オバロがあと2巻で終了するということで衝撃を受けてたんですが、どうやらくがね先生は二次創作大歓迎とのことで、思いつきで書いてます。
念のために言っとくと、ダンまちのクロスというよりも、ダンメモ、それもアルゴノゥトとフィアナの周年イベントとのクロスなので、気をつけてください。
見たこと無いよって人は動画見るなり、ゲームするなりなどしてください。というかしろ。ガァチでおもろいから。
「ただのゲームだけのオリジナルストーリーなんでしょハイハイ」と侮るなかれ。かの有名なアストレアレコード然り、原作では書ききれないエピソードとかが沢山ある中で、アルゴノゥトはガチで屈指の名作。というか、全部名作やから全部泣く。
一応これを読むにあたっては2周年と5周年のストーリーだけ読めばいいから、是非読んでくれ。
かつて、ここより遠き世界の話。
突如大穴より溢れ出した凶悪な
しかし、そんな暗き時代を終わらせたのは、数多くの英雄たちと精霊であった。
この後に、神々の降臨により神が時代始まるのだが、それはまた別の話。
これより始まるのは、英雄の再誕…いや、転生。
かつての英雄たちが、新たな世界で、新たな英雄譚を紡ぐ物語。
「……ここは?」
気づけば、エルフは見知らぬ森に立っていた。
如何にエルフとしての常識や習慣から外れていようともエルフはエルフ。一度でも見たことがある森を忘れるはずがないため、ここは全くの知らない森であるはずだ。
しかし、自慢ではないが自分は世界中を飛び回り、多くの町や森を見てきた。全部が全部を見たとは言わないが、それにしてもここまで自分の知らない森があるとは想像だにしていなかった。
大穴をふさいで以降、英雄たちの功績を後世に残すために彼らの物語を謳って広めていたのだが、まさかこんなことになるとは…。
とは言ったものの、一切悲観的な気持ちも危機感も焦りも全くない。なにせ、今の自分の使命はより多くの英雄の功績を、より多くの人に広めることだ。その点を考えれば、見知らぬ土地であればあるほど自分の使命は果たされるとも言える。
(なぜ私がこんなところにいるのか疑問は尽きませんが……まあ、ひとまず人を探すとしましょう)
いずれにせよ、人に会えなければ詩を謳うこともできないわけだし、人里か街を探すのは最優先だ。
それに、家と呼べるような場所がないため帰る必要はないのだが、さすがにどこにいるかわからないのは問題だ。できることならラクリオスへの帰り方くらいは知りたいところだし、人に会うことが出来れば、街に行って情報を手に入れることも可能だろう。
当然一人で森を歩くには危険が伴うわけだが、大穴をふさいだ今となっては、油断さえしなければ見知らぬ森であろうと脱出するのは容易だ。
思った通り、道中特に強い怪物と遭遇することもなく森から抜けることに成功する。
出来れば森の中で人と会って街の方向などを教えてもらえればありがたかったのだが、さすがに人に出会うことはできなかった。
(ふう…少し疲れましたね。森を出たなら馬にでも乗りたいものです。はあ。都合よく馬車でも通らないものでしょうか…」
そう独り言ちるが、都合よく馬車が通るわけもない。
一瞬赤い狼煙でも上げてみるか…とも考えたが、すでに
(そもそも、そんなことに使っては彼らに怒られてしまいますしね)
愚痴っていてもしょうがないと、ハーブを片手に歩きだす。
段々と日も傾いてきていることだし、野営の用意もしなければならないが生憎持ち合わせはない。出来ることなら早急に人里に行きたい……というか、せめて人の痕跡くらいは見つけたい。さすがに見知らぬ土地で独りぼっちは、如何に
(おや?これは……)
しばらく歩いたところで生き物の気配を感じ取る。
方向としては後ろからだが、人間ではないらしい…というのも、エルフの聴覚が捉える足音が人のそれではないからだ。どうやら警戒しているのか、ずいぶんと遠巻きにつけられていたようだ。
