楽しんでいただけている方が多いようなので、必ずとはいかないかもしれませんが、継続していきますね。
感謝:痒見沢武晶様、Sprite様、蜂蜜猫様、怪猫蜜佳様、幻燈河貴様、GatlingSai様、南無鉢様、WoL様。誤字脱字報告ありがとうございます。大変助かっております。皆様の貴重なお時間を使い、校正していただき、より良い二次創作となっております。
5月初日から、一週間が経とうとしていた。
洋介と櫛田さんを中心に放課後に勉強会を開いており、誘われた際は、俺も積極的に参加しているが、参加しようとするたびに斜め後ろから圧を感じることが多くなった。
多くのクラスメイトが参加しているが、一番赤点に近い、池、山内、須藤たちは、危機感がないのか全く参加してくる様子がない。
その上、須藤だけは堂々と居眠りをしており、クラスメイトたちから煙たがられていく。
都度注意しているが、キレられる。
そんな様子を見て、女子たちからは放っておきなよと言われるが、それで良いとは思えなかった。
なんとかしないと、本当に退学になってしまうかもしれない。
「二人とも、お昼暇? もし良かったら、一緒に食べない?」
そう話しかけてきたのは鈴音だった。
珍しい…というよりも初めてではないか。
などと思っていると清隆も同じことを考えていたのか、普段表情の起伏が少ないのに、はっきりと驚いている表情が見て取れる。
「……明日は、雪でも降るのか?」
「あら、綾小路くん? 別にいいのよ? 雨宮くんが来てくれればことは済む話だから。あなたも誘ったのは、雨宮くんがいないとぼっち飯になってしまうから、私なりの慈悲なのよ?」
「行きます。行かせていただきます」
清隆は鈴音に脅され?素直に従うことにしたらしい。
とはいえ、折角の誘いだ。何か裏がありそうとは思うが一緒に行こう。
3人で食堂に行くため、教室を出た。
食堂について好きなものを奢ってくれるとのこと。
一度、断ったが、無言の笑顔で見てくるので、大人しく奢られることにした。
清隆は腹いせなのかスペシャル定食を注文し、俺は牛タンシチューを注文した。ちなみに鈴音はスープ付きのサンドイッチセットだ。
そして、各々食べ始める。
清隆は何かあるんじゃないかとチラチラ鈴音の方を気にしながら食べ、鈴音は何かを企んでるかのように目で笑いながらチビチビとサンドイッチを食べている。
ふむ。
【かわいいな(頭の中でつぶやく)】
▶【かわいいな(口に出して断言する)】
【かわいいな(清隆の方を向きながら言う)】
「かわいいな」
「ブッ! ゴホッ! きゅ、急になに!?」
「あ、ごめん。 堀北さんがサンドイッチを食べてる姿を見たら、つい」
「蓮。またお前、恥ずかしげもなくそんなセリフをしれっと」
「でも、事実だろ?」
「ーー確かに。いつもの攻撃的な気配がない分、かわいく見えるかもしれないな」
「だろ」
ドンッ!
