東方軍事組織   作:SOCOMレオン

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オペレーション・ピース・ブレイクダウン(後編)

ーーー同日 自衛隊基地 午前01:24

 

「て、敵だ!!敵襲!!!」

 

隣に居た同僚が射殺され、動揺して大声を上げている自衛官が周りにいる自衛官に敵が来たことを知らせる

 

「敵だと!?人数は!?」

 

「不明・・・・」

 

するとまた一人、ライフル弾によって頭を撃ち抜かれ、脳髄を地面にぶちまけて叩きつけるかのように地面へと落ちる

 

「くそっ!!スナイパーだ!!」

 

自衛官達は壁に隠れると、武装した自衛官達が増援としてやってくる

 

「何名やられた!?」

 

「二人だ!多村と笹川だ!!」

 

「くそっ!!一体どこのどいつなんだ!!」

 

自衛官達は89式小銃を持って索敵を開始する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー北側 ビル屋上 GIEF合同チーム狙撃班

 

「狙撃班より強襲班、索敵中の自衛官がそちらに向かっている。人数は6名」

 

【了解】

 

鈴仙達のスコープには索敵している自衛官達と、それをじっと待つ霊夢達の光景が映る

 

「にしてもこれ、便利ですねぇ」

 

文はガングラスの縁を指で押さえる。GIEF製の新型ガングラスの機能により、味方が光学迷彩を発動していても、装着者には味方の隊員の姿が見えるようになっている

 

「ええ。にとりさんには感謝しないとです」

 

そう言っている間に、固まって動いていた自衛官達は強襲班によって音もなく片付けられる

 

【こちら強襲班、自衛官の一個分隊を排除】

 

「了解。そろそろ光学迷彩のバッテリーが切れる頃です」

 

【此方でも把握しているわ。援護頼むわよ】

 

「了解です」

 

鈴仙達はガングラスを外すと、直にスコープを覗き、強襲班全員が光学迷彩を解除したのを確認する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「い、居たぞ!!」

 

自衛官達は光学迷彩を解除した霊夢達へと発砲を開始する

 

(自衛隊もこの程度か)

 

雅人はサプレッサーを装着したHK416Dを発砲し、自衛官へと命中させる

 

「あぐぁっ!!」

 

「くそっ!!連中何者だよ!?」

 

「知るかよ!応戦だ!応戦し・・・」

 

すると、二人の自衛官の口から鉄の味がする赤黒い液体がこぼれ落ちる

 

「う・・・ぐっ・・・」

 

自衛官の一人が力を振り絞って後ろを振り返ると、そこには自分自身の体を貫いている刀を持った敵らしき少女が居た

 

「き・・さ、ま・・・G・・・IE・・F・・・」

 

そう言うと、刀が引き抜かれ、自分自身の体が地面に落ちる

 

「・・・・恨むなら貴方達の上司を恨むんですね」

 

「二人をよくも!!」

 

自衛官の一人が妖夢へと向かって89式小銃を発砲するが、当の妖夢本人は二振りの高周波剣で弾丸を弾くと、接近して右手のHF楼観剣で89式小銃のハンドガードを切断し、逆手持ちで持ったHF白楼剣で自衛官の腰を切断し、HF楼観剣で頭から一刀両断する

 

自衛官は4つの肉塊となり、ベチャッという嫌な音を立てて地面へと落ちる

 

「ひっ!!こ、この化け物!!」

 

腰が抜けた自衛官は89式小銃の引き金を引くが、マガジンの弾はとっくに切れており、リロードしようにもマグポーチのマガジンは全て使いきってしまっていた

 

「・・・・」

 

妖夢は二振りの高周波剣を持って無言で自衛官へと近づいていく

 

「く、来るなぁ!」

 

自衛官の男はレッグホルスターからミネベア製九ミリ拳銃を取りだし、妖夢へとその銃口を向けるが、妖夢は臆することなく自衛官へと近づいていき、彼女の顔が彼の目の前まで迫っていた

 

「・・・貴方は、彼処に転がってる肉塊のようになりたいですか?」

 

妖夢の質問に、グリップを握る自衛官の手が震え始める。目の前の彼女の目は、幾多の戦場を生き残り、数えきれないほどの人間を殺してきた人殺しの目をしていた

 

「どっちみち、貴方は私に殺される。肉塊になって遺族にその姿を見られるか、人間としての姿を保ったまま死ぬか、どっちが良いですか?」

 

妖夢の質問に、自衛官の顔が恐怖に怯えた表情から絶望に満ちた顔になり、手に持った九ミリ拳銃の銃口を自分の側頭部に当て、引き金を引き絞ろうとするが、その手が突如九ミリ拳銃ごと宙を舞い、自衛官は一瞬の間に何が起こったか分からなかった。いや、彼の脳は既に思考するのは不可能な状態だった

 

彼の脳は既に鋭利過ぎる刃物によって貫かれていた

 

