今年も東方軍事組織をごゆっくりお楽しみ頂ければ幸いです
それでは、ごゆっくりお読みください
とある日、GIEF本社にある紫の執務室に何か届けられていた。それは、1枚のDVDディスクだった
「藍、これ貴方が置いたの?」
「はい。つい先ほど事務員から元帥宛に届け物の報告を受けたので」
「ふうん・・・」
紫はDVDのディスクをプレーヤーをセットし、再生する
液晶テレビの画面には椅子にくくりつけられ、生々しい傷だらけの男がブラックジャックと呼ばれるゴム製の黒い棒で殴られ、頭を無理矢理あげられ水を流し込まれていた
その男を見た紫は思わず席から立ち上がる。拷問を受けているのは、紛れもなく、草薙雅人本人だった
『どうだ?話す気になったか?』
雅人は髪の毛を掴まれて無理矢理顔を上げられるが、雅人は口の中に血が混じった唾液を男に吐き付ける
『・・・そぉか、まだ吐く気にはなれねえってことか!』
画面の男は真っ赤になるまで熱した鉄の棒を雅人へと押し付ける
『がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
その後も、モニターには凄惨な拷問の映像が映し出されていくが、雅人は口を割らなかった
『ケッ!しぶとい野郎だ』
すると、拷問していた男がカメラの方を振り向く。眼帯を付けた顔立ちから見てヨーロッパ系とアフリカ系のハーフの男のようだ
『いいか、GIEF。これは神の怒りだ。お前達部外者が聖なる土地を汚すならその者を殺せとの神のお告げだ。お前達全員いずれこうなるのだ!』
すると、紫は備え付けのテレビの電源を切り、リモコンを適当に放り投げる
「・・・・クソッタレ!」
普段冷静な紫が珍しく悪態をつき、自分のデスクを力一杯殴り付ける
デスクの表面は紫の拳によって少々ヘコんだが、今の紫はそんなことを気にしている余裕などなかった
(また・・・・また霊夢のような事が繰り返されるの!?)
GMDSの頃から共に軍事の道を歩き、今現在まで共に戦い続けている同志が一人、また一人減っていくのを紫は我慢ならなかった。今すぐにでも紫は部隊を派遣したかった。だが、肝心の雅人の居場所が分からない今、部隊を派遣しても隊員を消耗させるだけという結果が目に見える紫は、積もりに積もっていく苛立ちによって冷静さを失っていく
すると、そんなタイミングにデスクの上に置かれた卓上電話が着信を知らせる為に鳴り響きだす
「・・・もしもし」
【もしもし。初めまして、かな】
受話器の向こうからは聞き覚えのない男の声が響いてくる。英語で話しているが、若干フランスなまりが入っていた
「・・・貴方は誰?何故この番号を?」
【そんな野暮な事を聞いてる暇はあるのか?GIEFの元帥よ。今にも部下が拷問で死にそうという時に】
紫は思わず息を飲んだと同時に、こう思った。何故、その事を!?と
それを口に出す前に、男は話を続ける
【我々はGIEFの敵ではない。寧ろ味方だ。協力関係を築きたくてね。率直に言おう】
【我々は彼の居場所を突き止めている】
「!!。ならその場所を・・・」
【ただし、その場所は教えることは出来ない。彼を助けたければ我々に今回の件を委託することだ】
要約すると、雅人を助けたければ名前も顔も知らない第三者に懇願しろとのことだった
「バカ言わないで!彼はうちの隊員よ!それを貴方に・・・・」
【では拒否するか?もし拒否したら一から捜索だぞ。その間に彼は・・・どうなることか想像できるはずだ】
「・・・・っ!!」
自国の軍人を救出するのに、第三者に全面委託する。元帥の紫にとってこれ程の屈辱はなかった。だが拒否すれば雅人の生存確率は限りなく0に等しくなる
紫は椅子に座って頭を抱え込み、引き出しから葉巻を取りだし、口でくわえて火を付ける
「・・・・・・・」
【さぁ決断の時だ!GIEFとしての高いプライドを取るか!それともたった一人の兵士の儚い命を取るか!どっちだ!?】
「答えは・・・・」
「がっ!」
その頃、雅人は銃口を突きつけた武装勢力の兵士によって簡易的な牢に突き飛ばされた直後だった
「そこで寝てな、マヌケ」
G3A4を持った兵士は雅人へと唾を吐きかけ、笑いながら雅人の前を去っていく