見てみると、どうやらゴブリンが7体に……見たことのない大きな鬼のような怪物が2体。
(さて、どうするか……)
まだ100メートルは距離があるため戦わずに逃げるのは容易だが、逃げた先に別の怪物が居て挟撃される危険性もある。怪物は進行形で減少してはいるがその危険性が下がるわけではないし、出来るなら怪物は殺すに限る。それに、これから町や村にたどり着いたとして、そこに怪物まで連れてきては迷惑というものだろう。
(戦うのは苦手なのですが……仕方ありませんね)
ド派手に音や煙でもあげれば、どこか遠くの人が気付いてくれるかもしれないという淡い希望を抱きながら、開戦の魔法を放つ。
「【契約に応えよ、生命の息吹よ、我が命に従い加護を与えよ。宿れ、風の権能、颶風の王。紡がれし
風が吹き荒れ、エルフの体を包み込む。この魔法は付与魔法。ただの凡人を戦士に変える、エルフの切り札だ。
獲物の変化に気づいたのか、怪物の一団は咆哮をあげる。
「あれは……」
「どうした?ニニャ」
「いえ、あちらに土煙が…」
「……行ってみるか?ぺテル」
「まあ、見に行くだけでも行ってみよう」
「あー、襲われてるのが美少女だったりしたらなー」
「相変わらずであるな、ルクルット」
「よし!こうしちゃいられねえ!まだ見ぬ美少女が俺の助けを待ってんだ!とっとと行くぞ!」
一行、『漆黒の剣』の4人は足早に件の場所へと向かう。
土煙があがる。風の加護をまとった一撃は、ゴブリンの体を軽々と吹き飛ばし、大鬼を5歩、6歩と下がらせる。
このエルフは、正直に言えば弱い。もちろんそこいらの兵士や村人よりかは強いが、決して英雄だなんて呼ばれるほどの力は持っていない。
だが、今のエルフは風をまとい、英雄とは言えずとも、英雄の領域へと近づいた戦士。武器も無い上、戦闘慣れしていないからか不格好ではあるが、それでも怪物たちを圧倒していた。
だが、どこまでいってもこのエルフは吟遊詩人であり、【観測者】。敵を倒し、世界を救う【英雄】にはなれない。
ゴブリン程度なら吹き飛ばせても、体が大きく体力のある大鬼を倒すことは難しかった。
(頃合い……ですかね)
ゴブリンはすべて吹き飛ばし、動く気配もない。残るは大鬼2体だが、この動きの遅さならば自分を追うことは難しいだろう。
まだ魔法の効果が続いている間に離脱して振り切りたいところだ。
この大鬼の一撃をかわして、そのまま離脱することにしよう。
だが、そこに
ドスリと、大鬼の頭に弓矢がつき刺さる。
「助けに来たぜ、麗しいお嬢さん!」
先の弓矢を放ったらしい青年が、きざったらしく笑いかけた。
「いやあ、助かりましたとも」
「いえいえ、お怪我がなくて本当によかったです」
彼らー『漆黒の剣』が到着すると、彼らは瞬く間に大鬼ーオーガというらしいーを倒した。彼女が体力を消耗させていたのもあるだろうが、それにしても見事な手際であったと、エルフは思う。
「自己紹介がまだでしたね。私はリュールゥ。希望を謳う、しがない吟遊詩人でございます」
「私たちは銀級冒険者チーム、『漆黒の剣』。私はリーダーのぺテル・モークです」
「これはこれはご丁寧にどうも」
皮鎧を着た青年が自己紹介をしてくれる。
冒険者…という聞きなれない言葉があったが、一旦おいておくとしよう。
「それで、こちらが
「よろしくお願いします」「よろしくである」
最年少と思われる少年と、髭を生やした大柄の男があいさつする。
「最後に「どうも初めまして!!俺はルクルット・ボルブです!!」
「あ、はい、どうも」
ぺテルが紹介しようとしたのを、軽薄そうな男が大きな声で被せてきたので少し気圧される。
多少なんだコイツは…と思わずにいられなかったので、ぺテルに助けを求めようとしたのだが、ルクルットは言葉を続ける。
「ああ、リュールゥさん!一目惚れしました!!俺とお付き合いしていただけないでしょうか!!」
「……………」
