作者のリアル家庭、仕事が不安定ですので、どこまで書けるか分からない中。
それでも読んで楽しんでくれる方がいれば幸いです。
現在……というよりこの世界線……EDF新鋭兵器開発は、技研のプロフェッサーと251のマーシア准尉が大きく貢献している。
特にエイリアンテクノロジーを応用した兵器開発をする科研は、火星人である准尉の知識で大きく前進したといえよう。
墜落船の解析だけでは限度があった。
そこに新鮮な情報を准尉がぶち込み、研究員は歓喜雀躍。
一定の信頼は得られたと言える。
一方プロフェッサーは既存技術を応用する技研だが、科研と統合された今、分野が多少ズレても有難いと思っている。
そんなプロフェッサー。
今は251にいるマーシア准尉と会話中。
彼女、涙目であるが。
「泣くな。 3年前は悪かった」
平謝りのプロフェッサー。
対して涙目で睨む准尉。
3年前。
火星人だという理由から拉致紛いの行為を彼女にしてしまった詫びをする。
総司令部の命令とはいえ、そうするのが人類の為だと思ったから。
だが敵意がないのが段々と感じられる中、研究所から遠く離れた極秘基地ベース6に移送される事になった時、止めに入ったのも彼だ。
自身の研究面で得がないと思ったのだ。
結局は自分の欲望を優先した結果。
ストーム1に頼み、荒々しい真似で移送中の彼女を強奪。 251に収容。
その後、政治的な、研究面的な側面を理由に総司令部を説得。
251に軟禁状態、監視を条件に許された。
その中で彼女に時々会ってはエイリアンテクノロジーの事を聞き出し、兵器開発に応用していく事3年。
EDFの兵器技術は大きく飛躍。 戦力は拡大。
それは現在進行形で進んでいる。
第6世代以降の武器は特に。
ただ急速に旧式化が進むPA-11等の銃火器に慣れた古参の兵士は困惑。
馴染んだ、動作性に信頼を置く銃を手放したくないという者が少なくなかったのだ。
その為、旧式化する銃には改修を施し、現役運用されている。
オプションパーツを充実させたり、装甲やパーツ、システムを強化する等だ。
PA-11にレーザーサイトや倍率スコープを取り付けたSLS、装甲と武装を強化したビークル等。
地上制圧機、ガンシップDE202への要請、伝達の武装殆どにラピスシステムを導入したのもそうであろう。
原子光線銃ブレイザーの量産にも成功。 精鋭に優先的に配備されてもいる。
何方にせよ、武器は多い分には越した事はない。 性能も良ければ、なお良し。
射程、精度、その他の問題でスラッガーアサルトライフルの開発プロジェクトが凍結されていた件は、解凍され再出発している。 そんな余裕もある。
とにかく。
兵器を増やすべく、今日もプロフェッサーは彼女に会いに来ていた。
准尉は涙目でうるうるしているも、威厳を保とうと背を伸ばし相対する。
「もう過ぎた事。 今日は何様で」
「そう睨まないで欲しい。 今日は……いや、今日も君の知識を教えて欲しい」
「分かった。 分かる事なら」
マーシア准尉は書面上で、地球の言葉や図式でエイリアンテクノロジーや記憶にある地球の新鋭兵器案、仕組み、設計図を描いて渡す。
かつて超能力に頼りきり、今は無力とはいえ、同胞の装備や記憶は保持している。
それらを上手く言葉や図式で表す。 それが出来るくらいには、彼女は地球人の文化を学んでいた。
「こんなところ」
「ふむ」
書面を軽く読み漁り、頷くプロフェッサー。
書かれているのは色々だ。
ただ凡人には理解困難な事ばかり。
空間湾曲によりエネルギー障壁を生成する仕組み作り、その強化の仕方。
プラズマ技術。 電磁利用方法。 粒子ビーム生成。 誘導エネルギー。 レーザー技術。
脳波誘導の仕組み。 思念の力。
これらはウィングダイバーの特殊兵装に使用する技術であり、時に別兵科の兵装にも使われる超技術。
かの者の攻撃手段とも似ているかも。
既にEDFは実用化しているが、その更に先の発展版を彼女は容易く塗り替える。
科学者であれ、どれ程の理解が及ぶのか。
そんな超難解な事ばかりが記載されている。
それでも准尉は地球人に少しでも理解出来る様に努力した。
他と違い先見の目、思考が出来るプロフェッサーもソレを文面や図式から感じ取り、直ぐにでもラボで研究したい意欲に駆られた。
「天才は健在だな。 だが隠し事もある」
「まだ言うの」
「君の言う地球で再現出来ない技術とやら。 その概要くらい教えてくれても良いと思うが」
「複雑難解。 無理」
教えられない事。
特にタイムマシンは極秘事項だ。
アレの所為でプライマーは滅んだ。 地球にも深い爪痕を残しつつ。
それを地球人に真似させる訳にはいかない。
時間旅行の代償は、あまりに高い。
説明すればプロフェッサーなら理解してくれるかも知れない。 だが、他の人間はどうか。
きっと悪用しようとする人間が出て来る。
駄目だ。 教えられない。 絶対に。
「まぁ良い。 これら兵器の基礎も、君達マーシアンにとっては取るに足らない技術なのかも知れない。
それで、ぬか喜びする地球人。 その様を見て楽しんでいるのか?」
「高圧的にならないで」
とは言うが、暗い顔になる准尉。
原始時代の地球人に文明を授けた時、まだ時間旅行を好きにしていた時、楽しんでいた事があったから。
「そう見えたなら、謝る。 だが高圧的にしなければな、これら兵器に関しては。
来たる侵略者に備える為に」
「我を試すな。 同胞を侮辱するのも止めろ」
「どう捉えるかは君次第だ」
「地球人と仲良くなりたいだけ。 だから、こうして協力もしている」
「本当にそうである事を願っている」
「行動で示している」
「怪物とロボットの不法投棄か」
「違う!
