ようこそペルソナ的人間模様が繰り広げられる教室へ   作:行天

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スプラ3楽しい…、早速書き溜め1つ消化。
今回は説明回です。

感謝:幻燈河貴様、いつも誤字脱字報告ありがとうございます。





Sシステム

 今日から5月最初の授業だ。

 始業チャイムが鳴り、程なくして、手にポスターの筒を持った茶柱先生がやってくる。

 いつもよりもその表情は険しい。

 

「せんせー、ひょっとして生理でも止まりましたー?」

 

 池がだいぶ失礼なことを言ったので、

 

「池。普通にセクハラだからな。そういうのは冗談でも言うことじゃない」

「は? うっせーな、ただの冗談にマジになんなよ!」

 

 注意をしたが、全く反省の色は見えない。

 女子たちからのごみ溜めを見るような視線にも気づいていないようだ。

 しかし、茶柱先生はまるで気にしていないかのようにクラスを一瞥し、こう言った。

 

「これより朝のホームルームを始める。が、その前に何か質問はあるか? 

気になることがあるなら今聞いておいた方がいいぞ?」

 

 茶柱先生の言葉に、一人が手をあげる。

 

「あの、今朝確認したら、全然ポイントが振り込まれてないんですけど、毎月1日10万ポイント支給されるんじゃなかったんですか?」

「その質問にはこう答えよう。『間違いなく、今月分のポイントは振り込まれている』と」

「え、でも……」

 

 そんな質疑応答をしたのち、「……お前らは本当に愚かな生徒たちだな」と不気味な気配を纏って茶柱先生は続けた。

 茶柱先生は持ってきたポスターを広げてホワイトボードに貼り付ける。

 そこに書かれていたものは、

 

 Aクラス 940

 Bクラス 650

 Cクラス 490

 Dクラス 80

 

 これは?

 

「これは5月1日時点の各クラスのクラスポイント表だ。1クラスポイントにつき100プライベートポイントが支給されることになっている」

 

 つまり、今月Dクラスに支給されたプライベートポイントは、8000ということか。

 

「この学校は、クラスの成績がポイントに反映される。そして、当然授業中の態度、学校施設内での振る舞いは、ポイントに影響を与える。……遅刻欠席、合わせて42回。授業中の私語や携帯の操作などの授業とは関係のない行動合わせて131回。ひと月で随分とやらかしたものだ。特に男子。女子は途中で態度を改めたようだが、平田や櫛田、それに毎日のように雨宮が注意を行っていたにも関わらず、改善しようともせず、むしろ悪化させていく。絵に描いたような堕落ぶりに先生方も嘲笑されていたぞ?」

 

 そう茶柱先生が説明をすると、クラスの空気が困惑から針をさすようなものに変わる。

 

「ちょっと男子! あんたたちのせいで支給ポイント下がったじゃない!」

「は、はあ!? そんなことを知らなかったんだし、しょうがねえじゃん!」

「そうだそうだ! それに女子だって騒いでたことあっただろ! 俺たちだけのせいかよ!」

「平田くんや雨宮くんが注意してくれたときにちゃんと聞けば、こんなにポイント減らなかったでしょ!!」

「はあ! 知るかよ! あいつらがもっと言い方を気をつけてれば、俺らだってやめたぜ!!」

「サイテー、人のせいにしてんじゃないわよ!」

「なんだと!? このブス!」

 

 クラスは阿鼻叫喚の渦となった。

 

「み、みんな! 落ち着いて! 今も授業中だよ! ポイントがまた減ってしまうかもしれない!」

「そ、そうだよ! みんな静かにしよ!」

 

 洋介と櫛田さんがそう言うと、クラスメイトたちもはっと気づいたように急いで静かになる。

 茶柱先生はそれをバカにしたかのように、笑みを浮かべる。

 

「……先生。質問いいですか? それではなぜ、先生方は授業中に注意されなかったのですか?」

 

 洋介がそう聞くと、

 

