個性:クラスターセル   作:鳥松

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感想嬉しいなあ!もっとくれよォ!


職場体験(2)

 

「おらぁ!遅れてるぞ、跳田ァ!痛くても気合いでついてこい!」

 

 

「~っ!っはい!」

 

 

職場体験2日目。跳田とミルコはビルとビルの間を飛び回っていた。跳田は脚の痛みを押し殺してなんとかミルコに食らいついていた。パトロールにしては移動速度が速すぎるとは思うがミルコの個性は『兎』。町の騒ぎを大きな耳で聞き付けることができるから念入りに町を歩く必要もないのだろう。

 

 

(にしても速い…!トレーニングの意味もあるんだろうけどついていくのに精一杯っ…!)

 

 

 

しばらく移動を続けているとミルコと跳田は異常を察知した。

 

 

ザワッ!

 

 

「跳田ァ!民間人の悲鳴だ行くぞ!」

 

 

(………なんだ……今の………USJの時みたいな……ザワザワする感じ……いや、今はそんなこと考える状況じゃない!)

 

 

跳田はその場で少し考えていたがすぐに切り替えてミルコが向かった方向に跳んだ。

 

 

「どけぇぇぇぇぇ!!!」

 

 

「道を開けろ一般人どもォ!ヒーローが来ちまうだろうが!」

 

 

「ヒャハハハハ!!!」

 

 

 

真っ昼間から大声を出して走っているのは6人組の男たち。その手には大きなバッグを持っており、隙間からは札束が顔を見せており、強盗犯なのは予想がついた。

 

 

だがそんなヴィランの逃亡をヒーローが見逃すはずがない。

 

 

「へぶっ!」

 

 

「なっ……!」

 

 

ヴィランの一人が蹴り跳ばされた。

 

 

「おいおいおい!!なんでここに……ミルコがいるんだァ!?聞いてねぇぞこんなの!!」

 

 

「よォ~し、こいつみたいに全員蹴り跳ばしてやるから覚悟しろよ、お前ら!」

 

 

 

逃亡するヴィランの前にミルコが立ちはだかる。いくらヴィランでもNo.5を見て立ち向かう程の勇気はないだろう。だとすれば逃げるほかない。

 

 

「ちっ、おい!やれ!」

 

 

「まかせろォ………咆哮!!!」

 

 

ヴィランの一人がミルコに向けて口を開けて大声を出す。普通のヒーローなら少し怯む程度の声量だったが、個性によって聴力が強化されているミルコはそうはいかない。

 

 

 

「ぎっ……!」

 

 

「よし、今のうちだ!二手に別れて逃げるぞ!撒いたら合流だ!」

 

 

ミルコは耳を押さえて突然の痛みに耐えていた。その隙にヴィランは二手に別れて逃走を始めた。

 

 

「ミルコ!大丈夫ですか!?」

 

 

 

「あぁ~~!!頭キンキンする!あいつらァ……許さん!跳田ァ!」

 

 

 

「はい!なんでしょう!」

 

 

 

昨日話していたような声とはまったく違い少し声色が低くなって顔が怖いミルコを前に返答がついかしこまってしまった。

 

 

 

「お前は二人の方を追え!気を付けろ、一人は大声で攻撃してくるぞ!それと!民間人の被害は絶対出すなよ!いいな!」

 

 

「了解です!」

 

 

 

跳田はその言葉を聞くと二人のヴィランを追うため跳躍で距離を詰めた。

 

 

 

「待て!」

 

 

 

「あぁ!?なんだこのガキィ?お前に構ってる暇なんてねぇんだよ!」

 

 

バァン!!

 

 

ヴィランは懐から銃を取り出し、跳田に向けて発砲した。だが跳田は瞬時に盾を作り出し銃弾をガードした。

 

 

「あぁ!?ちっ、おい撃ちまくれ!」

 

 

ガードされたのを見たヴィランはもう一人にも指示を出して跳田に向かって何度も発砲した。だが跳田は高く飛び上がり、その場から姿を消した。

 

 

「!?」

 

 

「跳んだ!?」

 

 

「撃て撃て!」

 

 

空中では攻撃を避けることができない。このまま蜂の巣にされるかと周りの人やヴィランは思った。

 

 

だが、

 

 

キィン!

 

 

跳田は手に持っていたサラリーマンが通勤で使うようなサイズのカバンを取り出し、それを剣のような形に変形させてその腹で銃弾を防いだ。

 

 

「何ぃ!?」

 

 

「はあああっ!!」

 

 

「おごっ!?」

 

 

跳田は変形させた剣ではなく空いていた左手でヴィランの顔を殴った。そしてそのまま右手の剣でもう一人のヴィランの持っていた銃を弾き飛ばした。

 

 

 

「こんの…ガキィ!!咆哮!!」

 

 

 

「ぐっ!あ"っ!」

 

 

(~っ!これがっ…ミルコが言ってたやつか……くそ……飛蝗の操作が出来ない……!なんで……?)

