かの者はやり直したい!(完結)   作:ハヤモ

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人々が荒廃していく現実に疲れ逝く中、ハヤモ隊員も皆と共に絶望しています(奴ラヲ道ズレニシタイゼ)。

他の兵科を出さねば……。
という事でフェンサー登場。
そして物語はどうなるのか。


13.二刀装甲兵

EDF歩兵の兵科には、フェンサーがいる。

外骨格式強化スーツ「パワードスケルトン」を装備した重装兵士だ。

パワードスケルトンの恩恵により、巨大な武器を装備。 更に左右の腕にそれぞれ別の武器を持つ事が出来る。

生身の兵士なら反動だけで死にかねないガトリング砲やキャノン砲を片手でブチかまし、機械式のハンマーや槍をも扱い、強大な敵を倒す威力を発揮する。

まさに歩く戦車と形容出来る兵科だ。

問題は様々な兵器の扱いに慣れるまで難しい上級兵科である事か。

単純な移動速度は他兵科中、最も鈍足であろう。

前作に続きチュートリアルでイラッとした隊員もいた筈。 駆け足出来るか、スラスター使わせろコノ野郎と。

 

だが熟練すれば、戦場で最速かつ極大火力を叩き込める兵科でもある。

 

スラスターとジャンプブースターの併用。

これにより高起動型アンドロイドの様に素早く動き回り、敵を翻弄、場合や隊員次第で単騎で殲滅なんて芸当も出来るだろう。

前作5でも出来た行為だが、6でも同様に出来る事に安堵した隊員もいたかも知れない。

というか、この技が消されていたら、それこそコノ野郎と投げた者もいたと思う。

それくらい高起動フェンサーは素晴らしく、面白い要素である。 下手すると別ゲーと化す。

アーマー●・コ●とかに近くなるかも。

 

そんな彼等フェンサー部隊。

地底探検において先行し、ストーム1より先に最深部へ到達していた。

自慢のスラスターとブースターを併用、高速で移動した結果である。

ただその所為で、別ルートに潜んでいた怪物を見落とすポカを犯し、後続のストーム1達が被害に遭ったのだが、今更である。

 

 

「最も深く潜ったのは俺達で間違いないな」

 

 

そんな彼等の武装はそれぞれ異なる。

 

先ずはフェンサーの代表的な武器、機械式の槍ブラストホールスピア。

あらゆる物体を貫通し、先端から瞬間的に高圧プラズマを放出して物体を内部から崩壊させる恐ろしい武器だ。

攻撃の際、槍は伸縮するのだが、一瞬なので肉眼で確認出来ないほど素早い。

 

次に電刃刀。

近接戦用のブレード。 「でんじんとう」と読む。

光の刃を生み出し、敵を切断する武器だ。

見た目は大太刀。 敵の懐に飛び込まねば命中しない点はスピア系と同じだが、そのぶん破壊力は凄まじい。

パワーの蓄積なしで使用出来るのも良い。

ただツッコミ処があるとしたら……武器説明で初太刀、弐の太刀、参の太刀という言い方をしている事や、何よりその名前だろう。

時代を感じる。 フェンサーの呼吸はプライマーの首を刎ねまくるのだろうか。

 

後はディフレクション・シールドという特殊合金製の盾や、閉所という事で高性能火炎放射器フレイムリボルバー、デクスター自動散弾銃、FG7ハンドガトリング等だ。

 

他にも武器や、強化パーツを装備しているが、あまり長々していると任務遂行に支障を来すので、この辺にしておく。

 

 

『こちら本部。 間もなく後続部隊が到着する。 その場で待て』

 

「フェンサー了解」

 

 

暫し小休止。

目の前には大きな空洞が広がり、レーダーでは多くの敵を拾っている。

ここは大人しく仲間を待つ事にした。

 

 

「後続部隊。 懲罰部隊251ストーム1か?」

 

 

雑談に、ある兵士が言う。

それを即座に否定する別兵士。

 

 

「それは噂に過ぎん」

 

「総司令部の命令を無視して、仲間を助けた結果らしいぞ」

 

 

どうやら噂になっているらしい。

ストーム1の行為は251のみならず、228は勿論の事、時間が経つ毎により多くの兵士の間で噂される様になっていた。

 

 

「総司令部? なんでそんな偉いさんが」

 

「さぁな。 だが今回の怪物騒ぎといい、EDFは何か隠してやがる」

 

「今は任務に集中しろ。 ただの兵士の俺達に出来る事は、それくらいだ」

 

「だな」

 

「どうしても知りたきゃ、ストーム1に聞くんだな……っと、噂をすりゃ来やがったぜ」

 

 

レーダーに映る青丸群。

其方へ視線を這わせれば、4つ足のデプスクロウラーを先頭に、レンジャーの歩兵隊が来たところだった。

 

 

「無事で何よりだ」

 

