かの者はやり直したい!(完結)   作:ハヤモ

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地球人とプライマーはどうなるのか……。
ストーム1の階級、特にエアレイダーの階級ってどれくらいなのでしょうか。
作者は詳しくないので、作中ではその辺は避けつつ。
また、敬語は違和感があるので誰にでも同じ喋り方をしたく思っています。


12.地底探検

世間は目論み通り、騒ぎになった。

結婚式場に突如現れた怪物の群れ、それを素早く駆除したEDF。

 

ふたつの関係性を問い詰めるマスコミや民間人。

 

EDF総司令部の建物は毎日の様に民衆に囲まれ、本日も怒号が飛び交っている。

 

 

『EDFは関与を全否定!

しかし十分な証拠もなく、ご覧の通り人々の不満と不安は高まる一方です!

一部ではEDFの生物兵器が逃げ出したと噂されており、当局では引き続き調査を……』

 

 

ブツン。 曹長はTVを切った。

何度も同じ事を繰り返し言ってるだけなので、これ以上は無駄と判断したらしい。

 

 

「下らん。 知らん奴ほど騒ぎ立てたがる。

怪物が地下から突然現れた、それを俺達が駆除した、それだけだ」

 

 

あまりにそのままの意見。

プロフェッサーは眉間に手を当て付け加えた。

 

 

「民間人は、その裏を知りたいんです。 奴らの正体、EDFの隠す真相を」

 

「兵士でしかない俺らに出来る事は、敵を倒す事だけだ。 後はお前達科学者や上層部の仕事だろ」

 

「そうではありますが……」

 

 

単純明快に見えて、そうでもない事を言われた。

それはそう。 だが簡単に収まる問題じゃない。

直ぐ解決するなら、誰も苦労しない。

 

恐らく、この問題は"かの者"が関わっていて間違いない。 でなければ、怪物が現れるポイントにピンポイントで兵士を送り込める訳がないのだから。

だからこそ問い詰めるべきはEDFではなく、彼女にあると思っている。

だが本人は知らぬ存ぜぬで通してきた。 時が来るのを見計らっているのだろう。

 

 

「嫌がらせか? 待遇に不満があるのは知っているが、なら何故、兵士を送り込む?

EDFに、人類に被害を与えたいのなら、わざわざ駆除チームを編成する必要がない。

それに怪物の遺伝子情報の一部は地球由来だった、もしプライマーと関係なく地底に住まう未知の生物が沸いただけなら……いや、なら発生場所を知っていたのは不自然だ……」

 

 

頭を掻きつつ、悩むプロフェッサー。

だが答えは出ない。 肝心の解答者は惚けてばかりだし、総司令部からは監視体制の不備による叱咤を受けるばかり。

 

疑問は尽きないが時間は進み、研究が進行していく中。

戦略情報部は偵察隊のスカウトを編成、怪物が出てきた穴を調査。

その結果から歩兵隊による更なる調査が必要と判断され、調査隊が編成される事になる。

作戦指令本部の命令で"どうせ元凶"の251に罰を与える感覚で任務を与えた。

世間には真相を探る為の調査任務としている。

全くの嘘ではないし、一応の納得を得られたEDF。 周辺を避難地域に指定後、予定通り歩兵隊を送り込む事にした。

 

 

「喜べ任務だ。 地底探検を楽しめ!」

 

 

曹長が仕切り、戦闘可能な者が出払う事に。

今回地底探検に当たり、狙撃部隊ブルージャケットは留守番。

空なき空間というのもあり、ウィングダイバーも留守番だ。

代わりに二刀装甲兵フェンサーが向かう。

歩く戦車、動きは鈍いがパワードスケルトンの恩恵で歩兵が持てない重火器を扱える頼もしい兵科だ。

あとはいつも通りのレンジャーとストーム1。

 

 

「フェンサーが参加か。 頼もしいな。

で、なんでエアレイダーの俺は留守番じゃないんだ?」

 

「お前は頼りになる。 地底だろうが、ドローンを使えば何とでもなる。 文句は聞かん」

 

「人使いが荒い事で」

 

「子の後始末だ。 保護者が行かずどうする」

 

「保護者は別にいそうだが」

 

