ようこそペルソナ的人間模様が繰り広げられる教室へ   作:行天

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 感謝:いつも誤字脱字報告ありがとうございます!大変助かっております。

 予告通り、今後は投稿に数日お時間いただきますので、ご理解の程よろしくお願いいたします。

 この話から原作2巻の内容を扱っていきます。
 あくまで筆者の妄想ですので、寛大な目で読んでいただければと思います。



第2章 事件勃発
友のために 前編


 明後日には6月になるそんな5月の月末。

 普段どおり皆、落ち着いて授業を受けている。

 はずなんだが、時折視界を横に向けると、顔はしっかりと前を向いているが、気持ちはここに無いような様子の健が見える。

 どうしたのだろうか?

 昼休みにでも聞いてみるか。

 

 

 

 昼休みになり、健は池や山内も誘わずに、一人で教室を出ていった。

 話しかけようと思ったんだが、どうする……。

 

 

▶【健を追いかけてみる】

 【そんなことより腹が減った……】

 

 

 追いかけてみよう。

 そう思い、追いかけるように教室を出た。

 視界の先に健が見える。

 早歩きをして、後を追いかけた。

 丁度曲がり角に差し掛かったところで健に声をかけた。

 

「健」

「ん? ああ、蓮か」

「どうした? 心ここにあらずって様子に見えるぞ」

「ああ、やっぱりおめえにはわかっちまうんだな」

 

 そう言って、健はバツが悪そうに頭をかいた。

 

「それで、どうしたんだ?」

「ああ、最近よ。部活でちょっとな……」

 

 健はそう言って話し始めた。

 どうやら、最近、同じ部活の1年が部活中に健にちょっかいをかけてくるらしい。

 理由は、まず、顧問の先生から、夏の大会でレギュラーとして選ばれるかもしれないという話しがあったとのこと。

 それに対して、同じ部活の小宮と近藤というCクラスの二人が、色々と不満を健に言ってきているらしい。

 しかし、それはお門違い。

 つまり、健がバスケの実力を認められて、顧問より評価されているだけなのだから。

 だが、その二人はどうにも納得してないようで、ちまちまとバレないような嫌がらせをしてきて辟易しているとのこと。

 最初は、言い返したり、怒りも湧いたそうだが、クラスのことやバスケをやるにあたってそうした感情は、抑えねえとと思ったようで、健なりに授業中にそうした嫌な記憶を思い出さないように、ぼーっとすることで感情を抑えようとしていたらしい。

 そこまで聞いて、俺は…………、

 

 

 【そんなやつら、一度ぶっとばしちまえよ】

▶【さすが、バスケットマンだ。俺はお前を尊敬する】

 

 

「健。さすが、バスケットマンだ。嫌がらせに対しても感情を抑え、バスケというスポーツに対して真摯に向き合うその姿。……俺は健、お前を尊敬するぞ」

「い、いきなりなんだよ。恥ずかしいこと言ってんじゃねえよ」

 

 そう言いながらも、どこかしら嬉しそうな顔をしている。

 だが、心配だな。

 ひよりによれば、最近Cクラスは不穏な動きをしているらしい。

 健の件も関係しているかもしれない。

 

「健。何か心配なことがあれば、俺に相談してくれ。何ができるかは分からないが、必ず力になろう」

 

 俺が、力強くそう伝えると、健は指で鼻をすすり、照れくさそうにこう言った。

 

「おう! 頼りにしてるわ! お前もなんかあれば相談してくれよ!」

「ああ、俺達はマブダチだからな」

 

 そう伝えると、「へへ、そうだよな!」と言って、健が拳をこちらに見せるように出してきたので、俺は同じく拳を出し、お互いに拳同士を合わせた。

 

 

 

 

 

 放課後、図書館でひよりと最近読んだ本の内容で盛り上がっていると着信がなった。

 ひよりに断りを入れて、電話に出ると相手は健であった。

 

『悪りぃ蓮。このあとちょっと時間もらえるか?』

「どうした?」

『小宮と近藤が俺のことを呼び出しやがってよ。いい加減ケリをつけてえんだが、なんつうか嫌な予感がすんだよ。だから、お前にも来てほしくて』

 

