かの者はやり直したい!(完結)   作:ハヤモ

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マザーシップNO.6が攻めて来ました。
\状況は最悪だ!/
市街戦へ。
3種のエイリアンが来襲。 倒します。


27.エイリアン市街流入

マザーシップNO.6が謀反を起こした。

地球人を滅ぼすべく、大量のアンカーを投下、怪物やアンドロイドを続々転送。

揚陸船やテレポーションシップも飛来、エイリアン歩兵部隊まで降下、手当たり次第に基地や市街地へ侵攻。 無差別攻撃を敢行。

かの者……マーシア准尉の念話を聞かず、完全に暴走している。 説得は無理と判断したEDFは即座に応戦、世界各地が突如として戦場となった。

 

 

「エイリアンだって? そんな馬鹿な」

 

「テロ組織、どこかの国じゃなかったか」

 

「今までの騒ぎが威力偵察?」

 

「欧州、いや世界各地で戦闘状態らしい」

 

「エイリアンを見たって奴もいる」

 

「サイレンが遊びなら……勝てるのか?」

 

 

兵員輸送車……武装装甲車両グレイプに揺られながら、兵士は浮き足立つ。

怪物やドローン騒ぎは続いていたが、まさか正体がエイリアンの兵器だったなんて。

信じられないが、総司令部の演説を鵜呑みにするなら、嘘みたいな本当の話なのだろう。

 

 

「本部。 敵性勢力について知りたい」

 

 

軍曹が本部に無線を飛ばす。

いつかの世界線でも似たやり取りがあったが、今回は事が進んでいるだけに、違った展開を見せる。

 

 

『エイリアン……プライマーだ。 マーシア准尉が言うには命令違反を起こした者による独断行動。

赤色……ハイグレードタイプを大量投入し、無差別に攻撃している』

 

 

ハイグレードがメインとは。

耐久性、攻撃力が高い奴らだ。 今までの世界線ではオマケ程度に混ざっていただけでも厄介だったのに。 更なる苦戦は免れない。

どうやら3年以上も待機モードを続けていたプライマーは暇を持て余して、改良型を大量生産、メインにしてしまう程の戦力を抱えた様だ。 或いは、それだけ本気モード。

だがEDFも3年もの間に戦力を充実させてきた、無力で終わる事はあり得ない。

話は続く。

 

 

『EDFは現状への対処で手一杯だ。 軍曹、君達は攻撃を受けている最寄りの市街地に向かい、侵攻中の敵を食い止めろ』

 

「了解。 EDF程の組織が手一杯とは」

 

「ハイグレードタイプ……数がどれだけいるか」

 

「グラウコスとの戦いで壊れた機体を引き摺ってまで、やらなきゃならないんですか」

 

「大将がいる! 何とかなるって!」

 

 

部下達も心配と、僅かな希望、正義感を胸に最寄りの戦地へ向かう。

やがて見えてきた。

目立つ赤色が空に、地上に、様々に。

 

 

「現着!」

 

「降りろ! 行け行け行けーッ!」

 

「GO! GO! GOーッ!!」

 

 

兵員室から続々飛び出していく隊員達。

直ぐ敵味方の砲火が交差、互いに赤色を大地へ捨てていく。

戦争が、始まった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーEDFーーーーーー

 

 

 

 

 

我、涙目。

怒号の無線が飛び交い、混戦に混線。

世界各地で一斉戦争。 どこかの世界線で地球人が行った、オペレーションオメガを彷彿とさせる状況となってしまった。

オメガは世界線によって内容が異なる。 マザーシップを足止めする為だったり、コマンドシップを撃墜する為の陽動作戦だったり。

……我の母星、火星に有害な化学物質を撒く為であったり。

今回は人類ではなく同胞が仕掛けたが……マザーシップはコマンドシップを含めると全11機ある。 内1機だけで地球を攻めているとなると……闇雲に攻撃している訳ではないのではないか?