久しぶりにこういった手合いに遭遇したため、まずは困惑。
次に周りの彼らの様子を伺うと呆れかえっているため、少なくとも常習的にこういったことをしているのは間違いない。
本人を見れば、跪き手を差し出して、どこか芝居がかっているように思う。
この様子なら断ってもダメージを負うようなタイプではないと判断できる。
(となれば……)
「遠慮しておきます」
「では、お友達から始めてください!」
ようやっと人に会えた喜びもあり、できることならこのまま人里に…とも思ったのだが、ここから一番近い都市、エ・ランテルには一日近くかかかるらしい。彼らもそこへ向かう途中であったため、同行させてもらうことになった。
とはいえさすがに夜道は危険ということで、野営して、明日の朝に出発するということに決定した。
「ウチのチームメイトが本当にすいません、リュールゥさん」
「いえいえ。彼のおかげで随分とあなた方と打ち解けることが出来ました」
「ははは…」
違うんです、そんなふうに気をまわしたわけではないんです、素なんです…と伝えたいのは山々なのだが、身内の恥をわざわざ晒すのも憚られ、ぺテルは曖昧に笑ってごまかす。
「しかし、こんなところにエルフがいるというのは珍しいですよね」
「そうなのですか?ニニャさん」
「はい。昔は森にダークエルフがいた…といった話もありますが、本当かどうかはわからないです」
このあたりに同胞がいないとわかっただけでも一歩には違いない。
とはいえ、話の流れがリュールゥ自身に向いてきたため、これ幸いと自分の現状などを話す。
(まさかそんなことが…ありえるのか?いや、だが確かに、
一通り話終え、彼らからの情報をもとに推察すると、信じられない結論が出てくる。
「あの、リュールゥさん?」
先ほどまで不可解なことを問い詰めんばかりに質問攻めにしていたリュールゥが何やら考え込んでしまい、心配したぺテルが声をかける。
「…………ああ、し、失礼しました。少し考え込んでしまいまして」
「それで、何かわかりましたか?」
わかったことは、ある。自分でも信じられないが、そう結論づけるしかない、たった一つの荒唐無稽な結論が。
「…どうやら、私は別の大陸から来てしまったようですね」
これは嘘だ。だって仕方がないだろう。本当のことを話しても、事態が好転するとは限らないのだから。
「え、そうなんですか?まあでも、この辺のことも何も知らないみたいだし、それしか考えられないか」
「そうみたいです、ニニャさん」
「どうやって帰るのであるか?海を渡るなら、王国からでは少し厳しいと思うのであるが…」
「いえいえ、帰る必要などありませんとも。なにせ私は詩を謳う吟遊詩人。ここが海を越えた遠き地であるのなら、詩の広め甲斐があるというものです」
ここは、海を越えた別の大陸などではない。
「折角ですし、ここで一つ。此度の出会いに感謝して、私の故郷の詩を謳わせてはいただけますか?」
そういうと、ルクルットを筆頭に、口笛なんかを吹きながら盛り上げてくれる。
「それでは、とっておきを出しましょう」
ならば、広めよう。例え異世界であろうとも
異世界でも、彼らの偉業を、足跡を、残してやろうではないか。
(もしかすると、私以外にも誰か来ているやもしれませんしね)
「え?こ、ここは?」
リュールゥ…恐らくリューの前世。上手く出せてないと思うけど、ヘルメスみたくつかみどころのない飄々としたエルフ。世界をめぐり、英雄たちの偉業を広げることを使命としている。
実年齢は87歳らしい。
だいたいレベルのイメージとしては40ぐらい。ただ、戦闘職なんかを取っていないため、実際の戦闘力は25ぐらい。魔法を使えば35以上のステータスになるけど、戦闘自体が不得意なのでそこまでではない…ってイメージ。(さすがにもっと強いんじゃね?って意見が多ければ変えるかも)
前書きにも書いたけど、2、3年ぶりくらいに書いてるので、見にくかったりしたら教えてね。