三本一気投稿ということでウマ娘編です。
ウマ娘編ではこんな感じでいく予定です。
嘘です
ではどうぞ
エピソード0:誕生
ある陽射しの強い日、1つの命が産声をあげようとしていた。
「もう少しですよー」
「ぐぅっ! ああっ!」
「もう終わりますから」
「んんっ!」
「出てきました!」
「おぎゃあ! おぎゃあ!」
出てきた赤ん坊の頭の横に耳は無く、代わりに頭の上と尾骨が少し膨らんでいた。それは赤ん坊がウマ娘であることを物語っている。
「元気なウマ娘ですよー」
「……っ!」
出産の疲労がある母親は、自分の子供がウマ娘と聞かされると眠るように気絶してしまった。生まれた一人のウマ娘は、この日、母親に抱き締められることなかった。
生まれてくるのがウマ娘かヒトかは、生まれた後でしか分からない。科学技術が発展した現代、お腹の中の様子を調べたりする機器はあれど、分かるのは男女のどちらかだけ。ウマ娘は胎児の時は、出産の時引っかからないよう耳も尻尾も丸く小さくなっている。なので、お腹の中ではウマ娘かどうか分からないのだ。
母親となった女性はヒトであった。彼女がウマ娘と聞いて気絶するほどストレスを感じたのは、彼女の出自に関係していた。
彼女の実家は俗に言う名家だった。自分たちの数十世代昔、競走レースで結果を残し、界隈で強い力を得たのが発端だ。長い歴史を持つ訳でも、特別な地位にある訳でもない中途半端な名家だった。それでも、プライドだけは高かった。
彼女はウマ娘として生まれることを期待されていた。停滞したまま堕ちて行く我が家を建て直して欲しいと、もう一度あの栄光を得たいと。家の者はそんな勝手な期待をしていた。彼女がヒトであると分かってからは、彼女の苛烈な人生が始まった。
明らかな差別、理不尽な叱責。でも、親戚の同い年のウマ娘とは仲が良く、よく遊んでいた。そんな彼女たちも大きくなると、遊ぶどころか会うたび怒鳴ってくるようになった。「責任逃れのクズ野郎」「役立たずの愚図」振るわない戦績、堕ち続ける家の威信、こんな状況じゃ当たりやすい彼女に当たるのも頷ける。だから彼女はウマ娘に対してトラウマのようなものを覚えてしまった。ウマ娘がいるから、レースなんて物があるから、彼女はそんなことばかり考えるようになってしまった。
だから、彼女は家を出た。レースの世界にも関わらず、一般の会社でキャリアを積んだ。そこから彼女の人生は始まったのだ。ある男性と出会い、恋に落ち、結ばれて、子も授かった、全てが幸せに満ちていた。……はずだった。ヒトとヒトの子でもウマ娘は生まれる。頭のどこかでは分かっていた。でも、信じたくは無かった。自分の苦生の元凶、出来れば視界にすら入れたくない存在、そんな存在が自分の娘として生まれてきてしまった。
「ウマ娘の娘なんて欲しくなかった!」
彼女は荒れた。以前のような元気は無く、育児もろくにしなかった。育児放棄で夫と対立し、そのまま離婚。家の者が親権は寄越せと大声をあげたので夫が親権を手放した。
娘は家の者が引き取ったが、彼女にとってはもうどうでもいいことだった。彼女はもう、過去にあった幸せに縋り付くことしか出来なくなってしまったのに。
娘は親族をタライ流しにされ、結局の所捨てられた。ウマ娘と言えど見下していた者の娘なのだ、丁重に扱う訳が無い。欲を出すだけだしてなんて無責任な奴らだ。娘は幼くして施設に入ることになる。両親が存命であるにも関わらず……。適当な理由をつけて施設に入れられた彼女は、両親の顔も覚える間もなく新しい暮らしを始める。
「お嬢さん、名前は?」
「わたしは…………アルギュロス……レウス、……です」
少し昔、産声をあげた少女は、ここから
やっとここまで来ました。
次回から本編です!
原作ウマ娘さん仕事ですよー!
五分後に会おう!
ではまた!