個性:クラスターセル   作:鳥松

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ヒロアカ6期楽しみですね。


USJ編(1)

 

次の日、再びヒーロー基礎学の時間。

 

 

「今日のヒーロー基礎学だが、俺とオールマイト、そしてもう1人の3人体制で見る事になった。内容は災害水難なんでもござれの人命救助訓練だ。コスチュームは各自の判断で着てこい。」

 

 

 そう言って教室を後にし、跳田を含めた全員はコスチュームを手に取り、更衣室に向かっていった。

 

 

「それにしても人命救助か…どうやろうかな…」

 

 

「跳田ちゃんなら視覚共有を活かして被害者の捜索なんて出来るんじゃないかしら。」

 

 

 独り言のつもりだったが、どうやら梅雨ちゃんには聞こえていたようで簡単なアドバイスを言われた。

 

 

「むしろ跳田さんなら色んなところで活躍できると思いますわ。」

 

 

「えっあっありがとう。」

 

 

 返されると思ってなかったので返事がうまく言えなかった。跳田が全員と気軽に話せるようになる日まだまだ遠い。

 

 

 全員が着替えを終え、相澤先生の所に行くとすでにバスが待機しており、準備万端だった。バスに乗ろうとすると飯田君から並んで乗るよう言われ、並んではみたがバスの構造が普段のとは違っており、空回りに終わった。

 

 

 

 バスの中では緑谷の個性とオールマイトの個性が似ていると話題になったり、爆豪君が上鳴君からからかわれたりと移動中はなかなか面白い雰囲気だった。

 

 

 大きなドーム状の建物の前でバスが止まる。相澤に引率されて中に入ると、そこには某アトラクションテーマパークに似た光景が広がっていた。

 

 

(USJみたいだな…) 

 

 

「水難事故、土砂災害、火事、etc.……あらゆる事故や災害を想定し、僕が作った演習場です。その名も、ウソの災害や事故ルーム!」

 

 

(USJだったわ)

 

 

 そんな説明をしてくれたのは雄英教師であるスペースヒーロー、13号。宇宙服に似たコスチュームを着ていて素顔は見えないが、災害救助の場でめざましい活躍をしており、紳士的なヒーローとしても人気が高い人物である。

 

 麗日はファンだったらしく13号の登場に歓声をあげていた。

 

 

 

「えー、訓練を始める前に、お小言を一つ二つ…三つ……四つ……」

 

 

(増える…)

 

 

「皆さんご存知とは思いますが、僕の個性は『ブラックホール』どんなものでも吸い込んでチリにしてしまいます」

 

「その〝個性〟でどんな災害からも人を救い上げるんですよね!」

 

 

 

 

 緑谷が彼女の活動方法を言う横で、私と麗日は「知ってる知ってる!」と13号の活躍を目に浮かべながら激しく頷く。

 

 

 

「ええ。しかし、簡単に人を殺せる力です。みんなの中にもそういう個性がいるでしょう」

 

 

 

確かに跳田自身も棘を作って人の心臓や脳に刺してしまえばいとも簡単に人を殺めることが出来るだろう。

 

 

 

「君たちの力は人を傷つける為にあるのでは無い。助ける為にあるのだと思って下さい。以上、ご静聴ありがとうございました」

 

 

 ザワッ!

 

 

 13号先生の話が終わった頃、跳田は全身の毛が逆立つような感覚に襲われていた。身体の中の飛蝗もザワザワと蠢くような感じがして普通ではない、異様な雰囲気がした。

 

 

(何…?何かイヤな予感がする…向こうから…?)

