個性:クラスターセル 作:鳥松
雄英に入って二日目。今日から通常授業が始まった。雄英の授業は偏差値79のエリート学校ということでかなりレベルが高い。もともと跳田の学力は悪くはなかったが、雄英を合格するために猛勉強したおかげでなんとか授業についてきている状態だった。
だが、今跳田は勉強とは別に深刻な問題を抱えていた。それは、
(喋る人が…いない!)
友達がいないことだった。正直結構楽しみにしていた高校生活。友達がいないのはかなりつらい、だが友達をつくるのは昔から正直得意ではなかったので、いま大いに悩んでいるということだ。因みに小学校のときはそれなりにはいたのだが、中学校は地元とは違うところの学校に行ったため、友達はいなかった。
(いや、待て落ち着けまずは当たりをつけるのだ。クラス中で仲良くなれそうな人…
まず飯田、第一印象は良くなかったがクラスに最初に入って最初に話し掛けてくれたりあのモジャモジャ君にしっかり謝ったところをみると誠実そうで邪険にはしないだろう。)
(よし、ま友達ずは飯田君に話し掛けてみよう。何を話そうかな?話題、話題…わ…だ…い…?)
(こういうときって何を話せばいいんだ…?)
(くっ、不味い…もうすぐ午後の授業がはじまってしまう…!
なんとか話題を…!)
瞬間、本鈴と共に教室のドアが力強く開いた。
「わーたーしーがー!!普通にドアから来た!!」
ドアから現れたのはオールマイト。筋骨隆々な逞しい身体、力強く跳ね上がった二つの前髪、威風堂々とした佇まい、そして鳥肌がたってしまう程の異なった画風。教室は一気に沸き立ったが、余りのタイミングの悪さに一瞬本気でイラついた。
「は、跳田少女…?顔が怖いぞ…?」
「ハッ、すみません!何でもないです!」
「そ、そう?気を取り直して!早速だが、今日はコレ!戦闘訓練!!そしてそいつに伴って・・・こちら!入学前に送ってもらった『個性届け』と『要望』に沿ってあつらえた…コスチューム!!」
教室の壁が迫り出して、コスチュームが入ったロッカーが現れる。これには全員のテンションが上がる。中には立ち上がって喜ぶクラスメイトもいる。
「着替えたら、順次グラウンドβに集まるんだ!」
「はーい!!」
(ぐっ、まあいい。まだチャンスはある。それまで機を窺うんだ…)
男子と女子に別れ、各自更衣室に入っていった。コスチュームに着替えながら、女子同士でコスチュームについて色々話していた。
「ヤオモモ露出多すぎない!?なんで!?」
「い、いえ要望通りですわ。むしろ減ったぐらいですので…」
(そういえばあの子…体からいろんなもの出してたな…だからあんなに露出多いのか、私もああすれば良かったかな…いやさすがにあれは…)
「跳田さんは格好いいねぇ!スパイみたい!」
肌がピンク色の少女が話し掛けて来た。私は現在、サラリーマンが着るようなスーツを着ていて、しかもサングラスもしているので一見すると本当に映画に出てくるようなスパイに見えてしまうだろう。
「い、いいでしょ…」
話し掛けられて内心バクバクの跳田に正常な判断はできておらず、もしかしたら嫌味に聞こえてしまうような言葉で返してしまった。
(あっ…やば今の嫌味に聞こえちゃったかも。ヤバいヤバいヤバい、もし嫌味に聞こえてたら友達になるなんて絶望的あっもう無理これは死…)
「うんうん!格好いい!私もそういう感じの格好いい系にすれば良かったかもー」
「芦戸さんのコスチュームも似合ってますわ。」
「ありがとヤオモモ!」
(良かった…絶望して死んでしまうかと思った…そうだ!これは会話を繋げて仲良くなるチャンス!このままコスチュームの話題を…!)
「それでは遅れると行けませんし、行きましょうか。」
「そうだね。早く行こう!」
せっかくかなりの時間をかけて考えて、性能的にも防弾や防刃、無線機器を搭載出来るなど性能にも拘ったコスチュームだったが、そんなこと話す暇などなかった。正直自慢したかったので少し悲しくなった。
(嗚呼、現実は無情なり…)
やっぱりスーツで戦う人って格好いいよね!ちなみにデザインはまんまfateのバゼットさんのイメージです。手袋は個性の関係上してないですが。
コミュ障跳田ちゃん。独り言が多いのはそのせいだったりする。かわいいね。
次回、戦闘描写あり。作者死す。