ようこそペルソナ的人間模様が繰り広げられる教室へ   作:行天

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ここ好きを見ていると、やたら綾小路とのホモォな選択肢が好き好きされているのに気づきました。男性の方がしていると思うとちょっと複雑な気持ちになった今日この頃。さすがにこの二次創作に女性読者はいないだろと勝手に思っています。

今日は前回の内容が激アツ展開だったので、少し箸休め回です。

感謝:誤字脱字報告ありがとうございます。お陰様で筆者の足りない、文章力が補完されております。




堀北会

 5月2周目に入り、先週とは打って変わって、クラスの雰囲気は穏やかな様子だ。

 健(「須藤じゃなくて健って名前で呼んでくれよダチ公」と言われた)が遅刻せずに、真面目に授業を受けていることから始まり、池や山内たちも先日の一件から、何故かモチベーションが上がっている。

 そして、最近は話しかけても毛嫌いされずに済んでいる。

 当人たち曰く、男として燃えるものを感じたとのことで、何を言っているのかさっぱりわからないが、話しかけられるようになったのなら、それで良い。

 堀北鈴音が開催している勉強会、通称「堀北会(本人は嫌そう)」も健たちに加え、沖谷くん、外村くんも参加し、好評である。

 俺も洋介たちのグループと日替わりで参加しているが、今のところ、ちょいちょい弱音を吐きつつも皆頑張っている。

 

 そして、新たに謎が発見された。

 それは、手に入れた過去問にあった。

 前回、小テストが全く同じであったので、過去問も似たようなものがくると予想されたが、発表されているテスト範囲と相違があったのだ。

 これについて、先日、清隆と鈴音と櫛田さんで考察をした。

 

「やはり、今回のテストは例年とは違うということかしら」

 

 そう言ったのは鈴音だ。

 

「どうだろうな。オレとしては、蓮が手に入れた過去問は、話に聞いた先輩たちの様子からも確度は高いと思うぞ」

「そうね。でも、そうじゃない可能性は否定できないでしょう?」

「まあ、そうだな」

「うーん。難しいよね。先生たちがテスト範囲を間違えて伝えるはずないし、でも過去問も信憑性が高いし」

「そして、仮にテスト範囲を間違えてませんかなんて聞いたら、過去問のことも勘ぐられてしまうかもしれないわね」

 

 そうして、4人でどちらが正しいのか考えた。

 そして、結論として、

 

「半分ずつ、とりあえず勉強の範囲に入れましょう」

「いいのか。須藤たちがどっちつかずになるかもしれないぞ」

「そうかもしれないわ。でも、おそらく、これは私の見立てだけど、テスト範囲の変更があるかもしれないわ」

 

 鈴音がそう言うと、櫛田さんが不安そうな顔をする。

 

「堀北さん。大丈夫かなそれで。それでテスト範囲通りだったら、堀北さんが責められちゃうよ」

「……大丈夫よ櫛田さん。その覚悟は私にはあるし、もしそうなっても、雨宮くんが協力してくれるわ。そうでしょ? 雨宮くん」

 

 鈴音に真っ直ぐと見られながらそう言われて、「ああ、もちろんだ」と力強く頷いた。

 ほんの一瞬だけだが、櫛田さんの表情が固くなったような気がした。

 しかし、まばたきをすれば、すでに愛想の良い、いつもの笑顔であった。

 

「うん。わかったよ。私も堀北さんを信じるね」

 

 そう言った櫛田さんを見る限り、本当に信じてくれているように見えるが、何故か違和感が拭いきれない。

 そのようなやり取りがあり、現在、言われているテスト範囲と過去問の内容をミックスして、健たちの勉強に反映させている。

 途中でテスト範囲と違うことに気づくかと思ったが、完全に鈴音を信じているのか、はたまた本当に気づいていないのか、特に疑問を持たずに堀北会は進められている。

 

 

 

 

 その日は、堀北会の方へと参加し、図書館で勉強をしていた。

 

「授業受けていて思ったんだけどよ。地理ってそんなに難しくないよな」

「確かに、化学もそんな風に感じたな」

 

 池と山内がそんなことを言う。

 おお!と素直に感心してしまった。

 

「そうだね。基本的には暗記問題が多いからじゃないかな?」

 

 櫛田さんがそう言って同意する。

 

