個性:クラスターセル   作:鳥松

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遅くなりました。と直近3話ぐらい前置きでずっと言ってる気がする。
職場体験はヒーロー殺しの話だけだと面白くないからねオリジナルの話をやります。


職場体験(1)

ついにやってきた職場体験当日。跳田を含めたA組生徒は駅に集まっていた。

 

 

「くれぐれも失礼のないように!じゃあ解散」

 

 

相澤先生がそう言うと生徒たちはそれぞれの行き先に向けて歩きだした。因みにミルコが指定した場所は東京なので跳田の行き先は東京である。

 

東京と言えば先日、インゲニウムというヒーローが"ステイン"というヴィランに襲われたことで世間から注目されている。

 

ステインはまさに神出鬼没のヴィランで突然現れては多くのヒーローを殺傷し、そして姿を消す。通称ヒーロー殺し。

 

 

ミルコが指定した場所が東京なのもきっとヒーロー殺しが関係しているのだろう。東京には他にも飯田君が職場体験先らしい。

 

 

そんなことを考えながら歩いていると緑谷君と麗日さんが後から追ってきていたようだ。

 

 

 

「跳田さん!」

 

 

 

「ん?どうしたの緑谷君、それに麗日さんも。二人とも私と行き先同じだったけ?」

 

 

「そうじゃないんだ。跳田さんって行き先保須市に近かったよね!」

 

 

「え?ああ、そうだけど。どうしたの?」

 

 

 

「もし、その、出来ればでいいんだけど飯田君のことを気に掛けててくれないかな…」

 

 

「この前のヒーロー殺しの事件、覚えてる?」

 

 

 

「もちろん覚えてますよ、確かインゲニウムというヒーローがヒーロー殺しに襲われたっていう…」

 

 

「そのヒーロー、飯田君のお兄さんなんだ…」

 

 

「つまり……復讐…ですか……」

 

 

「飯田君がそういうことしない人だって信じてるけど…」

 

 

 

「そうですか…一応記憶しておきます。それより二人とも、電車の時間大丈夫ですか?」

 

 

 

「あ!そうだった!ごめん、跳田さん!ありがとう!」

 

 

 

「いえ、お構い無く。」

 

 

 

二人は時間を確認し、それぞれの行き先へと向かっていく。

 

 

 

(復讐か………)

 

 

 

跳田は体育祭の日に見た記憶を思い出した。両親を殺したヴィランを怒りに任せて殺した記憶を。

 

 

 

「私も……同じかもね……」

 

_______________________________________________

 

 

電車に乗って職場体験先である東京にたどり着いた。跳田自身電車に乗っての遠出は初めてだったので気分が高揚していた。学校から渡された地図をもとに指定された場所に向かう。駅からは結構近い。

 

 

(もうそろそろ指定された場所だけど…)

 

 

(どう見ても公園…だよな…?)

 

 

そこはどこにでもある普通の…いや、少し寂れた公園だった。とてもじゃないがNo.5のヒーローが指定する場所とは思えない。人気がないのか子供一人もいない。跳田はとりあえず公園のベンチに座って待っていると…

 

 

「おっ!?もういるじゃねぇか!!」

 

 

上空からなにやら声が聞こえる。すると次の瞬間、空からすごい勢いで何が着地した。

 

 

「!?え、えぇ!?なっ何事!?」

 

 

公園には土煙が舞い上がり、着地した物体を視認することができなかった。徐々に土煙が捌けていくとその正体を確認することができた。

 

 

 

「よう!!お前が雄英から来た跳田桐子で間違いないな!!」

 

 

 

「え?あっああ、そうですけど…」

 

 

 

土煙の中から現れたのは兎耳を生やしてコスチュームを着ている褐色肌のヒーロー、ミルコであった。突然のことに跳田は唖然とし、ミルコからの質問にただ答えるだけしか出来なかった。

 

 

 

「そうか!!じゃあ行くぞ!!」

 

 

「えっ?行くってどこに………ってきゃあ!」

 

 

ミルコは困惑する跳田のことなど気にもせず、突然跳田を片腕で抱き抱えた。

 

 

