かの者はやり直したい!(完結)   作:ハヤモ

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人類最大の脅威を倒します。
B級的なノリのEDF。 画面を覆い尽くす敵、強大な敵に立ち向かう、というスタンスは続くもシリーズが進む毎に物語含め深みが増してると思います。
当作は趣味、娯楽目的もあり、書くも読むも軽い気持ちで進めております。
あまり物語を長引かせたくないと思いつつも、EDF要素を入れていきたく。
目的の平和ルートを目指して、いざEDF。


26.グラウコス

プライマーの司令船含む大規模船団は、月の裏に再度隠れつつ、かの者の思惑に気付く。

転送を指示された怪生物、特にサイレンを送る時点で確信に変わった。

かの者は、地球人を試している。 その上で敵対し滅ぼすか、共存を模索するかを。

最初から地球人を滅ぼすなら、船団を地球に向かわせ、怪物やアンカーを大量投下したり、マザーシップの一斉砲撃で地表を吹き飛ばし、アンドロイドによる残党狩りをしていた。

海に隠れる潜水艦に対しても、スキュラをばら撒く事で海の藻屑にしてやれる。

だがそれをしない。 飽くまで小出しにし、その影響もあって地球人の軍事組織、全地球防衛機構軍EDFは力をつけていった。

それはプライマーにとって不都合だ。

だが、我らが指導者は良しとする。

やはりその意図は、そういう事だろう。

精鋭歩兵隊のコスモノーツ、地球人からは邪神と恐れられたタコに似た外見をしたクルール、地球人そっくりに見えるらしいクローン兵士のカエル達すらも考え始めた。

 

我等が主の望むがままに。

 

だが地球人にも色々な思考があり、対立し殺し合う様に、プライマーもまた1枚岩ではない。

地球人を滅ぼさねば家族が、故郷が滅ぼされる。

危惧した同胞は少なくない。

文明差は歴然。 脅威は排除するべきだ。

一部では密かに反乱の兆候が見え隠れ。 遂にはマザーシップNO.6が命令違反、司令船団から離脱し地球に向かおうとしていた……。

 

 

 

 

 

ーーーーーーEDFーーーーーー

 

 

 

 

 

我、モニター越しに決戦を見守る。

グラウコスへの気化爆弾設置は失敗、飛び回り始めた燃え盛るグラウコスに対し陸軍が応戦。

取り巻きのスキュラを倒し、グラウコスに集中砲火を浴びせるEDF。 弾丸、ミサイル、レーザー等による凄まじい弾幕が空へ撃ち上げられておる。

EMC部隊は逃げてしまったが、残されたストーム1専用機がある。 ストーム1は、それに乗り込み、即時発射。 原子光線を空へ放ち始めた。

バルガもグラウコスに接近、攻撃を受け怯み低空に落ちてきたところを、容赦なく殴り飛ばしておる。

反撃を許さない。 一方的な戦いだ。

 

 

「圧倒的じゃないか、我が軍は!」

 

「准尉、どこで覚えた」

 

「アニメ。 地球を学ぶ為、視聴していた」

 

「ほどほどに。 ちゃんと寝るんだぞ」

 

 

プロフェッサーにまで子供扱いッ!

我、屈辱ッ!

 

 

「だが、確かに。 グラウコスへの攻撃は効いている。 山を消せる程の威力を受けておいて、未だ動けるグラウコスは凄まじい生命力だが……このまま押し切れそうだ」

 

「うむ。 先のスキュラの攻撃、グラウコスからの少なくない抵抗を受けて戦車隊の半数は行動不能に陥ったが、他の損害は軽微。

ウォーバルガとアーマメントバルガの援護をしつつ、トドメはカッパー砲で決着をつけて貰おうぞ!」

 

 

モニターでは、海より更なるEDFの増援!

巨大潜水艦がザッパーンと現れる!

