ある日、仕事を終えたユニット1の分隊長の博麗霊夢は商店街の買い物袋を下げて自宅である博麗神社へと足を進めていた。すると、そんな中霊夢の目にあるものが目に留まる
「・・・福引き、ねえ」
霊夢は自分の買い物袋に入っていた福引券を取ると、福引きを行っている場所の前に立つ
「お願いします」
「はい、一回ですね」
霊夢は1枚の福引券を渡すと、抽選機をガラガラと回し始める。因みに特賞はペアの温泉旅行の券のようだが、特に霊夢は興味なかったのか、気にせずに回し続ける
すると、抽選機から1つの小さな玉が出る。玉の色は・・・・特賞の金だった
「お、大当たり!」
係りの男はベルを鳴らし、大当たりが出たことを知らせると、商店街の客達は一斉に霊夢を見る
「え・・・・嘘」
「おめでとうございます!温泉旅行のペアチケットを進呈しまーす!」
そんなことがあった次の日
「良かったじゃねえか!いいな~」
「う~ん、私としては1等のマグロ1匹が欲しかったなぁ」
「いやいや、温泉旅行の方がよっぽど良いですよ!」
魔理沙達は霊夢を羨ましがるが、霊夢はマグロが欲しかったのか、1等が当たらなかったことを悔やむ
「で、誰と行くんだ?」
「え?」
「いやいや、それはペアチケットなんだろ?誰と行くんだ?」
「そうねぇ・・・・・」
それから更に1週間後、霊夢と雅人は飛行機に乗っていた
「・・・・なんで俺なんだ」
「不満かしら?」
「いや、別に不満とかじゃないがいきなりだとビックリするだろうが」
そう、雅人は出勤してきた途端に「雅人、温泉行こう!」と霊夢に誘われたのだ
「まあ、誘ってくれた霊夢には感謝してるよ。ありがとう」
「い、良いのよ」
(うう・・・1泊2日の間、雅人と二人っきり・・・変なことして嫌われたりしないかなぁ・・・)
「そういやさ」
「へ、へっ!?」
「いや、そんなに驚かなくても・・・・」
「ご、ごめん・・・」
霊夢はコーヒーを口にすると、カップを置き、鼓動が高まっている自分の心臓に手を当てる
「で、な、何かしら?」
「折角の休暇だってのに、幽々子の奴」
『あら、そうなの?なら護身用に拳銃位持っていきなさい』
「なんて言いやがってよ。行き先はアメリカじゃねえってのに」
雅人はため息をつくと、頼んでいたミネラルウォーターを飲み、容器を置く。実際、二人の懐にはそれぞれオートマチック、旅行鞄にリボルバーが入っているのだ。勿論、事前に空港の人間には自分達の身分を明かしている
「仕方ないでしょ?あの刺客以来、会社の決まりで持たせるようにしてるんだから・・」
「まあ、そりゃなあ・・・」
雅人はそう言うと、ミネラルウォーターを飲み干し、霊夢の方を向く
(1泊2日、霊夢と二人っきり・・・。気まずいぞこりゃあ・・・)
雅人が霊夢の方を見てると、雅人の視線に気がついた霊夢が雅人の方を振り向く
「何か用?」
「な、何でもねぇよ!お、俺は寝るからな!着いたら起こせよ!」
雅人はそう言うと、自分の上着を毛布の代わりにして目を閉じると、霊夢が雅人の顔をジッと見る
(雅人の寝顔・・・こんなにじっくり見たことなかったなぁ・・・)
「・・・可愛い寝顔」
霊夢は小声でそう呟くと、シートに凭れ掛かる
「・・・ろ!おい!起きろ!」
「んぅ・・・・?」
霊夢が声を掛けられていた事に気づき、声のした方を見ると、そこにはトカレフの銃口を向けた男がいた
「お前、よく寝てられたな」
「・・・何?アンタ」
「へっ!泣く子も黙るハイジャック犯様さ!」
霊夢が辺りを見回すと、ハンドガンを持った男達が数名機内に居ることが分かった
「雅人、起きて」
「んん・・・?もう着いたのか?」
雅人が目を擦りながら霊夢に問うと、雅人の目にも霊夢同様ハイジャック犯の姿が映った
「・・・何この状況」
「ハイジャックされたんだって」
「・・あっそ。俺は眠いんだ、少し寝かせてくれ」
「了解」
雅人はそう言うと、再び眠りにつこうとするが、ハイジャック犯が怒鳴る
「おい!お前ら状況がわかってるのか!?」
「分かってるよ。ハイジャックされたんだろ?要求は?」
「このまま中国までフライトだ。それまで変な事してみろ、殺すからな!」
「うるせえなぁ、少しは寝かせてくれよ」
「・・・そうかい、なら永遠の眠りにつかせてやる!」
ハイジャック犯の一人は雅人にトカレフの銃口を向けると、1発の銃声が機内に響いた。しかし、その銃声はトカレフの物ではなかった
