ーーー日本、幻想郷、GMDS本社周辺
「せいせん、こちら
【了解。・・・頼んだぞ】
「任せろ。
【・・・通信終了】
「copy」
合同部隊の指揮を取るリックは通信を終了すると、ハンドサインで全員を自分の方に集める
「いいか、これは想定外の事態だ。GMDSはテロ組織から恨みを買っているはずだがこんなことは前例がない。相手の素性も不明、人数も不明、だがそれでも俺はやるぞ。かつての
リックはそう言うと、雅人の方を見る。雅人はリックと視線を合わせると、首を縦に降る
「死にたくない、という奴は降りて構わない。勝算なんざあるか無いかも分からない。いや、恐らく0に等しいだろう。それでも、俺はやる」
「よく言った雅人。それでこそ俺が見込んだ男だ」
リックは雅人の肩を叩くと、ほんの少し笑顔を見せるが、すぐに真剣な顔に戻る
トニー達も降りる気などないという表情をしていた
「リック、侵入経路としては非常階段と裏側の搬入口があるぞ」
雅人はリックに侵入経路を伝える
「OK・・・。俊、妹紅、西側の非常階段を頼む。残りは俺と行くぞ、行動開始だ」
ーーー西側非常階段、タスクフォース、ブラヴォーチーム
「・・・待て」
先頭の妹紅が後ろにいた俊に知らせると、角を覗き込み、確認する。非常階段の前では見張りの敵がマイクロUZIを弄りながら立ちふさがっていた
「任せろ」
妹紅はレッグホルスターから取り出したMK23にサプレッサーを付け、引き金を1回絞る
「・・・クリア」
「OK、letts go」
「OK」
妹紅とその後ろの俊が小声で状況報告をすると、全員壁から出て素早く移動し、非常階段付近の外部電源のケースの蓋をこじ開けると、俊がコードを弄り始める
「・・・これでよし。こちらブラヴォー、電源装置の工作に成功。15秒後には本社全ての電気がシャットダウンされる。突入準備を行え、over」
【アルファ了解】
少しの時間が経つと、本社ビル全ての明かりが消える
ーーー南側物資搬入口、タスクフォース、アルファチーム
「・・準備は良いな?」
「いつでもいいさ」
「OKだ」
「・・行くぞ」
リックはシャッターを強引に上げると、雅人とトニーの二人が手に持ったアサルトライフルを発砲し、搬入庫にいたテロリストを射殺する
「クリア!」
「次だ!行くぞ!」
トニーは廊下に続くドアを開けると、待ち伏せていたテロリストが銃撃を開始する
廊下にはフルオートで鳴り響くAK-47の銃声、廊下に落ちる空薬莢の乾いた音、テロリストの怒号が響き渡る
「手榴弾!」
リックは手榴弾のピンを抜き、安全レバーを弾いて放り込むと、手榴弾は爆発と同時に破片を撒き散らす
「GO!GO!GO!」
雅人達は次から次へと出てくる敵に向かって発砲し続け、先頭を移動していたリックが角から飛び出してきたテロリストを突き飛ばして地面に倒すと、HK416の引き金を数回絞り、テロリストの胸元に5.56mmNATO弾を撃ち込む
すると、廊下や部屋の全ての電灯が着き始める
「
「畜生!」
トニーは飛び出してきたテロリストに掌底を浴びせ、空いている左手で軍用マチェットを鞘から出して頸動脈を掻っ切ると、ホルスターからMEWピストルを抜いて別のテロリストに発砲する
ーー西側通路、タスクフォース、ブラヴォーチーム
「アルファの連中、やってるなぁ」
「それほど気合い十分ってことだろ」
交戦中の
「俊」
妹紅はパートナーの名前を呼ぶと、俊に止まれと合図する
妹紅は角から覗き込むと、目の前ではGMDSの隊員達がテロリストに銃口を突きつけられていた
「・・・俊、私達もいっちょやるか」
「あいよ」
妹紅は手に持ったSCAR-Hを構えると、ドットサイトを覗き込み、引き金を絞る
「行け!行け!」
妹紅の合図で俊は角から飛び出して手に持ったAK-103を発砲し、辺りを制圧する
「クリア」
俊が銃口を下ろすと、妹紅がSCAR-Hをもって角から歩いてくると、隊員達の両手足を縛っているロープを切断する
「なんだ・・・お前達は」
「GMDSの部隊、とでも言っておいてやるよ」
俊はポーチからスペルカードを出すと、隊員達に渡す。スペルカードからは正式アサルトライフルの89式小銃を出し、隊員達は89式小銃を持つ