 どうやら、先程の話に上がった二人が健を呼び出したらしい。

 どうにもきな臭いな。

 だから、俺は…………、

 

 

 【「今、ひよりと過ごしているから悪いが無理」と断る】

▶【「よく相談してくれた。嬉しいぞ」と健からの信頼に応える】

 

 

「よく相談してくれたな健。嬉しいぞ」

『手間かけてすまねえ。頼まれてくれるか』

「ああ、もちろんだ。どこで落ち合う?」

『じゃあ、部活の片付けしてから行くからよ。特別棟前の自販機のところでいいか?』

「わかった。じゃあまた後で」

『蓮。ありがとな!』

 

 そうして通話を切った。

 ひよりの方を見ると、どうかしたのかと不思議そうに見てくるので、友達が困っているから、ちょっと手助けに行ってくることを伝えた。

 それを聞いたひよりは少し考えるようにして、はっ!と何かに気づいたような表情をして、その話を詳しく話してほしいと聞いてきた。

 健から聞いた概要を話すとひよりは心配そうにしてこう言ってきた。

 

「蓮くん。おそらく、それは龍園くんの――」

「それ以上は、駄目だひより」

 

 急いでひよりの口に人指し指を当てて、言い留める。

 

「でも!」

「心配してくれてありがとうひより。でも、今言おうとしたことが本当だったとしても俺は行くのを止めない。健が、友達が待ってるからな」

「……それは、でも…」

「それにちゃんと対話で解決するつもりだ。約束する」

「……わかりました。……本当に気をつけてくださいね」

「ああ。ありがとう」

 

 安心させるために、そう言いながら不意に頭を撫でてしまったが、ひよりは少し撫でられるとその手を掴んで、自分の頬の方にやり、心配そうに顔を押し当てる。

 そして、健との待ち合わせ場所に向かった。

 

 

 

 

 待ち合わせ場所に着いた。

 どうやら健はまだ来ていないらしい。

 自販機があるし、何か飲むかと思った。

 さて、何を飲もうか……、

 

 

 【元気カイカツ! モロナミンG 120PP】

▶【お手頃価格! 宇田川の名水 10PP】

 【筋肉モリモリ! マッスルドリンコ 150PP】

 【良いことあるかも! 後光の紅茶 200PP】

 

 

 ポイント振込前だし、節約しよう。

 そう思い、宇田川の名水を選んでからスマホを端末に当てた。

 

 ピッ

 …………

 ……

 あれ? 出てこない。

 取り出し口を見るが、商品があるようには見えない。

 スマホを確認するとしっかりと購入履歴には残っているし、ポイントも減っている。

 故障か?

 そう思い、もう一度、水を選択するが、特に「売切」の表示は出ていない。

 もう一度スマホを端末に当てる。

 

 ピッ

 …………

 ……

 やはり、出てこない。

 そして、ポイントは引かれている。

 間違いない故障だ。

 心なしか目の前の自販機が「どうしたどうした! 諦めんのかぁ?」と煽ってきているような気がする。

 こうなれば意地だ!

 そう思い、今度は隣にある同じ商品のボタンを選択、スマホを端末にセット!

 

 ピッ

 …………

 ……

 

 ならば、別の商品だ!

 モロナミンGを選択! スマホを端末にセット!

 

 ピッ

 …………

 ……

 

 …………。

 目の前の自販機が「ギャハハ!ダセェ!」と嘲笑っているかのように感じた。

 このやろう……!

 ――はっ。

 何をやっているんだ俺は、危なく自販機を叩いてしまうところであった。

 こういうときこそ平常心。

 暴力は何も産まない。

 対話だ。対話が必要なんだ俺達には。

 

「なあ、自販機よ。俺はただ、喉が渇いただけなんだ。頼むから1本でいい、出してくれないか?」

 

 俺がそう伝えると、心なしか自販機が「……ちっ、しゃあねえなぁ。早く選べよ」と言っているような気がする。

 通じてくれたか。

 ならば、俺も先程までのことは水に流そう。

 やはり、暴力は何も解決しない。

 対話だ。対話が必要なんだ俺達には。

 そう思い、俺は宇田川の名水を再び押した。

 

 

 

 

 

 

