5だと序盤、6だと後半。
5は撤退。 6は撃退。
この世界線ではどうなるのか……。
作戦開始時刻。
我、同胞に念話で指示を出す。
228にアンカーを落としての怪物・ドローン・アンドロイド転送、クラーケンや取り巻き。
怪生物エルギヌスとアーケルスで仕上げる。
過剰戦力に思えるが、これくらい派手にしなければ注目されない。
ストーム1と取巻きの精鋭がいるのだ。 何とかなる。 寧ろ物足りない。
とはいえやり過ぎも良くない。 ほどほどにしておく。 後は現場の仕事だ。
「ストーム1、準備出来たぞ。 覚悟は出来たな?」
「こちらストーム1。 やってくれ」
良し。 後は頼むぞストーム1。
そしてEDF。 君達の力を見せてくれ。
「アンカー投下。 怪物転送!」
刹那。 地下にまで伝わる振動。
地表にアンカーが突き刺さり、エルギヌスが大地を揺るがしていく。
「諸君! 絶対死ぬな。 だが敵は倒せ」
我、雑な指示。
されどストーム1は明るく返答。
「いつも通りだ」
そして聞こえる爆音、銃撃。
戦争が再び始まった。
ーーーーーーEDFーーーーーー
「おいおい、マジで来やがったぜ!」
軍曹の部下が叫ぶ。
228基地正面の山に数本のアンカーが突き刺さり、一斉起動、転送されて押し寄せる緑のα型変異種、後続にα型、β型、アンドロイドの布陣、空からはドローン各種にクラーケンと取巻き。
空襲と地表を覆い尽くし喰らい尽くす怪物の群れに兵士達は慌てる。
「演習が実戦になるとはな!」
「准尉達が提案した時点で予想出来た!」
「構わん、このまま撃て!」
軍曹チームはブレイザーで押し寄せる緑変異種を撃ちまくる。
ただ突撃してくるだけなので撃てば当たるが、なにぶん数が多い。 そして緑変異種は素早い為、あっという間に距離を詰められてしまう。
「なんて速さだ!?」
「少し小さい奴もいる、当て難いぞ!」
「近ければ当て易い、そう思え!」
「ショットガン持ち、頼りにしてるからな」
だがそこはベテラン兵士達。
228のモブ兵士も大なり小なり実践経験と訓練を積んできた。 各々動き、基地司令官も即座に対応、無線を飛ばす。
『コンバットフレーム応戦せよ! 起動シーケンスは完了している。 各機、ミサイルを叩き込め!』
「イオタ1了解」
『歩兵は援護せよ!』
外で既に稼動していたコンバットフレームニクスB型の部隊が、リボルバーカノンをフルオート。 緑の津波と弾丸による光の津波がぶつかり合い、激しい砂塵が吹き荒れる。
隙を見て両肩にマウントされたミサイルポッドからミサイル発射。 暫く直進した後、思い出した様に敵の群れに突っ込むと爆発。 緑の破片が飛び散った。
それでも捌けない。 空からはドローンとクラーケンが襲ってくる。
薄気味悪い色をした光が降り注ぎ、取巻きが触手を伸ばし突き刺してくる。
「空と地上のコラボ。 最悪だ!」
「小さい奴、倒すと黒い霧を!?」
「くそっ、視界を奪われる!」
「落ち着け! 俺達歩兵と戦車は地上を優先! コンバットフレームは隙を見て空にミサイルを撃ち込んでくれ!」
「イエッサー!」
軍曹が周囲に指示を飛ばす。
歩兵は地上の敵を足止めしつつ、やや小型の戦車ブラッカーA1が90ミリ滑腔砲で貫通力のある砲弾を発射、射線上の敵を纏めて屠る。
「どうだ! A1だって、まだまだ現役でやれるってとこ、見せてやる!」
戦車兵は緊張と興奮の中、叫ぶ。
ブラッカーA1は急造されたE1の成形炸薬弾を発射する105ミリ榴弾砲と異なり、着弾しても爆発しないが、貫通力のある砲弾を発射出来た。
元々ブラッカーは滑腔砲の搭載を想定して設計されており、榴弾砲を搭載したE1は砲塔回転速度、装甲が低下している。