「いいなお前ら。連中は
俊はそう言うと、AK-103を持って妹紅の後ろにつき、隊員達と移動を開始する
ーーー東側通路、タスクフォース、アルファチーム
「・・・静かだな」
東側に移動した雅人達は、銃声どころか物音ひとつしない状況に不気味な雰囲気を感じていた
「・・・」
リックは無言でHK416の銃口を後ろに向け、後ろ向きに前に進んでいくと、雅人が前を向いて警戒しながら進んでいく
【リック、雅人】
「どうした?」
【こっちに来てくれ】
突如二人のインカムから先行していたトニーの声が耳に入ってくると、二人はトニーの方に駆け寄っていくと、トニーの方に近づくごとに無数の女の悲鳴が大きくなっていく
「・・・トニー?」
トニーは無言でその場を退くと、ドアの隙間を親指で指す
雅人はドアの隙間を覗くと、雅人の目は大きく見開かれる
ドアの向こうでは、GMDSの女性隊員達が男性隊員達の目の前でテロリストに輪姦されていた。その中にーーー
「そん・・・・な・・・・」
雅人は目の前で起こっている悪夢のような出来事に思わず声を漏らし、それと同時に雅人の中でさまざまな負の感情が生まれる
「・・・・クソッタレが」
同じく、ドアの隙間を覗いたリックも思わず声を漏らす
部屋の向こうからは、嫌がる女性隊員達の悲鳴や喘ぎ声が響いてくるなか、聞き覚えのある声が耳に入ってくる
「まさと・・・たすけて・・・」
雅人は目の前で犯されている霊夢の声を聞くと、下唇を血が出るほど力強く噛む
ーーーどうして、皆が・・・仲間が・・霊夢が・・・こんな・・・・・目に・・?
お前らテロリストが人間本来の欲望を満たすために・・・神の怒りとか、改革とか、訳わかんねぇ事の為に何人もの人間を殺してる連中がどうして平然として生きている・・?
・・・殺してやる、薄汚いテロリストは皆・・・・
コロシテヤル
雅人はHK416を持ってドアを蹴り開け、テロリスト達の頭に目掛けて発砲を開始する
不意を突かれたテロリスト達は成す統べなく、頭に風穴を開けられていく
その間に、リックとトニーが中に入って女性隊員達を救出する
雅人は両手を挙げているテロリストのリーダーらしき男の方に近づくと、テロリストを掴んで壁に押し当てる
「やってくれたな・・・貴様等」
リーダーを見る雅人の目に光など灯っておらず、ただ純粋に男の死を見つめていた
「ヒ、ヒィッ!!」
「お前みたいな・・・お前みたいなゴミがアイツ等を・・霊夢を・・・!!!」
雅人はテロリストを床に叩きつけ、HK416のセレクターをフルオートに変更する
「た、頼む・・・許して・・・」
「死ね」
雅人はHK416の引き金を引くと、銃口からは連続で5.56mmNATO弾が発射される
銃声と共に、テロリストの断末魔が部屋に響き渡るが、弾が撃ち尽くされる頃には既にテロリストの男は死んでいた
「ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッ」
雅人は荒い呼吸を繰り返すと、空になったマガジンを抜き、タクティカルベストに付けたダンプポーチに入れると新しいマガジンを取る
「・・・」
雅人は銃口を降ろすと、犯されていた女性隊員達の方を見る。中には目に光が灯っておらず、意識を失ってる隊員も入れば、その隊員を抱き締めて泣く隊員の姿もあった
「・・・雅人」
リックが親指でリックの後ろを指すと、そこでは両手を後頭部に付けて、降参しているテロリスト達の姿があった
「・・・・」
雅人とトニーは押収したテロリストの銃を取ると、解放された男性隊員達に渡す
「・・・分かってるだろ、お前ら。好き勝手に仲間達を犯した連中が生きている価値なんて無い。殺せ」
男性隊員達は銃を受けとると、銃のアイアンサイトを覗き、テロリスト達に狙いを定める
その中に、恋人を犯されたユニット3の佑真達も加わっていた
「よくも・・・魔理沙を!!」
「生かしておくと思うなよ・・・!この外道どもが!!!」
全員引き金に指をかけると、テロリスト達は命乞いをする
「お、お願い・・・助け・・・」