「よぉーし!落ちるなよ!」

 

 

「いやあのそれってどういう…………え、ちょまあああああぁ!!??」

 

 

ミルコは跳田を抱き抱えたまま、自慢の脚力で一気に空高く飛んだ。そのままミルコはどこかのビルの屋上に着地した。跳田は自分の個性で似たようなことをしたことはあったが、高さとスピードがまるで違っていたので情けない声で叫ぶくらいには動揺していた。そのため屋上に着地した頃には跳田はとっくに放心状態になっていた。

 

 

「ん?おーい?跳田ー?生きてるかー?」

 

 

 

「…はっ!一体何が…?うわぁ!?ミルコ!?」

 

 

 

「妖怪でも見たような反応するな。」

 

 

「いやいや!!突然あんなことされたら誰だって同じ反応しますよ!?」

 

 

「いやお前もこれくらいやったことあるだろ」

 

 

 

「ありませんよ!!私のとは高さもスピードもまったく違うんですよ!!それに私のはあんまり連続でミルコみたいにピョンピョン出来ないんですよ!!」

 

 

 

さも当然のことのように話すミルコに対して必死に抗議する。何の説明もなしにあんなことしておいて自分との実力差見せつけてくるとかやめて欲しい。

 

 

 

「ん?お前あの跳躍連続で出来ねぇのか?」

 

 

 

「出来ませんよ!!あれ五回ぐらい使うと何かが切れた感じがして痛いんです!!」

 

 

 

「あー…そりゃあれだな。筋繊維が切れてんだな」

 

 

 

「筋繊維…ですか……?」

 

 

 

「跳躍の衝撃に体が耐えきれてねぇんだな。まァあれだな使って行けば慣れるってことだな!」

 

 

 

 

「へー、なるほど。使って行くことによって体を強くして行くんですね!っていや、違くて、さっきから聞きたいことがありすぎて話についていけてないんですけど!」

 

 

 

「時間ねぇから聞きてぇことはコスチュームに着替えながら話せ!」

 

 

 

「着替えってここ屋外なんですけど…」

 

 

 

「いいだろ別に」

 

 

 

「ダメに決まってるでしょ!?」

 

 

 

「あー、わかったわかった。今から屋内行ってやるから。ほら、こっち来い」

 

 

 

「あ、はい。因みに移動方法って」

 

 

 

「あ?そんなのさっきと同じに決まってるだろ」

 

 

 

ミルコは先程と同じように跳田を抱え脚に力を入れて空高く飛んだ。

 

 

 

「うわあああぁぁ!?!?やっぱりいいいい!!」

 

 

________________________________________________

 

 

 

その後たまたま屋上から下に降りる扉の階段が開いているビルを見つけ、そこの階段の踊場でコスチュームに着替えていた。

 

 

 

「……質問いいですか」

 

 

「おう」

 

 

「なんで指定場所、公園だったんです?」

 

 

 

「お前がこっち来るより早いからだな」

 

 

 

「じゃあなんで東京なんですか?……やっぱりヒーロー殺しですか?」

 

 

「そうだな。東京を選んだのはヒーロー殺しをぶっ飛ばすためだな!それに!東京には他にもイカれたヴィランが沢山いるからな!」

 

 

「例えば……こいつだ!」

 

 

ミルコが端末を操作し、それが見えるように跳田の方へ差し出した。そこには赤髪の頭から角が生えた鬼のような人物の写真があった。

 

 

「こいつは "(くれない)" っていってな!金棒ぶんまわしながら建物を破壊するイカれた野郎だ!こいつの個性は爆発系の個性で止めようとしたヒーローが何人もやられてる。」

 

 

 

「そんなやつが東京に来てるって噂だ!そういう訳で今回は東京にしたってわけだな!それにオレの家もここにあるし!」

 

 

「……?そんな重要な時に職場体験先にして良かったんですか?私、自慢じゃないですけど、実践経験あんまりないですよ?」

 

 

 

「体育祭であんなに戦えてたら大丈夫だ!言っておくがオレはお前をバッチリ戦力として見てるからな!存分に戦ってくれよ!!」

 

 

