一方その頃、3人は最後の救出対象である草薙雅人を捜索していた
「・・・クソ、ここにも居ない」
副官のレストは、適当に置かれていた木箱を蹴りつける。散々探し回って、ここが最後の希望だったようだ
「落ち着けレスト。焦ると冷静な判断が出来なくなるのはお前も分かってるだろ?」
「これが落ち着いていられるか?散々探し回って、もうここだけだったんだぞ!?」
「・・・連れ去られたのかもなぁ」
マコトは特に焦った様子も見せずに、葉巻を咥えて火をつけると、壁に寄りかかる
「・・・お前さん、何を焦る必要がある?前の作戦じゃ同じ状況になっても冷静に対処してたじゃないか」
「・・・」
「何故お前さん、そんなに必死になって彼を助けたがる?俺にゃ分かるぜ?」
「"ホレた女の男"だから助けて、幸せにしてやりたいんだろ?」
マコトがそう言った途端、レストは動揺して頬を少しピンク色に染める
「マジかよ副官!?」
「う、うるさい!そんなわけないだろ・・」
「ほぉ?じゃあお前のロッカーに貼ってある写真はなんだ?」
「あ、あれはだな・・・その・・やっぱり、頼れる上に尊敬できる上官だからであってだな・・その・・・」
「お前さんがそう言うならそういうことにしておいてやるよ。まぁ、ホレた女にゃ幸せになってほしいのはわかるからな」
マコトはやけにニヤニヤしながら葉巻の煙を吐き出す
「さて・・・本題に戻るか」
マコトは葉巻を手でもみ消し、腕を組む
「さっき部隊長からも言われた通り、地下牢があった。それを考えるとそこに奴は囚われていた。そして、何らかの理由で場所を移された。若しくは、可能性は低くなるが自力で脱出したか、だ」
「・・・後者はまずないだろう。かなりの拷問を受けてたはずだ。動けるはずないしな」
「となると、やはり敵に連れ去られたっていうのが・・・」
「自然な考えだろうな」
「・・・オーバーロード、こちらトワイライト。カナリヤが1羽連れ去られた可能性が高い。衛星で何か分からないか?」
【今やっている。・・・確認した。車両が1台、南東の方に向けて走行している。GPSで車両をマーキングした。追跡できるか?】
「出来るか出来ないかじゃなくて、追跡しろ、だろ?」
【お前たちがいる場所から南の方に車両がある。今からなら・・・いや、待て】
突如、煉獄軍のオペレーターが待機指示を出す。何かあったようだ
「どうした?」
【ヘリがお前たちの方に向かっている。2機居るようだ。機種はUH-60・・・識別番号を確認。GIEFのヘリだ】
オーバーロードからの無線に、全員耳を疑いつつも心のどこかではやはり来たか、と思っていた。レストは無線で返答する
「おいおい、GIEFが来るなんて聞いてねぇぞ」
【新たな状況ってことだ。極力GIEFとの戦闘は避けろ。これ以上面倒事にしたくない】
「・・・だ、そうですが、どうしますか分隊長」
【・・博麗とマコトは私とここに残れ。残りは最後の一羽を捕まえてこい!】
「正気ですか!?危険すぎます!自分も・・・」
【バカ野郎!お前まで残ったら誰が追跡班に指示を出すんだ!?命令だレスト!!】
「・・・了解。帰ったら、酒でも奢って貰いますからね」
【いいねぇ。ついでにドーナツでも奢ってやるよ。GOOD LUCK】
「そちらこそ。アウト」
彼は禍霊夢との無線を終えると、スノウとフォルドを連れて行く
ーーーアフガニスタン 上空 UH-60機内
【こちらドッグ1!まもなく
パイロットの怒鳴り声が全員の耳に轟くが、全員既に降下準備は整えていた
【ドッグ1へ、こちらドッグ2。乗客の準備よし。いつでも支援可能だ】
【だとさ!お嬢さん方!】
「そりゃありがたいこった!行くぞ!」
ユニット1副隊長の霧雨魔理沙を含めた4人は、ドッグ1と呼ばれたUH-60から降下していく
彼女達はこれ以上無いほどに興奮していた。アドレナリンが多量に分泌され、戦闘意欲が高まっていたのだ
「GO!GO!GO!」
アリスが怒鳴りながら、銃を構えて警戒する。そのバックアップとして、魔理沙がM249を持って後ろを警戒していた
アリスの怒鳴り声に反応した早苗と妖夢は壁に体を当て、先頭の早苗が少しだけ顔を覗かせると、自分の方に向かって弾丸が飛来して近くの壁に着弾する
「
大声で怒鳴った早苗は壁から腕とプライマリのコルトM5を出してカバーショットを行う
魔理沙も早苗の横に飛び込み、伏せの状態でM249による支援射撃を開始すると、敵兵は壁に身を隠す
「全く、おっかねえ嬢ちゃん達だ」
魔理沙達に発砲されているマコトは、SCAR-Lのマガジンを入れ替え、アンダーバレルに装着されているMK13グレネードランチャーにM714グレネード弾を装填し、カバーショットを行う
「擲弾だ!!」
工兵のアリスが叫んだ瞬間、アリスと魔理沙は壁に隠れ、早苗達と共に防御体制を取る
早苗の付近に着弾したM714グレネード弾は白色の煙を噴き出し、早苗達を包み込む
(スモーク!?目隠しか!)