俺たちがそんなやりとりをしていると、スープスプーンを机に叩きつけ、堀北さんが睨みつけてくる。
「あなたたち? 私のことをバカにしているのね? そうでしょ? そうなんでしょ?」
「「滅相もございません」」
「スプーンじゃ殺傷性が低いわね。ちょっとナイフとフォークを借りてくるから、そこに座って待ってなさい」
「「申し訳ございませんでした!」」
二人して頭を下げた。
その様子を見て、鈴音は「まったく……」とため息をつく。
♪
《蓮の度胸が磨かれた!》
「余計な時間を使ったわ。話、聞いてもらうわよ」
「話とは?」
「茶柱先生の忠告以降、クラスの遅刻や私語は減って、大半のマイナス要素だった部分は消せたと言っても過言じゃない」
たしかに、須藤のことを除けば、皆ちゃんと生活態度を改め、授業を受けている。
「次に私たちがすべきこと、それは2週間後に迫っているテストでより良い点数を取るための対策よ。……すでに平田くんたちが行動を起こしているようにね」
勉強会のことだろう。
しかし、なぜ鈴音はこちらをジトっと見ながら言うのだろうか。
「前に雨宮くんに言われた通り、人には得手不得手があると思うの。そう考えると、須藤くんを中心に、池くん、山内くんあたりも簡単な問題が多かった小テストで赤点を取っているのだから、正直、中間テストの赤点回避は難しいでしょうね」
「つまり、あの3人を中心に洋介たちの勉強会に参加していない人を中心に勉強会を開いたほうが良いということか?」
「ええ。正直、今この瞬間も、彼らの言動や姿勢には、呆れているし、関わりたくないと思っているわ。でも、今後Aクラスを目指す上で、もしかしたら退学者が出ていることへのペナルティがあるかもしれない。池くんや山内くんはわからないけど、須藤くんは運動能力が高いから、運動でクラスポイントを得られる機会が来るかもしれない。……だから対策は必要だと判断したわ。それがこの一週間考えて導き出した私なりの考えよ」
驚いた。
あれだけ人と関わろうとしなかった鈴音が、もっとも自分とは異なる振る舞いをしているクラスメイトを助けようとしている。
隣を見ると清隆も驚いているようだ。
眼の前に絶望的な状況で、自分の気持ちを抑えてでも抗おうとする少女がいる。
ここまで彼女に言わせておいて、自分から言わないのは男が廃るというやつだろう。
「堀北さん。是非、手伝わせてくれ。他の誰でもない。俺が君の力になりたい」
「雨宮くん……、ええ、ありがとう」
鈴音はしっかりと頷き、そう言う。
「清隆も手伝ってくれるだろ?」
「……ああ、まあ、オレに何ができるかはわからんが、やれることはやるぞ。やれないことはやらないが」
「あら? 一番高いスペシャル定食を食べておいて、選択権があると思っているのかしら?」
「くっ、それが狙いだったか堀北」
清隆がわざとらしく、悔しがる。
全く、わかっていただろうに素直じゃないな二人とも。
「堀北さん。次からはこんな回りくどい方法を取らなくてもいい。ちゃんと相談してくれ」
そう伝えると、
「……だって、人の手を借りるなんて、初めてだから……、断られたら、その、嫌じゃない……」
「だから、貸しを作って断りにくくした?」
「ーーっ。そ、そうよ! な、何か悪いかしら!?」
もうやだ、この子。
なんというか、ここまで不器用だと、もう。
俺は目を片手で覆って、空を仰ぎ見て、叫ぶ。
「かわいい!!」
その後、突如食堂で大声で叫んだことで、周囲から注目を集めてしまい、一度その場を離れないといけなくなった。
離れている最中に、鈴音は、俺がいきなり叫んだことや食堂を離れないといけなくなったことなどに文句を言ってくるが、不機嫌というわけではなさそうだったので、安心した。
とりあえず、中庭まで足を運び、作戦会議をすることになった。
「まず、現状の確認をしよう」
「そうね。状況を整理する上で必要でしょう」
そう言って、現状の確認を行った。
①大半のクラスメイトは、洋介と櫛田さんを中心に勉強会に参加している。
②現状の最大の課題は、赤点を取る確率が高い上に、中間テストを楽観視している須藤たちを如何に勉強させるか。
「ここまでは、いいわね」
「ああ。ここからは、何か見落としがないかだ」