「……はい、分かりました。お役に立てるよう頑張ります。それで早速、少しご教授願いたいのですが。」

 

 

 

「ん?どうした?」

 

 

「さっきの跳躍の話聞かせてくれますか?凶悪なヴィランと戦うなら今からでも出来ることは増やしておきたいんです。」

 

 

ミルコは跳田の言葉を聞くとニッと笑い、

 

 

「よおし!まかせろ!ついでに近接戦闘の稽古もつけてやるよ!」

 

 

「……!ありがとうございます!」

 

 

「よし!早速稽古だ!さっきの公園まで跳躍使ってついてこい!痛くなっても全力で使い続けろ!」

 

 

「はい!」

 

______________________________________________

 

 

 

日はすっかり沈み、辺りが暗くなった頃……。

 

 

「はぁ……痛っつつ…」

 

 

「おい、大丈夫かー?今日は行かなかったけど明日はパトロールちゃんと行くんだからなー」

 

 

「…わかって……ます……!」

 

 

 

「まあ、今日はオレの家でしっかり休んで明日に備えろ」

 

 

案内されたのはとあるアパートの一室だった。トップ10に入るヒーローだからさぞかし大きい家なのだろうと勝手に想像していたがそれを見て意外と普通なんだな、と跳田は思った。

 

 

部屋の中を見るまでは………

 

 

 

「げっ」

 

 

 

そこにあったのはとんでもなく散らかった部屋だった。無造作に履き捨てられた靴。足場もないほど散在したごみ袋。そこにトップヒーローとしての威厳は何一つ感じられなかった。

 

 

 

「おい?どうした?早く中入れよ」

 

 

 

「う、は、はい」

 

 

 

床に散らかったごみを踏まないように重い足を引きずってなんとか中に入る。

 

 

「よし!飯にするか!人参しかねぇけど!」

 

 

 

「マジですか……いいですけど。」

 

 

「ほいっ!」

 

 

ミルコから人参を投げ渡される。受け取った人参を見てみると…

 

 

(生……)

 

 

 

そこから夕食(人参)を食べた後、シャワーを浴びて後は寝るだけとなった。がここである一つの問題が発生する。

 

 

 

「………どこで寝たらいいですか」

 

 

ミルコの部屋の床には布団など置くところがあるはずもなく、ミルコは一人暮らしのためベッドは一つしかない。

 

 

 

「そんなもんここでいいだろ、ここで」

 

 

ミルコが指を指しているのは自分が寝ているベッド。つまりこの部屋で一つしかないベッドである。しかもベッドのサイズは密着すればギリギリ入るか入らないかぐらいのサイズ、さすがに女同士とは言えこれは良くないだろう。

 

 

 

「……いや、さすがに同じベッドっていうのは……」

 

 

 

「いいだろ女同士だし」

 

 

 

「そういう問題じゃないんですけど」

 

 

 

「あーうるせぇうるせぇ。明日も早いんだからさっさと寝ろ」

 

 

「ちょ、はなして下さい!このっ…うっぐぐぐ」

 

 

跳田がつべこべ言っていると隙をつかれて一瞬でベッドの中に引きずりこまれてしまった。跳田もしばらく抵抗するが途中からミルコの寝息が聞こえてきたため戦意を喪失し、大人しくこのまま寝ることにした。

 

 

 

(ぐっ…屈辱…!)




この二人のやり取り書いてて楽しい。でも、ミルコのキャラこれであってるかがすごく心配。
次回からは戦闘多めの予定。


今回の補足的なの


1.紅… オリキャラヴィラン。まだあんまりキャラが固まっ           
    てない。見た目は転スラの紅丸イメージ。

2.ミルコの指名理由… 体育祭優勝したやつなら戦えるだ
           ろ!ってだけの理由。軽い。

3,ミルコの部屋…作者の自己解釈。生活能力あんまなさそう

4.筋繊維…スプリングの時の回数制限は体が追い付いてなく      て筋繊維が切れてダメージがあった。つまり使い続ければ いずれ体も追い付く。職場体験編で回数制限はなくす予定。  

5.添い寝…なんか……すごい……えっち(語彙力)
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