「でも、油断は禁物よ。そこの二人は、数学と英語のように基礎ができていないと解けない問題があるのだから、特によ」

「へいへーい」

「わかってるよ」

 

 鈴音に厳しめに指摘され、池も山内も少し不貞腐れる。

 

「おめえら、堀北と櫛田、それに蓮もいるんだから気合入れろよ!」

「わ、わかってるよ須藤」

「ま、まかせとけって」

 

 しかし、健がいい感じに二人に活を入れるので、大きな不満にはなっていないようだ。

 安心して、勉強を続けられる。

 ふと、そういえば、しばらく図書館で勉強しているが、ひよりが見受けられない。

 テスト期間だからか、確かに人が多いので、見つけにくいこともあるが、いないというのは珍しい気がする。

 いや、そもそも5月になってからひよりとも神室とも会っていないな。

 クラス間の競い合いのルールが発表されたから、もしかしたら警戒されているのか?

 もしそうなら少し寂しいな……。

 などと考えていると、 

 

「櫛田。オレが50点取ったら、デートしてくれ」「あ、てめえ綾小路! ずりぃぞ! 櫛田ちゃん俺も俺も!」「お前ら櫛田ちゃんは俺のもんだぞ! 俺は60点取るから、そしたらデートして!」「ええ、困っちゃうなー。私、テストの点数なんかで人を判断しないよ?でも、どうしてもって言うなら、満点取った人とデートしようかな。嫌いなことでも頑張って努力できる人は、私、好きだから」「うおおお! ぜってえ満点とるぜ!」「やったらああ!」

 

 と何故か満点を取った人と櫛田さんがデートをすることになっていた。

 

「おい、ちょっとは静かにしろよ。ぎゃーぎゃーうるせぇな」

 

 流石に騒ぎすぎたようで、隣で勉強をしていた生徒の一人が苦情を言ってきた。

 

「悪りぃ。悪りぃ。ちょっと騒ぎすぎてた」

 

 池が調子良くそう謝ると、訝しむように苦情を言ってきた生徒はこちらを見てくる。

 

「お前ら、ひょっとしてDクラスか?」

「え、そうだけど?」

 

 池がそう答えると、隣の男子たちが一斉に顔を上げて、立ち上がり、こちらを見下ろしてくる。

 

「はっ。どうりで試験が近いってのに、お気楽なやつらだと思ったぜ」

「あん? 俺らがDクラスじゃ悪いってのかよ」

 

 健が苛ついたようにそう返す。

 そう返された生徒は、机に開いてあるこちらの教科書を見て、ハッと鼻で笑ってくる。

 

「さすが、『不良品』どもだぜ。テスト範囲を未だに間違っているようじゃ結果は決まったようなものだな」

「んだと! てめえ! もう一度言ってみやがれ!」

 

 健が怒りをあらわにし、立ち上がる。

 それを見て、

 

「健。落ち着け」

「蓮。でもよ……」

「まかせろ」

 

 俺は立ち上がり、隣の男子たちに近づく。

 

「んだよ。てめえは」

 

 さて、なんて返そうか……、

 

 

 【1-Dの雨宮蓮だ。よろしく】

▶【人の名前を聞くときは、まず自分から名乗るものだ】

 

 

「ふむ。普通、人の名前を聞くときは、まず自分から名乗るものだと思っていたが、違うのか?」

「ああ! んだと!」

「なるほど、俺たちが『不良品』なら、そちらはどうやら『非常識』のようだな」

「てめえ、ふざけたこと言ってんじゃねえぞ!」

「『てめえ』ではない。1-D、誇り高き『不良品(Clinker)』の雨宮蓮だ。よろしく『非常識(Applehead)』君。ついでに、なんて言ったかは辞書で調べてみれば分かるぞ。もちろんいい意味ではない」

「やんのかてめえ!」

 

 そう言って、その男子はネクタイを掴み上げてくる。

 

「おい、山脇。やりすぎだ。龍園さんにどやされるぞ」

「ちっ」

 

 こちらに怒声をあげた男子は、他の男子に言われ、すぐにネクタイを離してくる。

 そして、舌打ちをしつつ、こちらを小馬鹿にした笑みを浮かべる。

 

「てめえ。雨宮って言ったか。たしか『洗濯機』って変なあだ名がついてただろ。うちのクラスでも有名だぜ」

 

 有名だったのかそのあだ名。

 さらに目の前の男子は続ける。

 