 

 

「舐めた真似しやがって……このガキがっ!」

 

 

「がっ……!」

 

 

ヴィランは弾き飛ばされた銃を拾い直して跳田に向けて発砲し、銃弾は腹部に命中した。撃たれた跳田はその場で倒れてしまった。

 

 

「さて……早く逃げねぇと……っ!?」

 

 

ヴィランがふと倒れた跳田の方を見ると絶句した。何故なら確実に銃弾が当たったはずの人間が起き上がってこちらに殴りかかって来ていたからだ。

 

 

「逃がすか……!ヴィラン!!」

 

 

「ごっ!?」

 

 

顔を跳田に殴られたヴィランは一瞬で気絶し、白目を向いて倒れていた。ヴィランが動かないことが分かると見ていた人から一斉に拍手が上がった。跳田を称える声も聞こえる。だが跳田はそれどころではなかった。

 

 

(痛った……!コスチュームが防弾じゃなかったらやばかった…!目覚める前に拘束しないと…)

 

 

 

「跳田ーー!!無事かー!」

 

 

「あ…!ミルコ…」

 

 

ミルコが反対方向から跳んで向かって来ていた。

 

 

 

「無事だったか?怪我は?」

 

 

 

「撃たれましたけど……なんとか…」

 

 

 

「撃たれた?お前それ平気なのかよ?」

 

 

 

「コスチュームが防弾だったので大した怪我じゃないです。」

 

 

「そうか、なら安心したぜ。てか、なんで耳抑えてんだ?お前も音に弱かったのか?お前の個性はバッタだろ?バッタって音に弱いのか?」

 

 

 

「よくわかんないですけど……結構距離が近かったのと正直たかが爆音だと思って油断してたのでそれが原因ですかね…」

 

 

「バカヤロウ」

 

 

「あいたぁ!?」

 

 

ミルコが跳田の頭に突然チョップをした。突然の頭の衝撃に跳田は頭を抑え不満そうな顔でミルコを見た。

 

 

 

「いいか、跳田。ヒーローがヴィランと戦う上でなやっちゃいけねぇことが二つある。何か分かるか?」

 

 

 

いつもより真剣な顔でミルコが話す。

 

 

 

「民間人に被害を出させないことと……ヴィランを逃がさないこと……ですか?」

 

 

「一個は正解だな。いいか跳田ヴィランと戦う上でやっちゃいけねぇことはな民間人に被害を出させないことはもちろんだが、もう一つはな、決して油断しねぇことだ」

 

 

「油断……」

 

 

「俺たちヒーローはな、初めて会うヴィラン、初めて見る個性と戦うことなんて日常茶飯事だ。いかに相手の個性や戦闘スタイルを分析してどう戦うかを考える、これがヴィランと戦って勝つための方法だ」

 

 

 

「でもな、相手の個性を分かった気になって油断してるとヴィランが奥の手を持ってた時にすぐやられちまう。今回のお前もたかが大声だと思って相手を油断した。結果、行動不能になって銃で撃たれた」

 

 

 

「今回はコスチューム着てたから良かったが本当なら大怪我だ。いいか?ヴィランと戦う時は決して油断するんじゃねぇ。常に相手が奥の手を隠してると思って戦うんだ。分かったか?」

 

 

 

「………はい……肝に銘じます……」

 

 

 

「よし!じゃあ早速そこで伸びてるやつらをケイサツに届けに……」

 

 

 

「ミルコさーん!少しお伺いしてもよろしいでしょうか!?」

 

 

 

「先程のヴィランを捕まえたのはあなたでしょうか!?」

 

 

「そこの彼女は新しいサイドキックですか!?」

 

 

「もしかして雄英生徒の跳田桐子さんですか!?」

 

 

 

「よぉし!順番に答えてやるから一人ずつ喋れ!」

 

 

(ひえぇ………さすがNo.5ヒーロー………マスコミが来るスピードが段違いだ……私こういうの苦手なんだからインタビューとか勘弁してくれよお……)

 

 

 

2時間後………

 

 

 

「すっかり暗くなっちまったな……てかいつまでそうしてんだ」

 

 

 

「うぅ……あんな細かい情報まで聞かれるなんて……インタビュー噛み噛みだったし……黒歴史確定だ」

 

 

 

二人がいるのはビルの屋上。跳田は恥ずかしさで顔を抑えて屋上の端っこでうずくまっていた。

 

 

 

「ったく…じゃあそろそろ………!!」

 

 

「!!」

 

 

 

跳田は昼に感じたようなざわつきを感じ、辺りを見渡す。すると町の一角から火柱が上がっている。

 