その為、A型はある意味、ブラッカー本来の姿であり、E型に比べて装甲が厚く、砲塔回転速度も速い。
なのに榴弾砲のE1型が普及・急造されたのは、テロリストとの市街戦を想定、貫通力より攻撃範囲を重視した結果である。
だがこの様に乱戦、大勢の敵を前にした時はA1の方が役立つ。 接近されてしまえば自爆の危険が高いし、爆発範囲の敵しか巻き込めない。
爆発するのが良いのか貫通力があるのが良いのかは状況次第だが、今はコレが正解だろう。
主砲1本しか武装がないのは共通しているのだが……。
「B型だって、まだまだやれる!」
一方、コンバットフレームB型は隙を見て空の敵にミサイルを発射。 牽制した。
B型もE1の様な普及量産型だが、カラーリングや外装が異なるのがある。
誘導兵が要請して投下されるB型は青色だが、モブのは種類がある様子。
ミサイルポッドがなく、代わりに大型のショルダーシールドを備える濃い緑のもの(リボルバーカノン装備なら多分B型)、シルバーカラーのもの等。
ここではシルバーカラーでミサイルポッドがあるタイプが暴れていた。
だがそんな高火力のコンバットフレームの攻撃も、クラーケンは何本もある手足に構える2つのシールドで素早く防いだ。
「チッ、相変わらず面倒な奴だ!」
思わず舌打ちするパイロット。
それでも諦めず隙あらば攻撃。 何発かの弾丸がシールドを抜け本体を貫いた。
クラーケン以外にクルールもシールドを使用するが、ロケランやミサイルを防ぐのみならず弾丸すら対処出来るコイツらの反射能力は凄まじい。 限界はあるが、シールド持ちは厄介な連中だ。
だがスナイパーライフルは対処し切れない様子もあったり、ガンシップの上方攻撃、四方八方からの攻撃は流石に防ぎ切れない。
またシールドも攻撃を受け過ぎるとオーバーヒートを起こし、暫く動かせなくなる。
この隙を突き、シールドが再起動する前に一気に叩くのだ。
裏をかく余裕がない現状、正面同士の殴り合いになる今、これでいくしかない。
「防がれても撃ち続けろ!」
「言われずとも!」
ブラッカーと軍曹他、歩兵が地上の怪物を相手にしている間、コンバットフレームは対空戦闘。
取巻きを弾丸の雨で流し、親玉なクラーケンにそのまま攻撃。 最大仰角で弾丸の雨を喰らわせていく。
旧式機の実弾とはいえ、凄まじい弾幕。 流石のクラーケンも、シールドが黒くなりオーバーヒート、動かせなくなる。
その隙を抜いた無数の弾丸が触手を切り落とし、本体を貫き次々撃ち落としていく。
だがコンバットフレームにも少なくない被弾。 火花が散り黒煙が上がるも、何とか空の厄介者は倒す事が出来た。
まだドローンがいるものの、ひとつの山場は超えたといえる。
「よしっ! クラーケン撃破ッ!」
「油断するな! 怪物が残ってる!」
「任せろ、楽な仕事だ!」
そう息巻いて、コンバットフレームは地上へと視線を戻す。
無数に群れる怪物の津波を再度フルオートで堰き止め、ミサイルで一気に吹き飛ばす。
旧式機とはいえ、怪物如きならば……と雑魚を捌き始めた時、異変に焦る。
「赤い奴が硬い!?」
赤いα型の防御力に弾幕が中々抜けない。
赤い奴は酸を飛ばさない代わりに、防御力が高く噛み付き攻撃を仕掛けてくる。
ビークルに乗ってる者は直接の被害は免れるが、それでも噛まれれば装甲にダメージが入る程に強力な顎を持つ。
いくつかの機体は満身創痍、そのまま噛まれて内部にまで牙が到達、制御不能、トドメを刺されてしまう。
「脱出する!」
パイロットは潔く機体放棄。
シートベルト解除、ハッチ解放、コックピットから緊急回避であるローリングの要領で身体を守る様に丸めて飛び出す。