「大方、その髪型からつけられたんだろ? 『洗濯機』に放り込まれたように、くるくる頭悪そうな髪してるからな」

 

 なるほど。こいつ天才か。ようやくその謎のあだ名の由来がわかって――、

 

「なんですって!? もう一度、言ってみなさい……」

 

 なぜがガタッと大きな音を立てて、修羅のような表情で鈴音が怒り出す。

 その様子を見て、目の前の男子たちが一歩下がる。

 俺はどうどうとジェスチャーで落ち着かせようとする。

 気にしてない気にしてない。

 だが、まだ鈴音はごそごそと何かを取り出そうとしている。

 おっと、コンパスか! コンパスなのか!?

 健も加勢してやるぜぐらいの勢いで指をゴキゴキ鳴らす。

 お前たち、ホント、落ち着いて。

 

 そんなやり取りをしていると、

 

「はい、ストップストップ!」

 

 一人の女生徒が、俺たちの間に入ってきて、両者に手のひらを見せてくる。

 

「この図書館を利用させてもらってる生徒の一人として、この騒ぎは見過ごせないかな。これ以上言い争うなら、学校側に報告しなきゃいけないけど、それでもいいのかな?」

 

 女生徒は男二人の間に立ちながらも堂々とした様子で、そう告げる。

 大した胆力だ。

 注意されたどこかのクラスの山脇は、納得いかない様子だが、素直に女生徒に謝罪した。

 

「わ、悪い。そんなつもりはないんだよ、一之瀬」

 

 思い出した。

 たしか、星之宮先生に話しかけていた生徒だ。

 

「おい行こうぜ。こいつらと関わってたらバカが移るし」

「だ、だな」

 

 山脇と他の男子たちがささっと荷物を片付けて図書館を後にした。

 それを見送って、一之瀬さんがこちらを見る。

 

「君もあんな風に挑発しちゃダメだよ」

 

 しっかりと可愛らしい顔つきなのに真剣な様子でそう言ってきた。

 俺は……、

 

 

 【もう少し、『英語』の勉強に付き合ってもらいたかったのだがなと悪びれもなく言う】

▶【「すまない」と素直に謝る】

 

 

「すまない。クラスメイトをバカにされて、つい頭に血が上ってしまった。仲裁ありがとう」

 

 しっかりと頭を下げて謝罪した。

 

「クラスメイトをバカにされて怒る気持ちはわかるけど、ケンカはしちゃダメだよ」

「ああ。気をつける」

「うん。じゃあ、この話はこれでおしまい!」

 

 そう言って、一之瀬さんは朗らかに笑う。

 

「1-Dの雨宮蓮だ。よろしく」

 

 改めて、自己紹介をして、握手をするために手をのばす。

 すると一瞬ビクッと一之瀬さんが体をわずかに跳ねさせる。

 

「ああ、ごめん。いきなり握手は、驚くよな。すまない」

「う、ううん。ごめんね。そうじゃないの、気にしないで。私は1年Bクラスの一之瀬帆波。よろしくね雨宮くん」

 

 そう言って、取り繕うような笑顔で一之瀬さんはそう答えた。

 

「ところで、いきなりで悪いが、さっきのやつらが、テスト範囲が違うとか言っていたんだが、Bクラスは何か知っているか?」

「テスト範囲? 先週の金曜日に、星之宮先生がテスト範囲が変更になったって言って教えてくれたけど、Dクラスは違うの?」

 

 その話を聞いて、健たちが「聞いてねえ」や「どういうことだ?」と困惑している。

 やはりそうなったか。どうやら鈴音の読み通りらしい。

 

「ありがとう一之瀬さん。どうやら茶柱先生の連絡ミスらしい」

「そうなんだ……。大変だと思うけど、頑張ってね」

 

 そう言って、一之瀬は元のBクラスのクラスメイトたちのところに戻っていった。

 少しだけ「さすが一之瀬さん!」「すごいすごい!」「にゃはは、そんなことないよ」と言った声が聞こえた。

 

 

 

《蓮の度胸が磨かれた!》

 

 

 

 さて、テスト範囲が違うとわかったこちらは、大焦りの声が聞こえる。

 

「やべえ、テスト範囲が違うってどういうことだよ」

「終わった……。終わったでござる……」

「なんで茶柱先生は、言ってくれねえんだよ」

 

 各々思い思いに、焦りを口にする。

 その様子を見て、櫛田さんが「みんな――」と声をかけようとしたが、

 

