民間人時代のストーム1と出会います。
やっと歩ける様になった。
震える細く色白な足で、何とかだ。
そんなこんなで、地球人の広大な施設を彷徨う。
くっ。 小さい地球人の癖に通路を広くして。
天井も高く、同胞の背丈でも通れる程だ。
寧ろ我々の為に作ったかの様な構造。
この特徴的な空間……。
よもや、地球を守護する原初の巨人が眠る神殿ではないか?
あいや、今は憶測に過ぎぬ。
とにかく、脱出が優先だろうて。
念力が使えれば、壁を破壊出来るというのに。
原始的な動作で、チマチマと歩むのが、ここまで苦労するとは思わなんだ。
だがこの原始的動作をする地球人に敗北したのだ。
馬鹿にしてはならない。
我は良く知っている。
特に……地球人代表は別格であった。
特殊な訓練でも積んだのか。
我の様に念力は使えぬ、地球の粗末な兵器のみで対抗して見せた奴。
そして……我を幾度と殺した"かの者"。
奴こそ刻に選ばれし真の守護神だ。
だが、と思う。
この時間軸の奴は、何処で何をしているのか。
もし見つかったら……いや、ないな。
偶然と奇跡は、そうそう連続では……。
「あっ、君。 ここは立ち入り禁止だぞ」
我、いきなり地球代表に見つかる!
見つけた。 否。 見つかった!
こんなにも早くとは。 やはり運命か。
我と此奴は出会う宿命なのか。
思わず震え上がる他なし。
此奴は他と訳が違うのだ。
他の地球人が力尽きる中、此奴だけは生き延び続けたのだから。
大型怪生物の群れにいても生き延び、精鋭兵団を蹴散らし、数々の船団を単独で沈めた。
注目に値する生命体である。
だが敵である以上、なんとか始末しなければならなかった。
という訳で、我は興味本位も兼ねて奴の前に司令船を降下。
同胞が反対する中であったが、奴を野放しには出来なかった。
多くの同胞が奴を前に斃れ伏し、今後とも地球人の希望となる芽である。
成長すれば我等の星が危険に晒されぬとは断言出来なかった。
我自ら出陣し、摘まねばならぬと決断した。
そして他の母艦とは桁違いの火力、無数の砲台で焼き払おうとしたのだが……。
なんと我の乗る司令船まで沈めおった。
我は脱出し、奴と直接対決。
同胞が駆け付ける中、始まった決戦。
それに……我は敗れた。
その後、同胞が歴史改変をしてまで奴含め全てを皆殺しにしようと試みたが失敗。
タイムマシンは破壊され、挙句に故郷の星を滅ぼされた。
時空間に矛盾が生まれ、此奴と我は刻の天秤に はかられる事になる。
再び命運を賭けた場に、奴は……またもいた。
そして……我は、我々は敗北。 消えたのだ。
また。 また繰り返すというのか?
タイムマシンがなくとも、繰り返すというか?
「すまない、驚かせたな。 イベント参加者なのだろうが、親から離れてしまったか」
近寄って来る。
くそっ。 来るでない。
折角やり直せるものを、いきなり失う訳にはいかぬのだ!
地球人の希望は我の絶望。
武装はなく、装備も軍事組織のではない。
だが今の我、非力同然。
逃げようにも足が上手く動かない。 尻餅をつく。
「そこまで怯えられると傷付くな……何処かで会ったか?
なんだか、そんな気がしてならない」
おのれ。 憐れむなよ地球人如きが!
テレパシーで今すぐにも同胞を……。
我、ハッとする。
かような姿、同胞に見せる訳にいかぬと。
我、もう1度立ち上がり対峙する。
そう何度も負ける我ではない。 念力が使えぬからと甘く見るでないわ!
我、渾身の力で体当たりを試みる!
かつて、これで多くの有象無象を蹴散らしたのだ。
念力や波動がなくとも、これを受けて怯まぬ者は多くはいまいよ!
