この素晴らしい世界にもんむすを!   作:邪魅魑

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EP37 檻の中にいる

「はぁ……」

 

 俺は肌寒い牢屋の中で深い、大きなため息をついた。あの後名乗ったセナという女性について、俺たちの仲間も最初は庇いだてしてくれた。彼女の言葉で結局人的被害なくサキュバスたちは消滅させられたことが判明したというのも擁護に拍車をかけただろう。

 また、たまもがこちらの肩を持ったことによって、冒険者たちもその反駁に一緒になって抗議してくれた。

 だが、それもセナによって「国家反逆罪」であること、そして国家反逆罪は認められれば関与した人間にも「死刑」が求刑されることがあることを強調され、皆黙らざるを得なかったのだ。

 

 そんなこんなで連行され、取り調べを受ける前に一晩、この牢屋で過ごすことになったのだった。

 

 と、三角座りでうずくまっていると、外から誰かの声が聞こえて来た。

 

「うるさいな、分かっているさ!自分で歩く!」

 

「だから何でお前はそう喧嘩腰なんだ。もう少し神妙にしろ。神妙に」

 

 そんな会話の後カニ娘と一人の女が牢屋にやってきて、そして女が牢に入って来た。

 

「全く、そこで少しは反省するんだな」

 

「言われなくとも……っと、先客は……カズマではないか!」

 

「ベリア!?」

 

 声の主はベリアだった。

 

「おいおいおい、どうしたんだよベリア!あんた、牢屋入れられるような性格してたか?」

 

「あ、あー。その、だな。ちょっとやらかしたというかなんというか」

 

 目を逸らすベリアだったが、じーっと見ていると観念したように言葉を続けた。

 なんでもベリアは例のサキュバスさんの店に今日も行っていたらしいのだが、彼女の来店中に別の客が来店し、店主と話しているベリアを嬢と間違えて揉みしだいてしまったらしい。混乱したベリアはその男をひっかき、蹴飛ばし、首を絞めて殺害……まではいかなかったが気絶までは行ったらしい。

 流石に店側も見逃すわけにはいかず、ベリアが出頭することで手打ちにしたらしい。なお揉みしだいた野郎は起きてから「ご褒美です!」とのたまったらしい。

 

「ああ、そりゃ、災難だったな」

 

 俺がそう言うと、全くだ、とベリアも肩をすくめた。

 

「ところで、カズマの方はどうしたんだ?あ、いや、そう言えばテイラーが言っていたな。カズマがしょっ引かれたとか何とか」

 

「え?お前知人が逮捕されてたの知っててエロい店行ってたの?」

 

「逆に聞くが、大借金こさえて毎日ひーひー言いながら冒険に出てる知り合いがしょっ引かれたくらいで大騒ぎするとでも?」

 

 ……まあ、確かに冒険者は自己責任が基本。そんなもんなのかもしれない。

 あきらめて俺はベリアに事情を説明する。

 

 そこから話ははずみ、たった一人で震えるはずだった牢はなんだかんだ不安を感じることもなく楽しく過ごすことができた。

 

「さて、それじゃあ、寝るとするか」

 

 そう言って布切れを広げるベリアに、俺は慌てて抗議の声を上げた。

 

「ちょっと待てよ!二枚とも持って行くな!一枚は俺のだろ!」

 

「む、肌寒いのは苦手なんだが。……ここでは酒で体を温めることもできないしな。そうだ!こうすればいいじゃないか!」

 

 そう言うと、俺の天地は逆転し、柔らかいものに顔を埋めていた。

 

「せっかくだ、こうして寝れば、二人とも暖かいぞ」

 

 屈託なく笑うベリアの顔が俺の顔の上で輝く。ちょ、まて、まてまてまて、これって!?

 

「懐かしいな。竜人種は変温性だから、よく家族とこうして身を寄せ合って眠るんだ。お前もとっても温かいよ」

 

 そう言って頭をなでるベリアに我慢できなくなって俺はベリアを突き飛ばして窓際へと逃げ出した。

 

「そ、それはお前が使っていいから、さっさと寝ろよ!」

 

「そう言わずに一緒に……。あ……、わ、分かった。そ、その、私あっち向いてるから。うん」

 

 鷹揚に対応していたベリアだったが、不本意にも屹立した俺を見てしまったのだろう、一気に受け答えがぎこちなくなった。

 

((…………死にたい))

 

 多分その夜だけは、ベリアと同じことを考えたと思う。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~

 死にたいと思っていても、人間眠くなるもので、コツコツという音で覚醒をする。

 

「ん、寝てたか……って、なんだこの音」

 

 目を上げると牢屋の窓に金髪の天使の顔があった。

 

「カズマ!大丈夫ですか?」

 

「あ、ああ、何しに来たんだ?」

 

「そんな悠長なことを言っている場合ですか!国家転覆罪は最悪死罪になる重罪ですよ!さっさと姿をくらませてしまいましょう」

 

 そう言うと、窓から何かが降り注いできた。

 

「それは、最後のカギ、ありとあらゆるカギを開けることができるカギです。使い捨てですが、この牢を逃げるまでは問題ないでしょう。……っ!すみません。たまもに頼んで起こしてもらった爆裂魔法の目くらましも、もう効果を失ったようです。カズマ、外で待っていますよ」

 

 そう言って足早に飛び去る羽音を聞きながら俺は静かに最後のカギを拾い、そして牢にかかっているダイヤルロック式のカギを見つめる。

 ……鍵穴、ないんだが。

 

 一応、最後のカギというのはファンタジーの定番だ。だから、そう言った魔法的な何かしらでダイヤルロック式でもなんとかなるかと思い、最後のカギで錠を叩いたり、こすったりして見たが、やっぱり何ともならなかった。

 

 正直、俺が持っているとなんかやばそうなので、ちょっとどぎまぎしつつベリアの懐に最後のカギを押し込んだ後、ふて寝した。

 

 




 ちょっと裁判の所で考えているので、もうちょっと時間がかかるかもしれないです。

 それと、前回予告したアンケートを開始します。今回のアンケート、だいぶ先の話ですが、それに連動してとあるキャラの見た目も変わります。
 具体的に言うと、1を選ぶと熊の人形、2を選ぶとこのすばから変更なし、3を選ぶとミニシアエガみたいなオリジナル生物となります。

変更点
・不良冒険者の投獄理由を変更
・ピッキングツールを最後のカギに変更
・不良冒険者とのやり取りを変更

水の都、アルカンレティアでハンスさんと共に入浴していた相手の特徴に関するアンケート

  • 青いワンピースと熊の人形が特徴の少女
  • 緑の魔術師風ローブが特徴的な金髪の女性
  • 金■灰が混■る髪■の■■儀な■囲気■■性
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