他の人たちよく一万やら二万字もいくなぁ。
捏造マシマシですのでご注意を。
気にいったら感想なんかもお願いします。質問なんかも気づいたら返信するつもりですのでよろしく。
では、本編どうぞ
「は?えっ?何言ってるのよ、ロビン。私をからかってるんでしょ?そうよね?ね!」
顔を青くしてウタは狼狽える。
ロビンの肩を掴み揺らす様子には隠しきれない動揺があった。
「こんなことで嘘はつかないわ。一体どうしたの?」
宥める様にロビンは肩に置かれた手を取り優しく問う。しかし、そんなロビンに反してウタの顔色はますます悪くなっていくばかり。息さえも荒くなっていき手が、体が震え出す。
うわ言の様に、そんな、まさか、と繰り返し頭を抱え出してしまった。
他の皆んなも背を摩るなどして落ち着かせようとするが、収まることはない。
「トットムジカが、この島を、みんなを殺したの?」
震えた声で念を押す様に聞くウタ。
きっとそうなんだ、とウソップやチョッパーが明るい声で答える。お前の父は犯人じゃあなかったんだと。
ウタを守るためにきっと戦ったんだと。
だが、励ましのつもりのその言葉を受け、ウタは苦しむ様に呻き涙を流す。
「どうしちまったんだよ、ウタ!犯人はシャンクスじゃなかったんだぞ!」
「ルフィ・・・」
近づき心配するルフィに縋りつくウタ。とめどなく涙を流して嗚咽を漏らす。やがて、ぽつりとつぶやく様に話始めた。
「違ったんだ、シャンクスじゃなかった、私だったんだ。私が、この島を、みんなを、ゴードンを!」
「私が、能力者なんだよ・・」
「私が!ウタウタの実の、能力者なんだよ!!」
泣き叫び語られた真実は、酷く残酷なもの。
考えもしなかった。思いつきもしなかった。まさか自分がこの惨劇を生んだ張本人だったなんてこと。
溢れ出る涙もそのままにしてウタは虚空に向かって謝り出す。
ごめんなさいと繰り返すその姿はいっそ痛々しい。
「おい!落ち着けウタ!」
「落ち着ける訳ないでしょ!?!!ずっと憎んでた!恨んでた!どうしてこんなことをって、なんで私を捨てたのって、ずっとずっとずっと!!なのに、悪いのは私だったんだ・・今更こんなことって・・・・・」
力なくぐったりとしてしまう。嗚咽を繰り返し、ルフィを掴む手はそのままにウタは気を失ってしまった。
受けたショックがあまりに大きかったのだ。
「ウタウタの実の能力者がウタだって、じゃあ、トットムジカを呼んだのは・・」
「・・・ええ。彼女ということになるわね。」
「そんなことってある?じゃあ、なんでゴードンさんはウタを今まで育ててきたの?きっとまだ隠されてることがあるのよ!」
「そうだ!ゴードンさんに聞こう!あの人なら全部知ってんだろ!」
ざわざわと騒ぐクルー達。打ち解けたウタが故意にこんなことをするはずがないとゴードンに真実を尋ねようと話す。輪に入らずにゾロは静かに目を閉じて佇んでいるが、その意はみんなと同じ様だ。異論は挟んでこない。
「ウタ・・・」
一方のルフィは気を絶ち力を失ってしまったウタを支えている。言いようもない感情を渦巻かせ唇を噛むその様はらしくもない。しかし、さもありなんといったところだろう。ようやく会えた幼馴染は尊敬する赤髪海賊団を降りていたと思ったら、捨てられていたといい。更に真相を探れば、その原因は彼女自身だったかもしれないのだ。彼女の心中を考えれば何も言えなくなってしまう。
いつもなら何も考えずに大暴れするところだが、他ならぬ本人がこの様子なのだ。自分がそんな様でいるわけにはいかない。仮にも一船を率いる船長なのだから。
気を失ってなお流す涙を、ウタに変わりルフィは拭い力強く抱きしめる。
「大丈夫だ、ウタ。俺たちがついてるから。・・・・・・お前ら、おっさんのとこに行くぞ。もうしのごの言ってらんねぇ。しなきゃいけない話がある。」
誰かを殴り飛ばして解決するような問題ばかりじゃない。
