東方軍事組織   作:SOCOMレオン

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この話は第二話をいつも親しくしてくださっている夢見の狩人さんが自己流で書いてくださった物です。

それでは、スクロールしてごゆっくりお読みくださいませ


#2 初作戦(夢見の狩人ver)

UH‐60ブラックホークの兵員輸送室では、雅人たちが機内の椅子に腰掛けていた。ヘリの窓から見える眼下の景色は、人の手の入れられていない林で埋め尽くされている。

 

「やれやれ……。入隊して初っ端の任務が救出か」

 

雅人は溜息を吐き、呟いた。膝の間に挟み、肩当てを機内の床に付いた状態のHK416アサルトライフルのトリガーガードを無意識にまさぐる。

 

「こういう任務は不服ですか?」

 

「別に。いきなり1年とかそこら紛争に行かされるよりかはマシさ」

 

ブレイザーR93狙撃銃を装備しているウサ耳JKこと、鈴仙が少し不安そうな顔で尋ねてくるのを、雅人は軽く受け流した。

 

胸ポケットから煙草の箱を取り出し、1本取り出して火をつけ、咥える。吸い込んだ煙を吐き出すと、煙はヘリのカーゴハッチの隙間から外へと流れ出していった。煙草に煩い早苗は雅人から一番離れた席に座っており、文句を言われることも無かった。

 

「……私は心配だわ」

 

「何がですか?」

 

目に掛かっていた金色の前髪をフルフィンガーグローブに包まれた拳で掻き上げ、アリス・マーガトロイドは溜息と共に呟いた。その声を聞いた妖夢は、装備を確認する手を止め、アリスの方を向いて問う。

 

当時を思い出すかのように視線を天井へ向け、アリスは妖夢の質問に答えた。

 

「前の新人よ。初陣で2人がKIA、1人がPTSDで退職になったじゃない」

 

雅人の前に入社し、ユニット1へ配属された3人の新人のことだった。妖夢は気まずそうに視線を逸らし、雅人を除いたその他のメンバーも顔をしかめた。

 

3人の新人が入ってきたその初陣の任務で、ユニット1はほんの少しのミスから敵の猛烈な襲撃を受け、まだ経験の浅かった2人の新人が死んだのだった。2人が死ぬ瞬間を目の前で見た生き残りの新人は、ショックのあまり情緒不安定になってしまい、退職したのだ。

 

「それの繰り返しなんて2度と御免よ。そこが心配なの」

 

「……アリス、だったよな? 俺をナメてるのか?」

 

「貴方の腕を見てないうちから馬鹿にするほど、阿呆じゃないわ」

 

「なら、いい」

 

アリスは淡々と雅人へ返し、雅人は肩をすくめて会話を終わらせた。再び吐き出した煙草の紫煙は、早苗のほうへと漂っていってしまい、彼女はほんの少し咳き込んで見せることで抗議した。

 

「ワリィな」

 

雅人は軽く謝罪し、再び煙草を咥える。その様子は、とても落ち着いたものだった。

 

(……こいつ、なんでこんなに落ち着けてるのかしら? こんなタイプの新人は初めてね)

 

アリスは雅人の余裕の理由が気になったが、それは今回の任務で見せても貰おうと、それ以上は喋らなかった。

 

 

 

『作戦地域に到着するぞ。準備しろ』

 

ヘリコプターを操縦するパイロットの声が、無線を通して霊夢たちの耳に届いた。機内の空気が、目に見えて引き締まる。

 

「了解。全員、戦闘準備」

 

霊夢は隊のメンバーへと指示を飛ばし、魔理沙と妖夢がヘリの側面扉を完全に開け放った。ローターに煽られた猛烈な風が機内に吹き込み、頬を叩く突風を感じて霊夢たちは深呼吸した。

 

地面に着陸する一歩手前の状態でヘリがホバリングし、1m程下の地面へ向けて霊夢たちは飛び降りた。敵に見つかる危険を少しでも減らすため、ヘリはすぐさま浮上し、その場を離れていく。

 

「HQ、こちらユニット1。作戦地域へ到着。これより作戦を開始する」

 

【HQ了解。先ほどから、敵基地内の動きが活発になりつつある。カナリヤの処刑が決まったのかもしれない。何としてでも人質を救出せよ。オーバー】

 

「ユニット1了解。アウト」

 

霊夢が司令部との無線のやり取りをしている間に、妖夢が双眼鏡で敵基地内部の偵察を済ませていた。

 