「アハハッ!ざーんねーん!!だーれが自分で死んで良いって言ったぁ!?」

 

大量の返り血を浴びた妖夢はそんなことなど気にせずに笑いながら自衛官の遺体を楼観剣ごと持ち上げ、左手の白楼剣で腕や足、上半身と下半身の切断など、人間をどんどん肉塊に変えていっていた

 

妖夢は返り血のついた顔で、口元をニヤリと三日月型につり上げる。その姿は最早兵士と言うより狂った人斬りの姿だった

 

「フフ・・・・アハハ・・・アーハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!!!」

 

妖夢は二振りの高周波剣を手に、次の敵兵(獲物)を狩りに向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(・・・なんで、こんなことに)

 

強襲班として参加した真は壁から身を乗り出してマグプル マサダを発砲する。そんな真は今の状況を悔しく思っていた。何故なら今攻撃をしているこの自衛隊基地は初めて真が配属された基地だからだ

 

(クソッ!何を考えてるんだ!今は戦闘中、GIEFの連中は家族だ。そう決めたじゃないか)

 

真が自分にそう言い聞かせていると、自分のすぐ側の壁に弾丸が着弾し、真は慣れた手付きで後ろを振り返りマサダの銃口を向けるが、それとほぼ同時に真は目を見開く

 

真の目の前にいる自衛官、それは自分が自衛官だった頃の同僚であり、それより昔からの親友だったからだ

 

「貴様等・・・よくもアイツ等を!」

 

目の前の自衛官は同僚を殺された怒りで89式小銃を持つ手が震えていた

 

(そんな・・・嘘だろ・・和弘・・・)

 

「貴様等GIEFはやっぱりただの戦争屋だ!貴様等の身勝手な上司のせいで・・・」

 

「違うっ!!!」

 

真は大声をあげ、否定すると、やっと自衛官は声の主に気がついたようだ

 

「まさか・・・真・・なのか・・?」

 

「・・・・・こんな形で、再開したくなかったよ。和弘」

 

そう言いながら真は鼻の上まで覆っているバラクラバを掴み、顎の部分まで下げる

 

「なんで・・・お前が・・」

 

「・・・和弘、今は戦闘中だ。俺とお前は敵同士」

 

すると、霊夢達が真の方に集まってくるが真は突如左手を上にする。それは屋上で狙撃をしている鈴仙達や霊夢達への『撃つな』というハンドサインだった

 

「・・・自衛官はあらかた片付けたわ。真、残りはそいつだけよ」

 

「撃つな。俺は今こいつと話してるんだ」

 

真の言葉を聞いた霊夢達は和弘に向けていた銃口を下ろす

 

「お前達・・・・自分が何をしたか分かってるのか!?これは日本への戦闘行為だぞ!?」

 

「そんなこと百も承知だ。だがこうでもしないと、お前達自衛隊のせいで死んだ同僚が浮かばれないんでな」

 

雅人が放った言葉を聞いて、和弘の中に疑問の種が芽生え始める

 

「何を・・・言って・・・・」

 

「・・・番犬」

 

真はポツリと呟くと、和弘は軽く首を傾げる。一般自衛官の和弘には解らないようだ

 

「番犬・・・・?」

 

「・・・気になるんだったら、俺の兄貴にでも聞いてみるんだな」

 

真がそう告げると、インカムから何時ものオペレーターの声が耳へと響く

 

【HQより合同チーム、お前達の場所に自衛隊の増援部隊と在日米軍の部隊が向かっている。速やかに撤収せよ。over】

 

「HQ、了解。合同班、アウト」

 

真がそう言うと、霊夢達が和弘に警戒しながら去っていき、真も最後に着いていく

 

(真・・・・変わったよ。お前は)

 

和弘は誰もいなくなった基地で一人、佇むことしか出来なかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、昨日の事は世界中で報じられ、衝撃を呼んでいた

 

「紫様、例の作戦ですが、自衛官一人が生き残ったようですね」

 

「ええ、幽々子からの作戦報告書で知ったわ。うちの隊員も情に脆い所があって良かったと言うべきか残念と言うべきか」

 

紫はハァッ、と大きくため息をつくと、淹れたてのコーヒーを飲む

 

「・・・これは持論ですが兵士にとって人間らしいと言う事は誇らしい事だと思います」

 

「一応理由を聞いておくわ。何故?」

 

「兵士は戦場に出れば出るほど機械と化していきます。機械となった兵士は命令されるがまま人を殺します。ですが、人間はそうもいきません。命令を拒む事もあれば後悔することもあります。どちらがいいか、紫様なら分かるはずです」

 

「・・・・米軍レンジャー研修で成長したわね。貴女も貴女の胸も」

 

「胸は余計です!!」

 

藍は顔を赤くして両腕でバッ、と自分の胸を隠す

 

「私より大きくなって妬ましいわ・・・」

 

「そんなどこぞの嫉妬深い妖怪みたいなこと言われても・・・」

 

