仮面ライダーギーツ IS ARMED INTERVENTION   作:ガンダムラザーニャ

9 / 13
邪竜の滅竜魔導士さんからのリクエストで、仮面ライダーとレイズバックルの話を書かせていただきました。


怒れる瞳を持つ狼

「もしもし、真耶さん、どうしたんですか?

 

…だからちゃんと食事も取ってますって!

 

俺だって一人で生活してるんですから!

 

…いやいいですって、真耶さんにはIS学園での先生としての仕事があるんでしょ!?

 

俺は大丈夫ですから、そんな心配しないでくださいよ!」

 

電話を切った後、少年はため息をつく。

 

「全く……真耶さんにも困ったものだよな……」

 

少年は部屋にあるソファに重くのしかかるように座る。

 

少年の見た目は癖っ毛のある黒い髪と色白の肌をしており、青い瞳が特徴で、首にはネーム入りのドッグタグを掛けている。

 

彼の名は真口 大神、16歳。

 

全寮制の学校に通う高校生だ。

 

ある理由で、先程の電話の相手が保護者となってるため学費や生活費には困っていない。

 

その電話の相手の名前は山田真耶。

 

IS学園の教師を務める、元日本の代表候補生。

 

2年前の事件で大神は家族を失い、その際に助けてくれた真耶に保護されたのだ。

 

「…さて、そろそろ学校に」

 

鞄を取って出掛ける準備をしていると、通信機が鳴った。

 

「…もしもし?」

 

『ISによるテロが発生している。

 

早急にこれを撃退しろ。

 

場所からしてお前が一番近いはずだ、ルプス』

 

「…っ、わかりました」

 

大神は血相を変えて家を飛び出した。

 

(俺は…、俺はもう絶対に…っ!)

 

頭にチラつく過去に苛まれながらも、大神は走る。

 

そして現場に着くと、IS乗りの集団が飲食店で店員や客を拘束し、金品を奪っていた。

 

「はぁ…経ったこれだけ?

 

ねぇ他にも金あるんでしょ?」

 

「や、やめてくれ!

 

その金がないと店が潰れちまう!」

 

「うるさいわね、男は黙って私たちに貢ぎなさいよ!!」

 

一人の女が男性に向かって銃を突きつけると、他の女性たちが笑い声を上げた。

 

「…っ!」

 

それを見た大神の青い瞳が怒りの炎が宿る。

 

直ぐ様人がいないところに隠れて、デザイアドライバーを腰に巻く。

 

ドライバーの中央には白に近い水色の狼のライダーIDが嵌め込まれている。

 

そして懐から白銀の狼が横を向いた形のアイテム、ガルムレイズバックルをドライバーの右側に装填する。

 

【SET!】 

 

「変身!」

 

ガルムレイズバックルの狼の上顎部分を掴み上げ、勢いよく下に下げた。

 

【GARM!READY FIGHT!】

 

その瞬間に大神の姿が変わり、白に近い狼のヘルメットを被り、全身は黒いスーツに覆われその上から白銀の装甲を纏い、両手の甲には狼を思わせる長い鉤爪が装備され、背中には白いコードが2本垂れ下がり、右足の太ももには青いバンテージが巻かれている。

 

そうして白銀と青の狼の装甲を纏った戦士・仮面ライダールプスへと変身した。

 

そして店に突入して、鈎爪を使って店員や客と、IS乗りの間に割り込む。

 

「クソっ、何でこんなことになるんだよ!」

 

怒りの目を、IS乗りたちに向けて睨みつける。

 

「そうまでして人を襲いたいのかよ、アンタたちは!」

 

「ああん? 何言ってんのコイツ?」

 

IS乗りの一人がルプスの言葉を聞き返すと、周りのIS乗りたちも一斉に笑った。

 

「男ごときが、この私達に勝てると思ってるの!?」

 

IS乗りのリーダー格の女性が言うと、周りにいたIS乗りたちが一斉に武装を構え始めた。

 