大迫力である。

 

 

『潜水母艦、パンドラ浮上した!』

 

 

潜水母艦パンドラ。

3隻建造された内のひとつ。 プライマーの侵攻に対して海が最も安全と考えられた故、人類の切札としての存在価値が高い。

戦闘能力も高いが、他にも地球の様々な生物の遺伝子情報や植物の種なんかを積んでいるとも聞く。

その為にノアの方舟という者もいる。

世界線によってはマザーシップに撃沈されたり、逆にやられたりした。

言わずもがな、ストーム1に。

 

 

「遅かったな。 海中でスキュラと戦闘していたのだろう、外壁に多少の傷が確認出来る」

 

 

プロフェッサーは言うも、間に合った。

巨大な潜水艦……潜水母艦パンドラが主砲を展開、艦砲射撃を始めた!

正確な狙いで、確実に当てておる。 マジもののレクイエム砲なのか知らぬが、凄まじい爆炎が空を包み、墜落するグラウコス。

それを分かっていた様に、間髪入れず大型ミサイルハッチが開いたと思えば、次々と緑色のミサイルの様なモノが出てきた!

 

 

『チラン爆雷、全射出ッ!!』

 

 

それらがマシンガンの様に景気良く空高く打ち上がり、やがて倒れるグラウコスに次々落下。 バカスカと命中、更なる大きな爆炎が連続発生。

チラン爆雷は強力な兵器であり、別世界線でグラウコスに対抗する為に先進科学研の提案で使用されていたが、今回もそうなったな。

だがアーマメントバルガが既に開発されておる現状、トドメ目的ではなく飽くまで援護兵器として格下げされておる。

だが容赦なく使用。 本気なのだろう。

ウォーバルガは爆炎に構わず突撃、更なる追い討ちで両腕を合わせハンマーの様にし、グラウコスの胴体を叩き潰す。

更に別方角にいたアーマメントバルガがカッパー砲を展開、容赦ない極太ビームを発射。

グラウコスは爆炎に次ぐ爆炎に包まれた。 最早、生きてはいまい。

奴の身体から炎が消える。 やったか、と思われた刹那。

 

 

───クギャアアアッ!

 

 

なんと、まだ生きておった!

再び飛び上がるグラウコス。

この個体、しぶとい。

いや、よく見れば燃えカス、赤黒い色に。

サイレン状態に戻ったのだろう、それも大きく弱体化して。

これもまた、あの時と同じ状況か。

 

 

『こちら戦略情報部です。 グラウコスの体表面温度がバスター照射前に戻っています!』

 

 

オペ子が叫ぶ。

うむ。 やはり、いつかの世界線と同様か。

 

 

『今ならやれる! トドメを刺せ!』

 

 

本部も叫ぶ。

こうなれば、グラウコス、いや燃えカス化したサイレンは通常兵器でも倒せそうだ。

ストーム1含む陸軍部隊は、息の根を止めるべく集中砲火続行。

ストーム1は専用青色EMCで原子光線を放ち続け、やがてエネルギーが切れたなら即降車、低空を弱々しく飛翔するサイレンにビーコンを撃ちまくる。

すると空からガンシップによる攻撃、ミニガンによる弾丸の雨が振り、他にも105ミリ連射砲、大口径の150ミリ単装砲の弾丸が降り注ぐ。

攻撃支援システム「ラピス」導入により、ビーコン着弾から発射までの時間を短縮されており、即応性、命中率が向上。 飛行するも低速で大型のサイレンの身体にどんどん命中してくれる。

サイレン、それでも悪足掻き。 弱まった火力の火炎ブレスを陸上部隊に吐くも、ビークルの装甲を焦がす程度に止まる。

 

 

『くらえ! カッパー砲!』

 

 

