ようこそペルソナ的人間模様が繰り広げられる教室へ   作:行天

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 感謝:いつも誤字脱字報告ありがとうございます!


 投稿日が空いて申し訳ないっす。




襲来、再び

 今日は久々に何の用事もない休日だ。

 ここ最近忙しない日々を過ごしていたので、気持ちが軽い。

 天気も良いし、たまには一人で当てもなく散歩に出るのもいいかもしれない。

 どこに行こうか。

 ケヤキモールもいいけど、少し騒がしいか。

 公園もいいけど、それは少し寂しいか。

 

 

 

 ピンポーン

 

 

 そんなことを考えていると来客が来たようだ。

 まあ、そんな気はしていた。

 しかし、もしかしたら他愛もない用事かもしれないし、仮に一緒に遊ぶことになってもきっと楽しくなるだろう。

 そう思いながら、俺は玄関を開けた。

 

 

「こんにちは。雨宮くん。リベンジしに来ました」

 

 

 ……どうやら、穏やかな休日にはならないらしい。

 

 

 

 俺はコーヒーを2つ入れて、ローテーブルの前に座っている小さな襲撃者に振る舞った。

 

「ありがとうございます。……ん。この前はゆっくり楽しむこともできませんでしたが、中々の腕前ですね」

「それは、どうも?」

「……はっきりとしませんね。一度とは言え、私を負かしたのですから、もっと毅然としたらいかがですか?」

「そう言われてもな」

 

 こんな朝早くから訪れて、リベンジに来たと言われれば、心穏やかになれるはずもない。

 そんな気持ちで坂柳さんを見るが、彼女はそんな責めるような視線を向けても、獰猛な笑みで返してくる。

 

「何か?」

「……いや、なんでもない」

「そうですか」

 

 そう言って、しれっとした様子で音も立てず上品に彼女はコーヒーを飲む。

 俺としては仲良くしたいのだが、どうにも坂柳さんはそうとは思っていないらしい。

 そんなことを考えているとふと真澄の顔が浮かんだ。

 二人は仲良くやっているのだろうか。

 

「なあ、坂柳さん」

「なんでしょうか?」

「真澄とは仲良くやってるか?」

 

 そう聞くと、坂柳さんは目を少し皿にしながら逸らす。

 

「……普通です」

「普通とは?」

 

 そう追求をすると、少しキッと睨まれた後に、すぐに力を抜いた目で話し始める。

 

「……正直、戸惑っています。彼女にしたことを考えれば、無視されても仕方ないと思います。しかし、真澄さんは気にしないといった様子で接してきますので……」

「そうか、真澄が」

 

 真澄の普段の様子を見ると、彼女は面倒見が良いと思う。

 色々とあったが、わだかまりがなければ、彼女の行動は坂柳さんを気にかけるようにするだろう。

 そこまで考え、俺は言葉を続ける。

 

「良かったな、坂柳さん」

「……雨宮くん。あなたのそういうところが本当に腹立たしいです。私はあなたの庇護対象ではありません」

「俺は単純に友だちが仲良くしていて良かったなと言ったつもりなんだが」

「私はあなたの『敵』ですよ? 友人関係を結んだつもりはありません」

 

 うーん、手厳しい。

 この前のことで、河川敷で喧嘩をした後に寝転がりお互いを認め合う的な友人関係が築けたと思っていたが、男女の友人関係はそうもいかないのだろう。

 そして、坂柳さんはコーヒーを全て飲み切るとこちらに挑戦的な笑みを浮かべる。

 

「そんなことより、今日は勝たせてもらいますよ」

「……えっと」

「『リベンジ』に来たと言ったでしょう?」

 

 そう言って、彼女はローテーブルの上に、以前俺が渡した黒のキング♚を置いた。

 それを見て俺は……、

 

 

 【いいだろう。また負けても泣くんじゃないぞ】

 【今日は、その、用事があって……】

▶【そのリベンジ、受けても俺にメリットがないな】

 【いやぁ、そのキング♚探してたんだ! 見つけてくれてありがとう】

 

 

「そのリベンジ、受けても俺にメリットがないな」

 

 俺が首を振りながらそう伝えると、坂柳さんは少し思案するような顔をする。

 そして、良いことを思いついたかのように言葉を発する。

 

「確かに、それもそうですね……。では、こうしましょう。もし私が勝ったら、雨宮くんに何でも命令できるとします。もちろん良識の範囲内で、ですが」

「ふむ……、じゃあ俺が勝ったら?」

「私に何でも命令していいですよ?」

 

 …………何でも?