しかし、無慈悲な弾丸は銃口から吐き出され、テロリスト達の体に風穴を開けていく
「ぎゃぁっ!」
「あがぁっ!」
銃声とテロリストの悲鳴が部屋に響き渡り、佑真達は何度も何度も引き金を引き続け、テロリストの体はズタボロにされていく
弾が撃ち尽くされた時には既にテロリストが死亡し、佑真達は弾が切れた銃を投げ捨てると、其々の恋人の方に近寄り、力強く抱き締める
「ごめん・・・魔理沙・・・ゴメンよ・・・!!」
「うっ、ひっく・・・ゆうまぁ・・・」
「妖夢・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」
「たくや・・・さぁん・・・」
其々、泣きながら自分の恋人達を力強く抱き締め、謝罪の言葉を何度も何度も繰り返す
「・・・雅人」
雅人は声のした方を振り返ると、そこには毛布で身を包んだ霊夢の姿があった
「信じてた・・・きっと・・・来てくれるって・・・」
「・・・霊夢。ゴメン・・・」
「ううん。雅人は悪くない・・・大丈夫、私は・・・・平気だから」
そう言う霊夢は涙を流しながら笑顔を作り、雅人にその笑顔を向ける
「・・・・霊夢、皆と居てやれ。俺にはまだやることがある」
霊夢は軽くうなずくと、早苗やアリス達の方に向かう
「・・・・・・ブラヴォー、こちらアルファ。カナリヤの救出に成功した。そちらの状況を知らせ」
雅人はインカムを使ってブラヴォーと連絡を取ろうとするが、インカムからはザーという音が響くだけで、二人の声はしない
「ブラヴォー、応答せよ。何があった?」
【・・・あー、あー、聞こえますか~?】
インカムからは聞いたことのない女の声が響く。明らかに妹紅の声ではなかった
【ブラヴォーは全滅。私が殺しちゃったわぁ、二人以外】
「・・・誰だ貴様」
【ん~、貴方達が殺した人間のリーダー、かしら】
インカムの向こうから聞こえる女の発言に、雅人は怒りを覚える
「・・・貴様が・・この連中の・・・・!!」
雅人は腰の位置まで垂直におろした左手を握り締める
【ええ、そうよ】
「・・・そこで首洗って待ってろ。貴様の体がズタズタになるまで鉛弾ぶちこんでやる・・・・・!!」
【フフ、なら来てみなさいよ。西側の通路に私は居る。じゃーねー】
女の声はそこで途切れると、雅人はマガジンを確認する
(弾は・・・まだある)
「・・・トニー、リック。黒幕を殺ってくる」
雅人はHK416のハンドガードを持つと、チャージングハンドルを右手で引き、その右手でグリップを掴む
「そうか。なら、俺達も・・」
「いや、俺一人に行かせてくれ。お前らまで来るとここの守備が薄くなる。何より、アイツ等があんな状態だといざとなったとき戦えないだろう」
雅人はカナリヤ達に目をやると、リックとトニーは頷いたように合図をする
「OK、ここは任せろ」
「・・・頼んだ」
雅人はドアを開けて部屋を後にすると、女が言っていた西側の通路に向かう
「・・・・」
西側通路に到着した雅人は角から身を乗り出して銃口を向けると、そこには隊員達の死体、そして微かに呻き声を挙げる俊と妹紅の姿があった
雅人は俊と妹紅の方に駆け寄る
「おい!どうしたんだ!」
「う・・・あ・・・う、う・・・し・・・ろ・・・」
妹紅が掠れた声で何かを呟く。雅人の耳には確かに『後ろ』と聞こえた
「後ろ・・・?」
雅人は後ろを振り返ると、そこには銃口を向けた黒いローブを身に纏った何者かが立っていた
「なっ・・・・!」
雅人に向けられた銃口は弾丸を吐き出すが雅人は咄嗟にHK416で弾丸を防ぎ、目の前の人物を蹴って距離を取り、立ち上がってレッグホルスターからUSPタクティカルを引き抜くと同時に銃口を向ける
「貴様だな・・・!銃を捨てて投降しろ!さもなければ・・・・!!」
雅人はトリガーガードから引き金に人差し指を移動させる
「・・・今更降伏しても、貴方は私を殺すでしょう?でも、貴方は私を撃てるかしら?」
目の前の人物はそう言うと、ローブを掴んで投げ捨てる
「なっ・・・!!!!」
雅人は驚きのあまり目を見開き、声を漏らす。なぜなら雅人の目の前に居る女、その顔は酷似していたのだ。ーーーー自分の最愛の恋人、博麗霊夢に