仮面ライダーギーツ IS ARMED INTERVENTION   作:ガンダムラザーニャ

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原作のギーツで、タイクーンがニンジャフォームに変身したので、この話を書かせていただきました。


忍び化かす狸

「…で、いきなり俺をフランスに送りつけやがったと思ったら新しいレイズバックルも寄越しやがって、どういうつもりなんでぃ?」

 

葉治はフランスのとあるビルの屋上の端に腰を掛け、通信機片手にレイズバックルをクルクルと弄る。

 

『タイクーン、お前もデュノア社が秘密裏にデザイアへ技術提供しているのは知っているな?

 

そのデュノア社の社長、アルベール・デュノアの娘のシャルロット・デュノアがテロリストに拉致された。

 

どうやら娘を人質にしてデュノア社を乗っ取り、デュノア社の技術をEOSに転用・量産し、戦争を起こそうとしている』

 

「そりゃあまたご苦労なこって」

 

『そこでだ。タイクーン、お前にはシャルロットを救出して貰いたい』

 

「そいつはどうしてなんでい?

 

他の適任のライダーがいんじゃねぇのかい?」

 

『本作戦は秘密裏に行われる。

 

何より、デュノア社としても、娘も技術もテロリストに渡すつもりはない。

 

後者に関しても、デザイアが保有するライダーシステムを解析されるのは非常に困るからな。

 

そして娘の救出に関しては、これまでの仮面ライダーの中で隠密行動が得意なお前が一番適していると判断した』

 

「まぁたお得意の勘かよ……」

 

『勘ではない。これは歴としたデータに基づく結果だ』

 

「へいへい、分かりましたよっと。……んで、このレイズバックルは?

 

何か忍者のそれだが、何かの当てつけかい?」

 

『それはニンジャレイズバックルだ。

 

隠密性・俊敏性・機動力に重きを置いた性能を持ち、忍術を操るレイズバックルだ。

 

忍者オタクでありながら、忍術を使いこなすお前にはうってつけのものだろう?』

 

「そいつはご苦労なこって。

 

んじゃとっとと救出作戦始めるんで、連中がどこに行ったのか、座標を寄越しな」

 

『ああ。場所は―――』

 

葉治は通信機を懐に収めると、空を見上げる。

 

澄み切った青空の中に浮かぶ白い雲を見て、小さくため息をつく。

 

「…さーて、異国での単独の仕事といきますかね」

 

葉治はビルの縁に立ち、腰に装着したデザイアドライバーの右側のスロットに、ニンジャレイズバックルを装填する。

 

【SET!】

 

「変身!」

 

クナイの取ってを模したレバーを一度引いてから押し込むと、手裏剣部分が高速回転する。

 

【NINJA!READY FIGHT!】

 

その瞬間、葉治は仮面ライダータイクーンへと姿を変え、そこからさらに上半身には緑色の軽装の鎧を纏い、目が赤くなる。

 

「…ハッ!」

 

軽々とビルとビルの間を飛び越え、目的の場所へと向かうタイクーン。

 

「ここがデュノア社の娘が捕まってる場所か。

 

く~っ、さっすがはテロリストの拠点、警備も厳しいねぇ〜!」

 

廃ビルの近くにきたタイクーンは壁の上に着地すると、そこから下を見下ろす。

 

そこには黒いスーツに身を包んだ屈強そうな男達が、マシンガンを持って辺りを警戒していた。

 

「へぇ、なかなか良い装備じゃねぇか……。

 

こりゃあ、気づかれる前に仕留めるか」

 

と、タイクーンは弓のように弧を描く刀を取り出し、奇襲を掛ける。

 

「はっ!」

 

「がっ!?」

 

「な、何だ今のは!?」

 

「喋ってんじゃねぇってんだ」

 

「うわぁっ!!」

 

素早い動きで奇襲を仕掛け、瞬く間に三人ほど倒したタイクーン。

 

そのまま内部に侵入し、気付かれないように次々と仕留めていく。

 

そして数分後、あっという間にテロリスト達を制圧したタイクーンは、部屋の扉を開ける。

 