「監視小屋にヘビーマシンガンを確認。基地内にはテクニカル改造されたピックアップが数台にトラック、その周囲にも警備兵が4人。周辺を哨戒しているのは……3人見えます」

 

「と言うことは、見えてない範囲にはまだ結構な人数が居るわね」

 

妖夢の報告に、アリスが補足した。

 

「文、鈴仙、狙えるわね?」

 

霊夢の問いに2人は揃って笑顔になり、右手でVサインを作って見せた。万国共通のOKサインだ。

 

「余裕です」

 

「楽勝ですよ」

 

2人はその場にしゃがみ、それぞれライフルの二脚(バイポッド)を展開した。文はマークスマンライフルのM110sassで、鈴仙はブレイザーR93だ。それぞれ、銃口にはサプレッサー(消音機)が装着されていた。かさばるが、出来る限り隠密に行動するためには必要だった。

 

倍率を高めたスコープの向こうで、日に焼けた肌をした男が2人、紛争地帯の顔とも言えるアサルトライフル、AK‐47を携えてつまらなさそうに立っていた。

 

「ターゲット、確認。左は任せます」

 

「じゃあ、右は頂きです」

 

「距離、280……。左右からの風、ほぼ無風。修正の必要、無し」

 

妖夢が即席の監的手(スポッター)となり、2人の狙撃手へと情報を伝えていく。文と鈴仙はそれを元に照準を合わせる。

 

「……ターゲット、補足」

 

ファイア(撃て)

 

シュドッ、ドシュッ、という控えめな発砲音が小さく響き、右の見張りは眉間に7.62mmNATO弾を食らって背後の壁に脳漿と血をぶちまけた。それと同時に、338ラプアマグナムが左の見張りの人体中心部、やや左寄りの位置を貫き、動脈や内臓と共に心臓を粉砕した。

 

だが、妖夢たちから死角になる位置に居た警備兵が、アラビア語で仲間達へ敵襲を知らせた。途端に、基地内が目に見えて慌ただしくなった。

 

「……気づかれました。霊夢さん」

 

「了解。魔理沙と妖夢は此処で2人の援護。残りは私と着いて来て」

 

「「「「了解!」」」」

 

魔理沙がM249 SAWのバイポッドを展開して敵基地へと弾丸をばら撒き、妖夢も89式小銃を構えて援護射撃を開始する。

 

敵の兵士達が武器を持って屋内から飛び出してくるが、彼等は降り注ぐように迫る魔理沙の弾幕を避けようと物陰へと飛び込む。何人か間に合わなかった兵士が倒れ、反撃しようと彼等が顔を上げたところを、文と鈴仙の狙撃が襲う。

 

「今よ! GO、GO、GO(行け、行け、行け!)!」

 

絶妙なタイミングでの霊夢の指示に従い、一同は迂回して移動する。

 

「オラオラァ! 私達は此処だぜ!」

 

魔理沙達が派手に敵の注意を惹いてくれている為、気づかれないように、それでいて素早く移動する霊夢たちのことに気づけるような余裕のある敵は居なかった。

 

「急げ。手遅れになるぞ」

 

雅人と霊夢が基地を囲う壁に寄りかかり、アリスと早苗の2人を押し上げて乗り越えさせる。安全確認のための数秒が過ぎると、雅人と霊夢はアリス達に引っ張り上げられた。

 

「おーおー、敵さんも仕事熱心なこと」

 

雅人が建物の壁から覗くと、AK系統の武器を持った敵兵達が、魔理沙達の居る場所へ数発撃ち、障害物に隠れるを繰り返していた。

 

「そのお蔭で人質を捜索できます」

 

「二人共、私語は慎んで」

 

「「了解」」

 

亀のように密集し、銃を四方へ向けて警戒しながら移動していく。途中、数名の兵士がRPG7ロケットランチャーやPKM機関銃などを抱えて前線へ走っていくのが見えた。

 

「魔理沙、敵がRPGやMGで武装してそっちに向かったわ。注意して」

 

【おう! 任せとけ! でも、出来るだけさっさとしてくれよ。アウト!】

 

霊夢の注意を促す無線に、まだまだ元気そうな魔理沙の声が答えた。

 

「霊夢、あそこじゃないかしら」

 

アリスは霊夢の肩を叩き、窓が開けられている建物を指差す。運が良いことに、窓の下には「7.62mm×39」と書かれた木箱が並んでいた。

 

「俺が調べる。援護を頼んだぞ」

 

「「「了解」」」

 

