仮面ライダーギーツ IS ARMED INTERVENTION 作:ガンダムラザーニャ
「…あ、リアスさんだ!
ごきげんよう!」
「ふふっ、ごきげんよう」
「あっリアスねーちゃんだ!
こんにちはー!」
「あらあら、こんにちは」
とある孤児院の子供たちに出迎えられている長い赤髪の少女はリアス・グレモリー。
とある名家の娘で彼女は家が経営してるその孤児院の子供と仲が良く毎日のように通っている。
今日も笑顔で迎えてくれた子供一人一人の頭を撫でながら話しかける。
「皆元気にしてた?」
「うん! リアス姉ちゃんはどうだった?」
「私? 私はいつも通りよ」
リアスの言葉を聞いて子供達は笑みを浮かべると今度は逆に彼女から問いかける。
「ねぇリアス姉ちゃん。
またISを使った戦争が起きるって本当なの?」
そう言われてリアスの顔から一瞬だけ笑みが消える。
しかしすぐに表情を変えると優しい声で答える。
「…ふふっ大丈夫よ。
ISでも悪い人が来たらお姉ちゃんがやっつけてあげるわ」
そう言ってリアスは優しく子供の髪を撫でるが内心では焦りを抱いていた。
(…束博士、これがあなたの望んでいた世界だと言うの?)
ISを開発した篠ノ之束。
彼女が世界を変えたのはこの数年の話ではない。
10年前から世界中を震わせているISの存在。
それは本来、次世代の宇宙服でありながらその利便性の高さから兵器へと変わり、女尊男卑の世界を生み出すきっかけになった代物でもある。
リアスは女尊男卑というわけではなく、むしろ男女平等に接することのできる少女だ。
だから女尊男卑思想の女性からは奇人を見るような目で見られる一方で、男女問わず慕われることもある。
ISが本来宇宙服であることも知ってるので、こうして女尊男卑の象徴とされていることや戦争の道具として扱われてることに心を痛めている。
そういうことを考えてる内に子供達との会話は終わってしまい、リアスは孤児院を出て行く。
と、近くで騒ぎが起きていた。
どうやら銀行のようだ。
「何かあったのかしら?」
銀行に近づくと人だかりができており、中が見えなかった。
なので近くの人に聞くと、どうやらIS乗りの女が立て籠もりをしているらしい。
しかも目的は自分が女だからここにあるお金を根こそぎ手に入れるという身勝手なものだったが、人質に取られているのは若い男女達であり、銀行側は何も手を出せない状態だった。
そこで交渉の際、犯人が要求する金額は一兆という大金を要求してきたので銀行も交渉人も困っていたのだ。
それでそのことを言えばISの剣を突きつけて脅してくるという。
(…また、ISが女のための特権として扱われてる)
リアスは心を痛めていた。
ISは女だけの特権じゃない、本当は宇宙の彼方へと羽ばたく翼なのに……。
…こうなったらやるしかないのか。
そう思っていると、ポケットの中に入れていた通信機が鳴った。
「…何?」
『ナーゴ、今君は銀行の近くにいるな?
あのISの撃退と人質の救出がミッションだ。
できるな』
「…わかったわ。行ってくる」
そしてリアスは人気ない場所に行き、デザイアドライバーを取り出して腰に巻きつける。
中央に嵌め込まれたライダーIDには猫が描かれている。
更に青いシールドのレイズバックル・シールドレイズバックルを、デザイアドライバーの右側に装填した。
【SET!】
「変身!」
【ARMED SHIELD!
READY FIGHT!】
シールドレイズバックルを押すと、リアスの体は黒いアンダースーツに包み込まれ、頭には金色の模様が入った黒猫の仮面を被り、青いシールドを手に持つ戦士、仮面ライダーナーゴに変身した。
「……行くわよ」
その言葉と共に銀行へと向かっていく。
そしてIS使いが強盗を行っている現場にたどり着くと早速声をかける。
「そこまでよ!」
「なっ、貴様は仮面ライダー!?
何故貴様がここに!」
「何だっていいわ。
ただ、ISが暴れてるから撃退するだけよ」
ナーゴはシールドを構えるとそのまま突撃し、殴りかかる。
「はぁっ!!」
「くぅっ! 舐めるなっ!」
女のIS使いは反撃してくるがナーゴはそれを受け止めると投げ飛ばす。
「うああああっ!?」
「よし、引き離せた!
…さ、早くここから逃げて!」
投げ飛ばした隙に人質に取られてた人たちを開放して、逃がす。
すると奥からボスと思しきIS乗りが出てきた。
「ほう、中々やるな」
「あなたがこの立て籠もりの主犯ね」
「いかにも。
だが奇妙だな?
貴様のその体格と声、私たちと同じ女だろう?
なぜ我々に敵対する?
女であれば同性である我々の同士だろう?」
「違うわ」
ナーゴは強い口調で否定してIS使いに向き直る。
「確かにISは女性にしか扱えないかもしれない。
でも私はISが女性の特権として振り翳していいとは思えない!