「見落とし……何かあるかしら?」
何かあるだろうか。
そんな風に考えていると、
「ちょっといいか?」
清隆が話してくる。
「清隆。何か気づいたか?」
「いや、クラスを見ていると須藤たち以外にも赤点を取っていなくても、不安要素があるはずなのに単独でいるやつらがいるが、そいつらは大丈夫なのか」
「たしかに、外村くんや……えっと、あの須藤くんの隣に座っているメガネをかけた…」
「佐倉さんのことか?」
俺がそう言うと鈴音は、訝しむようにこちらを見てくる。
「さすが、雨宮くん。女生徒の情報を得るのが早いのね?」
「いや、もう一ヶ月経つし、クラスメイトの名前ぐらいは覚えるだろう普通」
そう返すと、鈴音と清隆は視線をそらす。
清隆……お前もか。
「と、とにかく。綾小路くんが言うように、そうした生徒はなぜ、勉強会に参加しないのかしら?」
「いや、それは入りにくいだろ。あのキラキラした空間は」
「なぜ?自分が退学するかもしれないのよ?そんなこと言ってる余裕あるかしら?」
「堀北。それはお前の考えであって、他のやつらが皆そうなのか?」
「それは……そうね。これは私の考えを一方的に言っているだけね。訂正するわ」
鈴音は清隆の指摘に少し考え、答えた。
「そうすると、その人達への対応も必要ね」
③勉強会に参加できないクラスメイトを手助けする。
「これぐらいかしら」
「……そうだな。現状はこのくらいだろう」
「そうしたら、次は『どうするか』ね……」
そう言って、鈴音は思案を始める。
「まず、私は赤点候補を中心に勉強会を開こうと思うわ」
「まあ堀北が言い出しっぺだしな」
「……そこで、綾小路くんには須藤くんたちを勉強会に誘ってほしいのよ」
「オレにか。まじか」
「本気よ。まず、私はそもそも須藤くんたちとの接点がほとんどないし、雨宮くんは、その……適任ではないと思うの」
「ああ。確かに……」
そう言って、二人してこちらを見てくる。
「はっきり言っても良いんだぞ。嫌われている自覚はある」
「蓮。メンタル強すぎないか?」
「そうか?」
「とにかく、綾小路くんにはなんとか須藤くんたちを勉強会に誘ってほしいのよ。その後は、私が中心となって勉強を教えていくわ。雨宮くんはその勉強会の状況によっては参加してもらうつもりよ」
「わかった」
「その間に雨宮くんには」
「他のクラスメイトへの対策だな」
「そうよ。話が早くて助かるわ」
そこまで話して、俺たち3人は具体的にどう動くかを話し合い、教室に戻ることにした。
平素より、お気に入り登録、感想・評価、誤字脱字報告等々誠にありがとうございます。
ここまでお読みいただいた方も気に入っていただければ、お気に入り登録、感想・評価等、何卒よろしくお願いいたします。
本日はちょっと短めでご提供させていただきました。
また、アンケートへのご協力ありがとうございました。
無理ない範囲で続けさせていただければ幸いです。
そして、色々と楽しくなってしまったせいか、いつも以上に主人公が壊れてしまいまいした。
あのカッコイイ、ジョーカーはどこへいったのだ……。
ようやく昨日長い1話を書き終えました。
独自イベントを書いてみて、自分では大満足なのですが、おそらく読者の方々のご期待には添えないかと思います(可愛い女の子のイベントじゃないから……)。
あまり期待をせず、更新を待っていただければと思います。
それでは、
もしも選択肢のコーナー(分岐はただの妄想です)
【かわいいな(頭の中でつぶやく)】
【かわいいな(口に出して断言する)】
【かわいいな(清隆の方を向きながら言う)】
頭の中でつぶやくいても、特に好感度は上がりませんが、じーっと見てくる主人公に対して、堀北さんが訝しむ表情でジト目で「なに?」と答えてくれます。ただのジト目好きへのご褒美です。
綾小路の方を向きながら言うと、他の選択肢では登場しない謎の女生徒がエンカウントして、「きゃー」と言って去っていきます。次の日に「イケメンランキング(BL版)」が作成され、流布されます。そして、綾小路と1学期中疎遠になります。
なぜこんな選択肢を書いてしまったのか……。
深夜のテンションが全ていけない。
以上です。