年内最後の投稿ですね。
ではどうぞ
ランドセルを背負った輝く金髪の少女が、靴を履き玄関の扉に手をかける。
「いってきます」
「いってらっしゃい」
振り返って元気よく言った金髪の少女に、同じように輝く銀髪の少女が返す。このやり取りに、金髪の少女は不満の声を漏らした。
「レウスと一緒に行きたかったな~」
「ごめんね、ルーチェ」
銀髪の少女は、申し訳なさそうに返す。彼女は転校した日以来、テストの日以外学校に行っていない。彼女が小学校に行かない理由は多々ある。小学校で習う範囲の勉学は履修済みであることや、精神年齢が周りより高すぎること等、金髪の少女……ルーチェを説得するのは一週間と一晩を要した。学校の方はテストの点数で黙らせたから楽だった。
「私は私でやりたいことがあるから」
「はぁ、帰ったら付き合ってもらうからね」
「わかったよ」
銀髪の少女……レウスがルーチェの命令を間を置かず承諾する。時間も無いので、ルーチェは可愛らしく頬を膨らませながら扉を開けて学校へと行ってしまった。
「さてと、やりますかね」
呟くと、レウスは踵を返して父親の元へ向かった。
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「今日からよろしくお願いします。社長」
「よろしくレウス」
レウスのやりたいこと、その一つは自分の父親であり敏腕社長である水上に師事して経営学や社会学を学ぶことだ。ネットで調べたり、本から知識を得ることは出来るが、学ぶならその道のプロに教わった方が圧倒的に良いに決まってる。
「別に父さんと呼んでもいいんだよ?」
「今はご容赦ください」
水上の目が細まる。細かい仕草、目線、息遣い、上から下まで見定めてくる。水上によるレウスの試験は既に始まっている。
「そうだね、公私を分けるのは大事なことだからね」
レウスが師事する目的は主に二つ、コネクションと金だ。コネクションは水上を通じてお偉いさんとの繋がりを得ること、世の中何があるか分からない以上、いざという時使える手段は多い方が良い。金はそのまんま貯えだ。トレセンに入ってレースの賞金得ることもあるだろうが、金ほどあればあるほど困らない物は無い。将来の安泰を確実にするのに、今からでも稼ぐ方法を熟知していくのも早くは無い。財布の中には水上に渡されたブラックなカードが入れられているが、頼りきるのも気が引けるというものだ。…………既に色々揃える為に散財したのは内緒だ。
こうして、水上によるレッスンが始まった。
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水上は業務中、傍にレウスを置いた。会社内ではレウスは副秘書のような立場になる。業務内容は水上と秘書の補佐が言い渡されている。秘書にはレウスに気遣わずいつも通りにするよう言われている。
「レウス、行くよ」
「は、はい! 社長!」
メモを片手にレウスはあっちへこっちへと連れ回された。子会社や取引先や夜会やら、忙しいが大変実りのある経験ばかりだった。
ある程度理解が深まったレウスは、次の段階に以降した。それは、ヒトであった頃の記憶にある、まだこの世界では未発達の分野、
レウスの小学生生活は、小学校に行かずに終わることとなった。
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こうして時は進み、桜散る季節。
誇りある校門を、二人は髪を輝かせながら通る。
その目は遠い、遠い未来を映していた。
ウマ編を年内完結させると言って、有言実行出来てよかったです。
やる気を出せたのも読んでくれるそこのキミィ!がいるお陰です。
本当にありがとうございます!
来年からはやっと、やっっっっっっと学園編突入です。
……キリ良すぎへん?
では皆さんよいお年を!