その横では、ルーミアと萃香の悲鳴と、嫌々ながらに喘がせられる声が直に聞こえてくる
(ルー・・・・・ミ、ア・・・萃・・・香・・)
薄れゆく意識のなか、誰かが雅人の牢の前に立っていた。その人物は雅人へと語りかける
「いい様だな、裏切り者め。お前が奪ったこの左目、毎晩毎晩疼くんだよ。お前を殺せってな」
「だが、最近はいい夢心地だ。お前がいたぶられて悲鳴をあげていく姿を見ると思い出すんだよ」
「お前のお気に入りのハーフの女の死に様をな」
その言葉を聞いた雅人は、震える手で男の足首を掴む
「貴様は・・貴様・・・だけは・・許さない・・ジョルジオ・・・!サーシャの・・サーシャの・・・!!」
雅人はジョルジオと呼ばれた男を睨みあげるが、雅人の手を踏みつける
「ぐっ・・・!」
「お前は俺を許せないだろうが、それだけだ。お前は所詮誰も救えない」
それだけ告げると、ジョルジオは雅人の前から立ち去っていく。雅人の頭の中ではジョルジオの言葉がずっとループしていた
(クソ・・・俺、は・・・誰も・・救え、ない・・・のか・・・)
(ごめん、よ・・・ルーミア・・萃香・・・れい、む・・・・・)
雅人の意識はやがて、闇に飲まれていき、隣のルーミアと萃香の声も聞こえなくなった
ーー世界のどこか、時刻不明、座標不明
「重要人物の救出だ。名前は草薙雅人。GIEFユニット1分隊長をしている。彼は今、アフガンのテロ組織拠点にて囚われている。他にも、幻想郷の民間人2名が囚われているとの情報もある。
「そんで、私達が
「ざっくり言うとそうなるな」
「ハッ、あのスキマ妖怪もよくプライドを捨てれたもんだ。相当高いプライドだったろうよ」
「その代わりに彼女は正しい選択をしたということだ。そして諸君、我々は100%カナリヤを助けなきゃならん。我々の元帥がそう宣言してしまったからな」
「チッ、ハードル上げやがって」
部隊の
「何処にいく気だ?」
「あん?決まってんだろ。カナリヤを助けにさ」
彼女の言葉に、思わず司令官は苦笑する。余程戦場に行きたいのが彼にも伝わってきたからだ
「やれやれ。まあいい、1機用意しといてやる。だがせめて最後まで話は聞くもんだ」
「・・・へいへい」
「敵拠点から1キロ離れたところに降下しろ。そこからはランニングだ。容易いもんだろう?」
「余裕だよ、そんなもん。新人もそれくらい慣れてるだろうし、な」
「OK。ならクリアだ。とっとと準備して行ってきな、禍霊夢」
「帰ったら、ドーナツ用意しとけよ。いいな」
禍霊夢は好物を用意しておくように伝え、ブリーフィングルームを後にする
ーー数分後 上空10060mーー
「スカイダイビングなんて久々だな、元の所に居たときにゃよく訓練してたが」
「ビビってチビってたんじゃないのか?フォルド」
「バカ言うな。俺は元スペツナズだぞ。漏らしたりするかよ」
「どうだかな。お前のバックパックにたっぷりオムツ詰め込んでんじゃねえのか?」
「・・・お前のジョークは聞きあきたよ、スノウ」
「なら耳栓でもするこったな」
フォルドと呼ばれたアメリカ人とロシア人のハーフの男はスノウに中指を立てると、マガジンに
「アンタ達、ケンカするなら他所でやってちょうだい」
「なんだよ、新人が口を挟むことじゃないぞ」
「アンタ達の隣にいるんだから、嫌でも声が耳に入ってくるのよ」
「ならイヤマフすればいいだろ」
「ハイハイそこまでだ」
部隊長の禍霊夢が手を叩いて喧嘩を無理矢理終わらせる
「喧嘩なら作戦外でしてくれよ。士気が落ちるのは勘弁だ」
「へいへい」
「了解」
「それと新人、よく考えたらお前は
「・・・その新人って呼ぶのやめてもらえる?」
新人の彼女は弾を込め終わったマガジンをM14EBRに装填し、作動幹を引く
「ただでさえ今私は不機嫌なの。理由だってアンタなら分かるでしょ?」
「・・・そぉだな。正直、今回は暴れるつもりだ。お前もホントは暴れたいんだろ?霊夢」
部隊の新人である博麗霊夢は、サイドアームのMP7を軽く点検しながら、禍霊夢の質問に対して頷く
すると、禍霊夢達の乗ったAC-130は目標到達まであと少しと言うことを伝え、後部ハッチを開ける
「さて、そんじゃ・・・・行くぞお前ら!」
「「「「「yes ma'am!!」」」」」
禍霊夢達はAC-130から飛び降り、