「それは不思議な話だな平田。お前らは義務教育での9年間で一度も授業中の私語や学校に遅刻するなと言われてこなかったのか?」

「それは……」

「高校は義務教育ではないぞ? そして、お前たちが選択してこの学校を受験したはずだ。そして、最初に私は言ったはずだ。この学校は実力で生徒を測ると。義務教育で習うとも言えないごくごく当たり前のこともできない『不良品』のために、我々が授業を止めるようなことはしない」

「そんな! 『不良品』だなんて……」

「何を言う。事実自分たちで自分たちの実力を示したではないか」

 

 そう言って茶柱先生はクラスポイントの書かれたポスターを手の甲でコンコンと叩く。

 

「先生! 私や一部の生徒は、授業に真面目に参加していました。同じ扱いを受けるのは理不尽だと思います」

 

 堀北さんが立ち上がりそう主張する。

 

「ほう堀北。お前は自分は『不良品』ではないと言いたいのか?」

「そんなの当然です!」

「では、将来お前がどのような職につくかは知らないが、お前は自分の同僚や部下が仕事中に雑談ばかりしたり、携帯やスマホをいじっていても注意しないのか? そして、それを評価する上司がそのような部署を見て、高い評価をするとでも思うのか?」

「それは……ならせめて個人の評価の詳細を教えてください」

「それはできない。この学校の決まりで教えられないことになっている。しかし、ひとつ言えることは、この学校は、個人の評価も含んだ上でクラスでの評価を行うからだ。つまり、いかに素行が良くても、悪い者をそのままに放置して、クラスパフォーマンスを下げたままにするメンバーも連帯責任が発生し、実力不足と評価されるということだ」

「そんな……」

 

 堀北さんはショックを受けたと言わんばかりに、席に力なく座る。

 

「でも、なんでこんなにはっきり、クラスでポイントが違うの?」

 

 誰かがつぶやくように言った言葉に、茶柱先生が反応する。

 

「ほう。…そうだ。お前たちは疑問を持つべきだった。なぜ、一介の高校生に10万ポイントも支給されるのか。具体的に実力で測るとはどういうことなのか。そして、その思考を止めなかった者たちと思考を止めた者たちの結果がこれだ。そう、大手の塾なども行われているように、優秀な生徒たちはAクラスに、ダメな生徒はDクラスへ、と。理解したか?」

 

 つまり、明らかに他の生徒たちと劣っている生徒をDクラスに詰め込んだということか。

 

「ちくしょう! ……これから俺たちは他の連中にバカにされるってことか!」

 

 ガン、と机の脚を須藤が蹴る。

 

「何だ、お前にも気にする体面があったんだな、須藤」

「あ?」

「……そうだな。まあ、0ポイントにはならなかったお前たちへのせめてもの情けだ。厳罰について話しておいてやろう。まず、須藤。貴様は入学初日に施設内のコンビニに設置されているゴミ箱に損害を与えたな?」

 

 そう言われると須藤は、心当たりがあるようで、顔をゆがめる。

 

「んなことはーー」

「おいおい。そんなことはないと言い訳するつもりか? コンビニの入口には防犯カメラが設置されていて、一部始終がばっちり映っていたぞ」

「な、なんで学校がそんなの知ってんだよ!」

「お前は何を言っている。コンビニとはいえ、学校の敷地内の建物だぞ? 当然学校が把握していてもなんの不思議もないことだ」

「ちっ!」

「本来であれば、須藤の行動は、初日から、クラスポイントの減点に加え、プライベートポイントの剥奪処分を受けるはずだった。しかし、良かったな。お前の愚かな行動は、その後、自主的に散らばったゴミを片付けて、元に戻した雨宮と綾小路の行動によって、コンビニ側からも温情をいただいたことで不問とされたのだぞ」

 

 茶柱先生がそう言うと、須藤を含め、クラスメイトたちがこちらとその後ろの綾小路の方を見てくる。

 