 年頃の娘が何を言っているのだろうか……。

 全く、もっと自分を大事にしないとな。

 ここはガツンと言ってやらないと。

 さあ、言うぞ……、

 

 

▶【よし! のった!】

 【簡単にそんなことを言ってはいけない

 

 

「よし! いいだろう、その勝負。ノッた!」

 

 当然だろう選択を俺はした。

 

「ふふ。意気込むのは結構ですが、私が勝ったら、当然私の命令を聞いてもらいますよ?」

「いいぞ」

「では、早速」

 

 そう言って、俺と坂柳さんの勝負が始まった。

 

 

 

 勝負は前回と同じくチェス。

 駒を並べて、お互いに向かい合わせになる。

 

「よろしくお願いします」

「よろしくお願いします」

 

 そして、お互いに礼をした後に、駒を動かし始めた。

 さて、作戦はどうする?

 

 

 【手加減をする】

 【8割ぐらいの力でやる】

▶【もちろん全力だ】

 【もちろん全力だ!(ペルソナ!)】

 

 

 もちろん全力だ。

 しかし、前回は真澄のことがあったから、ついペルソナを使ってしまったが、それに頼らずに、今の自分の力だけで、坂柳さんと相対したいと思った。

 さあ、頑張るぞ!

 

 

 

 

 

 

 

「チェックメイトです」

「…………ま、参りました」

 

 うむ。

 普通に負けた。

 

「……はぁ、正直がっかりです」

 

 そう言って、目の前の少女はやれやれといった様子で、首を軽く振った。

 いや、かなり善戦したつもりだが。

 

「この前のあなたからは、この世のものとは思えないような気迫を感じましたが、今日のあなたは、確かに強い駒運びではありましたが、まるで先の展開が見えていない、……凡庸の一言につきますね」

 

 辛辣ぅ……。

 まあ、坂柳さんの言う通り、全力を出したが、坂柳さんの何十手も先を見透しているかのような人智超えしている人からしたら、凡庸と言われても仕方ないだろう。

 

「この結果に納得はできませんが、勝ちは勝ち。……約束は覚えていますよね? この消化不良な気持ちは、そちらで解消することにしましょう」

 

 さらりと笑顔で坂柳さんは、この鬱憤晴らさせてもらうぞと云わんばかりに言ってくる。

 そうだった、負けた方が勝った方の言うことを何でも聞くという約束であった。

 俺は、背筋にゾクッとした感覚が走る。

 

「お、お手柔らかに」

「いやです」

 

 即答である。

 何を命令されるのだろうか。

 

「そうですね…………、では、こうしましょう」

 

 そう言って、坂柳さんはにこやかに笑みを浮かべながら言葉を続けた。

 

「次のクラスポイントが変動するような特別試験があった際に、雨宮くんには私の手足となっていただきましょう」

「…………つまり、クラスを裏切れと言うのか」

「いえ、そのようなお願いはあなたは受けないでしょう。単純に私が雨宮くんにお願いしたいことがあるだけです」

 

 なるほど。

 しかし、クラスポイントが関係する試験で、クラスとは違う思惑で行動するというのは抵抗があるな。

 

「坂柳さん、すまないが流石にクラスポイントが関わる時にクラスとは違う行動をするというのは、困る。今回はあくまで個人間の賭けだ。クラスには迷惑がかからないものにしてくれないか」

「……つまらないですね。そうした中で行うから楽しいというのに」

「うーん。それは価値観の相違ってやつじゃないか」

「…………いいでしょう。なら、選択させてあげましょう」

 

 そこまで言って、坂柳さんは笑みを深めてこちらを見る。

 

「では選んで下さい。先程伝えた通り、私の手足となるか、それとも……、今から床に手を着き、馬になって学生寮を一周するかを」

 

 ……なん、だと?