「文句は聞かんと言った筈だ。 黙って働け」

 

「了解」

 

 

ウィングダイバーは行かないのに、エアレイダーは行かされるという。

立場上、仕方ないかも知れないが。

とはいえ悲観的になり過ぎる事もない。

ドローンが使用可能になった事で、疑似的な空爆や機銃掃射、砲撃が可能になった。

モノによっては散弾や電撃、ガス攻撃を出来る。 前作より攻撃手段は増えたといえる。

 

EDF6発売前の情報等から、エアレイダーが続投しても装備がドローンと見聞きして「空軍に要請出来ないなら詰まらない」と思った隊員もいた事だろう。 何が空爆誘導兵だコノ野郎と。

だが慣れるとドローンも悪くない。 それに崩壊世界や地底を除けば、前作5同様に空軍に要請が出来る。

 

とはいえ今回は地底探検。

またしてもドローンと派手さに欠ける。

仕方ない。 リムペットガンやサプレスガンを振り回し、後はサポートに徹するだけだった頃よりマシだ。

それも個人差はあるが……。

 

 

「護衛も付ける。 安心しろ」

 

「只野か」

 

「軍曹チームもな」

 

「それは頼もしい」

 

「それと今回お前には、デプスクロウラーに搭乗して貰うぞ。 戦力は過剰な程だ、気楽にやれ」

 

「4つ足の、蜘蛛みたいなビークルか」

 

 

デプスクロウラー。 地底戦用歩行タンク。

地底での要請が許されているビークル。

崩壊世界、地上でも使用できるソレ。

4つのフックアームで這うように進む為、悪路だけでなく洞窟の壁面すら走行出来る。

サイドステップで素早く攻撃回避、移動も出来る他、跳躍して天井や壁に飛び移るといった立体的な行動が可能。

また暗闇を照らす大型ライトを搭載。 広範囲の視界を確保出来る為、突入する歩兵隊の支援役として欠かせない存在となるだろう。

 

軍用バイクのフリージャー?

アレは移動用としては有用か。

攻撃は……武装が軽機関銃とかだから……。

でもタイプ2は外装が格好良くなったぞ!

でも攻撃は(ry。

 

 

「戦力が足りない事態にならない事を願う」

 

「御託は十分だ。 行くぞ!」

 

「曹長も行くのか」

 

「当たり前だ。 お前らの面倒を見なきゃならん!」

 

「声が敵寄せにならないと良いがな」

 

 

文句たらたら。

だが任務は任務。 行かねばならない。

ストーム1達は教会近くの地面に開いた、地底への穴へと潜っていく。

さて。 出るのは怪物だけなのか……。

 

 

 

 

 

ーーーーーーEDFーーーーーー

 

 

 

 

 

地底ビークル、デプスクロウラーを先頭にして前を照らしつつ、ストーム1達は地下へと潜り続ける。

穴は続くものの、怪物の気配はない。 妙な不気味さだけが共に続いていく。

 

 

「どこまで続いてるんですか……先行したフェンサー部隊とは、いつ合流出来るんです?

こんな所で怪物に襲われでもしたら……」

 

 

ビビる只野二等兵。

手には火炎放射器。 他の隊員は同じものか、ショットガンのスローターE20LSや、見た目はどこか簡素的だが圧縮されたプラズマ弾を発射するH88バウンドガン、連射型のHR89を装備。

狭い空間では強力であろう武器を持つも、狭く暗い空間は恐怖と不安を煽ってくる。

そんな隊員らを安心させるように、軍曹は説明する。

 

 

「狭い空間、それもルートが限られる場所は逆に有利だ。 俺達には銃がある」

 

「その通りだ! 集中砲火で蜂の巣にしてやれ!」

 

 

という事らしい。

貫通弾を使えば、更に効率良く片付けられるだろう。

 

 

「それと今回随伴しているデプスクロウラーⅡの武装は、左に貫通力のあるスナイパーキャノン、右には近接では絶大な威力を期待出来るヘビーショットガンがある。

固定武装のFK200ガトリング砲だけでも頼れる火力。 安心しろ」

 

 