やがて、その時がきた。

モブ隊員の駆るアーマメントバルガがカッパー砲の再砲撃準備完了、低空をよろよろと飛行するサイレンに砲口を合わせると、発射。

極太ビームが放たれ、見事命中。 大きな爆炎にサイレンを沈めると、サイレンはとうとう物言わぬ屍となった。

 

 

「勝ったな」

 

 

プロフェッサー、冷静に呟く。

我も頷く。 モニター越し、現場では勝利に湧く隊員達の光景が広がるが、これからだ。

 

 

「我、上層部と交渉したい。 今度こそマーシアンと和平交渉を」

 

「分かった。 もう1度、総司令部参謀に掛け合おう」

 

 

そう連絡をして貰おうとした、その時。

 

 

『緊急連絡ッ!!』

 

 

オープン回線で悲鳴の様な叫びが。

我、びっくり。 何事か。

これ以上、怪生物の類は投入していないが。

 

 

『緊急、緊急! こちらアウトポスト28、新型アンカー確認、スーパーアンドロイドが転送されつつあり!』

 

 

なっ!?

我、そんな指示、同胞に出しておらんぞ!

 

 

『インペリアルドローン確認!』

 

『ハイグレード各種!』

 

『飛行型……空を覆う戦闘種の大群ッ!?』

 

『え、エイリアンです! エイリアンがぁ!』

 

『大型アンカーから金色のクイーンに銀色のキングが転送されています! 大至急増援を!』

 

『前哨基地を放棄! 撤退するッ!』

 

 

凶悪兵器ばかりでないか!

な、何が起きておる!?

我、慌てて同胞に念話!

 

 

「マーシア准尉ッ!」

 

「今確認しているっ!!」

 

 

───何という事だ。

 

NO.6が命令違反。 地球に攻撃を開始した。

直ちに攻撃中止を求めるも聞かぬ。

くそっ。 どうやら故郷が滅ぼされるのではという不安感に負け、動いてしまった様だ。

 

我、プロフェッサーに伝える。

彼も絶望感を露わに。

 

 

「くっ……現状への対処をするしかない」

 

『こちら戦略情報部。 軌道上に突如として大質量の大型円盤を確認、アンカーを地表へ射出し続けています。

被害拡大中。 直ちに防衛プランを立案、防衛線を構築します』

 

『こちら本部。 このまま指定座標に向かえ、迎え撃つぞ!』

 

 

我、絶望。

何故だ。 何故、この様な事に。

同胞よ……我を信じられなくなったか。

出来れば殺し合いたくなかった。

結局……マーシアンと地球人の戦争は避けられなかった。

 

 

『総司令部より全兵士へ。 敵は宇宙よりやってきた。 今まで確認された怪物やドローンはエイリアンによる兵器である。

威力偵察から本格的な侵攻に切り替わったのだ。 全兵士よ、無防備な市民を守れるのは我々EDFしかいない。

奮戦せよ! 今いる場所が、最前線であるッ!』

 

 

うっ、うぅ……。

もう。 もう取り返しがつかぬ。

今のEDFならば撃退出来る。 ストーム1もいる。

だが、被害は大きく出てしまった。

描いたシナリオは大幅な修正を余儀無くされる。

 

 

『マーシア准尉』

 

 

ストーム1からの無線。

我、ビクッとする。 怒られる。

責められて当然だ。 覚悟した。 だが。

 

 

『お前は、ここまでする奴じゃない。 大丈夫だ、世界が敵になっても、俺はお前の味方だ』

 

 

うぐっ、ひぐっ……。

こんな時でも、ストーム1は我の味方か。

 

 

「うむ……ありがと、ストーム1」

 

 

我、涙を拭う。

まだだ。 諦めるには、まだ早い。




マザーシップ
プライマーの母艦とされる、巨大質量の円盤。
EDF5、6ではコマンドシップを除き10隻確認された。
ゲームではNO.8が潜水母艦パンドラを撃沈するべくやって来たが、EDF6のとある世界線では、ストーム1に取り巻きごと倒された。
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