早苗達はスモークの煙で包み込まれて視界を完全に封じられる中、自分達の近くからトラックのエンジン音がするとほぼ同時に無線が入る
【支援班より強襲班!敵兵を乗せた車両が南東の方向に走行している!狙撃できます!】
「強襲班より支援班!射撃を許可する!鈴仙、撃て!!】
「了解!」
鈴仙と文はUH-60の機内から狙撃銃とDMRのスコープを覗き、ピックアップトラックの荷台に乗った二人の敵兵を狙う
スコープの
相手の7.62mmNATO弾が鈴仙のR93のバレルに命中し、銃本体が大きく跳ね上がる
「ッ!!」
「大丈夫ですか!?」
「大丈夫!けど・・狙撃は無理みたいね」
鈴仙は文に破損したR93を見せる。7.62mmNATO弾が命中したR93のバレルは上方向に曲がり、射撃など出来ない状態だった
文はM110 SASSのクロスヘアを再び合わせ、引き金を引こうとするが、突如覗いていたスコープが吹っ飛ばされる
「ッ!!!?」
文は機内に落ちたスコープを見ると、弾痕が残っており、弾丸が飛んできたと思われる右方向を見ると、スコープの反射光がキラキラと光っていた
「スナイパー!こっちを狙ってます!!」
文は大声で怒鳴り、パイロットに回避行動を取るように進言する
その頃、M14EBRを手にした兵士が岩陰で身を隠していた
「へっ、やってやったぜ」
霊夢から渡されたEBRを手にしていた禍霊夢は、してやったりといった顔をしていた
「おい博麗、お前の部下の天狗のスコープ吹っ飛ばしてやったぜ」
【やるじゃない。でも、早くその場から離れた方がいいんじゃない?ミニガンには勝てないんだから」
【ああ、そうだな。とっとと退避させてもらう。アウト】
MP7を手に持って銃声の方に近づいていく霊夢は、壁に身を隠して銃弾をやり過ごすマコトを見つける
「マコト、相手側は派手にやってるわね」
「ああ。鉛弾の格安バーゲンだな。こりゃ」
「発射済みの弾頭なんて誰も欲しくないわよ」
「全くだ。おっと」
壁から少しだけ顔を出して確認していたマコトはUH-60から飛来してきた複数の弾丸を確認し、すぐに壁に隠れる
「分隊長、射撃手を何とかしてくれよ」
【あいよ。殺さずに、だろ?】
「ああ。死人が出られちゃ困る】
「へいへい」
禍霊夢は障害物に身を隠し、まだ幼い子供の持つレミントンACRに狙いを定め、引き金を引く
「うぁっ!?」
ジダンの持つレミントンACRが弾き飛ばされ、ハンドガードからレシーバーにかけて弾丸が命中する
「クソッ!!」
「ジダンさん!ケガは!?」
「無いよ!」
ジダンは隣にいる文に大声で知らせると、文は引き続きフリップアップサイトでなんとか射撃する
その頃、魔理沙達は裏から回り込む早苗と妖夢の支援のためにできるだけマコトの気を引くようにありったけの弾丸を撃ち込んでいた
だが、余りにも成功を知らせる無線が遅かった
「早苗!妖夢!状況は!?」
アリスが無線で怒鳴り込むも、二人からの応答はなかった
「クソッ!!やられたか・・・!?見てくるわ!!」
「おい!待てアリス!!」
アリスは魔理沙の制止も聞かずにSCAR-Lを持って早苗と妖夢が向かったポイントへと走っていく
だが、アリスが角を曲がった瞬間に銃声が轟き、アリスがよろめきながら角から姿を現し、地面に倒れる
「アリスッ!!」
魔理沙はM249を持ってアリスの元に走るが、すぐに立ち止まり、驚愕する
角から一人の女がMP7を持って姿を現したからだ。その顔も、彼女のトレードマークのリボンも忘れたことはなかった
「久しぶりね、魔理沙」
「霊夢・・・なの、か・・・?」