「ヘッヘッヘ・・・この世界は終わりじゃい・・・」
エスカルゴスプリンクラーが崩壊した京都タワーの前でそう告げる。
「そうはさせない!」
「なんだ!?」
そこに現れるのが私だ。私に名前はない。だが、あえて自分に名前を付けるとしたらこうだ。
「ごきげんよう死神ですここに現る!」
「ごきげんよう死神ですだあ?改造体17320508号を倒し、ニュージーランド支部を壊滅させ、フィッシングサイトを閲覧不可にしたあのごきげんよう死神ですかあ?ハハハハハ!ならばここで会ったが運の尽き。お前の息の根を止めてやらあ!」
エスカルゴスプリンクラーは1つ目の殻を破り、こちらにパージしてきた。すんでのところで私はサイコロを振った。
「公務員グループか。ならば・・・お願いします!松永幸代さん!」
私はサイコロを振り、応募はがきの抽選をし、そこから出てきた人の人生を使うことができる。今回は松永幸代さんの人生をお借りするというわけだ。
「松永幸代さんは医者!だったらこれだ!メスブレード!」
懐からメスを取り出し、パージされた殻を斬った。そして私はもう一度サイコロを振った。出たのは青い面、サービス業グループだ。
「お願いします!笹川信也さん!食らえ!レジスター!」
「いてえ!!!!くっ・・・無駄に固てえレジスターだぜ・・・」
「決まってるだろ!笹川信也さんは昼間はスーパーの店員、夜は鉄鋼業をしてるんだ!そのレジスターはダイヤモンドよりも固い!」
「くだらねえぜ・・・だが人間の人生ごときで俺を倒せるわけねえんだよ!」
エスカルゴスプリンクラーは2つ目、3つ目の殻を破り、ロケットランチャーマシンガンを解放させ、こちらに銃弾を放ってきた。
ズドドドドドドドドドドドドド!
「どうだあ・・・?」
♪~
「あ、危ない・・・村上直朗さんに人生をお借りしなかったら直撃だった・・・」
「ダンサーの動きで弾を全部避けやがったか・・・なんて野郎だ・・・!」
「これは私の力ではない。人の持つ人生の力だ。それをお借りしているだけ。私が凄いのではなく人の人生が凄いのだ!」
「はっ!くだらねえんだよ!人の人生なんて、ちょっと刺激しただけで脆く崩れる。うまくいかなくて挫折もする。折れて絶望して、そんな人生が素晴らしいってか?」
「素晴らしいさ!人には名前があり、人生があって、生きている!それは素晴らしいことだ。人によって違う人生がある。確かにうまくいかないかもしれない。自分の思い通りじゃないかもしれない。だがそれは名前のない私にはないものだ!人の人生を借りなければ私は私じゃない。でも人は違う。生きていればそれが人生だ!」
私はサイコロを振った。そして・・・
「これは・・・!黄色の面!当たり目だ!」
当たり目!当たり目!
「な、なんだ?この軽快な音楽に観客は!」
私のサイコロにたった一つだけある面の当たり目。これが当たれば私は6人の人生を借りることができる!
「さあ行きますよ!お願いします!馬場春奈さん!井上正明さん!伊東四朗さん!オールブランチュール・G・ビッグヴァンさん!月城光さん!野々宮ロンリネス太夫さん!」
私に力が宿る。空手家、コック、マスター、無職、スタントマン、ブドウ農家。どれも素晴らしい人生だ!
「これが!人の力だ!!!!!」
鑑写しになった無数の泡だて器に爆発するブドウを付与し、それを多くの時間をかけてぶつける!
必殺!みなさんのおかげで!
「したあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「グ、グワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!」
エスカルゴスプリンクラーは煙になった。
今回の私の役目はこれで終わった。だが、もし何かが現れたら君たちの人生を借りるかもしれない。君たちの素晴らしい人生は私の力になるだろう。