 

挨拶がてら、ストーム1が話す。

先ずは安堵した。 これで屍が転がっていたら、洒落にならない。

 

 

「よぉ。 あんたが噂のストーム1か?」

 

「何の事だ?」

 

「総司令部に歯向かったって話だよ」

 

「昔の話さ。 気にするな」

 

「本当の様だな。 で、詳しく聞きたいんだが」

 

「話は後だ。 レーダーを見ろ」

 

 

弾かれる様に確認。

すると赤丸の津波が押し寄せて来るのが分かる。

 

 

「チッ、喋り過ぎた」

 

「ストーム1より本部へ。 フェンサーと合流するも敵に気付かれた、交戦する」

 

『了解。 敵を殲滅せよ』

 

 

聞き終わるより先に、デプスクロウラーを操縦、前に出る。

フェンサーと共に横に並ぶ様に陣取ると、大型ライトで前方を照らす。 すると。

 

 

「新種に、平たいロボットだと?」

 

 

デプスクロウラーと似たシルエットの怪物、β型の群れと、地底採掘ロボットな、貝みたいな機械、ネイカーが押し寄せる!

 

 

「おいおい、話と違うぜ!」

 

「撃て。 死にたくなきゃな」

 

 

怯む仲間に短く言い、ストーム1はスナイパーキャノンを発砲。

弾丸は吸い込まれる様に群れに喰い込み、直線上の敵を全て抉り取る。

ところが、途中にいたネイカーに当たると、大きく火花を散らすのみとなった。

 

 

「なんて装甲だ。 形状もあるか、傾斜装甲か?」

 

「怪物を優先して蹴散らせ!」

 

 

冷静に分析するストーム1を置き、フェンサーはガトリングや散弾銃を構え掃射。

砲身を左右に振り回し、β型を穴だらけにして動きを止めていく。

その際、ネイカーにも弾が当たるが、やはり倒せない。 しかし被弾時の衝撃で後方へ大きく吹き飛んでいく。

 

 

「宙に浮いてる? ホバーか?

だがその所為か吹き飛ばせる様だな。 時間を稼ぐ事は出来る。

武装はあるのか? 収納してるのか?

接近してくる事から近接戦用兵器か?」

 

「語ってる場合か! 来るぜ!?」

 

 

驚愕する間も、捌ききれなかったβ型が接近、尻から糸を飛ばして攻撃。

 

 

「ッ!」

 

 

ストーム1のデプスクロウラーは素早くサイドステップで回避するも、

 

 

「うわあああ!!」

 

 

デプスクロウラーを盾にしていた只野二等兵が糸に絡まってしまう。

しかもジュうぅ、と音と共に煙が上がる。 アーマーが溶けているのだ!

 

 

「さ、酸だ! これは酸だーッ!?」

 

「落ち着け! パニックになるな!」

 

「嫌だ! 死にたくない! 助けて下さい! 曹長、軍曹ぉ!」

 

 

只野が絡まる糸を掻きむしる様に暴れる。

だが糸を手にした瞬間、軍用手袋からも煙を上げてしまう。

 

 

「うわああぁ!!」

 

「下がらせろ!」

 

「了解!」

 

 

軍曹が部下に指示。

のたうち回る只野の襟首を掴み引き摺って後方へ下がらせる。

 

 

「アーマーの防御力を上回る酸性度のある糸、マズいな! 接近される前に叩け!」

 

 

曹長が叫び、皆も従う様に撃ちまくる。

だが数が多い。 ストーム1は絞れるトリガーをフルで使用し、全種弾丸を常に放ちまくるも、恐れを知らぬ怪物とロボットは止まってくれない。

 

 

「通路に下がれ! 敵のルートを絞って、集中砲火で一掃する!」

 

 

曹長が的確に指示。 レンジャーが下がり、足止めはフェンサーが引き受ける。

 

 

「殿はフェンサーの役目だ!」

 

「ストーム1! お前も行け!」

 

「悪いが粘らせて貰う」

 

「はっ、噂は本当だな! 怖い者知らずが!」

 

 

フェンサーと共に防波堤となるストーム1。

回避する余裕はなく、正面から酸の糸を食らいつつも残弾を全て敵にくれてやる。

火花を散らし、煙を上げるデプスクロウラー。

爆発寸前、ストーム1は外へ飛び出した。

 

 

「脱出する!」

 

「おう! 後は任せろ!」

 

 

発煙筒を敵に投擲後、下がるストーム1。

するとドローンがβ型の群れに突入。

搭載された迫撃砲から榴弾が放物線を描きながら飛んでいき、群れの真ん中に着弾。 爆発。 大きく敵を減らした。

それでもネイカーは健在で、それらがフェンサーに押し寄せた。

 

 

「来やがれ!」

 

 

ディフレクション・シールドを構えつつ大太刀に手を掛けた、刹那。

ロボットが縦にパカっと開くと、何らかの武装が剥き出しに。

不気味な機械音を地底に響かせると、火炎を吐いてきた!

