ーー幻想郷 第2地区 某所
ある日、幻想郷の第2地区で何者かが声をあげていた。それは、あの時の左翼活動家だった
「おいどうするんだよ!あの事故でGIEFの連中に死人が出ちまったぞ!?」
「まさかあんなことになるなんて・・・・」
「落ち着けよ!あれはGIEFが勝手に起こした事故だ。俺達はただ車で移動してた。俺達は何もしてない」
「そうよ。もとはGIEFが悪いんだ。私達に罪はないわ」
左翼活動家達は無責任な発言を繰り返し、罪の全てをGIEFに押し付けようとしていた
「とにかく、あれだけの事故が起きたんだ。連中は俺達のせいにするだろう。早くこの国から出よう。そうすれば追ってはこられまい」
左翼活動家達はドアを開けて部屋を出ようとするが、突如何かに体を押されて床に倒れる
「動くな!!」
目の前の開いたドアから戦闘服を着た、GIEFの隊員達が突入し、活動家達に銃口を向ける
「なっ・・・!」
「なんで・・・ここが・・・」
「喋るな!」
目の前の隊員が、アサルトライフルの銃口を突きつける
「お、お前ら・・・俺達は民間人だぞ!?」
「だったらなんだ?重罪を犯した民間人に軍隊が動いて銃口突きつけて何が悪い?」
「ふ、ふざけるな!お前たちを訴えてるぞ!?」
「・・・・ほぉ?訴える、だぁ?」
男性隊員は手に持ったサウンドサプレッサー付きUSPに装着されたマガジンの底辺で男性活動家の顔面を殴り付ける
「ぎゃあっ!!」
活動家は鼻血を出しながら自分の顔を両手で押さえると、床に倒れて痛みで転がる
「ナメんじゃねえぞクソ左翼共が。軍に反対でデモ起こしたりするのは勝手だがなぁ、軍人はお前らに殺されるほど安っぽい命なんか持ってねえんだよ、日本人」
男性隊員こと、草薙雅人は床に倒れた日本人活動家を、豚を見るような目で見ながら懐から1つの無線機を取り出すと、活動家の方に放り投げる
「使いなよ、お前の愛しのお嫁さんからだ」
活動家は自らの血で染まった手で無線機を取る
【あなた!助けて!】
「!!」
そこからは、自分に助けを求める妻の声が流れてきていた
「おい!江里!?」
【いやぁ!やめて!お願い!お願い!助け・・・・】
無線機からは1発の銃声が響き、それっきり妻の声は聞こえなくなった
「江里!?おい!江里!?うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
日本人の左翼活動家は雅人に憎しみのこもった視線を向ける
「貴様ァ!よくも・・・よくも妻を!!」
「恨むなら自分のしたことを恨みながら死ねよ。俺は優しいから拷問なんてしないで楽に殺してやる。それが俺の0.01%の良心だ」
雅人は、USPの引き金に指をかけ、そのまま引き絞る。男は、雅人に憤怒と憎悪の視線を向けながら弾丸によって額を撃ち抜かれる
「・・・・・さぁて、次はお前らだ」
雅人が別の左翼活動家の方を振り向くと、魔理沙や早苗達が左翼活動家達を押さえつける
「い、いやだ!こんなところで死にたくない!」
「もう活動なんてしないから!お願い!助けて!!」
左翼活動家達は目の前の銃口に怯えるが、雅人はポツリと呟く
「・・・・霊夢の仇だ」
雅人は、自らの人差し指をゆっくりと引き絞っていく
「HQ、幻想郷内に潜んでいた敵の排除に成功。これより帰還する」
【了解した。over】
「・・・帰るぞ、お前ら」
雅人はサプレッサー付きUSPをレッグホルスターに戻すと、建物の外で待機していた偽装バンに乗り込む
「もういいですね?」
「ああ・・・出してくれ」
ドライバーである早苗はバンのエンジンを掛けて、アクセルを踏んでバンを発進させる
「・・・・・・」
雅人は首から下げたドッグタグを見る。左側のドッグタグには自分の名前と血液型、右側には6日前に死んだ相棒、博麗霊夢の名前と血液型が刻まれていた
そんな雅人を気に掛けた鈴仙が声を掛ける
「・・雅人さん。霊夢さんが死んだのは雅人さんのせいじゃないです」
「・・・・・俺は、絶対にあいつを守ると決めた。だが、それがこのザマだ」
雅人は2つのドッグタグを握りしめると、下唇を血が出るほど強く噛む
「俺はあいつが死んだとき、何も出来なかった。ただただ霊夢の手を握りしめてることしか出来なかった」
「霊夢ほどいい相棒は居なかった。だけど、その相棒も居なくなっちまった。これから俺は、何を守ればいいんだ?教えてくれよ・・・」
雅人の目は、何処と無く寂しそうな目になっていたが、誰も雅人の問いに答えることは出来なかった
「・・・・・もうすぐ着くはすだ。久々の休暇を楽しんでてくれ」
雅人が部下に気遣いの言葉を掛けるが、誰もそれに言葉を返さなかった
本社に着いてから一人、また一人と待機室を去っていくが、雅人はただ黙って待機室で銃のクリーニング作業を行っていた
「・・・・」
雅人は、かつて霊夢が使っていたSR-16に視線を向ける。それを見るたびに初めて出会った時の霊夢の声が頭に直接響く
『ふーん、草薙雅人って言うのね。いい名前じゃない。よし決めた。貴方、私のパートナーになりなさい。拒否権は無いわ、決定事項よ』
『貴方は私の背中を守りなさい。その代わり、私が貴方の背中を守ってあげるわ』
「・・・・今思うと、メチャクチャだった」
雅人は軽く笑みを浮かべると、組み立て終えた霊夢のUSPに視線を落とす
「・・・お前の仇は取ったからな。霊夢」
彼はそう言って、USPをホルスターに、SR-16をケースにいれて待機室を後にする
「ただいまー」
雅人がルーミアと萃香の待つ博麗神社に帰宅すると、ある異変に気づく
霊夢が死に、雅人が代わりに面倒を見ることになったのだが、帰って来たときには必ず『おかえり』と言ってくれるのだが、その声が何故か耳に入ってこない
「ルーミア?萃香?」
雅人が二人の名前を呼ぶが、二人の返事はない
雅人は神社の中に足を入れ、居間の襖を開けた瞬間に何者かによって後頭部を殴られる
「がっ・・・・!?」
雅人はそのまま床に倒れると共に、意識が遠退いていくのが自分でもわかった。それと共に、見知らぬ男の声が途切れ途切れに耳に入ってくるがやがてそれが全く聞こえなくなると共に、雅人は意識を失った