向けようのない拳をふるわして、船長は静かに顔を上げた。その瞳は真っ直ぐとエレジア城を見つめている。
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気を失ったウタを背負い、麦わらの一味はエレジア城に着いた。ついさっきまで楽しく歌い笑っていたというのに、今の空気の重いこと。
城の中に入りゴードンを探し回り、中庭にその姿をとらえた。
わざわざ出してきたのだろうか。背丈の大きなゴードンがゆったりと座れるイスに座り静かに下を向き何か考えこんでいる。
「ん?探検はもう終わったのかい?まあ一面灰色の島だ。そう面白いものもないか。」
軽快に語る声色には自嘲の色が見え隠れする。
しかし、ルフィに背負われたウタを見て怪訝な表情を浮かべた。
「ウタはどうしたんだい?疲れて眠ってしまったのか?まったく、ルフィ君より二歳も年上のお姉さんだと自分で言っていたのに・・まあそれだけみんなとの冒険が楽しかったのだろう。本当に、君達には感謝してもしきれない。」
眠っていると思ったゴードンは優しく微笑む。そして、十年見ることの出来なかった心からの笑顔を引き出してくれたルフィとその仲間達に感謝の言葉を送った。真剣な顔で口を結ぶ面々には気づかずに、まだ何か伝えたいことがあるらしいゴードンはゆっくりと立ち上がる。
「・・・実は、君達に頼みたいことがあるんだが「そんなことより!!」
しかし、話始めたゴードンを遮りルフィが大きな声を上げる。
「おっさん!知ってんだろ!シャンクスとかこの島で起こった本当のこと。なあ、教えてくれよ!トットムジカってなんだ!ウタと関係あんのか!?」
「な!!なぜトットムジカのことを知って・・・ウタは!ウタも知ってしまったのか!!?!」
「ああ。ウタも知ってる。トットムジカってやつのことも、ウタウタの実とのことも。」
この島に眠る大きな秘密、トットムジカ。
その概要をこともあろうかウタに知られてしまった。決して知られない様に細心の注意を払っていたというのに。
どこまで知ったのか話を聞くと、ウタウタの実との関係性や性質について、思っていた以上のことを知られていることが分かった。読むことはできないが内容はゴードンも知っている。壁画を読み取ったのだろうとあたりをつけた。
力なく、座っていたイスにへたり込みゴードンはつぶやく。
「なんということだ・・・・彼との約束が・・・いや、まだ大丈夫だ・・・まだウタにはこの子達が・・・・」
下を向きぶつぶつと何やらつぶやくゴードンだが、やがて顔をルフィ達に向けた。
その目はどこか優しげで、しかし覚悟に溢れる男の目であった。思わず気圧され何も言えなくなってしまうルフィ達にゴードンは声色優しく口を開く。
「・・君達はウタのことをどう思っている?」
硬直していたルフィ達だが、その言葉を聞いて答える。
「ウタは、俺達の仲間だ!」
その返答に一味は深く頷き同意を示す。
「ウタの仲間か・・・彼女の抱える闇を、君達が払い切れるのか?」
「闇なんて知るか!邪魔するもんは全部ぶっ飛ばすだけだ!それに、ウタは闇になんて負けねえ!」
威勢のいいルフィを眩しいを見る目で見るゴードン。
「・・・そうか。君達は、強いな。それに比べて私といえば・・・・・ウタの強さを誰よりも知っているはずなのに、今なおそれを信じきれずにいる・・・私は、弱い。」
「なあ、麦わら海賊団よ。ウタのことを、よろしく頼むよ。」
「何、言ってんだ、おっさん?」
「ウタの目が覚めたら離れ小島のステージにみんなできて欲しい。そこで全てをお話ししよう。」
そう言ってゴードンは立ち上がり中庭から去ろうとする。引き止めようと声をかけるも足を止める気配はない。やがて姿が見えなくなる一歩手前で、ゴードンは念を押す様に再び言う。
「ウタのことをどうか頼んだよ。」
声に込められた悲痛な感情に疑問を抱くも、それ以上何か言うことはなく完全に去っていった。