 馬になる?

 学生寮を一周?

 

「ふふ。どうしますか? 一時(いっとき)の傀儡を選ぶか。それとも、恥辱にまみれて馬になるか。さあ、どうします?」

 

 そう言って坂柳さんは、如何にも楽しそうな様子で、選択を迫ってくる。

 

「あなたには、散々恥をかかされましたからね。それで私がどれだけ苦労したか……、あなたにも同じ苦労をしていただかないと釣り合いが取れませんからね」

 

 なるほど、つまりやり返したいということか。

 それが、馬になることか。

 そこまで考えると、坂柳さんはどうするのかとこちらの回答を楽しみに待っているようで、ニヤニヤ笑みを浮かべている。

 ……悔しいな。

 自分が蒔いた種とは言え、こうも主導権を握られるのは、少し癪だ。

 なら、俺が取るべき行動は……、

 

 

 【わかった……特別試験で手伝おう】

▶【駆けば、風の如し! 乗らば一騎当千! 俺がブケパロスだ!】

 

 

「……いいだろう。この雨宮蓮! 名馬の如く学生寮を駆けてやる!」

 

 俺が声高々にそう宣言すると、坂柳さんはとても驚いた表情をした後、満足そうな笑みを浮かべる。

 

「そ、そうですか。ふふ、なら早速、やってもらいましょうか」

「ああ、わかった」

 

 そう言って俺は、ズボンのベルトを外した。

 

「な、何をやってるんですか!?」

 

 慌てたように坂柳さんは叫ぶ。

 だって、あぶないだろう。

 そう思いながら、俺は坂柳さんに近づく。

 

「ま、まさか、逆上して――っ、こ、こないでください!」

 

 俺は坂柳さんの言葉を無視して近づく。

 そして、そのまま彼女を抱きかかえる。

 

「離して、離して下さい!」

 

 腕の中で暴れる坂柳さんを無視して、俺は素早く四つん這いになり、背中に坂柳さんを乗せ、彼女の太ももあたりと自分の腹を凹まして、ぐるっと一周させて、ベルトを締めた。

 そして出来上がったのは、四つん這いになった俺の背中に金太郎の如くまたがった坂柳さんという絵面であった。

 

「な、ななな、何をしてるんですか!?」

「はははは、我、ブケパロスなり! さあ、主よ! いざ行かんイスカンダルへ!」

「だ、誰がアレクサンダー大王ですか!? 離して下さい! は~な~し~て~!」

 

 俺のボケにしっかりと答えてくれる坂柳さんを無視して、俺は玄関の方へと四肢を進める。

 坂柳さんは、壁の角を手で掴んで抵抗するが、ははは、無駄無駄。我が馬力に抗えるものなし!

 

「さあ、このまま寮内一周、いや、もうケヤキモールまで行こう!」

「いやあああああ! そんなことをしたら、もう、私は登校できません! もういいですから!? 勝負の件は無効にしますから、や、やめてください!」

「は~はっはっ! 赤信号皆で渡れば怖くないDA・ZO! 行くぞぉおおお!」

「いやああああぁぁあああ!」

 

 坂柳さんの悲痛な叫びを余所に、俺は玄関へと足を進め、そして、その手をドアノブへ。

 さあ、新世界の幕開けだ……!

 

 

 ガチャ

 

 

 

 

 

「なにやってんのよ…………」

 

 玄関が開いたと思ったら、そこに立ち塞がっていたのは、目を吊り上げ、鬼の仮面のような怒りの表情を浮かべた真澄だった。

 

 

 

 

 その後、スンスンと泣き続ける坂柳さんとそれを慰める真澄、そして、真澄から坂柳さんが泣き止むまで、土下座を強要された俺という、なんとも個人的に居た堪れない光景がしばらく続き、そして、真澄の付き添いの元、泣き止み、目元を赤くした坂柳さんは、俺の部屋から去り際に、「絶対に許しません。もう手段を選びません。覚悟しておいてください」と、強烈な言葉を残して帰っていった。

 ちなみに真澄からも「何やってんのよ……まったく」と呆れられてしまった。

 どうやら失ったものは多かったようだ。

 うん。

 もう、寝よう。

 

 まだ、昼下がりの時刻だったが、俺はベッドに不貞寝した。

 明日はいい日になるといいなぁ……。

 

 

♪♪♪

《坂柳の真澄に対する好感度が上がった!》

 

♪♪♪

《坂柳の蓮に対する敵対心が上がった!》

 

RANK UP!