ならばコレは陽動作戦に過ぎぬ。 我、プロフェッサーに警告。

 

 

「プロフェッサー。 かなり大規模な攻撃に違いないが、本体は軌道上のNO.6。

戦略情報部は監視しているであろうが、動向に気を付ける様、厳重警戒を」

 

「分かった、重ねて伝えよう」

 

 

戦場を映すモニターに視線を戻す。

ビックアンカー落下地点は金のクイーン、銀のキングが転送され、民間人が悲鳴を上げ逃げ惑う。

ドロップシップやテレポーションシップが浮かび、赤やオレンジ、金のα型、銀色のβ型が投下されていく。

中にはエルギヌスとアーケルスの大群が地表を蹂躙している場所も。

サイレンは、今は確認出来ていない。

今は、だ。 何れ来る。 同胞の手に余る凶悪生物をイキナリ投入はしないか。

 

 

「ストーム1は……」

 

 

モニターを切り替えれば、空爆誘導兵の姿。

エアレイダーのストーム1。

今は3年前の旧式から新鋭装備に着替えた状態で戦場を駆けていた。 ガチ装備だ。

無線機を持ち空軍と連携。 座標伝達、高速爆撃機を先陣に、カムイ、重爆フォボスが地表を爆撃。 建物ごと吹き飛ばす。

それで出来た更地に、ウェスタがナパームを投下、侵攻ルートを塞ぐ様に火の壁を生み出し怪物を燃やしつつ遅延行為を図る。

火だるまになり、その場でもがく怪物達。

そこに発煙筒を投擲するストーム1。

赤色スモークが立ち昇ったと思えば、次には砲兵隊による砲弾が四方八方から放たれた。

空に放物線を描いては落下する貫通力、威力のあるカノン砲、それに撃ち抜かれて木端微塵。

その砲撃範囲を逃れた敵に対しては戦闘爆撃機KM6。 機銃掃射を行い、トドメを刺す。

難を逃れた僅かな怪物らは軍曹チームらストーム隊、只野二等兵達が光線や銃弾で捌く。

 

 

「彼は凄いな。 乱戦の中、正確に座標を伝達し、味方を一切巻き込まず敵のみを駆逐している。

建物は……まぁ命の方が大切だ」

 

「当然! ストーム1だ、これくらい出来て貰わねば困る!」

 

「盲目にならない事だ」

 

「うむ。 本体は飽くまでマザーシップ、これを叩かねば敵の転送は続く。

市街地奪還に躍起になっていても解決はしない」

 

「……そうだな。 だが民間人を放置出来ない」

 

 

プロフェッサーが溜息。

ううむ……同胞が地球を攻撃してしまったからな、その事実は覆せん。

我、謝罪してもどうにもならぬのは理解する。

かつての力もない。

故に、この状況に対し提案するしかない。

すまぬ地球人。 我、こんな筈ではなかった。

 

 

「すまぬ。 プロフェッサーに言っても仕方ないが」

 

「現状を把握出来ただけ、ありがたい。 今出来る事をしよう」

 

「うむ……ありがとう」

 

「今ストーム1のいる市街地の防衛は、ほぼ達成出来たといえる。 だが他の地域は苦戦。

ハイグレードタイプによる奇襲攻撃だ、グラウコスの件で戦力が大きく出払っていたのもあり、駆除が間に合わない」

 

「痛いタイミングであった」

 

 

本部ら上層部は、どう思っている事か。

これでは我、グラウコスを使って陽動し戦力を削り、市街地や基地を攻撃したみたいではないか。

うぅ……同胞のみならず、上層部の印象も。

いや、今は今。 集中だ。 何とかせねば。

思考する間も、プロフェッサーは続ける。

 

 

「グラウコス討伐部隊が散り散りに最寄りの市街地の救援に向かっているが、世界各地同時攻撃……現地に残された基地守備隊、傷付いたビークルでどれだけ守れるか」

 

 

ううむ。

グラウコスとの戦闘で戦車隊の大半は削れたし、動ける車両もボロボロ。

応急修理も中断、装甲が削れ弾薬も僅かなコンバットフレームが無理をする。

歩兵隊も新鋭装備とはいえ、続けて動ける者は多くない。

それでも。 それでもEDFは敵に背中を見せぬ。

それを我は知っておる。 地球人の肩を持つ訳ではない、同胞を見捨てた訳もなし。

だがそれでも。 それでも今は、なのだ。

 

 

「すまぬ。 すまぬ我が同胞よ。 この時間、この星で……せめて苦しまず眠ってくれ」

 

 

歪んだ希望。

我の責任だ。 それでも、それでもと、この言葉を繰り返し自身に聞かす。

モニターでは激しい銃撃戦。 悲鳴、叫び。

望まぬ光景。 この悲劇を終わらす為、我は念話。

現場で流れる血。 我の目から涙。

その中での意思疎通。

NO.6以外の、残りの10隻に酷な指示。

 

───命令違反者を、同胞を処分せよ、と。

 

 

 

 