 

 

「火炎放射器か!」

 

「高火力だ、熱いぜ……!」

 

「この程度で負けるかよ!」

 

 

外骨格に覆われていても、熱は伝播し中の人間や機械にダメージが入る。

だが屈強な兵士であるフェンサー。 炎で身を焦がしながらも、大太刀に手を掛け、ネイカーの中身を斬り伏せる!

爆発を起こし、真っ二つになるネイカー。

どうやら武装を展開した危険な瞬間こそ、破壊するチャンスだった。

 

 

「コイツら、攻撃する瞬間に中身を見せてくる! そこを狙え!」

 

 

気付いたフェンサーが叫んだ。

皆は頷くと各々に構え直す。

 

 

「聞いたな? 無闇に撃っても駄目だ! 攻撃の瞬間を狙え!」

 

「了解!」

 

 

軍曹がいい、部下達が応える。

目の前に来るのを待つのは恐怖だが、耐えずして勝利はない。

 

 

「只野! 恐怖に打ち勝て!」

 

「目の前にノコノコ来るのを待ち、来たら撃つだけだ! クズでも出来る仕事だぞ!」

 

「す、好き勝手に言ってくれて……!」

 

 

軍曹と曹長に言われ、只野も震える足と手で何とか持ち直すと、火炎放射器からアサルトライフルのストークに切り替え。 構える。

やがて目の前に浮遊する無慈悲なマシンが来る。

震えながらも、決定的瞬間を待ち。

 

開いた。

 

 

「う、うおおおおっ!!?」

 

 

恐怖となけなしの勇気と共に小銃弾を吐き出して、目の前の機械を破壊した。

 

 

「はぁはぁ……ど、どうだ! 機械野郎!」

 

「良くやった。 後で1杯奢ってやる」

 

 

遅れてストーム1が側に寄りそう言う。

ライフベンダーを設置し、只野のアーマーを修復サポート。

その間、押し寄せるネイカーをフェンサーが大太刀やスピアで壊しまくり、大きな動作による隙をレンジャーである軍曹チームと曹長が埋める。

 

 

「弱点さえ分かれば、怖くはない!」

 

「その通りだ! 1機残らずスクラップにしろ!」

 

 

やがてレーダーには青丸のみとなる。

制圧完了だ。 ストーム1の活躍は地味なものだったが、1人1人の協力があってこそ。

 

 

「ふんっ、EDF歩兵を舐めるな!」

 

「本部、地底の最奥を制圧」

 

『良くやった。 だが其処が行き止まりなら、奴らは何処からやって来た?

ストーム1。 何か知っているなら教えてくれ』

 

「……プロフェッサーに聞いてくれ。 或いは総司令部か戦略情報部だ。

俺は、いや俺達は巻き込まれてるだけだ」

 

 

ここで251の"かの者"を言わないのは、彼なりに庇っての事か。

だが追求していけば辿り着いてしまう。 時間の問題だ。 それでも、いやそれも計画の内かも知れないが。

 

 

『事態は単純ではなさそうだな。 取り敢えず帰還しろ。 任務完了だ』

 

「了解。 皆、撤収だ」

 

 

かの者は、彼女は何を考えているのか。

何にせよ危険性が増すなら小言の1つでも言わねばならない。

負傷し、未だ手を震わす只野を見ながら、ストーム1は思った。




β型とか
前作に続き続投のデカい蜘蛛。 糸を飛ばして攻撃してくる。
糸に巻かれて死ぬんだよ!(殴。
6ではα型と同じく色違いで複数の種類が出て来る。 ノーマルでも銀色が出てきた時は「マジか」と思った隊員もいたかも知れない。
デカいアリなα型も金アリが普通に出た時も「ファッ!?」となった隊員もいたかも知れない。
とはいえ、流石に難易度に合わせて攻撃力や耐久力は変わる。 それでも強敵の内に入るので、油断は出来ない。
また5のDLミッションで出た鎧を着たカエルとかも普通に出て「ウホッ」となった隊員もいたかも知れない。

ネイカー
地面スレスレを浮遊・移動する地底採掘ロボット。
見た目は平たい貝。 狭い場所に入り込む為だと思われる。 地下施設、シェルターに侵入し逃げた人間を追い詰める。
また、丸みを帯びた装甲は傾斜装甲の役割をし、兵士からの銃火器を防ぐ高い防御力を持つ。
タイヤ等がなく、唯一の武装である火炎放射器すら装甲内部に収納している。
だが攻撃する時に装甲が開く為、この時攻撃を加えれば倒す事が可能。
恐ろしい敵だが、ストーム1は戦術を変えて抵抗。 プロフェッサーからは真の戦士と言われた。
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