 

 

「跳田!お前、バッタと視覚共有出来るんだったな!」

 

 

「はい!」

 

 

「じゃああの辺りを探れ!無線機は持ってるな!ヴィランの位置と人数を伝えろ!」

 

 

 

「了解です!」

 

 

 

「オレはとりあえず様子を見てくる!指示があるまでそこ動くなよ!」

 

 

 

そう言うとミルコはそのまま火柱が上がっている方向へ跳んでいってしまった。跳田は飛蝗を飛ばして火柱の方向を探る。すると、そこには衝撃の光景が広がっていた。

 

 

「………え!?こいつってまさか……脳無!?」

 

 

『何!?雄英襲撃の時のヤツか!何体いる!?』

 

 

「………三体!全員バラバラの方向にいます!」

 

 

『分かった!いいって言うまでそこ動くなよ!』

 

 

「っはい!」

 

 

ミルコからの指示を受け、飛蝗で辺りを探る。するとまた別の方向から火柱がたち上った。飛蝗を向かわせて辺りをみてみると、そこには驚きの人物がいた。視界に映ったのは赤い着物を着た角の生えた金棒をもった男。それは先日見せてもらったヴィラン"紅"と同じ風貌だった。

 

 

 

「ミルコ……緊急事態です…」

 

 

『どうした!?』

 

 

「紅です…!ヤツが来ています!脳無と同じタイミングで……!町を破壊しています!戦闘許可を!」

 

 

『ダメだ!お前じゃ単独で紅を相手するのは無理だ!』

 

 

 

「私を戦力として期待して呼んだんでしょう!?なら許可を下さい!」

 

 

 

『だとしても紅は無理だ!脳無倒したら行ってやるから待ってろ!』

 

 

 

「それじゃ時間がかかり過ぎる!今も爆発で町が破壊されて行ってるんですよ!?見過ごせません!」

 

 

 

『だとしてもだな……!』

 

 

「ミルコ…昼に言いましたよね。ヴィランと戦う上でやっちゃいけないことは民間人に被害を出させないことと油断しないことだって」

 

 

 

「現在進行形で被害が出てるんですよ!それに!もう絶対油断しません!だから行かせて下さい!」

 

 

 

『~~~~っ分かった分かった!いいか!これだけは約束しろよ!勝てないって思ったら逃げろよ!絶対!絶対だからな!』

 

 

「っはい!分かりました!」

 

 

跳田はミルコの言葉を聞いて駆け出す。そのまま紅のところへ跳躍した。

 

 

_____________________________________________

 

 

「オイオイオイ!オイィ!!全っ然ミルコ来ねぇじゃねぇかぁ!?強ぇ奴と戦えるって聞いたから来たのにヨォ!」

 

 

紅は赤く赤熱化した金棒を振り下ろして大きな爆発起こす。その衝撃で周りの建物は大きく破壊され、半壊した。すると紅はあるものを発見する。

 

 

「ひっ……!」

 

 

 

「こんなところに幼女がいるじゃねぇかァ!!幼女!女は悲鳴が大きいからナァ。こいつ叩き潰したらさすがにミルコ来るよなぁ!」

 

 

「い…いや…!だ…誰か…!助けて……!」

 

 

「さあ!悲鳴をあげろ!出来るだけ大きくナァ!」

 

 

ガァン!!

 

 

「いってえぇぇ~!なんだァ!?オイィ!!マンホールゥ!?」

 

 

 

「その子から離れろ!」

 

 

 

「なんだァ……オメエ……!」




中々心配になる内容かもしれない。というわけで紅さんの登場です。次回は紅さんとの戦闘です。


今回の補足的なの

·今回の時系列は保須市襲撃と同じです。

·強盗ヴィランの個性……
一人しか個性を使ってませんが彼の個性は『咆哮』です。簡単に言えば大声を出すだけの個性。プレゼントマイクの個性が似ているが彼ほど範囲は大きくないが近距離での声量はプレゼントマイクよりも大きい。彼らはミルコがいることは知らなかったが今回はたまたまミルコに刺さった。

·ミルコの弱点
 作者の想像。兎だから大きい音には弱いだろうなーという単純な発想。

·跳田の弱点
大きい音に弱い。大きな音を聞くと跳田がビックリするため体のバランスが崩れて飛蝗の操作が出来ない。跳田は火だったり電気だったり音に弱かったりと弱点は意外と多い。

·紅さんのキャラ
チェ○ソーマンのデ○ジ君をモデルに。狂った戦闘狂をイメージ。書くのが楽しい。


·カバン
ゼロワン本編に出てきたアタッシュカリバー。長いので今後は「カリバー」と表記する。次回結構活躍する。


·マンホール
最強の武器でもあるし最強の盾でもある。某マンホール女優が元ネタ。
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