霊夢たちへ援護を任せ、雅人はレッグホルスターから9mm口径のUSPタクティカルを抜き出してサイレンサーを装着した。

 

室内を確認すると、椅子に縛り付けられた日本人らしき人影が2人と、そんな2人を囲むようにして落ち着きがない様子の敵兵が3人居た。

 

カナリヤ(作戦目標)発見っと)

 

霊夢たちへ人質を見つけたことをハンドサインで伝えると、偶然窓を見上げた敵兵と雅人の視線が合った。

 

「やべっ」

 

男のほうが目を丸くするのを見た瞬間、雅人は室内へと拳銃を突っ込み、驚愕に目を向きながらスケルトンストックタイプのAK‐47を向けてこようとする男の顔面にUSPタクティカルを向けて、9mm弾を叩き込んだ。

 

残りの2人が反応する間も無く、雅人は銃口を巡らせて1マガジン分発砲する。

 

「うがぁっ!!」

 

「なにッ……ごぁっ!」

 

3人が床に倒れたのを確認してから雅人は窓から室内へ滑り込み、赤く染まりつつある腹部を押さえて震える手でUZIサブマシンガンを向けてくる男の手を蹴り飛ばした。そうしてUZIを棄てさせてから、トドメの一発を撃ち込む。

 

「……クリア」

 

USPのマガジンを交換する雅人の背後に、霊夢たちが降り立つ。

 

「あ、貴方達は……?」

 

「良かった……助けが、来た……!」

 

「私達はGMDSです。お静かに願います」

 

霊夢はコンバットナイフを抜き、2人の手首を縛っていたロープを切る。

 

 

 

 

 

その頃……

 

 

「くそっ、霊夢にああ言ったけど、キツイな……ッ!」

 

魔理沙の周囲でPKM機関銃の銃弾が弾け、木の大鋸屑や土を滅茶苦茶に撒き散らす。

 

「リローディング!」

 

魔理沙は文達へ叫び、M249 SAWのフィードカバーを開いた。100連発のベルト弾薬(弾帯)が収納できる予備のボックスマガジンを装着し直す。

 

「うぅ……。ちょこ、まか……と!」

 

文は敵兵達が隠れる掩蔽物に銃弾を撃ち込み、彼等が頭を上げられないように務めていた。「顔を上げるな!」と脅すだけ脅してから、PKM機関銃を連射する兵士に狙いをつけた。

 

だが、スコープの反射光で自分が狙われていることを悟った機関銃手の兵士は、すぐさまマシンガンと共に掩蔽物に隠れてしまう。

 

「くそっ!」

 

先ほどから相手している兵士達とは身のこなしが違う。基地の奥からやってきた増援部隊は、精鋭のようだ。

 

「何処に居るんですか……。頭上げてくださいよ……」

 

鈴仙は誰にとも無く呟きながら、此方をSVDドラグノフで狙ってきていた狙撃兵の目を、スコープごと撃ち抜いた。

 

すぐさま他の敵兵を探そうとすると、視界の端で動きがあった。建物の影に隠れていた兵士が、ロケットランチャーの筒を肩に構えて回り込んできていた。

 

「RPG!!」

 

撃ち殺すのも間に合わないと判断した鈴仙は叫び、危険を察知した魔理沙達は直ぐにその場から離れた。

 

風切り音と共に飛来したロケット弾が、先ほどまで鈴仙たちが居た狙撃ポイントを粉砕する。

 

「まだ来ます!」

 

最初のロケット弾を撃った兵士は再び壁の陰に隠れ、同じ場所に隠れていた2人目の兵士が飛び出してきた。此方も同じく、ロケット弾が装着されたランチャーを抱えている。

 

2発目のロケット弾は、魔理沙達を少しだけ外れた地点に命中した。爆風や粉々に砕け散った木片が魔理沙達を襲う。

 

「ぞろぞろお出ましですよ!」

 

基地内の兵士達が、本格的に集まり始めていた。狙撃銃やロケットランチャー、マシンガンなどで重武装した精鋭の兵士達が、4人を狙った。

 

【こちら霊夢、魔理沙、応答して】

 

「今撃たれまくってる! 連中、激おこになってやがるぜ!」

 

【こっちは内部から打って出るわ。とにかく、そこから離れて】

 

「了解!」

 

妖夢と文が、スモークグレネードを基地へ向けて投げつける。

 

白い煙がもうもうと吹き上がり、敵兵士達の混乱した様子の声が聞こえてくる。

 

「今です、行きましょう」

 

妖夢の合図で魔理沙達は匍匐前進で移動し、敵の死角となる位置に隠れる。

 