 

ーーーーーーEDFーーーーーー

 

 

 

 

 

『防衛に成功したのは、このエリアだけです。 直ぐに他エリアの援護に向かって下さい!』

 

「努力はする」

 

 

戦略情報部少佐の部下にしてストーム1専属女性オペレーターことオペ子が指示、ストーム1は溜息混じりにグレイプの兵員室に乗り込んだ。

他の兵士も続く。

同じ様に溜息混じりか、文句を垂れ流して。

 

 

「ちったぁ、休ませろ!」

 

「仕方ない。 世界中が戦場だ、兵士が分散する分、負担は大きい」

 

「アンカーを破壊してますが、他にも金色の装甲を持つ大型円盤が攻めて来てるそうですね」

 

「そっちは空軍に任す! 俺たちは投下、転送されてきた怪物共をやるぞ!」

 

「大将、頼りにしてるぜ!」

 

 

軍曹達に言われるも、ストーム1は首を振る。

 

 

「俺は座標伝達をしているだけだ。 結局は他力本願、期待するなよ」

 

「その技術を頼りにしてるんだ」

 

「そうです、ビークルの操縦も上手いですし」

 

「隙は俺達が埋める。 いつも通りやれば良い」

 

「……了解。 やるだけやる」

 

 

ストーム1は重く言う。

自信が無い訳ではない。 戦う勇気も武器もある。

気に掛けているのはマーシアだ。

見た目相応、幼い精神の彼女の心は、今は荒んでいるのは、想像に難しくない。

プロフェッサーが共にいてくれるのは心強いが、監督不行き届きで仲間が地球を攻めている。

この現実は覆しようがない。 タイムマシンを使おうと、無かった事にはならない。 少なくとも彼女の心では。

 

その心境を一般兵が察せる訳はなく、只野二等兵は戦局に対しての事だと励ました。

 

 

「大丈夫、何とかなる。 空軍も新鋭機が開発されているし、エイリアンの装甲を貫通するフーリガン砲もある!

押し寄せる円盤を撃ち落とせば、後は残党をドカンと吹き飛ばして終わりさ!」

 

「只野……いや、そうだな。 大丈夫だ」

 

 

苦笑いを浮かべるも、不透明のバイザー、フルフェイスヘルメットの下では伝わらない。

ただ口調からして、そうであろうとは予想出来る。 周りの空気も少しは和んだに見えた。

 

 

「次の戦場が見えて来たぞ!」

 

 

運転手が叫ぶ。

装甲越しに銃声と爆音が聞こえ、振動が中の兵士達にまで伝わった。

 

 

「既に戦闘中! コンバットフレームとエイリアン歩兵部隊が撃ち合ってる模様、乱戦だぞ!」

 

 

揚陸艇から市街地に直接エイリアンが降下、現地守備隊と撃ち合いになったか。

今まではエイリアンの歩兵を相手にしてこなかったのもあり、攻略法は分からない。

だが軍曹がすかさず指示。

 

 

「路地裏に入って回り込め! センサー上の敵の動きからして、戦術を知った相手だ!

だが此方も同じだ、EDF歩兵の力を見せてやれ!」

 

「武器の点検は出来ています」

 

「安全装置解除!」

 

「奴らを見たら撃っても良いんだよな?」

 

「許可する! やってみろ!」

 

「イエッサー!」

 

「EDFッ! EDFッ!」

 

 

ストーム1、2の影響で連戦中にも関わらず士気が高い歩兵隊。

彼等を乗せたグレイプは敵に気付かれぬよう路地裏に入り、敵の背後に回り込んだ。

 

 

「よし、降車!」

 

「デカい背中がガラ空きだぜ!」

 

「撃ち放題だ!」

 

「集中砲火!」

 

「行け行け行けーッ!」

 

「味方を助けるぞ!」

 

「GO! GO! GOッ!!」

 

 

歩兵隊同士の戦闘が始まる。

初めて見るエイリアンに恐怖心が無い訳ではない、それでもEDFは立ち向かう。

それは皆同じ事。 守るべきもの、誰かの為に。

それはプライマーも同じ事。

互いに譲れないからこそ、殺し合う。

正義の相手は悪ではない。 正義だ。

 

 

「醜い(見難い)のは、どっちだ?」

 

 