それに私には、そんなものよりも守りたいものがあるのよ。
だから私は戦う、それが私の戦う理由よ!」
思い浮かぶのは、孤児院の子供たちとその笑顔。
ナーゴは構えを取り、IS乗りと対峙する。
IS乗りもISを展開して戦闘態勢を取る。
「ふっ、くだらんな。
まあいい、なら私が仮面ライダーよりも優れた存在だということを、証明してくれる!」
と、大鎌を出現させて切りかかってくるがナーゴはシールドでそれを防ぐ。
「ぐっ!」
「はっ!」
そこからは激しい攻防が続いた。
大鎌の一撃を受け止めてから、シールドの先端を使って斬りかかったり、蹴りも交えて攻めていく。
だがISのシールドに防がれてしまい、中々決定打が出ない。
そしてISのスラスターによる機動力を活かした動きで翻弄していき、ナーゴの体勢が崩れたところに大鎌を振り下ろす。
「ちぃっ!」
その場で転がるように避けるナーゴ。
しかし追撃の刃が迫ってくる。
「もらった!」
「甘いわね」
紙一重で大鎌を避け懐に入り込み、シールドの面でぶん殴る。
「がはぁっ!?」
シールドの衝撃は内蔵に響くほどのものだったらしく、IS乗りはそのまま倒れる。
だがIS乗りはすぐに起き上がると、また攻撃を仕掛けてきた。
今度は両手の大鎌で攻撃してきたので、その大きさからは想像もできないほど素早く回転させる。
それをシールドで防ぎながら後ろに下がっていく。
(こいつ……意外とタフね)
ナーゴの予想通り、IS使いの体力はかなりのものでナーゴの攻撃を喰らっても倒れないどころか、まだまだ余裕があった。
すると突然IS乗りが攻撃をやめたのかと思うと、今度は外にいる人たちに向けて、大鎌によるエネルギー刃を飛ばそうとした。
「…っ!
危ないっ!!」
ナーゴは急いで先回りに、シールドで跳ね返す。
「ちっ! よく防いだな……」
「……何て奴」
ナーゴは呆れながらも、シールドを構えていつでも攻撃できるように身構える。
「ふっ、まぁいい。
今ので貴様も体力がなくなってきただろう?
次はこれで終わらせてやる」
と、両手の大鎌の柄同士を連結させたかと思えばそこからワイヤーで繋がって巨大な鎖鎌となる。
「なるほどね。
確かにあの武器は厄介ね」
ナーゴの言うとおり、あれだけの重量の物を回転させるだけでも相当な力が必要となり、その遠心力を利用すれば強力な一撃を放つことが出来る。
ナーゴはシールドを構えたままIS使いに突っ込んでいく。
「ふっ、血迷ったか。
では死ね!」
エネルギー刃も交えた大鎌の連撃が繰り出される。
このまま突っ込めばナーゴの体はミキサーのようにバラバラになるだろう。
だが。
「そう来ると思っていたわ!」
【SHIELD STRIKE!】
シールドレイズバックルを押し込み、シールドにエネルギーを込める。
そしてそのまま突っ込むことで、全ての攻撃を防いでいき、懐に飛び込んでいく。
「しまっ!」
「今までの攻撃のお返しよっ!!」
IS乗りの体に目掛けてシールドを殴った瞬間にドッ!!という凄まじい衝撃が走る。
これまで防いだ攻撃の衝撃を、全てこの一撃に乗せたのだ。
その結果、IS使いは大きく吹き飛ばされて壁に激突する。
「がっ、ああっ!?」
壁から落ちて地面に倒れた後、IS乗りの女は完全に気を失った。
「…ふぅ、何とか終わったわね。
と、いつまでもこんなところにいるわけにはいかないわね」
IS乗りが撃破されたのを確認して警官たちが駆けつけてくる前にナーゴはその場を後にした。
そうして変身解除して、家に帰ろうとしたときに。
「あっ、リアス姉ちゃんだ!」
「あ、あなたたち!」
何と孤児院の子供たちがやってきたのだ。
そして子供たちは心配そうな目で聞いてきた。
「さっき、リアスねーちゃんが出てから銀行で立て籠もりが発生したって聞いたから」
「だから、お姉ちゃんが巻き込まれてないかって心配できちゃったの!」
「…」
子供たちの純粋に心配してくれてる声を聞いて、リアスは思わず微笑んだ。
「大丈夫、私は平気よ。
だって、仮面ライダーが助けてくれたんだもの」
「あー!
じゃあやっぱり仮面ライダーはテロリストなんかじゃなくて、正義のヒーローなんだね!」
「そうだよね!」
「うん、間違いないよ!」
子供たちは興奮気味に話す。
そんな光景を見て、リアスは笑みを浮かべながら子供たちと会話しながら孤児院に送っていくのであった。