとけ!!」

 

うん、任せた。

 

両チームがスタート地点へ並ぶ。お互いバチバチと視線を飛ばし合っている。火花散ってんなぁ。そんくらいじゃなきゃな!

 

コースは島の外周を一周、とのこと。なお、武器はなんでも使用可能と言われた。ウソップ有利じゃん、狙撃手だし。やったれー!!

 

わはは、応援とヤジが飛んでいる。こんな盛大にゲームするのは初めてだから、ちょっと面白いな。新鮮だ。

 

「位置について!!用意...スターーートぉおおお!!!」

 

と当時に、一斉にフォクシー海賊団が銃やら大砲を撃ちまくる、が。

 

「「「なっ!?鉛が...溶けたぁああっ!?!?」」」

 

小さく前に左腕をかざし、バレないように能力を使う。全ての鉛は溶け、勢いを無くして海へと落ちて行く。これぞホントのデービーバックだぜ。融けた鉛なんて要らないって言われそうだけどな。アイツらは僕の仕業って分かってないみたいで良かった。

 

お、ウソップとナミとロビンがこっち向いてる。手ぇ振っとこ〜。頑張れ〜。おぉ、みんなやる気出して良い感じじゃん!こっちもこっちでヤっとくから、安心しな。

 

「んんんナミさんとロビンちゃんが怪我でもしたらどうするってんだぉおおらぁああっっ!!頭蓋骨粉砕すんぞクソどもがァっ!!!」

 

ラブハリケーンが暴走してるわ。ま、このゲームにおける参加者の行動なんて予想済み。場外乱闘有りの方がこっちとしてもありがてぇ。腕の立つ奴らしか居ないからな。数に物言わせるだけの小物共とは質が違うんよ。

 

おぉ、なんだ怪力でもいるのか。でっけぇ岩が飛んできたぞ。ウソップめっちゃ叫んでる。

 

「''一刀流 三十六煩悩鳳(ポンドほう)''!」

 

「「「おっ、大岩を...斬ったァァあああ!?!?」」」

 

うはは、たっのもしー。そんなに差も開いてない。場外乱闘への対応はするけど、レーサー同士のいざこざは頑張れって感じ。

 

お、魚人が居る。知らない顔だな?海面割りの規模そこそこデケェ。やるやん。まぁ船頭を鉄でコーティングしてるからほぼ意味ないんだけど。

 

ロビンが関節技キメたわ。痛そー。横並びとは言えないが、まぁほぼ変わらんくらいだ。まだ始まったばかりだし、幾らでもオセロできるぜ。

 

なんか向こうの船長、オヤビンって呼ばれてるからそれで良いや。オヤビンがコソコソ移動してる。一応、刃技の射程圏内におさめときたい。こっそり着いてくか。

 

こうして見てるとやっぱり面白そうだよなぁ、レースも。ちょっと出たかったかも。まぁ良いんだけどね、全部出るなんて出来ないし。

 

おぉっ!!インパクトダイヤルで一気にぶっちぎったぞ!!すごい、あんな使い方もあるのか。

 

ん、インパクトダイヤルって盾に付けるのが良い気がしてきた。敵からの衝撃を吸収する絶対防御と、その衝撃をそのまま跳ね返すシールドバッシュ的な。攻防一体の盾かぁ。時間ある時に設計してみよっかな。

 

おぉ、ロビンは頭良いなー。手でしっかり相手の船を掴んでる。あ、バレた。そしてロビンの腕を殴ろうとした魚人が海に落ちた。草。

 

お次は奥の渦とサンゴ礁の森によって独特な海流が発生している迷路地帯。相手チームは何度突撃するも逆戻りしてる。しかし我らがナミには完全に攻略できている模様。オヤビンが煙幕を発生させ視界を奪うも、楽々突破。さっすが〜。やっぱりこのメンバーで良かった。

 

さて、次の大渦をどうするのか...ふぁっ!?とっ、飛んだァァァーー!!ウソップのインパクトダイヤルで空を飛ぶ樽船。船頭の鋭角鉄板がいい感じに風を切り裂いてぐんぐん飛距離を伸ばしてる。岬も楽々越えてったぞ、すげぇな。でもウソップの腕が死んだわ。どんまい。リジェクトだったら終わってたな。

 

右へと書かれた看板と、死にかけのばぁさんの演技と、偽のゴールを全てぶち破る。ナミのツッコミスキルがどんどん上がってくぞ。

 

信じる心ってなんですか?って言う疑問に対してキレ散らかしてるの面白すぎて。まさに外道。ゲスの極み乙女。(パクリ)

 

偽ゴールに敵が引っかかっている件。ギャグかよ。ギャグだったわ。なんかいつの間にかサメと魚人が合体してる。あのスタイル見たことある〜。具体的にはバラティエで。流行ってんのか?