「ぎゃああっ!」
ハイジャック犯は自分の肩を押さえると、押さえていた手が血に染まっていることに気づく
「・・・幽々子の言う通りね。持ってて良かったわ」
霊夢の右手にはいつも仕事で使っているUSPタクティカルが握られていた
「雅人、そろそろ起きなさい」
「・・・いきなり発砲しやがって」
「仕方ないでしょ?雅人があんな風におちょくるんだもん」
「やれやれ・・・」
雅人は懐からUSPタクティカルを引き抜くと、他のハイジャック犯に向かって発砲し、弾丸はハイジャック犯の致命傷にならない箇所を撃ち抜き、男達は撃たれた箇所を押さえながら倒れる
「俺らがプライベートじゃなかったらお前ら撃ち殺されてたぞ。運が良かったな」
雅人はそう言いながら簡易手錠を男達に掛ける
「乗務員さん、機長に言っといて。目的地の変更は無し、ってね」
雅人がそう言うと、乗務員は機長の元へと向かい、雅人は自分の席に座り、再び眠りにつく
それから数時間後、飛行機が空港に到着した途端、地元警察のSATの隊員達が乗り込んできて、ハイジャック犯を連れて行くと共に事情聴取として霊夢と雅人を連れて行ったのは言うまでもない
それから更に1時間後、二人は旅館の部屋へと到着していた
「全く、予定よりちょっと遅れちゃったわね」
「まあまあ、ああいう事もあるってことさ」
二人は荷物を置いて、スマホの充電器をコンセントに突き刺す
「・・・今頃だったらパトロールの時間だな」
「そうね・・・」
雅人と霊夢は窓を開けて外を見ると、辺りは森で覆われていた
「おー、すげえ景色だ」
「・・・昔を思い出すわぁ」
霊夢は自分がいつも見ていた景色を思い出す。あの頃はまだ幻想郷は外の世界から隔離されていた時だった
「・・・文明ってスゴいわね」
「・・そうだな」
二人の間で、しばし沈黙の空気が流れるが10分後、雅人が霊夢に話しかける
「なあ、霊夢・・・二人っきりだな」
「そ・・・そうね」
二人はお互い、少しだけ頬を赤くする
「・・ねえ、雅人・・。お饅頭あるけど・・・食べる?」
「あ、ああ・・ありがとう」
雅人と霊夢は饅頭を口にして、今自分達がおかれている状況を考えると、お互いの顔も見れないほど恥ずかしくなる
それから数時間後
「ね、ねえ雅人・・・こ、こんな時間だしさ・・お風呂行かない?」
「そうだな・・」
そうして、二人は風呂場にへと向かう
「んじゃあ、また後で」
「ええ」
二人はそれぞれ男湯と女湯に別れて行くと、そこで二人は目を疑った。何故なら自分以外に人が全く居なかったのだ
「・・・・平日だから仕方ないか」
霊夢はそう呟きながら、脱衣所で服を脱ぐと引き戸を開ける
「・・・本当に誰もいないわね」
霊夢はそう言いながら体をお湯で流すと、タオルで体を巻いて腰と太股の位置にS&W M60が入ったレッグホルスターのベルトを付けて目の前の湯船に漬かる
「ふう~・・・」
日頃疲れている霊夢の体に温泉の温かいお湯が染み込んでくるように霊夢の体の疲れを癒していく
「・・・誰も居ない温泉は寂しいわね」
霊夢は湯船のお湯を手で掬って自分の顔にかける
(・・・この隣に裸の雅人が・・)
すると、隣の男湯から声が聞こえてくる。聞き慣れた雅人の声だった
「霊夢~、ここ本当良いわ。誘ってくれて本当にありがとう」
「い、良いのよ!そんなに気に入ってくれてたなら私も・・・なんか誘ってよかったって思えるし・・・」
当然雅人からは見えないが、霊夢の顔は少し赤くなっていたが、笑顔になっていた
「そ、それじゃあ私先に上がってるね!」
霊夢はそう言って湯船を出て脱衣所へと戻り、着替えの浴衣を着る
それから30分後、霊夢は浴衣を着て部屋で寛いでいた
(エヘヘ・・・雅人に気に入ってもらえた・・・)
霊夢は30分前の雅人の素直な感想を思い出して一人、喜んでいた
すると、部屋の引き戸を開けて、雅人が入ってくる。雅人は浴衣ではなく、ジャージを着ていた
「今戻りましたぜ~」
「あ、お、おかえり・・・」
雅人は床に座り込むと、先程買ってきたミネラルウォーターを飲みはじめる
「ねえ雅人、1つ聞いていい?」
唐突に、霊夢は雅人に質問をする許可を求めると、雅人はミネラルウォーターのペットボトルを机の上に置き、水を飲み込んでから返事を返す
「なんだ?」
「・・・何でジャージなの?」
霊夢の質問は思ったより平凡だった
「こっちの方が動きやすいから。以上」