ストーム1、味方の為、建物を遮蔽物として利用する為に空爆は控える。

視界が開けては、火力で押し負ける。

空軍、ガンシップには爆発物ではなく機銃掃射系を要請、自らは機銃ドローンを飛ばし、リムペットも爆発を抑えたスナイプガン。

戦術や思考がどうであれ、歩兵隊の援護をする点はいつも通りだ。

変わらないもの。 変わらぬ仕事。

それが、どこまで許されているのか。

答えは出ない。 今、この場では。

 

 

 

 

 

ーーーーーーEDFーーーーーー

 

 

 

 

 

半透明な緑が連なる、空飛ぶ揚陸艇。

エイリアンを詰めたソレらは市街地上空に止まると、やがて底蓋が開き、中身が降下してきた。

その中身とは、エイリアン歩兵部隊。

それらは総じて、数階建の建造物程の背丈がある巨人の姿。 今目の前の奴らは二足歩行、言語を喋り重装アーマーと重火器を装備、使用する知性を見せている。

コロニストとコスモノーツだ。

タコ型なクルールは、今はいない。 アレはアレで別の揚陸艇で降下してくる。

 

 

「人間そっくりだ!」

 

 

カエルなコロニストを見た隊員は叫んだ。

カエルより色白で黒目がデカく、細身なザ・宇宙人の想像図なコスモノーツの方が、らしく見えるのだが、EDFの世界的にはカエルの方が近い様子だ。

逆にコスモノーツは、似ても似つかないらしい。

最初は防弾性のある宇宙服……全身アーマー姿を見た隊員はロボット扱いしていたが、やがて中身を見た隊員は似てない、不気味だと口々に言う。

 

 

「無理だ、撃ちたくない!」

 

「話せば分かるんじゃないのか!?」

 

「撃たなきゃやられるぞ、撃て!」

 

「エイリアンに街を渡すな!」

 

「厚いアーマーに覆われてる!?」

 

「中まで抜けるまで撃ち続けろ!」

 

「いつも通りだな!」

 

 

迷う間にも、発砲してくる敵。

巨人と小人の戦いは、体格的にも携行火器的にも人間側が劣っている。

プライマー側は人間をジュースや霧にして余りありそうな大口径弾。 それが容赦なく暴風となって市街地を吹き荒れる。

それを受けて即死しないEDF隊員らの新鋭装備は凄いと思う。 隊員そのものが1番凄いかも知れない。

 

 

「重機関銃にショットガン、火炎放射器や長射程の大砲を担ぐ奴まで!」

 

「回り込む敵がいます!」

 

「目の前のはオトリだーッ!?」

 

「敵は戦術を知っています!」

 

 

様々な地球外テクノロジーが暴威となり襲う中、それでも隊員らは気付く。

奴らは見た目通り……つまり人間と同じく、目を使って敵を捉え攻撃していると。

 

 

「建物を利用し、敵の側面や背後を突け!」

 

 

そうなれば抵抗しようはある。 建物に身を隠しつつ回り込むプライマーだが、EDF歩兵も同じ様にやり返す。

火力負けしているが、相手に対して小さな人間を見つけるのは難しい。

気がつけば足元、という段階にはプライマーはEDF隊員らに至近距離からショットガンや徹甲榴弾を発射するミニオンバスターによりアーマーを身包み剥がされる。

 

 

「どうだ……なにっ!?」

 

 

だがアーマーを剥がされた敵は、その分身軽に動き回り反撃してきた。

見た目の割に俊敏で、こうなると弾を当てるのは難しい。 それでも弾幕を張り抵抗、倒していく歩兵隊。

だが敵の数が多い。 空から続々降下してくるコスモノーツ達。

撤退するなら今か。

街を捨てようとした、その時。

 

 

「撃て! 撃てーッ!」

 

 

軍曹の声が街に響く。

刹那、敵の背中の方で銃声が。

光線が飛び、空から弾丸の雨、ドローンが飛び交い敵の無防備な背中を蜂の巣に。

アーマーが一時的に攻撃を防ぐものの、衝撃を吸収し切れず怯むエイリアン。

そこに更なる弾丸が叩き込まれる事で、とうとうアーマーが破損、空いた部位から内部にまで弾が貫通、異星の血が吹き荒れる。

 

 

「軍曹ッ! 救援感謝します!」

 

 

突然の事に対応出来ないコロニストとコスモノーツ達エイリアン歩兵隊。

緊急回避で建物に身を隠した者もいたが、多くは一気に叩かれ、碌な抵抗を許さず屍に変えてしまった。

 

 

「間に合った様だな!」

 

「ええ。 そっちのエアレイダーは、まさか」

 

