雅人は向かってくるジュアヴォに対して、HK416の引き金を引く
HK416より放たれた5.56mmNATO弾はジュアヴォの額を貫くが、ジュアヴォはそのまま突進してくる
「なっ!?」
雅人はよく見ると、撃ち抜かれたジュアヴォの額は傷なんて無かったかのように再生していた
「クソッ!これだからド素人は!」
零夜はPT909を発砲しようとするが、それを雅人の世界の紫が扇を開いて防ぐ
「手出しは無用よ、零夜君」
「何言ってやがる、アイツはB.O.Wとの戦闘はしたことが無いんだろ?部下を殺す気か?」
「ええ、確かに彼はB.O.Wとの戦闘はしたことなどないわ。でもね、彼をそこで転がってるアンブレラの兵士と一緒にしちゃダメよ」
「さっきも言った通り、彼は私の部下の中でトップレベルの実力の保持者なのよ。元アメリカ海軍特殊部隊員でね」
「・・・・」
零夜はレッグホルスターにPT909を入れると、ニヤリと笑う
「面白い、ならトップレベルの実力を見せてもらおうじゃないか」
(紫の奴、余計なことを言いやがって)
雅人はそう思いながらも顔は笑っていた。そして、雅人は再びHK416を発砲する
5.56mmNATO弾を何発も喰らい、再生が追い付かなくなったジュアヴォの腕が鎌のように変化する
「良いね良いね、そうこなくっちゃなぁ!」
ジュアヴォは鎌のようになった腕を振り回すが、雅人はそれを見切っているのか全てかわしきり、HK416を放り投げてナイフとUSPタクティカルを持って攻めに転じる
右手に持ったUSPタクティカルはジュアヴォの体に弾丸を吐き出し、再生しようにも左手に持ったナイフが再生させまいと言わんばかりにジュアヴォの体を斬りつけていく
すると、他のジュアヴォが手に持ったUZIで雅人を撃とうとするが、目の前のジュアヴォが邪魔で狙いが定まらない
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙・・・」
やがて、変異したジュアヴォは消滅していくが、それと同時に仲間のジュアヴォがUZIを雅人に向かって発砲するが、弾丸は全て雅人の立っていた地面に命中する
「ホラホラどうした化け物!そんなもんか!?」
雅人は近くにいたジュアヴォに接近してナイフで斬りつけ、至近距離からUSPタクティカルを発砲すると、ジュアヴォはUZIを落として消滅していく
やがて、最後のジュアヴォも至近距離からUZIを発砲し、雅人の胴体に命中するが、雅人はそのまま回し蹴りを叩き込み、ジュアヴォが怯んだ隙に背後に回って首を掴み、ジュアヴォの首をへし折ると、ジュアヴォはそのまま地面に膝をつくと同時に消滅していく
その様子を見た雅人は腕時計で時間を見る
「6分48秒・・・もう少してこずるかと思ったが、こんなもんか」
雅人が振り返ると向こうの世界の霊夢達は唖然としていた
「たった一人で・・・しかもあんな短時間で」
霊夢がそう言うと、我に帰った鈴仙が雅人に飛びかかる
「ぬおっ!?何!?」
「貴方撃たれてたでしょ!治療するから傷を・・・」
しかし、雅人に傷口などなく、代わりにタクティカルベストに弾痕が残っていた
「・・・こっちの世界の連中は防弾ベストも知らないのか」
雅人は鈴仙から脱出すると、放り投げたHK416を取って背中に背負う
「それじゃあ、ガンバってね雅人」
「あいよ」
スーツ姿の紫はスキマを開き、去っていくと、アンブレラ兵の死体に向かい、タクティカルベストを漁る
「・・・何してるんですか?」
側にいた妖夢が雅人に尋ねる
「見りゃ分かるだろ?」
「分からないから聞いてるんですが・・・・」
「・・・はぁ」
雅人はため息をつくと、そのまま答えを返す
「弾を貰ってるだけだ」
雅人はマガジンを取ると、そのままマガジンポーチに入れる
因みにアンブレラ兵の持っていた銃はM4A1だったので雅人のHK416とマガジンの互換性があり、使用できる
「おい、零夜・・・だったか?」
「・・・なんだ」