 

さて、ラストスパートだ。と言ってもさっきのサンゴ迷宮で圧倒的な差を付けてるから、このまま行けばウソップたちの勝ち確。ルフィやサンジも喜んでる。

 

ただ、ずっと尾行していたオヤビンの言動と、部下たちの表情が腑に落ちない。相手の船も猛追してるし、ちょっと心もとないかも。ってことで保険かけとくか。

 

''刃技(じんぎ) (あま)叢雲(むらくも)''

''刃技(じんぎ) (あま)霞牙(かすみは)''

 

ウソップ達に被害が出ないよう、相手チームを覆い隠す様に雲を発生させる。そして小さな斬撃をひとつ。

 

「うぉおおお!!こんな雲なんざ気にしてられるか!!追いつけ追いつけぇえええ!!」

 

「きゃっ!?えっ、ちょ、待ちなさい!?」

 

オヤビンが腕を前に突き出し叫んだ。

 

「''ノロノロビーム''っ!!」

 

「「「!?」」」

 

直後、ゴール直前にまで雲が達する。しかしおかしい。僕らはみんな困惑してる。相手チームは突然雲が発生した事に。僕らは、ほんの数メートル先がゴールだと言うのに、一向に3人の乗った船が雲の中から出てこないことに。

 

雲に飲み込まれたまま、バシャバシャと波打つひとつの音のみが響いている。その音を聞いた瞬間に、相手チームの奴らはみんなにやけた顔になっていた。勝利を確信したのだろう。

 

こっちは混乱の真っ只中だ。なんだ、ノロノロ?ビーム?オヤビンの掌から出た謎気配に照射されたウソップ、ナミ、ロビン、そして3人を乗せた船や、船を運ぶ波までもが動きを無くす。いや、無くしてるんじゃない。極端に遅くなっているんだ。文字通り、ノロくなってる。

 

つまりオヤビンは、パラミシアの能力者ってことか。厄介だな。

 

「ぅおおおおお!!!よっしゃぁあああ!!!見たか野郎どもぉおおお!!!」

 

「ゴーーーーールッ!!!勝者!!!キューティーワゴン号〜〜〜!!!!」

 

「「「いやったァあああ!!!」」」

 

敵チームは大喜び。対してルフィたちは呆然と、状況が理解出来ていない様子だ。

 

そしてウソップとナミとロビンが雲から突き出てゴールした。3人とも困惑している。そりゃそうだ、当事者が1番訳分からないだろうな。ゴール直前で全ての速度を奪われたんだから。

 

「はぁっ、はぁっ。」

 

「どういう、こと?」

 

「なんか動きが、?」

 

答え合わせをするように、オヤビンがわざわざ説明してくれた。掌から照射されたノロマ粒子に触れた全ての物は、30秒の間ノロくなるらしい。大砲を使って実践してくれた。爆発してたけど。ちゃんと数えとけよ。

 

「フェーッフェッフェッフェ!!さぁ、差し出してもらうぞお前たちの仲間を!!!まず1人目に欲しいのは...お前!!」

 

「船医!!トニートニー・チョッパー!!!」

 

...ふーん、なるほどね。狙いはチョッパーか。さて能力も目的も知れたことだし。

 

腕をがっしり捕まれて連れて行かれそうになるチョッパー。小さな身体で抵抗してる。大きくならないのは、心が納得できないまでも頭で理解しているからか。

 

みんな悔しそうにしている。負けを認めているらしい。それでも諦めきれないと、チョッパーを悲しい表情で見ている。

 

「みんなぁぁああーーー!!!おで、おれ嫌だぁああああ!!!おれはっ!!お前たちだから海に出たんだっ!!!ルフィが誘ってくれたからおれ、海に出たんだよ!!!嫌だよおれぇえ!!!」

 