 

 

「それじゃあまずは………?」

 

 

相澤先生が授業を進めようとすると、相澤先生が見ている方向から黒いモヤのようなものが出現した。

 

 

「!!!全員ひとかたまりになって動くな!!13号!生徒を守れ!」

 

 

黒いモヤからは複数の悪意を持った人間が次々と出現した。跳田はそのなかでも手だらけの他の人間に比べると小柄な人間に注目し、目が離せなかった。

 

 

(何…あれ…見るだけで飛蝗が落ち着かない…何かに対しての怒りのような…悪意の塊みたいな…)

 

 

 

「動くな!あれは敵ヴィランだ!」

 

 

 

「どこだよ、オールマイト…せっかくこんなに大衆引き連れてきたのにさ…子どもを殺せば来るのかな?」

 

 

 

 だが、相澤先生の警告と体中に手だらけの男から発せられた悪意によって、生徒たちは否が応でも気付かされる。ヴィランの襲撃。その事実に生徒の多くが目を見開き、顔を引き攣らせてしまう。

 

 

 

「ヴィラン!?バカだろ!?ヒーローの学校に入り込んでくるなんてアホすぎるぞ!」

 

 

 

「何にせよセンサーが反応してねぇのなら、向こうにそういう事が出来る個性ヤツがいるって事だな。バカだがアホじゃねぇ。これは何らかの目的があって用意周到に画策された奇襲だ」

 

 

 

 轟君は冷静に状況を判断して言い放つと、場の緊張度が更に増す。相澤先生も轟君と同様の判断を下し、すぐに的確な指示を飛ばし始めた。

 

 

 

「13号、避難開始。学校に電話試せ」

 

 

 

 相澤先生が階下の敵たちに目線を向けたまま、13号に指示を出し連携を取る。

 

 

 

「センサーの対策も頭にある敵だ。電波系の奴が妨害している可能性がある。──上鳴、お前も〝個性〟で連絡試せ」

 

 

 

 名指しで呼ばれた上鳴が緊張した面持ちで「うっす」と返事をする。

 

 

 

「先生は? 1人で戦うんですか…?」

 

 

 

緑谷君が心配そうに声をかける。

 

 

「一芸だけじゃヒーローは務まらん。」

 

 

そう言って相澤先生は複数のヴィランがいる広場に飛び込んでいった。相澤先生は捕縛布と『抹消』の個性を使い、ヴィランに連携の隙を与えず、一人一人確実に行動不能にしていく。

 

 

「すごい、多対一こそ先生の得意分野だったんだ!」

 

 

「分析してる暇はないぞ!早く避難するんだ!跳田君も早く!」

 

 

「あっごめんなさい…」

 

 

手だらけのヴィランから目が離せず、避難が遅れ飯田君の言葉でふと我に帰る。ひとかたまりになって13号先生と一緒に出口へと向かう。だが、それを許すほどヴィランは甘くない。

 

 

「初めまして。我々はヴィラン連合。僭越ながらこの度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて頂いたのは平和の象徴、オールマイトに息絶えて頂きたいと思っての事でして」

 

 

生徒全員が理解出来ないであろう思想を話され、黒いモヤは出口への道を塞ぐように大きくなる。

 

「まあ、それとは関係なく私の役目はこれ」

 

 

 

 そう言って黒いモヤのヴィラン、黒霧はユラリと動きをみせるが、13号は『ブラックホール』を構えて黒霧を牽制する

 

 

 

 その時、先手必勝とばかりに切島君と爆豪君が黒いモヤに襲いかかった。だが、それは悪手だった。2人の立ち位置は13号の前であり、そこは『ブラックホール』の射線上だった。

 

 

 

「その前に俺たちにやられる事は考えてなかったか!?」

 

 

 

「ダメだ!どきなさい2人とも!」

 

 

 

「危ない危ない。そう、生徒といえど優秀な金の卵。散らして、嬲り、殺す」

 

 

黒いモヤは皆を囲むように広がり、全員を覆う。跳田は咄嗟に近くにいた尾白と自分を守る形で壁を貼る。

 

 

(ごめん!全員は守れない!)

 

 

「皆!」

 

 

黒いモヤは生徒を覆い、そのまま消えた。だがそこに生徒の姿はなかった。




次回は戦闘シーン盛りだくさんです。
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