 

売切』『売切』『売切』『売切』『売切

 

売切』『売切』『売切』『売切』『売切

 

売切』『売切』『売切』『売切』『売切

 

 

 

 そして、浮かび上がってきたのは、すべての商品の選択ボタンに『売切』のランプが点灯している風景。

 まるでこちらを嘲笑うかのように、「騙されてやんのバーカ、バーカ!」と言っているかのように、『売切』のランプが点滅する。

 

 

 ………………ははっ。

 

 ……はははははっ。

 

 

 あはははははははは!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

「こい! クロト!」

 

 俺がそう呼びかけると背後から凄まじい運命の力の奔流を感じる。

 目の前の自販機は「や、やめ、やめろおおお!」と戦慄しているようだ。

 だが、しかし! もう遅い!

 俺は未だ点滅を繰り返す『売切』の文字を物怖じせずに押し、スマホを端末に押し付ける。

 

 ピッ

 ガコン! ガコン! ガコン! ガココン!

 

 今までポイントを支払った分の飲み物が出てきた。

 

 『宇田川の名水』×4

 『モロナミンG』×1

 

 を手に入れた。

 戦いは終わった。

 心なしか目の前の自販機も「もう許してください。もう悪いことしません」と言っているようだ。

 わかれば良いのだ。

 しかし、手に4つも飲み物を持ちながら俺は思った。

 争いはいつも虚しいと。

 

 そんなどうでも良いことを考えていると、健がこちらにやってくるのが見えた。

 

「悪りぃ蓮。遅くなっちまったな」

「気にするな。それより何か飲むか?」

「お、あんがとな。部活終わりで丁度喉が乾いてたんだよ」

 

 そう言って、健はモロナミンGを手に取った。

 俺もキャップを開けて、宇田川の名水を飲む。

 美味い。

 そのまま、二人で一気に飲み干し、ボトルをゴミ箱に入れる。

 

「っうし! 気合はいったぜ! ありがとな蓮!」

「ああ。……よし、健。そうしたらまずは、作戦会議だな」

「おう。にしても、今日の蓮はいつも以上に気合入ってる感じがするぜ」

 

 そうか?と思ったが、すぐにハッと気付き、心当たりを見た。

 先程呼び出したクロトが実はまだ、背後に居る。

 なんとなくクロトが、「ねえ。一回しか登場できないかもしれないのに、自販機ごときに私を呼び出して、まさか終わりじゃないわよね?」と青筋を浮かべながら、そう言っているような気がする。

 俺は心の中で、「もちろんですレディー。気が済むまでいて下さい」と心より感謝を込めて伝えた。

 正直言うと、体力を使うので、継続的に呼び出しているのは疲れるのだが、自分が招いた失態、大切なペルソナたちの信頼を失うわけにはいかない。

 とまあ、気を取り直して、健に向き直る。

 

「取り敢えず小宮たちの目的は、健を呼び出して何かすることだと考えられるな」

「何かって、何だよ」

「そうだな。まず、ここまでの流れから、健がレギュラー入りすることへの難癖をつけるのは想像できるな」

「ああ、でもそんなことで呼び出すか?」

「そこがポイントかもしれないな。わざわざ人気のない場所に呼び出す。つまり、誰かに見られると都合の悪いことをしてくる可能性があるな」

「あん? ケンカでも売ってくるってことか?」

「その可能性もあるな」

 

 そこまで推察すると、健が手のひらで自分の拳を叩いて、「上等だぜ。いい加減イライラしてんだこっちは」とやる気を出す。

 俺は…………、

 

 

▶【ちがう。それこそあっちの思うツボだ】

 【ああ、もしそうなったら返り討ちにしてやろう】

 

 

「ちがうぞ健。そんなことをしたら、それこそあっちの思うツボだ」

「どういうことだよ?」

「おそらく、そうした流れになったら、それをネタに小宮たちが顧問に言って、お前のレギュラー入りを考え直すように言うかもしれない」

「――っそういうことか。……やっぱり蓮に相談して良かったぜ。俺だけだったら、やっちまうところだったぜ」

「ああ、今回は必ず対話で終わらせる必要がある。だから健。お前は『何があっても手を出すな』よ。俺がなんとかする。お前は不利な状況にならないようにドンと構えておいてくれ」