しばらくしてウタが目を覚ました。
ボーっとしていると思えば突然また取り乱し始める。
ルフィの姿を目に映すと一直線に駆け寄った。まだ精神的に安定していないのだろう。
しかし、そうもいっていられない。さっきの意味深なゴードンの様子も気になるからだ。
ルフィの腕に抱きつくウタは震えも収まり黙りこくっている。
「なあウタ。さっきおっさんと話したんだ。」
「・・・ゴードンと?」
「ああ。そしたら、全部話すからみんなで来てくれって。離れ小島のステージで待ってるってよ。大丈夫か?」
「・・・怖いけど、大丈夫。ゴードンとはちゃんと話さなきゃダメだから。・・・許してくれるはずないし今更だけど、ちゃんと謝んなきゃだから・・・・」
気丈に振る舞うウタだが、ルフィに縋る腕は震えている。しかし、本人の勇気を否定するわけにもいかない。
静かに「そうか」とルフィは頷き、全員でゴードンの待つ場所へ向かう準備を整える。
そこそこ離れた場所にあるため歩いている間に考える時間もできてくる。最初はルフィにしがみつくウタだったが、そんなことではダメだと自分から離れ自分の足で歩き出す。
嫌でも目に入る灰色の風景が今までとまったく違って見える。
顔色こそ悪いものの、先ほどの様に取り乱す様子もなく、ウタは歩みを止めない。
「強い子ね、ウタ。」
「ああ。だからこそちゃんと見てやんねーと。まったく、どうして女ってのはみんなこう強いのか。男の立つ瀬がねえぜ。」
後ろを歩くナミとウソップはヒソヒソと話す。
何があろうとも絶対に守って見せると、覚悟を新たにしながら。
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天気は曇り。
ステージ上にてゴードンは一人黄昏ている。
この十年、ウタには辛い思いを強いてしまった。約束だからと言って誰よりも愛する家族達との仲を引き裂き、孤独に感じさせてしまったこと。
情報の断絶された島で、与えられるものといえば音楽の知識ぐらい。
あの子は優しいから、きっと自分を責めているに違いない。悪いのは私だというのに。音楽を愛する者として、そして音楽の国の王として、どうしても手放すことが出来なかったトットムジカが私の愛する全てを奪ったのだ。どうして彼女を責められようか。彼女もまた被害者だというのに。
・・・だが、それも全て終わる。
あの子には心強い仲間ができた。彼らならば大丈夫。彼らとならばきっと乗り越えてくれる。かつての悲劇も、そして、これから起こる小さな絶望も。
私があの子の足枷になってはならないのだ
誰よりも優れた技量を持ったウタだが、それでは足りない。あの子に足りないのは・・・希望だ。
あの子の夢である『世界の歌姫』は軽いものではない。ただただ機械的に歌うでもなく、悲痛を叫ぶだけでもない。歌い手とは、誰もを幸せにする者のことをいうから。そのためには、誰よりも本人が幸せでなくてはならない。
・・・そして、それはこの島では決して叶わない。
「すまない、シャンクス。約束を反故にする私をどうか許してほしい。・・・十年も嫌われていたんだ。もう十分だろう?なあ、シャンクスよ。まことに勝手ながら、私もまたウタのことを娘の様に思っているんだ。・・・覚悟はとうにできている。幸いながら私にも『
きっとウタは怒るだろう。
だが、それでも構わない。あの子の幸せこそが私の願いなのだから。
もう視界の中に彼らをとらえた。
さあ、ゴードンよ。エレジアの王ゴードンよ。
一世一代の大演劇だ。
疑われたって構わない。どうせ私はいなくなる。もうこれ以上教えられることはないのだ。
私は彼女に、もう必要ない。
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「おっさん。ウタ連れて来たぞ。」
「・・・ありがとう。ルフィ君。・・・・ウタも、よく来てくれた。」