雅人は別の死体が持っていたオープンドットサイトとフラッシュライト付きのG36cを投げ渡す
「使え、お前の物だ」
「・・・」
しかし、零夜はG36cを投げ捨てると、雅人に発言する
「使ったことないから使い方なんて知らねえし、アンブレラが使っていた銃なんざ持ちたくもない」
「・・・余程嫌いなんだな」
雅人は立ち上がると、弾薬の点検をする
「で?俺は何をすればいい?」
「その事は拠点で話す。ついてこい」
零夜はそう言うと、スタスタと歩いていく
雅人は無言でその後を歩いて追っていく
それからしばらくして、拠点である永遠亭に到着した一行は永琳に状況を話していた
「・・・なるほど、状況は分かったわ」
「少なくともアイツは戦力になりそうだ」
零夜は壁にもたれ掛かったまましゃがみこんでHK416の点検を行っている雅人へ視線を向けると、雅人はその視線に気づいたのか、零夜の方に視線を向ける
「・・・なんだ?」
「何でもねえよ」
「・・・あっそう」
雅人は再びHK416の点検作業に移ると、零夜は再び視線を永琳に向ける
「それにしても、貴方を圧倒したのは凄いわね」
「フン、手加減しただけだ」
「・・・負け惜しみ言ってんじゃねえよガキが」
点検作業を終えた雅人が零夜に対して発言すると、零夜は雅人の方を振り向く
「アァ?何言ってんだテメエ」
零夜は雅人に睨みをきかせるが、雅人も零夜を睨み付ける
「負け惜しみ言うなって言ってんだよ。その年で頭ボケてんのか?」
「うっせえんだよ。まず能力も持たねぇテメエが何言ってやがる」
「ほぉう?少なくともテメエよりかは射撃能力や格闘能力は上だと思うが?反政府軍さんよぉ」
「・・・どこで知った」
「こっちの紫に聞いたんだよ、ゲリラ野郎」
「・・・フン、少なくともお前よりかは俺の方が戦場にいた時間は長いんだ。アメリカへの忠誠心で動いてたようなお前とは違うんだよ」
「忠誠心?ハッ、笑わせるぜ。俺は忠誠なんて誓ったこともない」
雅人は少しだけ妖しく笑うが、すぐに無表情に戻る
「ほう?なら何のために戦う?」
零夜は得意気に発言すると、雅人は零夜の方を再び見る。雅人の目を見て、永琳は背筋に冷たいものが走る
(何・・・この人の目・・)
雅人の目には生気が無く、死んだ魚のような虚ろな目だった
「・・・復讐だ」
「・・ほぉう。どうやらお前も俺と同類みたいだな」
零夜も死んだ魚のような虚ろな目になるが、顔は笑っていた
しばらくの間、3人の居る部屋に沈黙の空気が流れるが、零夜が雅人に話しかける
「・・・お前は何に復讐する?」
「・・・・」
雅人は突如立ち上がってUSPタクティカルを引き抜くと同時に零夜に向けて構えるが、零夜もレッグホルスターからPT909を取り出して雅人へと向ける
二人の銃口を向けるスピードはほぼ同時だった
「俺はお前のような反政府ゲリラやテロ野郎に復讐するために米軍に入った」
「・・・永琳、出てろ。これは俺とアイツの問題だ」
「・・・」
永琳は無言で部屋を後にする
「・・・俺はお前らゲリラやテロリストを許さない。お前は直接関係なんてないが、それでも俺は殺したくなる」
「ハッ、俺だってテメエのような正規軍に居た奴なんざ信用したくもない。テメエは直接関係なんて無いが、B.O.Wや正規軍の連中は俺の仲間だった奴らを何人も殺した」
「俺はテロリストに家族や恋人を殺された!!」
「俺はバイオハザードで家族も親戚も友達も仲間も全て失った!!」
二人はお互いのトラウマを大声で叫ぶが、しばらくお互い銃口を降ろさないまま沈黙が流れるが、零夜が雅人に発言し始める
「お前なら・・分かるだろ?大切な連中を失う辛さが・・・。誰も好き好んでこんな人生送りたくねえんだよ・・・」
「当たり前だろ・・・。俺だってな・・銃なんて持たずに普通に人生送りたかったさ・・!平和な日本で普通に生きて!普通に生活して!戦場なんかで死ぬのを怖がらずに普通に平和な日本で死にたかったさ!だけどテロがそれを崩壊させた!」