その言葉を聞いて、ウソップ、ナミ、ロビンはより一層悲痛な面持ちになる。

 

「ガタガタ抜かすなチョッパー!!!見苦しいぞ!!!」

 

「「「!?」」」

 

「お前が海に出たのはお前の責任!お前がどこでどうくたばろうとお前の責任!誰にも非は無ぇ!!ウソップたちは全力でやったろう!!海賊の世界でその涙に誰が同情する!?」

 

ま、ゲームを受けた時点で自己責任だもんなぁ。これはゾロが正しいね。

 

「男なら...!フンドシ締めて勝負を黙って見届けろ!!!」

 

「...っ!!あぁ、わがっだっ!!!」

 

おぉー偉い!!よく泣き止んだね、チョッパー。でも変なの。僕らは負けてない(・・・・・)のに、まるで負けたみたいな言い草だな。

 

「それでは第1回戦、決着がつき...!」

 

「異議あり!!!(逆転風)」

 

「「「!?!?!?」」」

 

突然左手をピンと空高く伸ばし大声を出した僕に向かって、大勢の視線が突き刺さる。わはは、こんなに注目されてるよ。やっぱり顔見せてなくても、ふつくしさはオーラで分かるもんなのかな?(うざい)

 

「なんだぁ、ガキ?デービーバックファイトにおける決着にケチつける気かぁ!?海賊の恥を晒すのかぁっ?」

 

「そーだそーだ!感動的な場面だったのに!」

 

「子どもは口を出すなっ!」

 

なんかめっちゃ不評なんやけど。こんないたいけな子ども(見た目)に寄って集って大勢で責め立てるなんて恥ずかしくないのかっ!?お前ら人間じゃねぇっ!!(ジムリーダー)

 

「「...。」」

 

うわ緑髪と金髪が睨み効かせてる。全員一瞬で黙った。シーンとしてるわ。お前らどんだけビビってんねん。あぁ、さっきボコられたからか。

 

「ソラ、どうした。」

 

お、ルフィも気になるんやな。ま、ちゃんと見てみなさいよ。

 

「あれ。」

 

と、人差し指である1点を指さす。みんな僕の指と同じ方向に視線を向ける。なんだこれ面白いぞ。こいつら全員猫にならねぇかな。全力で可愛がるのに。

 

「「「んん〜〜?...あっ!?」」」

 

「...グズっ、ひぐっ。ぅぅぅう〜〜っ。」

 

雲が晴れたそこには、1人の女海賊が船と共にぽつんと漂っていた。涙を流しながら。確かポルチェって呼ばれてたな。

 

「どっ、どういう事だぁ!?なぜキューティーワゴン号とポルチェちゃんがあんな所に!?ゴールにも辿り着いてねぇじゃねぇか!?!?」

 

にやり。

 

「ご覧の通り、君たちは現時点で未だゴール出来ていない。対して、こっちは3人全員が既にゴールしている。どちらが勝ちかは明白だよね?」

 

「なっ、なっ!?」

 

「種明かしをしようか。ゴールを目前にリードされて焦っている君らに向けて雲を発生させ、視界を奪う。その際に斬撃を飛ばし、サメ&魚人と船を繋いでいたロープを切断。置いてけぼりの船と仲間の1人に気づくことなくゴールしはしゃぎまくって今に至る、という訳だ。可哀想にね、彼女泣いてるよ。」

 

奴さん方みんな揃ってオロオロしてんぞ。ウケる。まぁ今の今まで気づかなかった自分たちの愚かさを恨め。

 

オヤビンは怒り心頭。対してこちらは、チョッパーが連れていかれないことを理解した満面の笑み。

 

「ふっ、ふざけんなっ!!いいか!?こっちは先にゴールしてるんだよ!!審判だってもう勝利宣言を終えてる!!つまり、勝者は俺たちだっ!!」

 

お、裁判ごっこか?とことんやってやるぜ?デービーバックファイトにおける論戦で僕に勝てるとでも思ってるの??

 

「泣いている彼女は無視してゴールしてるって言うつもり?じゃ、あの子は仲間じゃないんだ。それに勝利宣言?審判は勝者にキューティーワゴン号の名前を宣言した。でも実際には、船はゴールを抜けてない。つまりその宣言は間違いであり、無効となるはずだよ。」

 

「ポルチェちゃんはフォクシー海賊団の仲間に決まってんだろ!!お前ら迎えに行ってやれ!!それとぉ!!!勝者はフォクシー海賊団だとそう言った!!だろう、審判!?」

 

「その通りです!フォクシー海賊団が勝利だと宣言しました!!」

 

ほう、そんなこと言っちゃうんだ。ふーん?