「次に、池、外村、山内。貴様らを中心に下らんランキングを作っていたようだが、その際に、女子の水着姿を被写体への許可を得ずに、撮影を行おうと、盗撮をしようと計画していたな? あれも事前に雨宮が学校側に相談してきて、学校側が対応したことで不問となった」

「ーーっ!! てめえ雨宮! ちくりやがったな!」

 

 茶柱先生の発言に、池と山内はこちらを睨みつけ、女子たちはさらに侮蔑の目を二人に向ける。

 

「ハハハ! お前らはクラスの中でも特に愚かだな! 雨宮のおかげで自分たちの退学が免れたというのに、あろうことか自分たちを助けてくれた恩人を責めるとは!」

「た、退学ぅ!?」

「当然だろ。ここは国立の学校。つまりは日本国の法律が当然適用される。盗撮は立派な犯罪行為だ。盗撮の現行犯もしくは、被害者が一人でも訴え、事実であったのなら、問答無用でそのような犯罪者は退学だ。よかったな。退学していた場合は、退学通知書に『本校において、女子生徒に対する盗撮行為を行ったため』と書かれるところだったぞ。仮に別の学校に復学しようとしてもまずどこも受け入れてはくれないだろうな。そんな輩は」

 

 茶柱先生がそう言うと、池、山内、外村は当然のこと。それに乗っかろうとしていた男子たちも顔を青ざめ、視線を落とす。

 他のクラスメイトも『退学』という言葉を聞き、緊張が増す。

 

「ふむ。どうやらだいぶ場も温まったようだな」

 

 むしろ、冷めきっているが。

 茶柱先生は、クラスを一瞥すると、もう一つのポスターを掲示する。

 

「さて、この数字が何か、バカが多いこのクラスの生徒でも理解できるだろう。そう、先日やった小テストの結果だ。揃いも揃って粒ぞろいで、先生は嬉しいぞ。中学で一体何を勉強してきたんだ? お前らは」

 

 小テストの結果は、一部の上位を除き、ほとんどの生徒は、60点前後の点数しか取れていない。下位は、須藤の14点が当然目立つが、ブービーが24点。クラスの平均点は50~60点といったところだろう。

 俺は90点、堀北さん、高円寺くんと同じ点数だ。どうやら最後の難問のうち、1問はあっていたらしい。

 そして、茶柱先生は、31点の菊地の上に赤いラインを引いた。

 

「良かったな、これが本番だったらこのラインより下の7人は入学早々退学になっていたところだ」

 

 茶柱先生のその一言に、クラス中が驚愕する。

 

「この学校では中間テスト、期末テストで1科目でも赤点を取ったら退学になることが決まっている。今回のテストで言えば、32点未満の生徒は全員対象ということになる」

 

 今回の? テストが違うと赤点ラインが違うということか。

 

「そして、この学校から希望の就職、進学先を叶えてもらう恩恵を受けるのは、Aクラスのみだ」

「そんな……じゃあ、入学時点から決まっているということですか!?」

 

 誰かが悲嘆の声を上げる。

 

「そうではない。このクラスポイントが他のクラスよりも1ポイントでも高ければ、お前たちは上位のクラスということになる。つまり、例えば、クラスポイントが490より多ければ、現時点でお前たちはCクラスということだ」

 

 クラスポイントがいかに重要か。

 クラスの皆がその重みを知ることになった。

 

「浮かれていた気分は払拭されたようだな。お前らの置かれた状況の過酷さを理解できたのなら、この長ったるいHRにも意味はあったかもな。中間テストまでは後3週間、まぁじっくりと熟考し、退学を回避してくれ。お前らが赤点を取らずに乗り切れる方法はあると確信している。できることなら、実力者にふさわしい振る舞いをもって挑んでくれ」

 

 そう言って、茶柱先生は強めに扉を閉めて、教室を後にした。

 

 

 

 その後は語らずも想像がつくだろう。

 ある生徒は、ポイントが残っていないことに不安を口にし、

 ある生徒は、自分が『不良品』であると揶揄されたことに憤りを口にし、

 ある生徒は、将来の進路への不安を口にし、

 ある生徒は、自分は悪くないのにと素行の悪かった生徒を責める言葉を口にした。

 そして、洋介と櫛田さんを中心に落ち着くように声をかけられる。

 さて、どうしようか。

 