 

遠くで発煙筒を投擲、ビークルを要請している者を見て隊員が訪ねる。

その答えは期待通りだ。

 

 

「ああ。 ストーム1だ」

 

「おお、スコアを更新し続けているという!」

 

「マジか! あの228の!」

 

「道理で皆して強い筈だ!」

 

 

沸き立つEDF歩兵隊。

どうやらストーム1は既に有名人らしい。

軍曹達も知れている様子。 今となっては、それは悪い意味ではなく良い意味で。

 

 

『こちら本部。 敵の新型揚陸艇を確認、上空に気を付けろ!』

 

「また何か来るのかよ!」

 

「プライマーの底が知れない!」

 

「いつもの事さ!」

 

「頭の上に落ちない事を願え!」

 

 

文句を垂れ流しても仕方ない。

何が来ようと敵なら迎撃せねば。

既にレーダーには赤丸表示、其方へ視線を向ければ、空から縦長の大型ゲージが落下、地表面近くで逆噴射、向きを変えると地面に突き刺さる。

 

 

「な、なんだ!?」

 

「新型に新種エイリアンが入ってやがる!」

 

「揚陸艇ごと潰す! ランチャー、撃て!」

 

 

弾かれる様にロケランのグラントでロケット弾を撃ちまくる黄色戦闘服の隊員ら。

揚陸艇の1隻に続々着弾すると、爆発。 しかし、中身が元気よく飛び出してきた。

その姿は……。

 

 

「ひいいいいっ!? 邪神だーーッ!!?」

 

 

タコ型の恐ろしい見た目をした、クルールだ。

只野二等兵は堪らず悲鳴。 向こうは、それを合図にする様に何本もある手足を器用に使い分け、シールドを構えつつ光線を隊員らに放ち始めた。

 

 

「情報部の言っていたクルールだ!?」

 

「う、撃て! 撃てーッ!」

 

 

恐怖心に竦むも、何とか隊員らも手足を動かして反撃。 銃口を向けトリガーを引く。

が、それを素早くシールドで防いでしまうクルール。 その対応の素早さは、空飛ぶ怪物、クラーケンと同様である。

しかもローリング、緊急回避までして見せた。 他のエイリアン歩兵同様、いやそれ以上の能力だ。

 

 

「なんて奴らだ!」

 

「1箇所を狙っても駄目だ、様々な場所を撃ちまくって攻撃を当てろ!

それにシールドはクラーケンと同じで防げる量に限界がある様だ、オーバーヒートを起こして動かせなくなった時に一気に本体を叩け!」

 

 

軍曹が指示を飛ばし、隊員らは恐怖心に争いながら必死の抵抗。

なんとか触手を何本か銃弾で千切り、武器ごと落とす。 次にシールドを黒い状態……オーバーヒートさせて、やっと無防備になったところを頭部に集中砲火。

異色の血液を辺り一面に撒き散らし、やっと動かなくなる。

 

 

「あと1体だ、殲滅しろ!」

 

「任せろ」

 

 

他のクルールも同様に撃ち、そこに遅れてやってきたストーム1によるガンシップへの要請ビーコンを撃ち込む。

クルールはビーコンを防ぐも、実際の攻撃は頭上。 ばらついて降り注ぐミニガンの弾丸の雨に晒されて、物言わぬ屍に。

 

 

「はぁはぁ……やったか」

 

「ストーム1……怖くなかったのか?」

 

 

只野に尋ねられるも、本人はいつもの口調で返す。

 

 

「邪神といえど死ぬ。 俺達と同じだ」

 

 

撃てば防ぐ。 それは逆に当てられたら困るからだ、そして当たれば血が噴き出ていく。

血が出るなら殺せる。 そして殺せた。 他と同じだ。

 

 

「大丈夫か? 呪われないか?」

 

「敵は邪神じゃない、エイリアンだ」

 

 

付け加える様に、軍曹も皆に言う。

 

 

「恐怖は判断を鈍らせる。 恐れるな」

 

「……本当に強いですね」

 

 

只野二等兵、勇ましいストームに勇気を貰い持ち直す。 このままだと恐怖で変になるところだった。

仲間がいる事に改めて感謝する。

 

 

『こちら戦略情報部です』

 

 

少佐から無線。

また、違う戦場に向かわされると思っていたが、告げられるは更なる絶望。

 

 

『マザーシップNO.6と別、10隻の同等質量を持った超大型円盤が地球に飛来。

どうやら月の裏に隠れていた様です、塔の射出の激化が予想されます、急ぎ備えて下さい』

 

 

一瞬、何を言われたのか分からなかった。

1隻の戦力で世界中が戦場になっているのに、更に10隻も来る?