人質にされていたであろう、椅子に座らされて縛られている金髪の少女がいた。

 

物音で気が付いたのか、うっすらと目を開けてタイクーンを見ていた。

 

「…っ、あなた、は?」

 

「シャルロット・デュノアだな?」

 

「ど、どうして僕の名前を…」

 

「お前の親父さんの会社と俺たちの組織と友好関係を持ってるんでな。

 

だからこうして助けに来たって訳なんでぃ」

 

「きょ、友好関係…?」

 

「あぁ、これ以上のことはお前の親父さんから聞くんだな」

 

シャルロットを縛り付けていた縄を解き、解放させる。

 

「あ、ありがとうございます……」

 

「気にすんな。これも仕事なんでね。

 

それより、ここから脱出しなきゃならねえな」

 

と、タイクーンは部屋の外を見る。

 

侵入したことがバレたのか、テロリストたちが探し回ってるようだ。

 

「ちっ、早くしないと見つかっちまうかもな。

 

俺の背中に乗れ、お前をデュノア社まで送ってやる」

 

「え? は、はい……」

 

「よし、行くぜ」

 

シャルロットを背負い、窓を突き破る。

 

「な、何だあいつは!?」

 

「撃て!撃ち殺せ!」

 

「やなこった!」

 

「ひゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」

 

「舌噛むなよぉ〜」

 

銃弾を避けながら、タイクーンはビルから飛び降りる。

 

そして地面に降り立つと、テロリストたちに囲まれていたが、関係ないとばかりにテロリストの武器を素早く小間切れにし、がら空きになった胴体を蹴り飛ばしていく。

 

「はぁ……、はぁ……、つ、強い……」

 

「そいつはどうも。

 

んじゃ、そろそろ行こうか。

 

しっかり掴まっときなよ?」

 

「は、はい……!」

 

タイクーンはシャルロットを背負って、再び走り出す。

 

しかし、その先で何かを察し、タイクーンは後ろに下がった。

 

その瞬間にタイクーンがいた場所に勢いよく弾丸が乱射される。

 

「チッ……、まさかこのタイミングで増援とはな」

 

「……」

 

タイクーンはシャルロットを下ろし、近くに隠れさせる。

 

「貴様がデュノアの娘を連れ出したのはわかってる。

 

大人しく投降し、娘を引き渡すなら命までは取らないでやる」

 

「へっ、こいつを人質にしてデュノア社の技術をEOSに転用・量産させて戦争を起こそうとしてる奴らが何言ってやがんでぃ、自分の顔も鏡でまともに見たこともねぇのかよい」

 

「黙れ……!我々には世界を変える力があるのだ!! それを理解できない愚民どもに教えてやるのだ!!」

 

テロリストはマシンガンの銃口を向けてくる。

 

「いいか、貴様に選択の余地はない。

 

さっさと娘を差し出して消え失せるか、娘共々殺されるか、好きな方を選ぶがいい」

 

「ハッ!そんなもん決まってんだろうが!」

 

タイクーンは改めて二本の刀を逆手持ちにして、テロリストに向けて構える。

 

「お前らをぶっ潰す。それしかねぇだろうが!」

 

「戯言を!」

 

男がマシンガンを撃ち放つと同時に、EOSを展開した。

 

明らかにカスタマイズされてるのか、軽量化された装甲にブレードとマシンピストルを装備した、対人戦闘に特化したタイプだ。

 

「死ね!!」

 

「それはこっちのセリフでぃ!」

 

タイクーンは刀を振り回すと、テロリストはブレードで防ぎ、マシンピストルで反撃する。

 

だが、タイクーンは刀を持つ両手を素早く動かし、弾丸を弾いていく。

 

「くっ……! お、お前は何者なんだ!?」

 

「俺はタイクーン。仮面ライダータイクーンだ!!」

 

ブレードと刀が激しくぶつかり合い、火花を散らしていく。

 

このままでは埒が明かないと思ったのかテロリストは距離を取り、マシンピストルを構える。

 