 【洋介とこれからのことを相談する】

 【清隆とこれからのことを相談する】

▶【櫛田さんとこれからのことを相談する】

 【堀北さんとこれからのことを相談する】

 

 これからのことについて、クラスの中心人物の一人、櫛田さんに相談することにしよう。

 

「櫛田さん」

「あっ、雨宮くん。どうしよう。みんな茶柱先生の話のことで不安みたいで」

「そうだな。まずは、これからのクラスとしての方針を決めないか」

「! うん! そうだよね。みんなで一緒に頑張らないとね!」

 

 そう言って、櫛田さんは力強い眼差しでこちらを見てくる。

 

「みんな聞いて! これからはちゃんとクラスで協力しないといけないと思うの!」

 

 櫛田さんがそう呼びかけると、

 

「そうだね。皆、不安だと思うけど、まずは話し合おう」

 

 洋介が答える。

 その二人の呼びかけに一部を除いて、クラスメイトたちが集まってくる。

 

「まずは、今日の放課後までにそれぞれこれからどうしていくか。どうすればいいかを考えよう。そして、これからは授業中の私語や遅刻や理由のない欠席はしないようにしよう」

 

 その言葉に、集まったクラスメイトの何人かが、池と山内、そして須藤に目を向ける。

 少し離れていた3人のうち、池と山内は視線を外し気まずそうにする。そして、須藤は、

 

「あ? んだよ!? 文句があんならはっきり言いやがれ!」

 

 と怒鳴る。

 これにはクラスメイトたちも強い視線を送る。

 

「そ、それじゃあ皆、また放課後集まろう」

 

 洋介の言葉に、クラスメイトたちは、思い思いに席に戻っていった。

 

 

 

 

 放課後。朝の告知通り洋介は教壇に立ち、対策会議を始めた。

 朝のホームルームのときの気まずさからか、池、山内、須藤を中心に一部のクラスメイトは不参加であった。

 会議の内容は「授業は真面目に受ける」、「情報は共有しよう」、「中間テストを乗り切るために勉強会を開く」という形で、まとまっていった。

 会議途中、『1年Dクラスの雨宮くん。同じく1年Dクラスの綾小路くん。担任の茶柱先生がお呼びです。職員室まで来てください』と呼び出されたので、清隆と一緒に職員室に向かった。

 

 

 

「失礼します」

 

 そう言って、清隆と一緒に職員室に入った。

 しかし、茶柱先生はいないらしい。

 手鏡を見ながら髪をいじっている先生に聞いてみた。

 

「あの、茶柱先生は居ますか?」

「え? サエちゃん? あれ? さっきまでいたんだけど」

 

 セミロングの軽くウェーブのかかった髪型で、茶柱先生と年齢が近そうだが、茶柱先生がキャリアウーマンだとすると、この先生は給湯室で駄弁っているOLといった印象を受けた。

 

「ちょっと席をはずしているみたい。どうする? 中で待ってる?」

 

 さて、どうしようか。

 

 

 【いえ、廊下で待っています】

▶【それよりも先生のことを教えてください】

 

 

 ふと、この先生のことが気になった。

 

「そうですね。せっかくですし、よければ先生のことを教えてください」

 

 そう伝えると、目の前の先生は一瞬驚いたような表情をした後、にんまり笑顔を浮かべて目を輝かせる。

 

「やだあもう! 積極的なんだから! いいわよいいわよ座って座って♪」

「ありがとうございます」

「蓮。相変わらずだな…」

 

 椅子に座ると、先生はニコニコと上機嫌に笑みを浮かべ、左右に揺れる。

 

