東方軍事組織   作:SOCOMレオン

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またまた狩人さんに書いていただきました!
狩人さんにはどれほど感謝すればよいやら・・・w

とにかく!狩人さん!ありがとうございます!


#8 ユニット2【夢見の狩人ver】

ユニット1待機室でUSP拳銃を分解して整備していた草薙 雅人は、自分の使うハンドガンに何も異常が無いことを確認し、ホッと1息ついた。

 

GMDS職員といえど、ライフルや拳銃などは部品が無くなったり変形したりするようなことでもない限り、自分の手間を掛けて手入れをする必要がある。

 

少々ハードな訓練を終えた直後なので、雅人以外の隊員達は部屋に居ない。待機室に戻るなり、続き部屋の仮眠室に全員がなだれ込んでいった。

 

 

「…………」

 

 

ガランとした部屋で黙々と作業するのが性に合わない雅人は、この雰囲気にうんざりしていた。もちろん、五月蝿すぎるのも嫌いだが。

 

 

「……そろそろ帰るか」

 

 

そう呟きながら弾倉(マガジン)へと9mm弾を、満タンになる1つ手前まで詰め込む。満タンの状態では弾倉から弾丸を押し出すスプリングが完全に押し潰されてしまい、スムーズな給弾を妨げることがあるからだ。

 

そうしてあぶれた余分な弾丸は、自分の名前が書かれたロッカーの弾薬パッケージに仕舞い、既に調整を終えたアサルトライフルもそこへ収納する。鍵を掛けることも忘れない。

 

 

「こ~んば~んわ」

 

 

USPをレッグホルスターに戻して雅人が立ち上がった瞬間、ドアが開いて作戦司令官の西行寺 幽々子が足取りも軽く入ってくる。

 

 

「アンタか」

 

「あら、貴方1人? 他の皆は?」

 

 

雅人は仮眠室を後ろ指で指した。

 

 

「ベイビーたちは疲れたからっておねんね中だ。情けないもんだ」

 

「そう言わないの」

 

「へいへい……承知いたしました」

 

 

雅人は幽々子を見つめ、彼女に此処へ来た目的を言うことを促した。

 

 

「ちょっと前に仕事が入って、貴方達に頼もうと思ったんだけどねぇ……まいったわ」

 

「起こそうと思えば起こせるぞ。どうする?」

 

「妖夢も居るんでしょ? 起こしちゃ可哀想じゃない」

 

 

相も変わらずの親馬鹿に似た過保護なところを恥ずかしげも無く見せ付ける幽々子に、雅人は嘆息した。

 

 

「ということで! 今回はユニット2に貴方を加えるわ」

 

「ユニット2っていうと、アイツらか」

 

 

雅人は立ち上がり、先ほどロッカーに仕舞ったばかりのアサルトライフルを取り出した。ピカピカに手入れされたライフルは、頼もしく見える。

 

 

「3分で準備するから、ユニット2の連中に呼集をかけてくれ」

 

「ええ、分かったわ」

 

 

 

 

 

数分後、ごてごてとポーチやらが装着されたベストを着てライフルを背負った雅人は、作戦指令室に居た。

 

パイプ椅子に座って待っていると、後方のドアが開いて4人の足音が室内に入ってくる。

 

 

「あら、雅人じゃない。貴方も私達と?」

 

 

高飛車な気配を周囲に振りまきながらやってきたのは、帽子の隙間からペールブルーの髪を覗かせる少女だった。

 

 

「ああ、俺だよ。何かご不満がお在りでしょうか? レミリアお嬢様」

 

「別に。不満があるとは誰も言ってないわ。そうでしょう?」

 

「まあな。でも、言い方がそんな感じだったから」

 

「それは失礼。気分を害したかしら?」

 

「それほどでも無いな」

 

「なら、なおさら結構」

 

 

レミリア・スカーレット、フランドール・スカーレット、十六夜 咲夜、紅 美鈴の4人は雅人と同じように着席した。

 

 

「全員来たわね? ああ、ちなみに雅人以外の霊夢達はお昼寝中よ」

 

「あらあら……」

 

 

レミリアがクスクスと笑う。咳払いの声と共に、幽々子が今作戦の説明を始めた。

 

 

「30分前、国内に潜伏していたテロリスト3名が発見されたの。今現在も警察とのカーチェイスを行っているテロリスト達の身柄を確保するのが、貴方達の任務よ」

 

「敵の武装は?」

 

 

落ち着いた声色で咲夜が質問をすると、幽々子は直ぐにそれに返した。

 

 

「自動小銃が2丁、拳銃が1丁確認されたらしいけど、それ以上の情報は無いわ」

 