だがその銃口はタイクーンに向けられたものではなく、タイクーンの後ろのシャルロットに向けられていた。

 

「なっ、ちぃ!」

 

それに気が付いたタイクーンはシャルロットを庇うように立ち塞がり、背中に銃撃を受ける。

 

「ぐぅっ……!」

 

「タイクーンッ!!」

 

「はぁ、はぁ……。

 

ふん、やはりそいつを守ることを優先したか。

 

これで終わりだな」

 

だがその瞬間、タイクーンの体が、弾痕残る丸太へと変わった。

 

「な、何だと!?」

 

「どこ見てやがんだ?俺はこっちだぜい?」

 

「なっ、ぐはぁ!?」

 

真横から、タイクーンのドロップキックを食らって吹っ飛ばされた。

 

「くっ…はっ!」

 

テロリストは急いで起き上がると、4方向から囲むようにタイクーンがいた。

 

「何だこれは、分身か!?」

 

「その通りだぜい。

 

そしてこれで終わりだ!」

 

【ROUND1.2.3!FEVER!

 

TACTICAL FINISH!!】

 

二本の刀を一本の弧を描く大きな刀へと合体させてから、持ち手の円盤を3回回すと、それぞれ、火・水・土・風を刀に纏わせ、4方向から一閃を放つ。

 

「はぁ!!」

 

「がぁぁあああっ!?」

 

斬撃を受けたテロリストはそのまま倒れ込んだ。

 

「ふぅ……」

 

「タ、タイクーン……、大丈夫?」

 

「あぁ、大丈夫だ。

 

さ、早く行くぞ?」

 

「う、うん…」

 

タイクーンはシャルロットを連れてその場から離れ、デュノア社の近くまで来た。

 

「…よし、ここまで来りゃ大丈夫だろう。

 

あとは一人で帰れるか?」

 

「うん…、それは大丈夫だけど…、まさか本当にここに帰ってきちゃうなんて…」

 

デュノア社の建物を見るなり、暗い表情になるシャルロット。

 

「…一応お前のことは調べてるぜい。

 

シャルロット、お前はここの社長と愛人の娘なんだろ?

 

んで、その愛人がぽっくり逝っちまった二年前に、ここの社長がお前の親父さん。名乗って引き取ったんだったか」

 

「…うん、お父さんには数えるくらいしか会ってないけど、お母さんとは別の本当の奥さん、お義母さんから泥棒ネコの娘って最初に会った時に殴られちゃったんだ。

 

それから僕がIS適正高かったから、ここで毎日訓練受けてるの」

 

「そうか……。

 

一応、デザイアにもデュノア社の話はある程度聞いているが、少なくとも親父さんも正妻のお袋さんも、お前が思ってるほど悪い人たちじゃねぇぜ?」

 

「そ、そうなのかな…?

 

けど、ほとんど会ってくれないし、会ってもほとんど会話なんて」 

 

「まっ、その辺は面と向き合ってから聞いてみろよ。

 

だが、これだけは言わせてもらう。

 

今回はデザイアから早くから救出作戦が来たってことは、お前の親父さんたちがすぐにデザイアに連絡したからなんだぜい?

 

お前を、助けたかったからな」

 

「えっ……?」

 

「まぁ、俺には関係ねぇ話だし、親子同士の話に部外者が立ち入る訳にゃいかんし、まずは話し合わなきゃなんねぇだろ? んじゃ、俺はもう行くわ。

 

また何かあったら呼べよ?」

 

「待ってよ!」

 

「あ?」

 

飛び立とうとした時に、シャルロットに止められるタイクーン。

 

「その、今日助けてくれて、ありがとう…。

 

また、会えるよね?」

 

「…さぁな。

 

じゃ、俺は今度こそお暇するぜい」

 

シュタッとその場から飛び立ち、ビルとビルの間を飛び跳ねるタイクーン。

 

それをシャルロットはただただ、見上げていた。

 

「…お父さんたちの真意を、確かめないと」

 

覚悟を決めて、シャルロットはデュノア社へと足を向けるのであった。

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