「私はBクラス担任の星之宮知恵って言うの。佐枝とは、高校の時からの親友でね。サエちゃんチエちゃんって呼び合う仲なのよ~。君たちも気軽にチエちゃんって呼んでね♪」

「はは、さすがに先生をちゃんづけでは呼べませんよ。お名前はどのような字を書くんですか」

「ええ~。普通に知恵で『知恵』よ。安直でしょ~。響きは好きなんだけどね~」

「なるほど。聡明そうな先生にぴったりなお名前ですね」

「もうお世辞はいいわよー。そんなこと思ってないでしょ? そんなこと一度も言われた事ないもん」

「そうですか? 『大智不知』という言葉もあるように、本当に優れた知恵のある方は、それをひけらかさないで、一見無知な者に見えるともいいますし」

 

 そう伝えると、星之宮先生は、「へぇ~」と言いながら、まるで獲物を見つけた蛇のように、艶めかしく攻撃的な目でこちらを見つめ、暴力的な一面を隠すような笑みを浮かべる。

 そして、すぐに愛嬌のある表情を浮かべて聞いてくる。

 

「それでそれで君たちは?」

「1-Dの雨宮蓮です」

「1-Dの綾小路清隆です」

「蓮くん、清隆くんだね。よろしくね~。ねえねえどうして二人してサエちゃんに呼び出されたの?」

「さあ。それは俺たちにもさっぱりで、清隆は?」

「オレもわからん」

「ふ~ん。理由も告げずに呼び出したの?」

 

 星之宮先生は不思議そうにする。

 

「それはそ・う・と、二人ともかなりかっこいいじゃない~。モテるでしょ~? ねえねえ、もう彼女はできた?」

「いえ。全くモテませんよ」

「蓮。……お前、マジで言ってんのか」

「? どういうことだ。清隆」

「……いや、気にしないでくれ」

 

 清隆はやれやれと言った感じで肩をすぼめる。

 

「ふ~ん。私が同じクラスに居たら絶対放っておかないのに~。じゃあ、私が立候補しちゃおうかな~なんて。つんつんっと」

 

 そう言って、星之宮先生が頬をつついてくる。

 少し香水の香りがする。

 

「何をやってるんだ、星之宮」

 

 突然、現れた茶柱先生が手に持っていたクリップボードでズバン、と良い音を立てて、星之宮先生の頭をしばいた。

 

「いったぁ! 何するの!」

「うちの生徒につばをつけようとするんじゃない」

「そんな汚いことしてませーん! ね~蓮く~ん」

「あざといっ!」

 

 そう言ってもう一回しばこうと振り下ろすが、星之宮先生はそれはひらっとかわし、俺の腕に抱きつく。

 

「きゃあ、こわ~い。君たちも気の毒ね~。こ~んな怖い人が担任なんて」

「なんだと?」

 

 茶柱先生の額に青筋が浮かび立つのが見えた。

 ここはさっさと話を進めよう。

 

「茶柱先生。俺たちを呼び出した要件はなんですか?」

「そうだな。すまない待たせたな。ここじゃ何だ、生徒指導室まで来てもらおうか」

 

 生徒指導室? 何かしたおぼえはないのだが。

 そう思い、清隆を窺うと、清隆もこちらを見て、首を横に振る。

 

「安心しろ。説教ではない。いいからついてこい」

 

 そう言って、廊下に向かう。

 ついていこうと歩を進めると、星之宮先生も腕に抱きついたまま笑顔でついてくる。

 茶柱先生はそれに気づいたのか。鬼の形相で振り返る。

 

「お前はついてくるな」

「ええ~いいじゃな~い。聞いても減るものじゃないでしょ。それに、こんなイケメンを二人も生徒指導室に呼び出すなんて怪しいじゃない? サエちゃんもしかして、いかがわしいことしようとしてな~い?」

「どうやら死にたいようだな。辞世の句はなんだ。墓標に刻んでやる」

「こわ~い! それが冗談だとしても、なにか狙いがあるんじゃない? 例えば、そうね~……下剋上とか?」

 

 星之宮先生は再び何かを狙うような妖艶な笑みを浮かべる。

 下剋上? なんのことだ?