《『法王』のコープのランクが2に上がった!》

 

《蓮の度胸が磨かれた!》

 

 




 平素より、お気に入り登録、感想・評価、誤字脱字報告、ここ好き!等々誠にありがとうございます。

 ここまでお読みいただいた方も気に入っていただければ、お気に入り登録、感想・評価、ここ好き!等、何卒よろしくお願いいたします。


 はい、ということで、2回目の坂柳さん回でした。

 正直、はっちゃけちゃいましたw
 坂柳さんが可愛すぎて、ついついいじりすぎてしまう今日此の頃。


 さて、ちょいとご報告がてら、活動報告には書いたのですが、最近スランプに入りまして、全然書けなくなっています。
 1行、2行書いたら、書けなくなり、もう少し書いたら、そこで、書く気が起きなくなるという不思議な状態ですね。
 そのため、楽しみにしてくださっている方には申し訳ないのですが、今回のように日が空いてくるかと思います。
 原因を自分なりに考えて見たのですが、おそらく妄想力が欠乏状態なのだと思います。
 いつも妄想し、キャラの可愛さや主人公のカッ良くしたいという妄想力を爆発させて書いてるため、第2章をかききれたことで、それがバーンアウトしたのだと思います。
 そのため、今後は妄想力を蓄えつつ、スランプを脱したいと思います。
 ちょいちょい小出しにしながらも、書きためをしていって、また、投稿頻度を上げていければと思いますので、それまでお待ちいただけますと幸いです。

 何卒ご了承ください。

 
 さて、いつものもしも選択肢のコーナー

 【いいだろう。また負けても泣くんじゃないぞ】
 【今日は、その、用事があって……】
 【そのリベンジ、受けても俺にメリットがないな】
 【いやぁ、そのキング♚探してたんだ! 見つけてくれてありがとう】

 いいだろうの方は、普通に勝負をして、普通に負けてしまいがっかりされてしまいます。
 今日は用事があっての方は、逃げ腰の蓮くんにがっかりされてしまいます。
 いやぁ、そのキングの方は、最低最悪の選択肢ですね。これには坂柳さんもムカチャックファイヤーです。
 友だちにもなれなくなり、敵にもなれなくなり、ただの害虫扱いになります。
 ある意味ゲームオーバーです。
 だって、坂柳さんなら、害虫は駆除するだろうし……。


 【よし! のった!】
 【簡単にそんなことを言ってはいけない】

 この選択は、下の選択肢を選ぶことはできません。
 だって、何でも言うこと聞いてくれるんですよ。
 なら、ねえ?
 異論は認めない。


 【手加減をする】
 【8割ぐらいの力でやる】
 【もちろん全力だ】
 【もちろん全力だ!(ペルソナ!)】


 手加減の方は、バカにされていると思い、坂柳さんが傷つきます。
 8割ぐらい方は、同じく全力を出してくれないので、坂柳さんが傷つきます。
 もちろん全力ペルソナの方は、その後に出てくるペルソナ次第では勝つことができます。
 しかし、最近ペルソナ使いすぎて、蓮くんのリアル疲労度が大変なことになるでしょう。
 また、勝つことでR15タグをつけないといけないことが始まるかもしれません。なので、筆者的にまだR15タグは早いと思っているので、
 つまり、
 そういうことだ。


【わかった……特別試験で手伝おう】
【駆けば、風の如し! 乗らば一騎当千! 俺がブケパロスだ!】

 わかったの方を選ぶと、無人島試験に影響が出ます。具体的には葛城派を負かす手伝いとなります。
 しかし、それを選ばなくても……なので、下を選ぶことで、楽しいシーンが見られるので、下を選んだのは正解でしょう。



以上です(妄想力弱め)

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