東方軍事組織   作:SOCOMレオン

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#31 特殊作戦(前編)

ーーこの日、草薙雅人一等陸曹とトニー・ミドルトン二等軍曹の二人は作戦指令室に呼び出されていた

 

二人が作戦指令室の椅子に腰掛けていると、総合司令官の幽々子が姿を表す

 

「ごめんなさい、待ったかしら?」

 

「2分待ったさ」

 

「ごめんなさい。さっきまで昼食を取っていたのよ」

 

幽々子は口元に付いたご飯粒を親指で取って口に運ぶ。今日もさぞかし食料を大量に消費したのだろう、調理員の顔が目に浮かぶ

 

「で、俺達に何の用だ?」

 

雅人が幽々子に問いかけると、幽々子は先程まで浮かべていた笑みを消す

 

「・・・今回の任務は極秘任務よ。要請主が貴方達二人を指名したのよ」

 

「要請主?依頼じゃねえのか?」

 

「残念ながら違うわ。今回は軍事的作戦に貴方達が抜擢されたのよ」

 

すると、トニーは幽々子に質問を投げ掛ける

 

「要請主ってのは誰だ?」

 

SOCOM(アメリカ特殊作戦軍)隷下サブコマンド、JSOC(統合特殊作戦司令部)よ」

 

「・・・ほぉう」

 

黙って聞いていた雅人は思わず声をあげる

 

「懐かしいかしら?雅人」

 

「ああ、久々に名前を聞いたよ」

 

二人の会話に、トニーは付いていけなかった。それもそのはず、トニーは雅人が以前どこにいたのか知らないのだ

 

「幽々子、コイツは以前どこに居たんだ?自衛隊では無さそうだが」

 

「雅人ならSEALsに居たわ。チーム6にね」

 

すると、トニーは目を丸くして雅人を見る。チーム6ことDEVGRUに居た日本人など聞いたことが無いからだ

 

「・・・見直したぞ」

 

「やかましい」

 

「言い争いなら後にしなさい。それじゃあ、内容を説明するわ」

 

幽々子はスクリーンに映された地図とレーザーポインターを使って説明する

 

「今から日本時間で言う28時間前、中央アメリカにある某国で潜入活動に当たっていたCIAの女性工作員が武装勢力に拉致されたわ。カナリヤ(要救助者)の安否は不明、現地の協力者は死亡」

 

「カナリヤが探ってた情報ってのは?」

 

「それは現時点では不明よ。尚、今回の任務ではDEVGRUのリック・ディキンソン大尉を含め3人で行うことになるわ」

 

すると、雅人の目が見開かれるが、すぐに元に戻る

 

「リック大尉・・・か」

 

「懐かしいかしら?」

 

「俺が居たときにはまだ中尉だった」

 

「それにしても3人か・・・こりゃキツいかもな」

 

弱音を吐くトニーの肩を雅人が叩く

 

「トニー、俺達はプロだろ?それで十分じゃないか」

 

「・・・フッ、それもそうだな」

 

「尚、今回の作戦に関しては装備の自由選択を許可するわ。好きな銃を持っていきなさい」

 

「了解した。遠慮なく持っていかせてもらう」

 

 

 

 

 

~数時間後~

 

二人は現地の空港に着いたばかりだった

 

「やれやれ、やっと着いた」

 

「ああ、いよいよだな」

 

二人は空港のゲートを出ると、一台の車がクラクションを鳴らし、二人に知らせる

 

雅人が車の方を見ると、運転席には此方に向かって手を振るリックの姿があった

 

雅人とトニーはリックの方に近づいていく

 

「よぉ、元気にしてたか?」

 

「当たり前だろ、体調管理には気を使ってる」

 

リックが車から降りると、アメリカ式の挨拶として、雅人にハグをする

 

「いやぁ、まさかお前とまた組んで仕事するとはな」

 

「運命ってのは気まぐれなもんだな」

 

雅人とリックがしばらく話していると、雅人の後ろに居たトニーに気がつく

 

「雅人、此方のアメリカ人はお前の新しい相棒か?」

 

リックの問いに、雅人ではなくトニーが答える

 

「いいや、違うよ。教官として派遣されてるトニー・ミドルトンだ。よろしく」

 

トニーはリックと握手する

 

「さて、挨拶はこんなもんでいいか。乗れ、二人とも」

 

雅人とトニーは後部座席に乗り込むと、リックが車を発進させる

 

「雅人、今の職場はどうだ?」

 

「ああ、最高だ。美人な女ばっかりだよ」

 

「そりゃ良いじゃねえか、羨ましい。俺の好みの女は居そうだな」

 

「ああ、お前の好みにピッタリな女は居るよ」

 

「マジでか!?」

 

「マジだ」

 

「イャッホォーーーー!!!」

 

リックはハイテンションになってクラクションを鳴らしまくる

 

「雅人、アイツの好みの女ってなんだ?」

 

「リックの好みか?アジア系の女性で巨乳でグラマーな体系の女が好みだな」

 

すると、トニーの頭の中でよく知っている一人の女性が浮かび上がる

 

「・・・確かにいるな」

 

「だろ?」

 