「せっかく温泉に来てるんだから着れば良いのに・・・」
「いざってときに動けなかったら困るんでな」
「・・・あっそう」
霊夢はそう言ってため息をつくと、スマホを操作して動画を見始める
動画の内容は、実際の戦場の銃撃戦の動画だった。霊夢のスマホから部屋一面に銃声が響く
「・・・霊夢、イヤホンつけるか音量を下げてくれ。せっかく休みに来てるのに銃声は聞きたくない」
「イヤホン持ってきてないの。ゴメンね」
霊夢はそう言うと、動画の音量を下げ始める
それから更に数十分後、二人は食事を終えて宿泊している部屋に戻ってきていた。その頃には既に布団が敷かれている
「いやー、食った食った」
雅人は満足したのか、部屋に寝転がる
「美味しかったわね、雅人」
「ああ、料理人の腕が良いみたいでよかった。・・・ところでさ、霊夢」
雅人は突如体を起こし、真剣な顔をして霊夢に迫る
「な、何・・・?」
「・・本当に、何で俺をここに連れてきたの?」
すると、霊夢は一気に不安になったのか、表情にも表れる
「ダメ・・だった?」
「いや、そうじゃない。付き合いの長い魔理沙達じゃなくて、何で俺にしたのか理由が知りたいだけだ」
すると、霊夢の頬は一気に赤くなり、雅人から目を背ける
「・・・教えてくれたら、俺の誰にも言えない秘密を教えてあげる」
「・・・ホント?」
「ああ、俺は約束を守る男さ」
雅人はニッコリとした笑顔になると、霊夢は再び雅人と目を合わせる。霊夢の頬は、まだ少し赤かった
「・・・雅人を選んだ理由はね・・」
霊夢がそう言うと自分から雅人の方に近づき、雅人を抱き締める
「貴方が・・・好きなの。雅人」
すると、霊夢から表情が見えなかったが、雅人には予想外の答えだったのか一瞬だけ身が強ばるが、すぐに力は緩む
霊夢は雅人から両腕を離すと、ようやく雅人の表情が見えた。雅人の頬は赤くなっていた
「・・・雅人、約束通り」
「・・・ああ、そうだな。・・・俺の秘密って言うのはな・・」
すると、今度は雅人が霊夢を抱き締めて、霊夢と唇を重ね合わせる
「ーーーーッ!?」
霊夢はあまりにも急なことだったのか、どう反応すればよいのか戸惑う
やがて、霊夢から唇を離すと、雅人は霊夢の顔を見ながらこう発言する
「・・・お前のことが好き、それが俺の秘密だ」
すると、その言葉を聞いた霊夢は嬉し涙を流し、雅人に抱きつく
「嬉しい・・・。ありがとう、雅人」
「霊夢こそ・・こんな俺なんかで良いのか?」
「うん・・・、ていうか、雅人じゃなきゃ嫌・・」
「・・・ありがとう、霊夢」
お互いは愛情を誓い合うかのように、顔を近づけていき、唇と唇を重ね合わせる
お互い唇を離すと、すっかり頬を赤くした霊夢は雅人の顔を見続ける
「雅人・・・せっかく二人きりなんだから・・ね?」
「・・・良いのか?」
「うん・・・。初恋は雅人じゃなかったけど、ファーストキスは雅人に奪われたから・・・私の初めても、私の心も、雅人にあげる。だから・・・来て」
霊夢は雅人の首の後ろで両腕を重ね合わせ、雅人を自分の上に覆い被せる様な体制になる
それから数時間後、行為を終えた二人は同じ布団に一緒に入っていた
「フフ・・・私の初めて、ちゃんとあげたからね?」
「ああ、確かに貰ったよ・・・。霊夢の初めて」
「大好きだよ、雅人」
「ああ、俺も大好きだよ。霊夢」
二人はお互いにキスをすると、そのまま目を閉じて寝息を立て始める
~翌日~
「たっだいま~!」
二人は沢山のお土産を持って待機部屋に入る
「おお、お帰り霊夢。どうだった?温泉旅行は」
「ええ、もう最高だったわよ。温泉は気持ちよかったし、料理も美味しかったし、それに・・・」
「「「それに?」」」
ユニット1の一同は同じタイミングで同じ言葉を発言する。その様子を見た霊夢はクスリと笑い、発言した
「雅人のテク、最高に良かったしね」
霊夢の小悪魔のような妖しい笑みは全員の目に釘付けとなるが、当の本人は霊夢の発言によって頬を赤くしている雅人の腕に抱きつく
「さて、雅人。二日間訓練休んじゃったから、遅れを取り返さないとね」
「おっ、珍しく積極的だな」
「雅人となら、何処までも目指せる気がするのよ。さ、行きましょう」
霊夢は雅人と一緒に部屋を出ると、そのまま訓練場に向かう
その後、ユニット1の待機部屋からは早苗達彼氏いない組の『リア充滅びろ!!』という声が聞こえてきたのは言うまでもない