sideストーリーを書く(予定)のに本編で何処まで書いたらいいかわかりません。
レウスがレース走らないと話が始まらないので数回は書く気でいます。
早く皇帝とか覇王とかと絡ませて~
ではどうぞ
私の名はアルギュロスレウス、
皐月賞、日本ダービー、菊花賞、一生に一度しか走ることが許されない日本のGIレース。この全てを勝利したウマ娘は三冠バと呼ばれ、世代の最強を担う。やり直し、再挑戦の無い一発勝負を同世代の猛者たち相手に三度、三度も勝たなくてはならない。過去に三冠を達成したウマ娘の数は両手で足りる。これを聞けばどれだけ難しいことか分かるだろう。だが、これは世間一般における認識である。
鍵は染められた
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[クラシック一冠目、皐月賞が始まります]
一番速いウマ娘が勝つと言われている皐月賞。私の人気はもちろん下位にした。人気を落とすのはこれで最後だ。東条トレーナーに問い詰められたが上手くはぐらかせといた。いや騙すならまず味方からでしょ?
人気上位はレコードホルダー陣、ナイトランサー、ナイトロジェット、クロックスライダー、ドリフトスピード、レーザーカノン、センターサイトだ。私の世代は例年より強く、その分注目されている。熱気が凄い。
「アルギュロスレウス」
名前を呼ばれたので振り返る。私を睨んでいるのはドリフトスピード、注目のレコードホルダーの一人だ。
「弥生賞では負けたが、今日はアタシが勝つ」
宣戦布告か。レース前のこういうやり取りも嫌いじゃない。いいだろう、迎え撃ってやろうではないか。
「勝つ……ね。まあ、潰されないよう頑張ってね」
私は不敵に笑ってみせる。おいおい、何怯えてんだよ。今日も楽しもうじゃないか。
「今日もよろしくね、ドリフトスピード」
「ッ!? 絶対に勝つ!」
一度しか走れないレースなんだ、笑って走ろうぜ笑って。そんな怖い顔すんなよ。昂っちゃうだろ?
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レースはクロックスライダーがハイペースで後続を引き連れる形となった。全員の位置取り、残りの脚、全てが私の予想通り。GIに出れる程の一流ウマ娘たちが私の掌の上から逃れられないでいる。
必死な者、
夢を追う者、
約束を守りたい者、
此処には綺麗なモノが沢山有る。人はそれを美しい、又は素晴らしいモノだと思うだろう。誰かノ為に、或る者を追い掛けて、耀かしい未来を求めて、その心を美しいと思える者にとっては此処は憧憬の場と言える。
しかし、夢は一つしか綺麗でいられない。傷も無く、汚れの無い夢は存在を許してはもらえない。明白な優劣が生まれる競争の世界はこんなにも酷く残酷だ。
最終コーナーを抜けると全員がスパートに入る。最後の直線、誰もが己の勝利の為に走る。先に見えるゴールに我先にと殺到する。
そして、脚を溜めていた我は全てを解放する。
─────〔解き放たれる銀色〕─────
我の中の銀色が世界を染める
拡がる
其れは、逃れられぬ運命の鎖のようであった
使い方は
ゴール前、軋めく肉体を加速させ、先頭に立つ。
──我は呆れた。
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ゴールしてから徐々に減速して、私は振り返る。
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ」
「チッ!」
「負け……た?」
「クソっ……」
私より後にゴールした人たちは夢敗れ、崩れていく。私を見上げ、膝を着き、絶望で顔を染める。その顔には恐怖、憤怒、嫉妬、困惑が含まれていた。あの綺麗な心を持っていた者たちが……だ。
この光景に私は愉悦を感じ、激しく昂った。それと同時に、私には不思議で仕方なかった。
レースを通して領域に入れたのは私一人だけ、入口に触れた者すら居ない。はっきり言って退屈だ。
今は会話で煽ることすら億劫になり、傍観も程々に私はターフを去った。
~~~~~
「トレーナー」
「何だ?」
控え室に戻った私は東条トレーナーに話を持ち出す。東条トレーナーも嫌な予感がするのか顔を顰めた。
「
「レースの予定変更か?」
「はい。
「……」
東条トレーナーは顎に手を当て考える。予定の変更はできるが、海外に行くのなら話は別だ。それに、今行けばレウスの目標である三冠も取れなくなる。少し考えた東条トレーナーはレウスに語る。
「
「今日のは正直私も予想外でした」
真剣な眼差しでレウスは言う。GIの更には一度しか走れない皐月賞を退屈と言い捨てたのだ。東条は眉を顰める。
「お前、嘗めてるな?」
「はい、嘗めてます」
即答だ、それが本心であるのは明らか。東条は僅かばかりの怒りを覚える。
「お前はGIレースがどういう物か理解しているのか?」
「一番格の高いレースです」
「そうだな。そしてウマ娘が夢を叶える場所でもある」
「だからどうしたのです?」
「お前は本気で走った彼奴らを馬鹿にしてるのか?」
「彼奴らはあんなもんじゃない、だけどあの程度しか走らない。だからそうなるまで外で走るんです」
レウスが海外に行きたい理由は要は暇潰しだ。退屈なレースほど嫌いなものは無いレウスにとって、GIで今日のような展開になるのは期待していた分失望に近いくらい呆れた。
「お前は皐月賞を勝った。もし走るなら次の日本ダービーも今日みたいにいくと思ってるのか?」
「いく訳ないでしょう。皐月賞を勝った私はマークされる、人気も上位になるでしょう。でも、それならそれで別の対策を講じるまでです」
「勝てると確信してるのか?」
「勝つようにするんだから当然です」
「凄い自信だな」
「ありがとうございます」
レウスは皮肉も上手く流す。東条トレーナーは眼鏡を直し、レウスに告げる。
「とりあえず、海外は無しだ。国内に居ろ」
「そうですか、分かりました」
レウスは残念そうに振る舞いながら了承する。元々通ると思ってなかったのだろう。あっさりと引いた。
「退屈なら敵に塩でも送っとけ」
「……あー」
その手があったかとレウスは頷く。
「やはり頼るべきはトレーナーですね」
「はぁ、お前程面倒な担当を持つのは初めてだよ」
「嬉しいでしょ?」
「……少しな」
「照れ屋さんですねー、トレーナー可愛いー」
「揶揄うな」
この日もレウスは東条トレーナーをからかいながらレース場を後にした。
──とある寮の一室
「あの人の瞳に私は映って無かったよ。眼中に無いってやつかな。ごめんね、何も返せそうに無いや」
痛々しい後ろ姿、手には御守りが握られていた。
本編が終わらんとsideストーリーも入れんなぁ。
マイペースに進みますかぁー。
ではまた!