 

「バカを言うな。そんなこと無理に決まってるだろ」

「ふふっ、確かに。サエちゃんはそんなこと無理よね~」

「ふん」

 

 茶柱先生は再び踵を返すと星之宮先生を無視して足を進める。

 俺たちも歩き出すと星之宮先生はまだついてこようとする。

 

「星之宮先生。まだついてくるつもりなんですか?」

「ええ~いいじゃない~仲間はずれにしないで~」

 

 そう言って、腕に抱きつく力を強めてくる。

 「蛇」。不意にそんなワードが頭をよぎる。

 

「星之宮先生。生徒会の件でお話をしたいのですが、……お邪魔でした?」

 

 突然、一人の女子生徒がそう言い、星之宮先生を呼ぶ。薄ピンク色の柔らかそうな長い髪に、はっきりとした目鼻立ち、「美少女」というワードが思い浮かぶ。

 

「呼ばれてますよ。星之宮先生」

「ええ~。まあ、今日はこんなところでいいかな~。それじゃあ蓮くん、清隆くん。また、お話しましょ」

「星之宮。生徒を名前呼びするな。一応お前も教師だろ」

「はいは~い。わかりましたよ~。もうサエちゃんは固いんだから。それじゃまたね。雨宮くん。綾小路くん」

 

 そう言って、星之宮先生と女子生徒は職員室に入っていった。

 

 

《蓮の度胸が磨かれた!》

 

 

 

 

 

 




 平素より、たくさんのお気に入り登録、評価感想、誤字脱字報告等々誠にありがとうございます。

 気に入っていただけましたら、評価感想等いただければ幸いです。


 ということで、ようやくSシステムの説明。
 よう実の二次創作でSシステム説明までに9話使うとか私が初めてじゃないだろうかと思う今日このごろ。

 一応主人公の働きかけで、クラスポイント全損はなくなったと世界線としました。
 ただ、違反回数を半分ぐらいにしましたが、書いていて、「いや、この回数でも全損じゃね」と思いました。
 まあ、詳しい査定はわからないということで。
 
 小ネタということで、気づかれている方もいるかもしれませんが、綾小路と主人公の言葉遣いが似ているので、この二次創作では、「俺」が主人公、「オレ」が綾小路の1人称で使い分けています。
 多分原作もそうなんじゃないかな…。

 星之宮先生を原作より艶めかしくさせていただきましたが、めっちゃ好きやねん。いい歳してぶりっ子なところとか、酒にだらしないところとか、実は人間観察力高いところとか。
 まあ、最近2年生編の茶柱先生のメイド姿で全て持っていかれた感はありますが。

あと、長くなりますが、ハーメルンのタグ登録が100字までなので、作者の頭の中では候補に入っているけど、名前が書けないキャラクターもいますので、何卒ご了承くださいませ。



 ということで、
 もしも 選択肢のコーナー(ルート説明は妄想ですのでご了承ください)

 【洋介とこれからのことを相談する】
 【清隆とこれからのことを相談する】
 【櫛田さんとこれからのことを相談する】
 【堀北さんとこれからのことを相談する】

 この選択肢は、選択した結果によってそのキャラの好感度があがります。
 ただ、ハーレムルートを選ぶ場合、堀北さんと櫛田さんはちょうどいい感じに同時に上げていかないと、対立構造が深まり、綾小路が暗躍してしまうので注意が必要です。
 堀北さん単独ルートは、原作通りどちらかと言うと彼女を守るルートに。
 櫛田さん単独ルートは、協力して、堀北さんの足を引っ張ろうとしなくてはいけない選択肢が生まれます。


▶【いえ、廊下で待っています】
 【それよりも先生のことを教えてください】

 原作通りの絡み方をされます。
 下の選択肢を選ぶことで、星之宮先生の興味を引き、Dクラスの最大戦力である綾小路への関心優先度を主人公に向けることができます。
 そして、星之宮先生を含めたハーレムルートに行くには教師陣は選択肢の回数が少ないので、こうした選択肢は必ず踏むことが大切になります。


以上です。


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