スモークグレネードの煙が強風で消えた時には、4人の姿は敵兵士の視界から消えていた。

 

 

 

 

 

魔理沙からの報告を受けた霊夢は、落ち着いて状況を整理した。

 

やはり、背後からの敵本隊の強襲が望ましい。だが、2人の救助者を連れて行くわけにもいかない。

 

誰を連れて行いき、そして置いていくか。アリスか、早苗か、雅人か。

 

「……アリスと早苗は此処で要救助者と待機。雅人は、私と着いてきなさい」

 

「「「了解」」」

 

4人を残して霊夢と雅人は室外に出た。周囲を確認しながら、前線へと向かう。

 

「1つ、聞いて良いか?」

 

「手短に」

 

お互い、背中合わせの状態で囁き声の会話を交わす。

 

「さっき、何で俺を選んだ?」

 

「貴方のほうが戦力になるから」

 

「何故そう思った?」

 

霊夢は危険を承知して雅人を振り向いた。

 

「貴方に関する資料を見たのよ。DEVGRUに所属してたんでしょう?」

 

ネイビーシールズから独立した米海軍対テロ部隊DEVGRU。合衆国政府はその存在を認めていないが、ネプチューン・スピア作戦を遂行させるなど数々の任務をこなしてきた実績を持つ特殊部隊で、そこに雅人は唯一の日本人隊員として所属していたのだ。

 

「……以前のことだ」

 

「私達は訓練されているとはいえ元は一般人。元特殊部隊員で職業軍人だった貴方は戦力になるから。それだけよ」

 

「把握した。じゃあ、とっとと終わらせるぞ」

 

雅人は、目視で確認した敵兵へ向けてHK416のホロサイトを覗き、発砲した。

 

「うぁっ!?」

 

文や鈴仙の狙撃を恐れて遮蔽物に隠れていた彼は、数瞬前までは自分は安全だと思っていただけに、何の反応も出来ずに地面へ倒れる。

 

「了解」

 

霊夢もM4A1のドットサイトを敵兵の頭に重ね、短く引き金を引いた。霊夢へと背後を晒していた男の後頭部に2発のライフル弾が直撃する。

 

(霊夢だったな。なかなかやる奴だ。伊達に分隊長してない、ってか)

 

霊夢の援護を受けながら移動した雅人は、トラックの裏に隠れていた男達へと5.56mmNATO弾を浴びせかける。

 

「ぐあっ!」

 

「おごぁ……ッ!」

 

「よ、横だぁっ……うぁッ!」

 

3人の内1人が仲間へと回り込まれていることを知らせるが、それ以外は反撃らしい反撃も出来ず、雅人の銃弾に3人とも倒れた。

 

「後ろから回りこまれているぞ!!」

 

ようやく此方に気づいた敵兵達が反撃してくるが、そんな彼等を横合いから回り込んだ霊夢が銃の火線で薙ぎ払う。

 

「ぐ、グレネード!」

 

「なッ……た、退避―――」

 

慌てふためく彼等の足元にM67手榴弾が転がり、2人の兵士が吹き飛ばされる。

 

雅人の投げた手榴弾の戦果を確認しながら、霊夢は弾が切れたアサルトライフルのマガジンを交換しようとしたが、曲がり角から現れた敵兵と至近距離で会敵した。

 

「―――ッ!」

 

「や、やばッ!」

 

マガジンを交換する暇も無かったライフルを兵士へ投げつけ、怯んだところでレッグホルスターからUSPを抜き出す。

 

だが、敵も必死だった。霊夢に飛び掛り、鋭く先が尖ったナイフを眼球に突き刺そうとしてくる。

 

「くっ……う、ぐ……!」

 

腕をクロスさせて敵の手首を受け止める。だが、単純な腕力勝負では敵わず、ぐいぐいとナイフの切っ先が迫ってくる。

 

「な、めるなぁっ!!」

 

裂帛の気合で声を荒げ、男の腹部を2度、3度と膝で蹴り上げる。

 

くるりと体勢を入れ替えた霊夢は敵のナイフを奪い取り、敵の顎の下にそれを突き刺す。

 

 

 

数十分後……

 

 

 

霊夢たちは救助した日本人2名と共に移動し、安全な場所に移動していた。

 

残党を排除しながら進んでいくと、やがて基地内から銃声が止んだ。敵が全滅したようだ。

 

建物の陰から走ってきた人影へ、霊夢たちは銃口を向ける。

 

「ま、待て! 私達だ!」

 