刹那、機体が爆発。 爆風に吹かれて転がされるも素早く立ち上がり、護身用のPA-11を即座に構え、フルオートによる弾幕を形成しつつ後退。 慣れた動きだ。
「頼むぞ、軍曹!」
「集中砲火! 撃ち続ければ倒せる!」
ここで最も高火力であろうブレイザーを持つ軍曹チームがカバー。
新鋭武器により、赤いα型は弾け飛び活動を止めていく。 やはり技量のみならず武器も重要なのだ。
「228にも配備が進めばな!」
「上に言っておいてやる!」
会話する余裕を見せながら戦い続ける兵士達。
地上の怪物の群れは弱まり、後は空に群れるドローンとアンカー周りを守るアンドロイドだ。
「反撃だ! 増援の転送が始まる前にアンカーに近付く、赤く光る上部が弱点だ!」
『ブラッカー前進! 行けるか?』
「βの酸性糸や空からのビームで装甲が抉れたが、何とか。 E型より装甲が厚いからな!」
『よし、歩兵の壁となりつつアンカーを破壊!』
「了解!」
残るブラッカーがアンカーに前進、それを壁にする様に軍曹チームらレンジャーが進む。
そこに遅れて合流する部隊が2つ。
「パーティー会場は此処か?」
「遅刻した。 その分、踊らせてもらう」
ひとつは黒いフェンサー部隊。
死神部隊ことグリムリーパー。
もうひとつは、赤きウィングダイバー。
どちらも精鋭中の精鋭部隊。
現、ストーム3と4である。
「来たか! 今からメインディッシュだ!」
「あの山に刺さるアンカーか。 ふっ、ここからも大型アンドロイドが見える。 楽しめそうだな」
グリムリーパー隊長は、左に構えるGマークをドクロマーク風にしたディフレクションシールドを見せつけるようにし、右に持つ唯一の武器にして一撃必殺級の機械式の槍、ブラストホールスピアを空に掲げた。
「機動型も見える。 楽しいダンスになりそうだ」
スプリガンは真紅のウィングを輝かせて、スピアやレイピアと共に美しく舞う。
それら光景を見た228のモブ兵士達は更に士気が高揚した。
「うおおおおっ!」
「グリムリーパー! かつての紛争でコンバットフレームを破壊したという死神部隊!」
「スプリガンはウィングダイバーの精鋭! この戦い、勝ったぞー!」
「後に続けー!」
「EDFッ! EDFッ!」
と、突撃していく兵士達。
だが大抵お約束とはあるもので。
EDFが慢心する時、余裕を見せてしまう時。
絶望はやってくる。
皆が山に向かい始めたのをキッカケにする様に、山奥の影からヌッと怪生物は現れた。
エルギヌスにアーケルス。
どちらも歩兵の火器では討伐困難な、更に言えば戦車の砲撃や空爆でも中々倒せない巨大怪獣である。
「助けてくれーッ!?」
手の平くるり。 踵もくるり。
基地の敷地へ逃げ帰る一般兵士。
だが今度は其処にも見上げる程のものが。
「な、なんだアレは!?」
228のリフトで上がって来たのは、黒光し翼の様なものが生え、背中に箱状の何かを背負ったバルガであった。
「アーマメントバルガ! 往くぞッ!」
ストーム1が叫ぶ。
同時に腕をクルリと回して、背面スラスターを吹かして前進を始める巨人。
アーマメントバルガ。
技研の切札、いざ実戦の時!
アーマメントバルガ
ここでは228のバルガを改造、戻された機体。
プロフェッサーがこうなるのを予期して用意していたのかも。
これで怪生物も怖くないぞ! たぶん!
エルギヌス
怪生物の中では最弱な方。 だからか出番が多く感じる。
突撃されたりのしかかられたり、口からの電撃的なのを吐いてくるが、距離を取れば回避し易い事も。
アーケルス
怪生物の強い方。 前作5でもエルギヌスを上回る敵として登場。
丸まって突撃したり、のしかかったり、背中から爆発する火の玉を撒き散らしたりとエルギヌスより厄介。
だが6ではコイツを上回る空飛ぶ怪生物が現れて……。