でも地球人全体の注目を浴びないとEDFは動かない。 交渉の席に着かせる事も叶わない」
資料を抱えると、プロフェッサーは眼鏡を直す。
「死人が出たら、言い訳も難しいぞ。 取返しの付かない事になる前に止めるんだ。
それこそ、EDFを試すんじゃない」
「加減している。
それに、あの人がいる。 ストーム1がいる」
「英雄も人間に変わりない、死ぬぞ」
「貴方は分からないでしょうけど、あの人は本物。 絶対的なものが、あの人にはある」
「あまり無理させるな。 とにかく、私も君の茶番で死傷者が出ない様に努力を続ける。
褒められたものじゃないがな。 何もしないで終わるより良いだろう。
……互いの平和が実現すると良いな。 今日も話をありがとう、失礼する」
プロフェッサーは部屋から出ていった。
後に残るは妙な疲れ。
マーシア准尉は溜息と共に、先を憂いた。
「ストーム1だけじゃ守れない。 私だけでも。 あの人、プロフェッサーでも。
けれど皆で協力すれば或いは。
味方は増えている。 このまま行けば、きっと望む未来に向かえる」
自分を安心させる様に。
だが今のところ、その独り言は虚しく部屋に響くのみだった。
ーーーーーーEDFーーーーーー
「湯治の里。 そこに怪物が?」
そう言うはストーム1。
対するは毎度お馴染みの曹長だ。
「本格的に地上に湧き出たという事だ。 湧き出るのは湯だけで良い!」
怒り混じりに叫ぶが、いつもの事だ。
この高血圧振りで、その内に湯を沸かせそう。
だが気持ちは分かる。
ここ最近、地底のみならず突然地上に湧き出る様になった怪物や殺戮マシン。
強くなく、大きく行動しないお陰で地域住民は避難する余裕があり、EDFも対策する時間を作れるが……。
「それで251が動くのか」
「そうだ。 任務だ、物見遊山じゃないぞ」
「休暇はいつ貰えるんだ?」
「休暇はやれん」
「偶には弾撃ち以外もさせてくれ」
とか言いつつ、隊員の中には任務中に遊ぶ者もいるのだが。
建物の看板や品物等をスコープで覗く奴とか。
「既に駆除チームが動いている。 現地出身のウィングダイバーと、他の基地の隊員が動いてな。
α型にβ型、飛行型、キングとクイーン、多種多様なアンドロイド軍にドローンタイプ1、2、3、ハイグレードタイプ付きのオンパレードだ。
それとクラーケンと取り巻きもいる」
「なんだと!?」
大惨事だった。
サイレンと戦うよりマシだが、あんまりだ。
エイリアン歩兵隊がいるよりは良いかも知れない。
「被害、戦死者は!?」
茶番もここまで来ると笑えない。
いや悲惨過ぎて笑いたいが、マーシア准尉の所為で死者が出てはならない。
内心冷汗のストーム1。
それを悟ってか、曹長は静かに答えた。
「安心しろ。 負傷者は出たが、誰も死んでない。 民間人も避難済。 敵軍も里から出る気がない様子だからな、拡大は抑えられる」
「なら良い」
「良くはない」
「……だな」
「事態は深刻だ。 本隊は撤退、スカウトが敵を監視しつつ里を包囲する様に防衛線を構築。
そこに本部連中が新鋭、旧式機問わず続々投入している。 砲兵隊も後方で展開。 その流れで251も参戦。
空軍、海軍も参加する。 それ程までに大群だ」
かなりデカい戦線だ。
ここまでの事態は今までにない。
スカウトという事は戦略情報部は知っているだろうし、EDF総司令部の耳にも入っている可能性が高い。
また、有名な場所が戦場になってしまった。
民間人の注目度も凄い事になる。
「だが良かったな、ストーム1!
焦がれた空の下だ、存分に暴れられるぞ。
空爆誘導兵、エアレイダーの力を見せてみろ!」
「イエッサ!」
ストーム1。
空爆誘導兵、エアレイダー。
遂に空の下で実戦の刻。
湯治の里
6の新エリア。 山に囲まれた温泉街。
銭湯で戦闘かな(寒ギャグ。
山から街を俯瞰出来る為、状況次第で狙撃銃が活躍する。
ただ大きな建物が無いので、街中で戦闘する際は空からの攻撃や山にいる敵からの攻撃に晒され易いかも知れない。