251へ。 首を傾げる展開が続くかも知れませんが、引き続き意見・感想をお待ちしています。
場合によっては書き直すかも知れません……。
我、地球人に捕まる!
なんたる屈辱!
手錠と目隠しされての長い道のりの果てに、狭い場所に押し込められ、常に何者かの視線を感じ落ち着かない!
アレだ。 部屋の隅にある目玉だ。
地球製ドローンかアンドロイドの1種だろう。 アレで監視されているのだ。
おのれ地球人! 次から次へと攻め苦を!
あんなもの壊してくれる!
目が弱点なのは地球でも同じだろうて!
「本日も異常なし」
「カメラを睨んでジャンプしてますが」
「いつもの事だ。 何も出来やしない」
手が届かぬ! 空を飛べたなら!
或いは念力!
くっ、この地球人の身体は不便だ!
そもそも何故、地球人の身体になって過去の地球に来ているのかも分からぬ話。
念力も取り上げられ、唯一使えるのはテレパシーくらいなものだ。
それもまた謎なのだが。
いっそ、同胞を降下させ戦争を始めようか。
と思ったが、その度に我を撫でた代表や甘味をくれた能天気、守ろうと動いてくれた神殿の騎士達の笑顔や努力が脳裏を過る。
冷静になって考えても、戦争を起こしたら同じ誤ちを繰り返すだけではないか。
同胞も能天気な地球人共も救われない。
おのれ。 おのれ地球人め!
こんな想いを抱かせおって!
様々な感情で溺れ死ぬわッ!
こんな、こんなモノに殺されて堪るか!
「監視を続けてますが、特殊な事をしている様子がありませんね。
宇宙人か超能力者って噂ですけど、本当なんですかね?」
「黙って監視しとけ。 輸送日も近いんだ」
「了解」
だから!
だから早く……助けてくれ。
我が感情に溺れる前に。
歴史を繰り返してしまう前に。
ーーーーーーEDFーーーーーー
BASE251。
228と共通しているのは、地下に空間が広がる事である。
が、規模は228より小さい。
更には地上に土地を持たず、出入口の隔壁があるだけ。 それもちょっとした公園、休憩所のような所。
それも都市の真ん中に位置している。
知らない人が出入口前を見ても、軍事基地があるとは思わないだろう。
重厚な隔壁を見て首を傾げる事はあるかも知れないが、平和の中にいる内は地下鉄や地下駐車場、備蓄物資保管場所かと思う程度かも知れない。
そんな、都市の地下にある251。
今日も曹長に扱かれながら、代表含む新兵達は訓練に明け暮れていた。
「亀より遅い鈍間め!」
「貴様、減点だ!」
「駆け足! 休みはやれない!」
叱咤激励を受けながら、代表……後のストーム1と228にいた只野は互いに小声で話す。
「互いに無事で良かった……その、女の子は残念だったね……」
「まだだ。 きっと助ける」
「勇敢で無謀で、諦めが悪いね君……」
呆れ半分、尊敬少しと後は空白。
茶番を生き延びたものの、結果がモヤモヤしている。
英雄どころか、犯罪者が生まれる始末。
この場合の犯罪者とはストーム1達の事でもあるし、少女を攫ったEDFでもある。
「EDFは何か隠している。 それに、叛逆者を何故牢獄ではなく別基地に移動させる?
立派な空爆誘導兵の装備まで渡して。 此処には何かあるというのか?」
ストーム1の姿は、今やフルフェイスヘルメットや無線機を背負った姿だ。
周囲に同じ者はいない、ここでは特殊な兵科なのだろうか。
それが良い意味か悪い意味か分からないが、只野は気にする事なく疲れ顔。
「血の気が多い曹長がいる此処も、ある意味牢獄だけどね……」
そう言って首を振った。
228の兵士達は戻され、内、ついでに只野の様な一部の新兵は曹長に鍛えて貰う為か、ここ251に飛ばされた。
一方で軍曹チームや、あの場にいなかった某死神部隊は飛んでいない。
猛者がストーム1と再度共謀されるのを恐れてか、田舎の基地とはいえ戦力低下を抑える為か。
何方にせよ、牢屋に放り込まれなかったのは、人手不足や実力を惜しんだだけ、という訳でもないだろう。
「そこ! 何を訓練中にお喋りしている!」
「ヒェッ」
「基地内ランニング追加だ!」
「やれやれ」
曹長に見つかり、走らされる。
レンジャーな只野はダッシュで身軽に動いたが、エアレイダーとなったストーム1は移動が遅い。
流石にフェンサーの歩行より速いが、それだってブースターやスラスターで高速で動けるし、ウィングダイバーだって飛行すれば速い。
だがエアレイダーに、そんな装備はない。
ビークルなしで速く動くにはEDF伝統芸なアレをするしかなく。
「はっ! ふっ! はっ!」
連続緊急回避。 ローリング。
床、地面を転がりまくる事で、通常の駆け足より素早く動ける!
地底や崩壊世界なら、より使うかも知れない。
ビークルの制限があるからね。 仕方ないね。
「ちょ、何をしてるんだい!?」
「移動だ! 少しでも速くしないと曹長に亀だ鈍間だと叱られるからな!」
「いや、これこそ叱られるでしょ!」
「おい新入り!」
「ほら!」
「良い動きだ! 悪くない!」
「ファッ!?」
「ありがとうございます!
今は信用を回復し、機会を待つ。 その時は只野、また援護してくれ」
「巻き込まないでくれよ……と言いたいけど、EDFは仲間を見捨てないんだってよ」
「ふっ、期待している」
未だ英雄、現れず。
だがEDF伝統芸を会得したストーム1が、歴史同様に英雄になる日も遅くない……のかも知れない。
ーーーーーーEDFーーーーーー
「新入り、客だ! さっさと行け!」
と、曹長の声にも慣れてきた頃。
ストーム1は呼び出され小部屋に向かった。
客……基地にイベントナシで来れる者が一般人な筈がなく、ましてや前回の事もある。
警戒して会ってみれば、やはり。
「プロフェッサー!」
青服に眼鏡のお偉いさんが、そこにいた。
睨みはするも、殴る真似はしない。
それも相手の出方次第だが。
「着いて久しいか?」
「お陰様で。 日に当たらない生活だ」
「その方が良い。 人目を気にせず話せる。時間もある」
「何をだ? あの子の話か?」
「そうだ」
部屋を見渡すプロフェッサー。
監視の目がない事を確認すると、話を進めた。
「あの子は技研のラボにいる。 だが秘密裏にアラスカのベース6に輸送される事になった。
そこはAクラス機密情報。 遥かに秘匿されている基地だ。
そこに匿われたら、追跡は出来ない。 そうでなくても、取り戻す事は不可能だろう」
眼鏡を照明で白く反射させつつ、彼は言う。
「だが、その一部ルートは判明している。 ここの地上の都市と被るんだ。 曹長達もその事は承知している。
……後は時間が合えば良い。 分かるな?」
「……お前は、どっちの味方だ?」
「人類の味方だ」
説明を続けるプロフェッサー。
懐疑的な目でストーム1は彼を見るが、何を考えているのか全く分からない。
元エンジニアと科学者。
同じ人類でも分からない事ばかりだ。
味方と敵の境界線が曖昧になっていく感覚は、ストーム1を困惑させるのに十分であった。
"身軽に〜"
EDF6では、ちょっとした段差や壁に向かって移動すると、登ってくれる様になった。
ただし、ダッシュ中はこれが適用されないのか、少しの段差でも引っかかってしまうのは前作と同じ。