結局、クラクションが鳴り終えたのは30分経った後だった。だが、その頃には既に目的地である小屋に到着していた

 

3人は車を降りると、小屋の中に入ってBDUを着て、顔にペイントして装備品を身に付けると、リックが地図を広げる

 

「今俺達がいる場所はここ。カナリヤが居るのはここから30キロ先の湿地帯にある廃棄された工場だ。最後に確認されたのは2時間前だ。恐らくまだカナリヤは生きてる」

 

「もし生きてなかったら?」

 

「情報だけ入手して撤収することになるだろう」

 

「OK」

 

「リック、カナリヤを救出した後は?」

 

「付近を航海していたGMDS所属のイージス艦、『せいせん』からボート部隊が迎えに来てくれる事になっている」

 

「了解。さて、行くか」

 

3人は小屋を出ると、乗ってきた車に乗り込み、目的地に向かうと、リックが後部座席にいるトニーに話しかける

 

「トニー、泳げるか?」

 

「いきなりなんだ?」

 

「さっきもいった通り、目的の場所は湿地帯にある。恐らく泳いでいかなきゃならないだろう」

 

すると、雅人がトニーの肩を軽く叩きながら発言する

 

「安心しろリック。トニーはこう見えても現役の海兵隊員(フォース・リーコン隊員)だ。泳げなきゃ話にならないだろ?」

 

「おい、こう見えてもってのはどういう意味だ?返答によっちゃ俺の拳がお前の顔に飛ぶぞ」

 

トニーが不服げに発言すると、雅人がニヤニヤしながら発言する

 

「へっ、お前のヒョロヒョロなパンチなんざかわしきってやるさ」

 

「上等だ。帰ったらお前だけ訓練メニューを10倍にしてやる」

 

「そ、それは勘弁してくれ・・・。悪かった、このとーり」

 

「・・・・まあいい」

 

リックはその様子をバックミラー越しに見ながら笑う

 

「お前ら、楽しそうでいいな」

 

「そう思うか?」

 

トニーが不満げに発言する

 

「ああ。そう思うな。ところで雅人、お前にしょっちゅう絡んでたアイツ、この前浮気がバレて奥さんに逃げられたらしいぞ」

 

「マジでか!?ザマァだな!」

 

雅人は愉快そうに笑うと、それに続いてリックも愉快そうに笑う。その様子を見たトニーはため息をつく

 

(何でコイツらは作戦中にバカみたいに笑えるか、理解できんな・・・)

 

トニーがそう思うと、突如リックと雅人の顔から笑顔が消える

 

「・・・そろそろ着くぞ。準備しておけ」

 

「だってさ、トニー」

 

「あいよ」

 

やがて、車のスピードは下がっていき、完全に停車すると、3人は車を降り、リックはトランクからHK416を取り出すと、チャージングハンドルを引く

 

一方で二人はスペルカードを取りだし、雅人はHK416、トニーは愛用のSR-25を取り出す

 

「幻想郷ってのは便利なもん持ってるんだな」

 

「ああ。お蔭で楽々持てるよ」

 

雅人はHK416のチャージングハンドルを引くと、トニーもSR-25の弾薬を確認してチャージングハンドルを引く

 

「さて諸君、ここから少しランニングだ」

 

「上等」

 

3人は湿地帯にと入っていくと、走りながら辺りに銃口を向けて進んでいく

 

辺り一面に木々が生い茂り、日光もほとんどの届かず、まるで夜のようだった

 

しばらく歩いていると、川に出る

 

「さて、ここからはランニングからスイミングになるぞ」

 

「分かってるさ」

 

3人は川に入り、音もたてずに泳ぎ始める。幸いにも川の水は茶色に染まっており、3人の姿を隠していた

 

しばらく泳いでいると、リックが川から顔を出して息継ぎと同時に辺りを警戒すると、雅人とトニーも一旦顔を出し、再び潜水すると、近くにある陸地に向かって泳ぎ始める

 

3人は上陸すると、周囲を警戒し、リックが司令部に報告する

 

「司令部、こちら襲撃班。応答願う」

 

【こちら司令部、どうぞ】

 

「目標の施設付近に到達した。これより行動に移す」

 

【了解、検討を祈る。over】

 

「copy」

 

リックは通信を終了すると、SR-25のスコープを覗いていたトニーが状況を知らせる

 

「見えるだけで見張りが3名いる」

 

「もっといるはずだ・・・。探してくれ」

 

「なら良いものがある」

 

トニーがそう言うと、スペルカードを取りだし、発動する

 

トニーの付近に円盤形のUAVと操作盤が現れる

 

「・・・幻想郷ってのは本当に便利なものばかりだな」

 

リックはそう呟くと、トニーが操作盤を使ってUAVを浮上させ、敵の施設の真上に向かわせる

 

音も経てずに、UAVは敵施設の真上に到着すると自動操縦(オートパイロット)モードに切り替えて待機させ、トニーは操作盤のモニターを確認する

 

「・・・敵の数、5名」

 

「トニー、狙っててくれ」

 

「了解」

 

トニーは地面に伏せると、SR-25のバイポッドを展開する

 

「行くぞ、雅人」

 

「了解」

 

雅人とリックは再び川に入り、静かに目的地に向かう

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