「了解したわ。じゃあ、準備しましょう」

 

 

 

 

数十分後、雅人は民間型Aスター(STAR)・ヘリコプターの騒々しい轟音に包まれていた。

 

 

「発見しました!」

 

 

ヘッドセットから聞こえてくる美鈴の声に、雅人は眼下のハイウェイに視線を凝らした。そこでは、1台の4WDが3台のパトカーに追われて右往左往しており、時折4WDから銃火が煌くのも見えた。

 

 

「それじゃあ、違反切符を切りにいくわよ。まずは、あの車を止め無くちゃいけないわね」

 

「俺がやる。右側面からあいつ等が見えるようにしてくれ」

 

 

ボルトアクションのM24ライフルを手にした雅人がパイロットに指示を出すと、軽量なAスターはぶうんと唸りながら位置を調節し、雅人が座る方向から4WDが見えるようにする。

 

 

『もう少し高度を落とすか?』

 

必要ない(ノープロブレム)

 

 

ヘリが移動する間にライフルのボルトを操作して初弾を薬室に送り込んだ彼は、ヘリコプターのパイロットにそう返答してスコープを覗き込んだ。

 

上下に揺れる十時線(クロスヘア)の中には、逃げられる筈も無い追跡を逃れようと無駄な努力を続ける哀れな車が捉えられていた。

 

 

「可哀想な連中だ。お仕置きが必要だな」

 

 

標的とヘリの移動速度、高低差と風圧を長年の経験で統計して予想し、照準を移動させる。集中力が淀み無く研ぎ澄まされた瞬間に、引き金をぐいっと引き絞る。

 

国際標準の7.62mmAP(鉄甲弾)が逃げる四輪駆動車のタイヤを木っ端微塵に破壊し、車が走行するために無くてはならない重要な部品とゴムの欠片を周囲に撒き散らした。

 

 

「お見事です」

 

「褒めても何もでないぞ」

 

 

美鈴の労いの言葉を聞きながら、雅人はライフルを下ろして成果を見守った。

 

姿勢制御が極端に困難になった巨体の車は、運転手が車両の蛇行を収めようとハンドルを左右に切ったことでさらにバランスを崩していく。

 

 

「あーあ、死んじゃったんじゃないかしら?」

 

「知ったこっちゃ無い」

 

 

上空から見守る雅人たちにも、中央分離帯に激突して反対車線に飛び出した車の中にいる男達の悲鳴が聞こえてくるようだった。

 

結局、車の暴走は反対車線の防音壁に激突してようやく停止した。馬のように前輪で立ち上がった車が、シーソーのように時間を掛けてズシンと後輪を着地させる。部品が飛び散り、アスファルトの路面に転がってカラン、と乾いた音を立てる。

 

 

「さあ、行くわよ。ぐずぐずしてると逃げられるわ」

 

「あの人たちが逃げ出すことより2度と動き出さないことを心配した方がいいと思うけど」

 

 

レミリアとフランが眼下の光景を見ながらおしゃべりして笑う間に、追跡していた警察の車両が停止し、制服を着た警官が中央分離帯を乗り越えてそちらに近寄っていく。

 

高度を下げたAスターからユニット2の4人が飛び降り、周囲を囲む警官たちの間をすり抜けてスクラップと化した車へ向かう。

 

フランとレミリアが右側、咲夜と美鈴が左側に回り、頭上のヘリから雅人が愛銃のHK 416で援護する体勢をとる。勿論、警官たちも銃を握った手に汗をかいてそれを見守っている。

 

 

「……気絶してるよ、この人たち」

 

「これだけ派手に突っ込んで生きてるだけ運が良いわよ」

 

 

フランがライフルの銃口で運転席に座って呻く男の頬を玩具のように突っついて弄りながら言うと、レミリアが苦笑交じりに返した。

 

ひしゃげて開かないドアを無理矢理破壊してこじ開け、テロリスト達を死なないように注意しながらも引き摺り下ろす。

 

 

「パープルクラウンへ、テロリストの身柄を確保。ちょっと傷物だけど、ちゃんと3人とも生存してるわ」

 

 

後方支援班に所属するパチュリー・ノーレッジのコールサインでレミリアが無線を開くと、応答が来る。

 

 

【了解したわ。後は警察に任せて帰還して】

 

「了解。さぁ、出番は終わりよ」

 

 

レミリアの指示で一同がヘリコプターに乗り込むと、警官たちが敬礼し、てきぱきと後始末を始める。

 

警官側に座っていた雅人と咲夜、そしてパイロットがそれに敬礼を返し、ヘリは上昇してGMDS本社へ戻っていく。

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