曇天に隠れゴードンの表情はルフィやウタ達にはよく見えない。しかし、感情の乗っていないその声にウタは違和感を覚える。
その違和感を自分への怒りなのだと強引に納得して、ウタは震える自分を諌めゴードンへと語りかける。
「ねえ!ゴードン。私、私、知っちゃ、たんだ・・・トットムジカのこと。・・・教えてほしい。この島で何があったのか。私が!何をしてしまったのか。」
「・・・・・本当に知ってしまったんだな、ウタ。」
静かに風が二人の間を吹き抜ける。さっきまでの無感情な声にほんの少し悲しさが滲んでいる様にルフィには感じられた。
「そうだな。全てを語るとしよう。この島を襲ったのは赤髪海賊団ではない。ウタの考える通り、魔王トットムジカだ。」
「やっぱり・・・じゃあ・・・・私が・・」
俯き呆然とするウタ。やはり、脳裏にうっすらと浮かぶあの日の記憶は間違いではないのか。間違いであって欲しかった。
そうして黙ってしまったウタに更にゴードンは続ける。顔を厳しく、声はウタ同様に震えている。
「トットムジカは知っての通りある特別な悪魔の実能力によってのみ復活する。そう、ウタウタの実だ!トットムジカによってこの島は燃やされ、壊され尽くした。
・・・・・この私の!ウタウタの実の能力によって復活したトットムジカによって!!!!」
「え?」
一体何を言っているのか。
ウタだけではなく他の面々も、あのゾロやロビンまでもゴードンの突拍子もないカミングアウトに戸惑いを隠せずにいる。
ウタは溢れそうになっていた涙もどこへやらポカンとした顔で固まってしまったが、正気を取り戻し今言った言葉の真意を問う。
「何言ってるのよゴードン!!こんな時に変なことを言うのはやめて!!!ウタウタの実を食べたのは私なんだよ!あの日のことだって、朧げだけど覚えてる!そもそもゴードンは、ゴードンの能力は、
『ワドワドの実』だって言ってたじゃん!!!」
ゴードンさんの能力・・・?
「えぇえぇぇぇえぇえ!!?!!!」
「おっさん能力者だったのか!!?!」
「マジか!」
驚きを隠せずに声を上げるルフィ達。
まさか元王にして能力者だとは誰も思うまい。
言っていなかったか、と一人落ち着いた様子のゴードンは語り出す。
自身の能力。そして、トットムジカに隠された秘密を。
「せっかくだ。先に私の能力とトットムジカについて話すとしようか。ウタにかつて話した私の能力『ワドワドの実の能力』は決して嘘ではない。ワドワドの実は、食べた者を『言葉人間』へと変える。だが、その名がついたのは後世になってからの話だ。かつてこの実は、ウタウタの実と呼ばれていたこともあったのだ。」
「どういうこと?同じ能力を持つ悪魔の実はこの世に存在しない。それは悪魔の実の絶対条件。能力者が海に嫌われることと同じくらい当たり前のことのはず!その実だけ特例だとでも言うの!?」
同じ名の実が存在するという有り得ない説明に、一人の能力者としてロビンが口を挟む。
分からないことの方がずっと多いものではあるが、それでも分かっていることもある。同じ実は存在しない。それは絶対のルールなのだと声を思わず荒げてしまう。
そんなロビンに対して、ゴードンは調子を崩さない。
「確かにその通りだとも。私の食べた実とウタの食べた実はまったく異なるものだ。・・・だが、例えその本質が違おうとも『名』をつけるのはいつだって人間なのだ。能力こそ違えども名が被ってしまうことはある。ウタの食べたウタウタの実は、『歌唱人間』へと人を変える。一方、私の食べたウタウタの実は今でこそ知るものは皆無に等しいが、かつては『詠唱人間』へと変える実として知られていた。」
「『詠唱人間』?」
「そう、泡沫の世界を作り出し現実を引きずり込むウタウタの実に反して、
「トットムジカと、深い関係?」
「おかしいとは思わなかったか?いくら負の感情の集合体だとはいえ、何故たかだか楽譜が実体を持つ魔王となることができるのか。」