「俺だって同じなんだよ!明日生きられるかどうかも分からない生活じゃなくて普通に恵まれた環境に生まれて友達も作って普通の人生全うしたかったさ!誰も好き好んで銃持って戦うような人生なんてお断りに決まってるだろ!でもな!バイオハザードが!生物兵器が!アンブレラが俺の人生を全て変えやがった!」
二人はいつの間にか涙を流していた。お互いの過去のトラウマの光景がそれぞれ頭に浮かび、涙を流しているのだ
「・・・クソッタレが」
零夜はそう言うと、先にPT909をホルスターに戻して涙を拭う
「・・・今のは忘れてくれ」
零夜は雅人に向かってそう発言すると、雅人はUSPをレッグホルスターに戻して涙を拭う
「・・・その台詞、そっくりそのまま返してやるよ」
再び沈黙が流れるが、突如響いた銃声が沈黙の空気を壊す
銃声を聞いた二人が外に出ると、そこではアンブレラの兵士が霊夢達にアサルトライフルを発砲していた
すると、雅人達の姿を見つけたアンブレラの兵士達は二人にも発砲を開始する
「彼処にも居るぞ!」
「撃て!撃ち殺せ!」
雅人と零夜は銃撃から逃れるために身を隠し、其々の銃を手にする
「・・・皮肉なもんだ。あれだけ毛嫌いしていたゲリラと共闘するなんてよ」
「・・・なんとでも言え、正規兵」
「・・・・・ところでお前、何歳の頃に戦場に足を踏み入れた」
「・・12だ」
「・・・そうか、俺はまだ今のお前ぐらいの頃に軍に入った」
雅人には見えていないが、零夜は少し首をかしげ、雅人に問い返す
「何が言いたい?」
「・・・悔しいが戦場歴はテメエの方が上だって事だよ」
すると、その発言を聞いた零夜はフフン、と勝ち誇る
「・・・ガキが」
「うるせえ」
「・・・さて、そろそろやりますか」
雅人はHK416のチャージングハンドルを引いて初弾を送り込むと、アンブレラ兵に向かって発砲する
「撃ってきたぞ!」
「怯むな!数はこっちの方が・・・・」
しかし、指示を出していた男は雅人の弾丸によって頭を撃ち抜かれ、地面に膝をついて息絶える
「Niceshot」
「Thanks」
二人は簡単な英単語でやり取りすると、結界を張って防御していた霊夢が声を荒げる
「ちょっとぉ!二人で喋ってる暇があったら何とかしなさいよ!」
「そう言うなら自分で何とかしてみろ。バカ女」
「誰がバカよ!!」
雅人は軽く挑発すると、霊夢は簡単に引っ掛かったようだ。結界を張りながら地団駄を踏む
「そうやって防御しか出来ないようじゃ兵士にはなれないぞ」
「私は兵士じゃないわよ!!!」
「おっと失礼、こっちの世界の霊夢は貧乏巫女だったな」
雅人の発言に、霊夢は若干涙目になりながら雅人を睨み付ける
そんな霊夢を放っておいてホルダーからM67破片手榴弾を取り出してピンを抜き、アンブレラ兵達の方に向かって投げる
破片手榴弾は大量の破片を吹き飛ばしながらアンブレラの兵士達を無惨な姿へと変えていく
「リロード!!」
雅人が壁に身を隠してリロードを行うと、今度は入れ替わりに零夜がPT909を発砲する
「おい鈴仙!ちゃんと撃ってるか!?」
「リロード中です!」
零夜が鈴仙の方を見ると、鈴仙はアンブレラから鹵獲したM98MEアンチマテリアルライフルの弾倉を入れ換えていた
「おい、お前らあんなすげえ銃持ってるのか?」
雅人が零夜にそう尋ねると、零夜は黙って首を縦に振る
「・・・フルオートのアンチマテリアルライフル、か」
雅人は鬼畜過ぎるほどの性能に若干ため息をつきながらも、発砲する機会をうかがう
「もう・・・無理っ!!」
やがて、SCAR-LやM4A1の5.56mmNATO弾やAK-74Mの5.45mm弾を受け続けた霊夢の結界は限界を越えたのか、ヒビが入って、決壊する
「きゃあっ!!」
「霊夢っ!!」
結界を張っていた霊夢と、その後ろに隠れていた妖夢達はアンブレラ兵達の格好の的になる
「結界が壊れたぞ!今がチャンスだ!撃ちまくれ!」
アンブレラ兵達は霊夢達に発砲するが、周辺の障害物に身を隠してやり過ごしている
「援護します!今のうちに零夜さん達の方に!」