 

「おい待てよ、俺ぁ聞いてたぜ。テメェは船の名前を宣言しただろうが!」

 

サンジが詰め寄る。みんなも抗議してる。結構聞いてたんだな、偉い。

 

まぁ向こうは認めないよね、そりゃ当然だ。でも残念、ちゃんと録音してある。

 

「ごちゃごちゃ言う前に証拠を持ってきたらどうなんだぁ!?フェッフェッフェ!!」

 

はい、ポチッとな。

 

【ゴーーーーールッ!!!勝者!!!キューティーワゴン号〜〜〜!!!!】

 

【どっ、どういう事だぁ!?なぜキューティーワゴン号とポルチェちゃんがあんな所に!?ゴールにも辿り着いてねぇじゃねぇか!?!?】

 

審判の勝利宣言と、それを完全否定するオヤビンの声。トーンダイヤルが物語っているっ!

 

「なっなんじゃそりゃぁああっ!?おっおれの声ぇええ!?...はっ!?」

 

またまた、にやり。

 

「はい、QED。自己論破お疲れさま。ということで、僕ら麦わらの一味の勝ちだね。審判の勝利宣言を、オヤビン自身が否定してる。そしてこの録音が自身の声だと認めた。同時に、そっちのチームと審判の癒着も露呈したね。まぁフォクシー海賊団から選出されてるんだから、当たり前っちゃ当たり前なんだけど。」

 

「ぐっ、ぐぅうううう〜〜〜っっ!!無効だっ!!ゴール手前で妨害を行って良いというルールはねぇっ!!」

 

「「「お前が言うなっ!!!」」」

 

「しちゃダメってルールも無いでしょ。審判。これ以上議論の余地は無い。さっきの虚偽申告は見逃してやるから、代わりに再度勝利宣言をよろしく。誰にだって間違いはあるさ、問題はそれをどうリカバリーするかだよ。ちなみに。」

 

この要求を飲めない場合、こちらも然るべき処置を執り行う。これはデービーバックファイト。海賊の、ゲームだよ。

 

ルフィがポキポキと指の骨を鳴らし。ゾロが柄に手を添えて。サンジがタバコを吹かし睨みつける。

 

こいつら輩かよ。怖ぇ。

 

「ひいっ!?し、しししょうしゃひょう勝者!!!麦わらの!!!一味ぃぃいいい〜〜〜っ!!!!」

 

「くっ、くっっそぉおおおお!!!」

 

勢いよくホイッスルが鳴る。よく出来ました。表彰者って聞こえたけど、まぁ良いや。

 

手を取り合い抱きつき合って喜ぶウソップとナミとロビン。チョッパーも嬉しそうにはしゃいでこっちに向かってきてる。よしよし、良かったねぇ。僕もハイタッチいえーい。うれぴっぴのヒヨコちゃん。

 

はぁ、次は警戒されそうだな。まぁ望むところなんだけど。

 

「さて、皆どうする?」

 

「まずは人を選ぶか、モノを選ぶかだな。」

 

(((ま、まさか俺を??)))

 

「財宝で!!♡」

 

「いや早ぇよ!?もうちっと考えようぜ!」

 

「何よ、良いじゃない。どうせ全部勝つんだから何選んだって一緒でしょ!」

 

「そりゃそうだけどよぉ。」

 

そだね。そもそも人を選ぶって言ったって、誰一人情報を持ってない。何が出来るのかも知らないし、別に要らないかな。

 

「良いぞ、財宝で。お前らが出たんだからな。」

 

と、ルフィの鶴の一言で決まった。

 

「財宝か...何割持ってく気だ?」

 

「何割?何言ってんの、全部に決まってるじゃない。」

 

草。血も涙もねぇ。向こうもギャーギャー言い出した。やれ航海ができないだの、買い物ができないだの無一文になるだの。

 

「うるさいっての。負け犬が何か言う権利ある訳?」

 

しーーーん。

 

ナミって実は覇気使いだったりする??覇王色の。

 

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