「くっ!」

 

見たところ相手は量産型のラファール・リバイブだが、かなりの数がいるので取り残されてる店員や客を守りながら戦うのは分が悪いと思ったからか、手前のIS乗りたちの武装を鉤爪を使って切り裂いていく。

 

「な、何やってのよ、みんな!!」

 

リーダー格のIS使いが叫ぶが、時すでに遅し。

 

「邪魔だ、どけぇえー!!」

 

ルプスは目の前にいるIS乗りたちを殴り飛ばし、蹴り飛ばす。

 

それにより道が開け、ルプスが店員が客を避難させる。

 

「ここは危険だ!

 

早く逃げろ!」

 

「は、はい……でもあんたはどうするんですか?」

 

店長らしき人物が心配そうな目でルプスに聞くと、ルプスは仮面で見えないが笑顔を見せた。

 

「大丈夫です。俺は強いんで」

 

それだけを言い残し、店員と客を逃がし、ルプスはIS乗りたちと戦闘を開始した。

 

「ちぃ! さっきからチョロチョロとうざってのよ!!」

 

IS乗りの1人が苛立ちながらルプスに向かってマシンガンを撃ってきた。

 

それをジャンプで回避すると、後ろにあったテーブルが粉々に砕けた。

 

それを見て冷や汗を流すと、ルプスが舌打ちをする。

 

(チッ! あのIS、かなりパワーが高いみたいだな)

 

その隙を狙って、他のIS乗りがアサルトライフルを撃ちまくるが、ルプスはそれらを全て避ける。

 

だがその間にも、他のIS乗りが接近しブレードで斬りかかってきた。

 

「喰らえ!」

 

「ちぃっ!」

 

それをルプスは鉤爪で防ぎ、蹴りを入れる。

 

だがそれと同時に、横からIS乗りの砲撃が飛んでくる。

 

「うおぉおおおっ!?」

 

咄嵯に両腕でガードしたが衝撃が走り、そのまま吹っ飛ばされた。

 

壁に激突した瞬間、今度は別のIS乗りがマシンガンを連射してきた。

 

「ぐぁっ!」

 

仮面ライダーのスーツは頑丈で撃ち抜かれることはないが、それでも痛みはある。

 

(まだだ…!

 

俺はこんなところで、倒れてたまるか!

 

もう、あんなことが繰り返されないためにも!)

 

そう思いながら立ち上がり、IS乗りたちを睨みつける。

 

「こんなところで…、こんなところで俺は!!」

 

怒りが頂点に達してるのか、頭が冴えていき、今までにないほど集中力が高まっていく。

 

ガルムレイズバックルを操作して地面に鉤爪を突き立てる。

 

【GARM STRIKE!】

 

その瞬間に足元が一瞬で凍っていき、IS乗りたちの足を凍らせていく。

 

「な、何これ!?」

 

「足が動かないわよ!?」

 

IS乗りたちは慌てて足を動かそうとするが、氷によって動けなくなっていた。

 

「アンタたちは俺が討つんだ、今日、ここで!」

 

青白く輝く両方の鉤爪を構え、ケーブルで更にIS乗りたちを拘束してそのまま凄まじい勢いで斬り裂いていく。

 

「はああああっ!!」

 

「「「きゃぁああっ!!!」」」

 

そして、最後の一撃を喰らわせ、IS乗りたちを撃破した。

 

「はぁはぁ…!」

 

「こいつ、男のくせによくも!」

 

「…っ!」

 

残っていたIS乗りが攻撃してきたが、ルプスは横に避け、ドライバーを操作してガルムレイズバックルが左側にさせる。

 

【REVOLVE ON!】

 

その音声と共に上半身の白銀の装甲が下半身に移動し、背中のコードは腰に来て、足の甲に装着された鉤爪は折り畳まれる。

 

「お前も、ふざけるなぁ!!」

 

【GARM STRIKE!】

 

怒号と共にガルムレイズバックルを操作し、IS乗りに向けてコードを伸ばす。

 

あまりにも早いのでIS乗りの体を瞬く間に縛り付けた。

 

「な、何よこのこれ!