やたら解説してくれる曹長。

血の気が多い彼だが、仲間を大切にしているのが感じ取れる。

またFK200は、発射ラグが前作5と比べて無くなった様に思える。 勘違いかも知れないが、扱い易くなった。

射程、射角の問題で対空戦闘には微妙だが、陸戦では主武装と同時使用して追加ダメージを与えるといった使い方が出来る。

 

と、ここで。

 

 

「どうやら実践する時が来たようだ」

 

 

レーダーに反応。

敵表示である赤丸が大量に表示、津波となって中心に押し寄せる。

 

 

「生身の俺らを守ってくれよ!?」

 

「只野、お前もカバーしろ! 手に持ってるのは飾りか!?」

 

「軍曹、空気の問題とか、フレンドリーファイヤの問題とか色々あるかもですし!」

 

「煩いぞ! 怪物を見たら撃て、だ!」

 

 

軍曹や只野、曹長が騒ぐが気にしてられない。

 

 

「やるだけさ」

 

 

ストーム1はデプスクロウラーを操縦、前方に蠢くα型が照らされると、トリガーに力を込めた。

 

初弾はスナイパーキャノン。

射線上の怪物が一気に貫かれ、大きく数を減らすも、恐怖を知らぬ怪物の勢いは止まらない。

それでも慌てずFK200ガトリングを撃ち弾幕を形成。 群れの勢いを抑えつつ接近。 ヘビーショットガンを撃ちまくり、蹴散らしていく。

 

 

「良いぞストーム1!」

 

「ビークルの扱いも慣れたな。 流石は俺の部下だ!」

 

「くっ、俺だって やってやる!」

 

 

遅れて只野達歩兵隊が隙を埋めていく。

軍曹チームと曹長はPA-11SLSの小銃弾で弾幕を張り、ストーム1の弾幕から逃れた天井や壁に張り付く少数の怪物を撃ち落とす。

只野は火炎放射器で轟々と怪物を燃やしていき、そこをショットガン持ち隊員が接近、吹き飛ばす様にトドメを刺す。

バウンドガン持ちは、デプスクロウラーより先の空間へプラズマ弾を撃ちまくる。

狭い空間内で壁や天井にプラズマ弾が当たると弾が跳ね回り、無慈悲に怪物をズタボロにしていった。

 

 

「クリアだな」

 

 

ストーム1はレーダー、大型ライトで周囲を確認して呟いた。

冷静に対処出来る内は良いが、この先は分からない。 油断はしない。 残弾を確認しつつ、4つ足は再度歩み始めた。

 

 

「しかし、道中で怪物の襲撃とは。 フェンサーは無事でしょうか」

 

「シグナルは出ている。 無事だ」

 

 

只野が不安がり、軍曹が短く答える。

対して曹長は怒る様に安心させた。

 

 

「歩く戦車が簡単にくたばるか!

動きがとろくても、全身を覆うパワードスケルトンと重火器は強力だ。

もしこの程度で根を上げてるなら、俺が徹底的に鍛え直してやる!」

 

「そ、そうですよね……」

 

 

只野は少し不安が減った。

とはいえ、何があるか分からない。 手に持つ武器を改めて握り直す。

 

 

「無事じゃないと困る」

 

 

ストーム1も短く言う。

かの者による、自作自演な茶番劇。 それを知る身としては死者は出てはならないのだ。

殺傷能力が弱められているイージーとはいえ、地球人の脆さと強さを何処まで把握しているか。

それ次第では、本人が大丈夫だと思っていても、地球人には脅威である。

ストーム1も1人の人間。 不安はある。

 

まぁ多分大丈夫なのだが。

かの者は大戦の記憶が何故かあるし、その上で3年ほど地球人を間近で見てきた。

現場で直接ではないものの、強さを知った。

その上で怪物の強さを調整。 名のない兵士でも武器があれば余裕だろう。

 

それでも戦場では何が起こるか分からない。

ストーム1達は引き続き闇の中を進むのだった。




デプスクロウラー
前作5に続き6でも登場するビークル。
4つ足の蜘蛛型で、地底や荒廃世界でも要請出来る。
幾つか種類があり、武装も種類がある。
ジャンプしたり、サイドステップで攻撃回避、素早く移動可能。
壁や天井に張り付き移動が出来るが、方向感覚を掴むのが難しいかも知れない。
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