「そう睨まなくても……大丈夫かい?」
受け止められてしまった!
拘束される! 押しても引いても動かぬ!
「いきなり抱き付くとは、情熱的だ。 余程独りで寂しかったんだな。
だが先輩を待たせる訳にはいかない、かといえ迷子センターもない。
なら一緒に行こうか。 広い軍事施設だ、闇雲に歩き回るのは危険だからな」
手を握られ、何処かへ連れられる!
振り解くのは困難だ。 だが此奴、大戦の雰囲気ではない。 我を消す気はないと見た。
ここは大人しくして、機会を伺おう。
我、従順になるフリをする。
手先から伝わる温かさは、目覚めた場所で感じた温かさとは違うものであった。
足を見る。 歩幅を合わせてくれていた。
それに気付かぬ我でもない。
気付く程に温かいモノが込み上げる。
我、感情に溺れそう。
「先輩、お待たせしました」
やがてだだっ広い空間に来ると、そこには別の地球人が。
明らかに戦士ではない。 能天気に見える。
戰が始まれば、真っ先に駆除されそうな雰囲気だ。
「もう遅いよー? 軍に信用されてるのに、ボクの信用を失わせちゃ駄目だよ?」
「すみません」
「あと子連れは駄目だよ。 一応ココ、関係者以外立ち入り禁止なんだから」
「来る途中に出会いまして。 迷子なのですが、外人さんなのか言葉が通じず。
何にせよ放置出来ませんでした」
「あー、それで遅れちゃったんだね。 なら仕方ないな。
でも仕事が終わるまで一緒なのもアレだし、ボクが引き継ごう。 地上に出れば、親が見つけてくれるさ」
「お願いします」
「じゃ、その前に君を仕事場に誘導しなきゃね。 ビークルの修理を頼みたいんだ」
「色々世話になります」
我を見ながら会話が終わる。
上手く纏めてくれたらしい。
「大丈夫。 君の親は直ぐ見つかるさ」
「心配する事ないからね」
我を撫でる代表。 笑顔を向ける能天気。
ぐぬぬ。 背丈の違いを馬鹿にしおって。
だが不思議と心地良い。
地球人は、代表はアンドロイドの様な殺戮兵器ではないのかも知れぬな……。
更に調査しなくては。
滅ぼすには判断が早い。
「おいおい、爪先立ちして頭を押し付けて、どうした。 背伸びする事ないぞ」
「甘えん坊なんだね。 可愛い子じゃないか」
だから、もっと撫でろ。
この感覚、癖になった訳ではないぞ。
調査。 そう、あくまで調査の為だからな。
巨人
ここではバルガの事。
移動式作業用クレーンであり、元々は兵器ではない。 なので武装は持たない。
問題があってEDFに譲渡され、228基地等に死蔵されていた。
だが大質量と堅牢なボディから繰り出されるパンチや踏みつけ攻撃は強力で、巨大な怪生物との戦闘に役立った。
クレーンといっても見た目は丸みを帯びた人型。 EDF5に続きEDF6にも登場している。 バリエーションも6にて増え活躍の場が増えた。
また、切札となる某バルガにはカッパー砲という武装がついた。
ストーム1(当作設定含む)
この時点では、まだ民間人。
コードネームのストーム1は大戦中に付けられるので、まだこの名は存在しない……たぶん。
EDF6でもストームの名は終盤の方等で出てくる。
当作ではエアレイダーの設定。 その為、彼が228基地に訪れた理由は民間の仕事であり、ビークルの修理等である。
ゲーム的には、この時に戦争に巻き込まれていくのだが……当作ではどうなることやら……。
能天気
ここでは"先輩"の事。
EDF5のチュートリアルにて登場するが、6でも登場する。
5の時はα型に殺されてしまったが、6では未来を知るストーム1の活躍により生き延びた。
また、バルガを地上に出してくれる。 これにストーム1が搭乗、228基地に突き刺さったアンカー群を薙ぎ払う事が出来た。