 

外しなさいよ!」

 

IS乗りが喚き散らすが、そんなことは無視して右足を前に出す形で腰を低くして、両手を顔を隠すようにクロスさせる。

 

右足を高く持ち上げると足の甲から折り畳まれた鉤爪が伸び、青白く輝く。

 

そのまま天井ギリギリまで高く跳ぶとコードの戻る力の反発力を利用して、勢いよく飛び蹴りからの連続蹴りを浴びせる。

 

その際にはルプスの全身から牙を剥く狼のオーラが溢れ出し、IS乗りの体を噛み砕くように見えた。

 

「はああああーッ!!」

 

足先の鉤爪連続蹴りで切り刻み、そのまま壁に激突させる。

 

「…よし、これで全部だな」

 

IS乗りたちが全滅したことを確認すると、IS乗りが奪った金品を回収し、それらを全て外にいた店員や客に返し、その場から立ち去った。

 

人気のない場所で変身を解除し、寮に戻った大神はスマホを手に取り、家族の写真を見る。

 

そこには両親と妹と大神がいた。

 

「…」

 

それを見るたびに、大神は悲しい顔をしていた。

 

2年前、研究職の両親の仕事場に妹と一緒に見学に来ていた大神。

 

だがそこに女性権利団体が襲撃してきて、両親と妹、それからその場にいた研究員が目の前で殺された。

 

そしてそこへISパイロットとして救助にやってきた真耶に助けられて、そのまま保護されたのだ。

 

最初は女性権利団体に対して強い憎悪を抱いていた大神だが、自分が生き残ったことに罪悪感を感じており、サバイバーズギルトを発症してしまった。

 

それ以来、家族や研究所の人たちが殺される光景を悪夢として見るようになった。

 

(真癒、父さん、母さん…)

 

ポタポタと、写真の画面に涙が溢れる。

 

家族を失った悲しみと、何も出来なかった自分に対する悔しさが入り交じっていた。

 

手に持ってるこのスマホは、元々妹が持ってた物で、修理に出したりしながら使っている。

 

「……っ、うぅ……!」

 

涙を流しながら、スマホを強く握り締めた。

 

大神にはISに家族を殺された恨みもあれば助けられた恩もあるので、内心じゃあかなり複雑な心境だ。

 

だが、それでも自分は戦わなければならない。

 

それが唯一自分にできる、戦う理由なのだから……。

 

「……ごめん、真癒、父さん、母さん。

 

僕、頑張るよ。

 

必ずこんな悲しいこと終わらせてみせるから……」

 

そう呟いて、スマホのスイッチを切ろうとした時に、電話がなった。

 

「わっ!

 

…って学校から?

 

…あっ、そう言えば」

 

涙を拭って、時計を見るともう完全に授業が始まっていた。

 

それを見た瞬間に大神は血の気が引いてしまい、電話を出ると案の定教師に怒られてしまった。

 

「す、すみません! 次からは遅刻しませんから! はい!失礼しました!!」

 

慌てて電話を切り、大きなため息をつく。

 

その様子はまるでお手本のような見事な土下座だった。

 

「はぁ~、やっちゃったな……。

 

…じゃあ、僕は行ってくるよ、真癒、父さん、母さん」

 

スマホの家族写真に向けてそう言いながら、大神は学校に出掛ける準備をして、家を出た。

 

大神は基本的には一人称は『俺』だが、稀にこうして『僕』になることがある。

 

これは家族が殺される前から使っていた一人称で、家族を殺されてしばらくしてから前者の一人称を使うようになったからだ。

 

大神はこれからも生きる。

 

一人の学生としてもそうだが、悲しい過去を繰り返さないように、悪事を働くIS乗りに怒りの牙を剥く狼、仮面ライダールプスとして。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。