この素晴らしい世界にもんむすを!   作:邪魅魑

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EP2 サトウカズマは冒険者になった!

 気が付くと、俺たちは街の一角で突っ立っていた。あたりを見回すと、石造りの堅牢な塀のある中世ヨーロッパのような趣の町だった。

 

「これ、俺ほんとに異世界転生してる……異世界転生してるんだ!よっしゃあ!これから異世界で無双したりハーレムしたりするんだ!」

 

 そうしてひとしきり喜んでいると、ふと、横から視線を感じた。

 そちらを見てみると、なんだかぶつぶつと呟きながら俺を見つめる羽の生えた幼女がいた。

 

「あの、どうしたのかな、お嬢ちゃん?と、いうか、あの口の悪い女神はどこ行ったんだよ!あ、いやまぁいない方がいいかもしれないけど」

 

「……いない方がいい女神で、悪かったですね」

 

 そういう幼女の方を改めてみると……似ていた。先ほど気付かなかったことが不思議なほど、顔だちも、その雰囲気も、あるいは身に纏っている衣服でさえ、あの女神に酷似していた。

 

「え、いや、まさか!」

 

「女神に対しての無礼、後悔しなさい!『裁きの雷!』」

 

 直後、脳天からビリリと電流が走り、体に激痛が……走らない。せいぜいがしびれを感じる程度だ。

 

「くっ!やはり六祖封印をされていてはこの程度ですか」

 

 悔しそうに言う女神に、俺は安心して頬を引っ張る。

 

「ひゃ、ひゃひほすふほへす!」

 

「お前、転生する前に散々童○だとか○漏だとか言ってくれたよなあ?」

 

「ひ、ひゃめ……」

 

 怯えの混じった顔をした女神に、俺はパチンと頬を放すと、代わりに手を差し出した。

 

「なーんてな。巻き込んだのは俺だ。性格はあれだけど、お前は女神なんだし、期待してるよ、相棒!」

 

「あ、相棒!?……仕方ありません、誠に不本意ではありますが、現状あなたと共に魔王を倒すしか帰還の道はなさそうですね。光栄に思いなさい。私が手を貸して差し上げましょう」

 

「なんでそんなに偉そうなんだよ、幼女女神様」

 

「なっ!?これは六祖封印の影響であって好きでこうなったわけでは……それより、これからどうするつもりです?まさか、策なしというわけではないのでしょう?」

 

 女神さまの言葉に、俺は大きく頷いた。

 

「まずは冒険者ギルドに行って冒険者の登録、そしてそのあと宿をとる、今日はここまでやるぞ」

 

「……前世で無職だったくせにそこらへんは頭が回るのですね」

 

「ぶっ飛ばすぞ」

 

 そんな言い合いをしつつ、俺たちはギルドへと向かった。

 幸いギルドへの道は女神さまが知っていたため、スムーズに向かうことができた。ギルドに入ると、併設された酒場で荒くれたちが酒盛りをしていたり、奥にあるボードで依頼の吟味をしているであろう冒険者の姿が見えた。

 

 おお!これ、めっちゃ異世界って感じがする!

 

 感動している俺に、入り口一番近くにいた女が話かけて来た。胸と股だけを隠した黒い衣服に身を纏い、頭にはおまけ程度の角、背中には服と同色の翼が生えていた。

 

「どうしたの、坊や、ここは冒険者ギルドよ、お○ん○んの皮も剥けない坊やは、帰った方がいいんじゃないかしら?」

 

「剥けとるわっ!ってそうじゃなかった。俺たちも、魔王軍に戦う冒険者になりたいんだ」

 

 最初の一言で少し虚を突かれてしまったが、体勢を立て直し、決め声で俺がそう答えると女性はふっと笑ってこちらを見据え……そして大声を張り上げた!

 

「ようこそ地獄の入口へ!ギルド登録の受付はあそこよ」

 

「ありがとう」

 

 そのやり取りを終えると、女神さまが近寄ってきて言葉を続けた。

 

「なぜ、あれほどにスムーズに会話ができるのです?しかもサキュバスなどに」

 

「そりゃ、異世界転生して冒険者になるシミュレー今なんってった」

 

 サキュバス!確かになんかすごいエロい感じはしたけれど!

 振り返ろうとした俺をしかし女神さまは引っ張って受付へと向かわせる。

 

「今は勝てませんが、必ず強くなって……ふふ、ふふふ」

 

 まぁ、そんなこんなありつつ、俺たちは冒険者登録が……。

 

「それでは、登録手数料として一人1000エリスをいただきます」

 

「え?」

 

 できなかった。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 突っ伏した俺に、幼女女神さまが呆れたように顔を向ける。

 

「先ほどまで頼りになりそうだったのに、やはり童○は童○ですね」

 

「ど、童○じゃねーよ!というか、こういうのは転生サービスで補填があるべきもんだろ?登録料と最初の宿代くらいは資金があったり、偶然強い魔物が表れて、覚醒した俺たちの力で魔物を倒して報酬をもらったりさ」

 

 そう言う風に愚痴ると、女神さまはため息をついて立ち上がった。

 

「本来であれば私が手を尽くすなどありえませんが、今回はあなたのために手を尽くしましょう。見ていなさい。これが私の力です」

 

 そう言うと、幼女女神が胸を張って近くにいた神官のような恰好をした初老の男性の所へと足を運んだ。そして、そのまま高らかに声を張る。

 

「聞きなさい、私の名前はイリアス。そう、創世の神イリアスとは、私のことです。もしあなたが私の信徒なら……少し喜捨することを認めましょう」

 

「……あの、私、アリス教徒なんですが」

 

 その時、ピシリッと空気が砕ける音がした。ギギギとイリアスは頭を揺らし、腰砕けになったかのようにしりもちをついていやいやと後ずさりを始めた。

 

「あ、アリス教……こコロ、殺されっ」

 

「ああ、待ちなさい」

 

 引き留めると、イリアスはもうこの世の終わりといわんばかりに顔面蒼白になりながら老人を見つめた。

 

「なんでも、アリス様とイリアス様は姉妹同士の関係らしい。これも何かの縁、ほれ、持って行くと良い」

 

「はっ、はっ、……はい?」

 

 投げ渡された硬貨の袋を、意味が分からないとばかりに呆然と受け取った女神さまに、老人はにこりと頷いから、少し厳めしい顔をした。

 

「しかし、いくら信仰心が高くても、女神さまを名乗っちゃいけないよ」

 

「はぃ、はい、すみません」

 

 女神さまは、その後フラフラの足取りで俺のいるテーブルに戻ってきた。

 

「なぁ、大丈夫か?」

 

「アリスって、邪神で、私が封印した神なのです」

 

「え?」

 

「わ、私、敵対してる神の信徒から、お金、お金貰っちゃった、は、ははは、はは」

 

「お、おいしっかりしろ!イリアス!」

 

 その後、俺たちはその金で冒険者登録をした。

 受付のお姉さんの目線がとても冷たかったのは、気のせいだと思いたい。

 




とりあえず書きたかったところ第一弾。
変更箇所
モヒカン男→エヴァ
アクシズ教→イリアス教
エリス教→アリス教

まぁ、アクア様変えるならエリス様も変えるよねっていう。
ただ、この変更によって某白髪のあの人とか、後半の展開がちょっとややこしくなるけど。

今後は本当に投稿未定です。

PS 何度か軽微なものから割と致命的なものまで修正しました。
  昔読んだ記憶で書いてるのがばれる。
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