人影は、霊夢たちと合流するためにやってきた魔理沙達だった。

 

「ふぅ、結構ハードだったぜ……」

 

「RPGに狙われたって? そりゃ災難だったな」

 

「まったくだぜ……。んで、その人たちが目標か?」

 

「そうよ。早苗、司令部に通信を入れて」

 

霊夢は長距離用の衛星無線を背負う早苗に指示を出す。

 

「HQ、こちらユニット1。ミッション・イズ・コンプリート。回収ヘリを要請します」

 

【ネガティブ。ユニット1へ、良く聞け。南から兵員を満載した複数のトラックが接近中だ。敵の増援部隊と思われる】

 

「なんですって……!?」

 

「くそっ、マジかよ!」

 

無線でやり取りする霊夢たちの表情や声に、日本人2名は不安そうな顔になった。

 

【1km東にLZ(回収地点)を新設する。そこまで移動せよ】

 

「負傷者が居るのよ。なんとか此処に―――」

 

【ネガティブ。携行式のミサイルランチャーが確認されている。ヘリを回すことは出来ない】

 

Fuc(ファッ)―――」

 

魔理沙が上げた罵り声は、彼女が直ぐ傍のドラム缶を蹴りつけた音で遮られた。

 

【時間は無いぞ。LZへ早急に向かえ。カラースモークはグリーンだ。オーバー】

 

「……了解。アウト」

 

霊夢が重々しい表情で無線を切ると、妖夢が意見を言った。

 

「東に1キロって……。こっちは負傷者付きです。追い付かれてしまいます」

 

「そんなこと分かってるわよ。残るのは自殺行為、移動するしかないわ」

 

雅人は、自分のタクティカルベストを見た。フル装填されたマガジンが5つに破片手榴弾2つ。周囲には―――

 

(周りに武器ならいくらでもある。これしか無い、か……)

 

「霊夢、俺が残って足止めする。お前らはカナリヤを連れて行け」

 

「え!?」

 

「置いていける訳無いじゃないですか! 雅人さんも―――」

 

「頭を使え。今ここで全員行けば確実に追い付かれて皆殺しだ。それじゃあダメだろ? だから、誰かが足止めをしなきゃならない」

 

「なら私も……!」

 

魔理沙は怒鳴るように発言するが、雅人はシニカルにニヤッと笑う。

 

「バーカ、俺一人で良いんだよ」

 

「なんでだよ!」

 

「お前らは付き合い長いだろ? 死んだら悲しみが大きい。だが、今日入ったばかりの俺なら悲しむ必要もない。そういうことだ」

 

「でも!」

 

「時間は無いんだ! さっさと行け!」

 

雅人は大声で怒鳴ると、ずっと黙っていた霊夢が口を開いた。

 

「……分かったわ。後は任せたわよ」

 

「霊夢!?」

 

「魔理沙、あんただって覚悟くらいはしてるでしょ? ここは戦場なのよ」

 

「……クソッタレェ! おい、雅人! 死んだら一生恨んでやるからな!」

 

「上等だ」

 

「回収ポイントに急ぎます!」

 

「は、はい!」

 

早苗と妖夢は担架ごと人質を持つと、回収地点に向かう。その後を、後ろ髪を引かれるような表情で魔理沙達が追いかけていった。

 

「霊夢、短い間だったが世話になったな」

 

「……こっちこそ」

 

「先にあの世で待ってるよ」

 

「……お断りよ。生き延びてみせる」

 

ギラリと意思の光をその目に宿した霊夢は、踵を返して魔理沙達を追いかけていった。

 

「……さて、と」

 

雅人は周囲を見渡し、死んだ兵士達へと近寄った。




早速ですがこのような素晴らしいアレンジverを書いてくださった親愛なる友人である夢見の狩人さん、この場をお借りして申し上げます。

素敵なアレンジverを書いてくださり、ありがとうございます

最初に読んだとき同じ第二話とは思えないほどの素晴らしい出来で、自分が書いた第二話の倍以上は書かれており、とても分かりやすくなっている事にかなり驚きました

もういっその事この作品夢見の狩人さんが書いた方がいいんじゃないかと思うくらいでございますwww

夢見の狩人さんの作品をまだ読んだことが無いと言う方は、直ぐ様小説検索のページで「黄昏に染まりし幻想郷」と検索して読むことをお勧め致します

最後になりますが、もう一度言わせて頂きます

夢見の狩人さん、このような素晴らしいアレンジverを書いてくださり、本当にありがとうございます!

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