すると、霊夢は零夜と雅人の方に向かうが、その瞬間、アンブレラ兵のM4A1の銃口が霊夢を捉える
「バカ!まだ来るな!!」
零夜がそう叫んだ頃には時、既に遅く、アンブレラ兵のM4A1は霊夢に向かって鉛弾を吐き出していた
「霊夢っ!!」
雅人は咄嗟に壁から飛び出して霊夢を押し倒し、被弾を避ける。すると、雅人はアンブレラ兵達をHK416でなぞるように発砲していくと、左手で霊夢の服の襟をつかんで零夜のいる壁に引きずっていく
「大丈夫か!?ケガは!?」
「え、ええ・・・平気よ」
「・・・ならいい」
雅人はホッとした表情を見せると、HK416のマガジンを入れ換え、腕と銃を角から出した状態でカバーショットを行い、仕上げにM320グレネードランチャーの引き金を引き、40mmグレネードHE弾を発射させる
グレネード弾は楕円を描き、アンブレラ兵達のいる場所で着弾し、爆発すると同時にアンブレラ兵達を肉片に変える
雅人は角から少し顔を出して除き混む
「・・・クリア」
雅人がそう言うと、全員銃のセーフティをかけ、一息つく
「ふう、焦りましたよ」
鈴仙はM98MEのキャリングハンドルを掴んで立ち上がると、零夜に話しかける
「その割には随分落ち着いてた癖によ」
「慣れてきたんですかね?」
「さあな」
二人がそんな会話をしていると、霊夢が何かに気がつく。擲弾の衝撃を喰らった死体の一つが少しだけ動いていたのだ
「・・・」
霊夢は雅人の肩を叩き、動いた死体の方を指差す
「さっき、あの死体が動いて・・・」
霊夢がそう言うと、雅人はHK416を持って確認に向かう
死体の近くに来ると、確かに兵士は微かに動いており微かな声を出して苦しんでいるのが分かった
「おい、喋れるか?」
兵士は何も答えない。すると、雅人は傷口に指を入れる
「うぁぁぁぁぁぁ!!」
兵士は大声で叫ぶが、雅人はお構い無しに指を動かし続ける
「なんだ、喋れるじゃん。」
雅人は指の動きを止めるが、指は抜かなかった
「いいか下っ端、一度しか聞かない。おまえらの所属の基地は何処だ。言えば治療してやる」
「こ、ここから・・・南西の・・場所に・・・ある、廃墟の・・地下だっ!」
「そうか、そこにあるんだな?」
「そ、そうだ・・。頼む・・・助けて・・」
すると、霊夢が永琳を呼ぼうとするが、雅人がそれを静止させる
「必要ない。治療くらいできる」
雅人はそう言うと、USPタクティカルを取りだし、兵士の額に向ける
「な、何を・・・」
「何って、治療だよ」
雅人はそう言うと、USPの引き金を引いた。銃口からは鉛弾が発射され、兵士の額に風穴を開ける
「・・・敵とはいえエグいことするわね」
「これが死にかけの奴を楽にさせてやる一番の方法なんだよ」
ホールドオープンしたUSPタクティカルのマガジンを落とし、新しいマガジンを入れてスライドストップレバーを下げると、レッグホルスターにUSPを戻す
「南西の方にある廃墟、そこに奴等の基地があるらしい。そこに向かおう」
「貴方、飛べるの?」
「飛べるわけないだろ。だからあれに乗っていく」
雅人は親指を後ろに向ける。そこにはアンブレラの兵士達が乗ってきた軍用トラックがあった
「操縦できるの?」
「あのなぁ、俺は元軍人だぞ。こんなもん朝飯前だ」
雅人はそう言いながらアンブレラ兵が持ってた損傷の少ない銃器や弾を回収していき、トラックに載せる
その間、霊夢が零夜達に知らせる
「なるほど・・・地下か」
「すぐに行きましょう」
すると、雅人が口笛を吹いて零夜達に知らせる。いつの間にかトラックの運転席に乗っていた
「お前ら、早く乗らないと出発するぞ」
雅人がそう言うと、零夜達はトラックの荷台に乗る
「ホラ乗ったぞ、早く出せ」
「・・・Geez who are these guys?(・・・やれやれ、コイツら何様だ?)」
「何か言ったか?」
「いや、何にも。ほら、行くぞ」
雅人は零夜にそう返すと、エンジンをかけてトラックを走らせ、目的地に向かう