「落ち着きなさい」

 

 と鈴音の一言で、注目が彼女に集まる。

 

「詳細はまだ言えないけど、この事態は予測できていたわ。あなたたちと進めたところの半分はテスト範囲に入っているはずよ」

 

 堂々と鈴音がそう告げると健たちは驚きの表情を浮かべる。

 

「でもまだ確証があるわけではないわ。今日は一旦中止にして、茶柱先生に聞きに行くわよ」

 

 そう言って、鈴音が荷物を片付け始めると、健たちもワンテンポ遅れて準備を始めた。

 

 

 

 その後、洋介たちとも連絡を取り、大勢で茶柱先生に聞きに行くと、特に悪びれもなく、伝え忘れていたことを白状し、五科目分のテスト範囲の紙を渡してきた。

 

「堀北、お前のお陰でミスに気づくことができた。皆も感謝するように。以上」

 

 そう言って、もう取り合わないという姿勢を見せた。

 クラスメイトたちは、ぶーぶーと文句を言っていたが、同時に、テスト範囲の変更に気づけたこと、健たちに至っては、その予想があたっていたので、鈴音に感謝する生徒がほとんどであった。

 鈴音は、少し戸惑いながらも、「私だけで気づけたことじゃないのよ。雨宮くんがヒントをくれたから」と言ったら、今度はこちらにも皆で「ありがとう蓮くん!」、「さすが雨宮くん!」、「さすが俺のダチ公!」などの感謝の言葉がかかってくる。

 誰一人として、絶望はしていなかったので、本当にいい雰囲気になったなと思った。

 

 しかし、他のグループに参加していないクラスメイトに急ぎ伝えるために、クラスメイトのほとんどの連絡先を知っている櫛田さんにそのことを頼もうとしたが、彼女の姿は見えなかった。

 最近、様子がおかしいように感じた。

 大丈夫だろうか。

 櫛田さんのことを心配しつつ、その場にいたクラスメイトに話を聞いて、連絡先を知っている人からテスト範囲変更の連絡を入れてもらった。

 

 

《蓮の魅力が磨かれた!》

 

 

 

 その後、今日は解散という話となり、自分の部屋に戻ってきた。

 さて、何をしようか。

 

 

 

 【テスト範囲のこともあるし、勉強しよう】

 【こんなときこそ、料理だ!】

▶【少し、甘いものが飲みたいな。ジュースでも買いに行こう】

 

 

 今日は少し疲れたな。

 甘いものが飲みたい。

 外の自販機にジュースでも買いに行こう。

 そう思い、俺は自室から出た。

 

 

 




 平素より、お気に入り登録、感想・評価、誤字脱字報告等々誠にありがとうございます。

 ここまでお読みいただいた方も気に入っていただければ、お気に入り登録、感想・評価等、何卒よろしくお願いいたします。

 ということで、一之瀬さんとようやく会えましたね。
 ただ、彼女とのコープ開放はもう少し先の予定です。

 さてさて、次回もかなり気合を込めて書かせていただきましたが、内容については、賛否両論あると思います。
 一応私なりの考察?は後書きに書こうと思います。
 乞うご期待!

 
 それでは
 もしも選択肢のコーナー(妄想です)


▶【1-Dの雨宮蓮だ。よろしく】
 【人の名前を聞くとは、まず自分から名乗るものだ】

 普通に挨拶を返されます。
 特に面白みにかけますが、その分、山脇くんたちからのヘイトは稼ぎません。
 一之瀬さんも仲裁に入らないので、認知できません。


 
▶【もう少し、『英語』の勉強に付き合ってもらいたかったのだがなと悪びれもなく言う】
 【「すまない」と素直に謝る】

 一之瀬さんからあまり良い印象は得られませんが、Dクラスの3馬鹿トリオからは少し評価があがります。
 ちなみに英語のルビが入っているところは当字な部分もありますので、ご了承ください。


 【テスト範囲のこともあるし、勉強しよう】
 【こんなときこそ、料理だ!】
 【少し、甘いものが飲みたいな。ジュースでも買いに行こう】


 実はこの選択肢が分水嶺で、一番下以外を選択した場合は、取り返しがつかないことになっていました。
 さすが主人公ですね。
 ちなみに他の選択肢はパラメーターがアップする行動なので、自分磨きになります。



以上です。

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