藍はハァッ、とため息をつくが、紫は笑いながらコーヒーを飲み干すが、カップを机に置いた途端に表情から笑みが消える

 

「・・・・日本は私達の仕業だと言うでしょうね」

 

「・・あの自衛官が轟隊員と知り合いなのは痛いですね。あの自衛官証言するかもしれません。今のうちに・・・消しますか?」

 

「・・・もし生き残りが証言すれば、全世界にソマリアでの戦闘の時の映像を公開するだけよ。いくら効果があるかどうか分からないけど」

 

「・・・・紫様、これは私の想像ですが近い将来に来るWW3(第3次世界大戦)、勃発の発端は日本と、ここ幻想郷だと思います」

 

「・・・・・」

 

藍の想像に、紫は何も言わなかった。自分も同じような事を考えていたのだろう。藍もそれを察したのか、何も言わなくなっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー日本 防衛省ビル 現地時刻13:48

 

「もう一度聞こう、広田和弘3曹。あの基地を襲撃したのはGIEFではないのか?」

 

「・・・解りません」

 

和弘は今、防衛省で尋問を受けていた。GIEFの襲撃があった基地の唯一の生き残りだからである。だが、彼は分からないの一点張りだった

 

「はぁ・・・・・」

 

尋問官はため息をつくと、椅子の背もたれに背中を預ける

 

「いいか、君は唯一の証人なんだ。他に話を聞きたくても君以外は殉職してしまっている。中には鋭利な刃物で人間の姿で無くなった者も居るんだ。彼等の無念を晴らすために、君の証言が必要なんだ」

 

尋問官はなんとか口を割らせようと説得すると、和弘はようやく口を開く

 

「・・・・・番犬」

 

和弘の口から発せられた言葉に、尋問官が一瞬だけ顔を強張らせたのを、和弘は見逃さなかった

 

「・・・・どうやら君は疲れているようだ。少し休んだ方がいい」

 

尋問官はそう言うと尋問室を後にし、部屋には和弘一人が残される

 

(・・・・やっぱり、番犬は存在するのか。真の言った通りだ)

 

和弘は一人、椅子の背もたれに背中を預けると、ふぅっ、と息を吐く

 

(だが・・・分からない。その番犬とか言う連中がGIEFを襲う理由。俺の知っている日幻両国の関係はいいとは言えない。だが、戦争する程悪いとも言えない。この国は・・・何が目的なんだ)

 

和弘がそんなことを考えていると、尋問室に一人の男が入ってくる。和弘はその男を見たことがあった

 

「・・・島田将補殿」

 

「君だね、広田3曹は」

 

目の前にいる防衛省の将校は付き添いの自衛官に席を外すように言うと、自らの前の椅子に座る

 

「さて・・・君に渡したい物があるんだ」

 

そう言って彼は机の上に1枚の書類を置く。和弘はその書類を取って目を通す

 

「これは・・・」

 

その書類には、自分の名前と番犬への配属が記されていた。自分が番犬へと配属される、だが彼には疑問があった

 

「・・・・何故、自分ですか?」

 

「君の成績を見ても、充分やっていけると判断して、是非君を勧めたくてね」

 

彼はそう言いながらスマートフォンをタッチし、和弘に見せる

 

『私は、幻想郷のスパイだ』

 

「ーーーーー!!」

 

思わず和弘は立ち上がろうとするが、目の前の将校はそれを制止させる

 

「まあまあ、突然特殊部隊に配属なんて言われても動揺するのは当然だ」

 

『私は防衛省の情報をGIEFへとリークしている。防衛省はまだ私がスパイと言う事には気づいていない』

 

島田は自分の持っているスマートフォンを和弘の前へと置くと、和弘は恐る恐るそれを取る

 

「・・・・将補殿は自分を買い被りすぎです。自分はただの実力不足な自衛官です」

 

『自分の配属は、番犬の情報を報告するための手段ですか?』

 

「いや、君はレンジャー訓練も合格しているじゃないか。それだけでも充分さ」

 

『そう言うことになる』

 

「・・・・自分には、特殊部隊でやっていける自信はありません」

 

『何故、将補殿は防衛省の情報をリークしているのですか?』

 

「大丈夫さ、私もレンジャー訓練を受けろと言われた時はビクビクしていたさ」

 

『弱腰な日本政府や防衛省が嫌になったのさ』

 

「・・・・そうなのですか」

 

『・・・なるほど』

 

「さて・・・結論を聞きたい。君は・・・・どうする?」

 

島田は腕を組んで背もたれに背中を預ける

 

「・・・・分かりました。配属を希望します」

 

「分かった。手続きをしてくる。君は来週には番犬の一員だ」

 

島田はそう言って部屋を出ていき、尋問室にはまた和弘が一人で残される

 

(・・・スパイ、か。身近に居るなんてな。面白いことになった)

 

(真・・・お前と再会してから俺の人生大きく変わったよ)

 

和弘は軽く笑い、現状を楽しむことにした

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