冗談も此処まで来ると笑えない。

 

 

「嘘だ嘘だ嘘だッ!?」

 

 

只野、折角持ち直したのに絶望を露わに。

 

 

「今更そんなのアリかよ!? 今だけでヤバイのに、これが10倍になるのか!?」

 

「落ち着け只野。 マーシア准尉らに連絡を取る」

 

 

ストーム1、冷静に対処。

まさか残りの戦力全てが敵になるとは思えない。

いや。 思いたくないだけだ。

だが可能性は何方にもある。 ストーム1は事情を最も知っていそうなマーシア准尉に無線を繋いだ。

 

 

「こちらストーム1。 残りのマザーシップが動いたそうだ、何か知っているか?」

 

 

訪ねるストーム1。

対してマーシア。 重く、事実を述べていく。

 

 

『…………NO.6を始末する様、命令した。 命令通り遂行してくれるならば、敵になり得ない。 だから様子を見ていてくれ』

 

「分かった、信じよう。 プロフェッサー」

 

 

間髪入れず信じ、次に繋ぐ。

 

 

「俺はマーシアを信じている、お前は?」

 

『信じている。 情報部、参謀にも話した』

 

「状況は?」

 

『バレンランドからテンペストミサイル、他の核発射能力を備えたミサイル基地から打ち上げて迎撃しようにも難しい様だ。

何にせよ今すぐ迎撃出来ない、様子を見るしかない』

 

 

そういうプロフェッサー。

エイリアンの船団に施されている金色装甲を破るには空軍のフーリガン砲か核攻撃の方法がある。

だが地球外に向かって、それもテレポーションシップより遥かにデカく耐久性も高そうな相手に効果があるか分からない。

飛翔途中で迎撃される恐れもある。

別世界のEDFでは飛来したマザーシップを撃墜した事もあった様だが、この世界線、この時点での迎撃は難しいらしい。

 

 

「それで良い。 無差別に撃墜されては、いよいよ取り返しがつかないからな」

 

『万が一は……』

 

「今は目の前の敵を片付ける他ない。 マーシア、大丈夫だからな。 EDFが、いや俺が何とかしてやる」

 

『……ありがと、ストーム1』

 

「お前は悪くない……大丈夫だ」

 

 

下手な慰めを述べ、ストーム1は再び立ち上がる。 レーダーでは空覆い、押し寄せる敵が見えたからだ。

他の兵士も気付き、見上げた。

 

 

「鳥の大群? いや飛行型、いや違う」

 

「え、エイリアンが飛んでくる!?」

 

「また新種のエイリアンかよ!」

 

「戦闘用意!」

 

「弾薬はあの世に持っていけない、全部敵にくれてやれ!」

 

「今更新種がなんだ! 撃って撃って撃ちまくれ!」

 

「EDFッ!」

 

 

戦争は続く。

ストーム1達は連戦に次ぐ連戦でボロボロだ。

だが戦う。 EDFは敵に背中を見せないからだ。




コロニスト
最初に戦うであろうエイリアン歩兵。
見た目はカエル。 でもEDFの世界的には人間そっくりに見えるらしい。
知的ではあるものの、"今"の地球人程の知性は無いとか。
EDF6では5DLで登場したっぽい重装タイプが登場。 厄介さが増した。
プロフェッサーの話等を参考にすると、ひょっとしたら未来の地球人の姿なのかも知れない……。

コスモノーツ
真のプライマーではないかとも思われる連中。
全身を覆うアーマーは防弾性が高い他、大気汚染等から身を守る役割があるらしい。
倒すにはコレを攻撃、破壊しないと本体にダメージが入らない。
また、アーマーを破壊すると軽くなるからか、動きが素早くなる。
カエルより兵装も色々で強い。 火炎放射やビーム攻撃で視界を奪われながらのハメ殺し攻撃は多くの隊員がイラッとしたのではないだろうか。

クルール
EDF6にて新たに登場。 専用揚陸艇で降下してくる。
タコ型で、クラーケンと同じ様にシールドを使用。 使わないタイプもいるが兵装も他同様に種類があり、厄介な連中。
人間には恐ろしく見え、恐怖心から戦えなくなる者も。
なお、降下した揚陸艇は破壊出来る。
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