仮面ライダーギーツ IS ARMED INTERVENTION 作:ガンダムラザーニャ
火宮英寿は今、デザイアが管理する施設に来ていた。
入り口に着くなりセンサーで顔認証が行われ、中に入った。
中は小綺麗な病院のそれで、受付に行って要件を聞かれると。
「妹分に会いに来た」
と、答えた。
「では、こちらにサインをお願いします」
差し出された書類に目を通しながら名前を書く。
「はい、ありがとうございます。それではお部屋までご案内いたします」
案内された部屋に着き、受付が持ち場に戻ってからドアを開けるとそこには。
「あ、お兄ちゃん…」
「エースだぁ、こんにちは!」
病室というよりも、ホテルの一室のような部屋の奥のベッドの上に水色の髪をした少女と、そのベッドの横で看病していたのであろうのほほんとした少女が挨拶してきた。
「よっ簪に本音、元気にしてたか?」
そう言いながら、ベッドの近くにあった椅子に腰掛ける。
「んっ、ちょっとはね」
「私はいつでも元気だよ〜!
今でもこうしてかんちゃんのお世話をしてるんだから」
そう言って本音が力こぶを作るポーズをとる。
「へぇー、そいつは何よりだ」
英寿たちはそんな他愛のない話をしていた。
ちなみにベッドの上に座ってる水色の髪をした少女は更識簪、英寿の妹分である。
アニメや特撮が好きで、中でもロボット物の作品が大好きな少女だ。
そして、そんな簪の隣で簪のお世話をしてるのが、布仏本音。
本来はIS学園の生徒だが、同時に簪の家のメイドであるためこうして簪のお世話をしている。
「…んで簪、まだISが怖いのか?」
「…っ、うん。
まだ見るのが怖くて…」
英寿の言葉に引き攣ると共に震える手を握りしめる。
彼女は本来、日本の代表候補生になるはずだった。
だが数年前、訓練をしていた時に、テロリストに襲われ、その際纏っていたISで正当防衛として撃退しようと試みるも相手もISを乗って自分を殺しにかかってきたこともあってパニックになり、半殺しにしてしまった。
その時の、ISで人を半殺しにした感触が忘れられず、実物どころか、写真や画像を見ただけで悪寒が走り、酷いときは吐いてしまうほどトラウマになってしまったのだ。
もちろん乗るどころか触ることすらもできない。
この事件があって簪は代表候補生を棄権することになった。
「…大丈夫だからな。
悪い奴らは俺が皆やっつけてやる。
ここに入るとき、約束したろ?」
「うん…」
英寿は元々、簪の実家である更識家が経営する孤児院出身だ。
家でよく周りから比べられてた簪がよく孤児院に足を運ぶことがあったので、英寿も妹のように接していた。
しかしある日、例の事件が起こり、その際にその場にいなかったことに後悔し、自分の無力さを痛感し、強くなりたいと思うようになり、更識家が母体となり、秘密裏に他の企業とも連携しながら設立したデザイアに、簪を保護してもらうことを条件に、英寿は仮面ライダーギーツとなった。
「…ごめんね?お兄ちゃん」
「あ?何でお前が謝るんだよ?」
「だってお兄ちゃんが、私のためにいつも必死で守ってくれてるから。
…私には返せるものがないの」
「バカ野郎。俺はただ、自分が守りてえと思ったもんを守ってるだけだぜ」
「お兄ちゃん……」
「まあ、気にすんなって。
それに俺はお前だけのヒーローとして在りたいしな。
お前の憧れる、アニメや漫画に出てくるようなヒーローにな」
「……ありがとう」
「もうエースったら、ほんとにかんちゃんのことが好きだよね」
「俺がそうしたいからそうしてるってだけだ。
じゃあ俺はこれで失礼するぜ」
「うん。また来てね」
「ああ」
こうして英寿は部屋を出た。
「さて、いつまでそこにいるつもりなんだ、刀奈」
「…やっぱり英寿には敵わないわね」
壁の曲がり角から、簪とよく似た少女が現れる。
彼女こそが更識刀奈であり、現在の更識家当主にして、普段は周りから更識楯無と呼ばれている。
現ロシア代表操縦者にしてIS学園の生徒会長を努めている。
英寿は幼い頃から知ってるので本名で呼んでいるのだ。
「デザイアに入る際に色々と訓練してたからな。
…んで、何で姉のお前が簪に会ってやらねぇんだ?」
「…私には、あの子に会う資格がないからよ。
守るために突き放したから、あんなことになっちゃって」
刀奈は例の事件でその場にいなかったことを悔やんでいた。
それ故に、責任を感じていた。
「確かに、それは事実だな。
けどそれは俺も同じだ。
だからこそ俺はこうして仮面ライダーとしてあいつを守ってるんだ。そしてこれからもな」
英寿もまた、刀奈と同じように責任を感じており、だからこそ仮面ライダーとして戦う道を選んだ。
「……そうね。あなたは昔からそういう人だったわね」
「おうよ! んじゃ俺はそろそろ帰るぜ」
「わかったわ。
…ねぇ英寿、また簪ちゃんに会いに行ってあげてね?
あの子、あなたのことが好きだから」
「その言葉、そっくり返してやるぜ。
少しはあいつと向き合わねぇと、いつまで経っても変われないぞ」
「わかってる。
でも、どうしたらいいのかわからないの」
「ふぅん……。
まっ、お前があいつにしたことがしたことだから、仕方ねぇけどな」
「うっ…」
刀奈は思わず顔を伏せる。
英寿は二人のことを昔から知ってるので、何があったのかは知っている。
刀奈は昔から賢く何でもできた、それ故に周りから二人のことを比べられていた。
それに刀奈が更識家の当主に襲名して、世界から簪を守るために突き放したのだ。
それが原因で、刀奈は簪から距離を置かれるようになった。
「……まあ、何かあったらいつでも相談しろよ。
俺で良ければ話を聞くくらいはできるぜ?」
「うん。その時はお願いね」
「あいよ」
そう言って、英寿はその場を去った。