「悪りぃな。俺のせいでよ……」

「バカ言うな。友達のために行動することに良いも悪いもあるか。それにこんなやっかみは、プロになったらいくらでもあるだろ。今回はその練習だと思えばいいんだ」

 

 そこまで伝えると、健はニカッと笑い、「頼むぜ相棒!」と答えた。

 全く調子の良いやつだ。

 そうして、俺達は特別棟に向かった。

 

 

 

 

 

 

 そして、この件が終わったら、あの自販機の修理依頼を学校に申請しようと俺は固く誓った

 




 平素より、お気に入り登録、感想・評価、誤字脱字報告、ここ好き!等々誠にありがとうございます。

 ここまでお読みいただいた方も気に入っていただければ、お気に入り登録、感想・評価、ここ好き!等、何卒よろしくお願いいたします。

 

 はい。ということで、今回は前後編構成となります。
 この後、小宮たちと対峙した主人公たちはどのような立ち回りをするかはお楽しみに。

 2巻の内容については、よう実の原作を逸脱しすぎずに進めればと思いますが、まだ妄想段階なので何ともいえない感じです。
 ただ、1巻の際に21話も使いましたが、今回は長くても10話ぐらいじゃないかなと思っています(フラグ)

 話変わり、まさかの自販機ネタを再度使うことになるとは……。
 いちおう理由は多々あるのですが、意外と櫛田さん回と堀北さん回で人気があったので、イベント前の清涼剤?として使うことにしました笑
 今後も色々な性格の自販機が出てくると思いますが多めに見てやってください。


 さて、今日はこのぐらいで、
 もしも選択肢のコーナー(妄想です)


 【健を追いかけてみる】
 【そんなことより腹が減った……】

 ここで須藤くんを追いかけないと、原作通りの流れになります。
 そのため、綾小路くんが裏で活躍する可能性が高くなり、佐倉さんは綾小路くんと……あとはわかりますね?


 【そんなやつら、一度ぶっとばしちまえよ】
 【さすが、バスケットマンだ。俺はお前を尊敬する】

 ぶっとばしちまえよを選択すると、少しがっかりされます。折角須藤くんが彼なりに我慢していたのですから、ちゃんと褒めてあげましょう。


 【「今、ひよりを過ごしているから悪いが無理」と断る】
 【「よく相談してくれた。嬉しいぞ」と健からの信頼に応える】

 ひよりさんの方の選択肢を選ぶとこの後の騒動に主人公は巻き込まれませんし、ひよりさんとイチャイチャ図書館で過ごせます。そちらを正解と取る方もいるかもしれませんね。
 しかし、友の願いに応え、多くの人と関わり、人望を得た上で、自分を選んでくれたほうが、選ばれた方は嬉しくありませんか? 特別感がありませんか?
 つまり、そういうことです。


 【元気カイカツ! モロナミンG 120PP】
 【お手頃価格! 宇田川の名水 10PP】
 【筋肉モリモリ! マッスルドリンコ 150PP】
 【良いことあるかも! 後光の紅茶 200PP】

 どれを選んでも、自販機くんがポイントだけを奪っていきます。
 Dクラスで所持金も少ないので、まずは一番被害が少ないものを選ぶのがいいでしょう。
 仮に別のを選んだ際は、「1回目」「1回目と同じ」「1回目と同じ」「1回目とは別の」「1回目と同じ」の選択となるので、水を選ばないPPの無駄遣いをしてしまいます。
 ただし、所持品として、獲得できますので、別の機会で、回復アイテム的に使うこともできるかもしれませんので、この選択肢に正解はありません。


 【ちがう。それこそあっちの思うツボだ】
 【ああ、もしそうなったら返り討ちにしてやろう】


 返り討ちにしてやろうぜ!を選択すると、突如、「つっぱることがおとこ~の~♪」というBGMが流れます。
 そして、以降の似たようなイベントにおいて、暴力的な選択肢が必ずでるようになります。
 その選択肢を選び続けると「暴力こそが正義」という、どっかの誰かさんみたいな思考になります。


以上です。

後半へ続く(キートン山田さん調で)
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