改めて指摘されてハッとする一味のみんな。
思えば当然に抱かねばならなかった疑問。
そういうものだと思い込んでいたが、歌うだけで恐ろしい化け物が実体化するなんてどうにかしている。それも復活させられるのは特定の悪魔の実の能力者に限りだと?偶然というにはあまりにできすぎている。
「トットムジカを生み出したのは、かつての
懐から取り出したのは、麦わらの一味がついぞ実物を発見出来なかったトットムジカの楽譜であった。
それはひどく古びており、周りにあしらわれた髑髏の絵が禍々しさを引き立たせている。
ただの紙切れではないことは放たれる謎のプレッシャーで一目瞭然だ。
「その昔、何が目的で作られたのかは分からないがウタウタの実によりトットムジカが復活するとは作者も思いもよらなかっただろうさ。現実と非現実の境界に存在する魔王は
ゴードンの言う通りだとするのならば、とんでもない能力だ。
制限はあるのだろうが、古代兵器に匹敵するであろう兵器を生み出すことのできる能力なんて。
しかも政府には認知さえされていないと言う。
しかし、今はそんなことは関係がない。ことここにいる者にとっては特にだ。
「・・・トットムジカやゴードンの能力のことはよく分かったよ。でも、今そんなこと関係ない!!変なこと言って誤魔化すのはもうやめてよ!!!」
もはや何が本当なのか嘘なのかウタには判断がつかなかった。真実を知るのは怖いけど、勇気を振り絞ったと思えばゴードンは自分がやったと言う。
それもやけにスケールの大きな話もくっついてきてだ。何がなんだかわからない。
「・・・・・私が全ての元凶だ。それが全てなんだ!ウタ!!」
「そんな訳ないでしょ!誰よりも歌が、この国が好きなゴードンがこんなこと!」
「何を言おうと事実は事実だ!・・・ウタ、君は、優しすぎるんだ。こんな私の為に、待ち望み恋焦がれた彼が迎えに来てくれたというのにここに残ろうとしている。」
「そ、それは・・・だってゴードンは私の!!」
「・・・・言っても分からないのならば、実際にその目で見てみるがいい!!!あの日何があったのか、私が何をしたのかを!!!!」
手に持つ楽譜を眼前に掲げてゴードンは猛った。
もう後には引けぬとばかりのその気迫に、ルフィ達は止めるのが半歩遅れてしまう。
その一瞬が命取り。ゴードンは大きく息を吸い、その歌詞を詠い始めてしまった。
大きく響くその詠は、歌とは違いリズムや音程などなくただ読みあげているだけなのに、どうしてか悲痛な思いが伝わってくる。
意味の分からない言葉の羅列とともにゴードンの足元からは黒く染まった音符の様なものが渦巻きながら現れ形を変えながら、やがて歪な言語を形成していく。
「おい!おっさん!何してんだ!!こんなことするためにウタを呼んだのかよ!知ってんだぞ俺たち!おっさんが誰よりもウタのことが好きで大事にしてんだってこと!おい!やめろよ!!!」
「ゴードン!!!やめて!!!!」
ゴードンに叫ぶ二人。他のみんなも思い思いに言葉をかけるが、詠は止まることはない。
文字列の嵐はゴードンとそれ以外とを完全に分かち、その姿を隠してしまう。
ルフィ達は殴りかかり、斬りかかるもその勢いは殺せない。
黒の中で声を張り上げ詠う中ゴードンは笑う。
(ああ、やはり君達は優しいな。そんな君達だからこそウタを任せられる。どうか、どうか、娘を頼んだ。)
「ッッッッく、おっさんぁぁん!!」
見えない嵐の奥、ゴードンの真意を本能的に感じてしまったルフィは叩きつける拳にさらに力を込める。
されど決して止まらない。
彼の覚悟は並大抵のものではないから。
やがて黒のベールが暴かれた時、そこには人の背丈を優に超える一見するとカカシの様な『魔王』が佇んでいた。
始まるのは激しい戦い。親と娘の、相手を思うが故のエゴのぶつかり合い。
決着の果てに迎えるのは誰もが笑うハッピーエンドか、それとも・・・・